思いのほか、感想と評価が来てくれてうれしかった。
「にゃ〜お〜」
「あら、また来たのね。待ってて今大好きなご飯持ってきてあげるから」
住宅街にある一件に建つ家。表札には「凛音」と刻まれている。
その家は一見すると普通の民家のように見えるが、その一室には大量の本が積まれており、また本棚も並んでいる。そしてその奥には机がありそこに一人の女性が座っていた。
猫の姿を見て、椅子から離れると
「おやおや、また来たのかい?」
「えぇ、この子ったらこの家が気に入ったみたいで」
女性に話しかける1人の男性。
そう、彼彼女らは夫婦なのだ。そしてこの女性は母親であり、男性は彼の父親だ。
凛音 真命の両親が時折やってくる動物達に餌を上げ、戯れていた。
母「凛音 冬華」は大の動物好きであり、小さい時から動物を飼っていた。
「猫ちゃん可愛い過ぎ~♪」
この通り、基本動物好きなので、何でも可愛いと評してしまい、この通り甘え上戸になってしまう。
そしてそんな甘えた顔も可愛く思えてしまうのが、父「凛音 正志」である。
「動物と戯れる冬華ちゃんも可愛いよ」
「もう~♪正志君ったら…褒めても何も出ないわよ~」
正志は冬華が抱きしめる姿を数秒間、見守った後、庭へ向かった。
彼等が暮らす庭はそれはそれは広かった。どれくらいかと言うと……うん、まあ広い
とにかく広くて綺麗な場所で、家族3人が遊ぶには十分すぎる広さだった。
「この木も立派に育ったな」
彼が触れる懐かしみを感じながら語っている相手は大樹だった。
父もまた、動物好きではいるが、大の植物好きで、小さい頃色々な植物を見つけては絵でスケッチしてみたり、自分で育てたりなど個性豊かな人生を歩んできた。
そんな最中、2人は出会った。
互いの趣味が何故か気が合う形となる。
それは二人の愛が生まれるきっかけでもあった。
二人は結婚し、産まれてきたのが凛音 真命である。
「ねぇ、正志君?」
「うん?」
「真命ちゃんが産まれてからよね?こんな色々な動物が遊びに来ることになったのって」
「そう言えばそうだな。僕も最初、この木頑張って植えさせたんだけど中々芽が出てこなくね。真命が産まれてから急激に成長したんだよな」
「そうそう!それで正志君がこの木に触れた時から色々仕事とか上手く行って大出世しちゃったのよね!」
「いやぁ、本当に不思議な事って起こるもんだな。この木を触ると何故か分からないが、自然と仕事頑張ろうってパワーが漲るんだよ」
「確かに大出世できたのはこの木のお陰かもしれないけど、それ以前に真面目で努力家な正志君が頑張ったからよ」
「そ、そうかな?」
「えぇ。だからそんなに謙遜しないで、自分に自信を持たなきゃ」
「冬華ちゃん♡」「正志君♡」
自然と和やか生まれた空間が2人を包む最中………
──ドシイィィィーーンッ!!!!!!
「ッ!?きゃあッ!?」
「冬華ちゃん!」
突如いい雰囲気をぶち壊してしまう地震のせいで転びそうになる冬華を正志が支える。腕の中にいた猫もするりと逃げ出す。
「びっくりしたァ~、ありがとう」
「どういたしまして、それにしても凄い地震だったな。」
揺れは数秒間起き始め、自然と治まり、震度はどれくらいだったのかとスマホで確認する
「真命ちゃん、大丈夫かしら?」
逃げ出してきた猫が再び戻ってくるのを見て抱っこしながら、息子の帰りを心配する母
──────────────────
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーッ!!!」
「ぐぅッ!?」
収まる気配のない無駄無駄ラッシュを容赦なく叩き込む真命。
オマエハドコヘモ…向カウ事ハナイ
特ニ真実ニ到達スルコトハ決シテ……
G.E.Rは連打する拳のひとつを五条の頬に押し付けながら「これ以上の抵抗は無駄」だと言う意味を込めて語る。
「ぐふっ!?(不味い、……だが隙はできた)」
今、この瞬間に"コレ"の手を退ければ領域展開は可能。
隙をついて……打ち付けてきた拳を素早く払いのけ
「領域展開!
無r「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァー!!」」
だが、そんな隙を与える程、G.E.Rと真命は甘くなかった。
どんな相手だろうと決して油断はせず、全力で相手を叩きのめす。
指で印相を作り上げる前にG.E.Rの方が一枚上手だった。
「『無駄ァーーッ!!!!』」
最後の一撃は重く、素早く、そして強くG.E.Rの拳を乗せて宙へと吹っ飛ばした
「(クッソ……負けちゃったわ)」
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「あ、あの五条さん?大丈b「ごめん伊地知、僕今機嫌悪いから話しかけないで」は、はい!」
車を走らせ、運転するのは五条と同じ所属の"伊地知潔高"
呪術高等専門学校補助監督を務める男だ。
彼がこんなにも心配そうに運転しながらバックミラーで五条をを見るのには理由があった。
それは五条の両頬にガーゼが貼られて、鼻血を止める為ティッシュで丸めて突っ込ませ、応急処置を施されているからだ。
所々、黒ジャージに泥が着いているのと顔の皮膚に切り傷が見える。
「(五条さんがこれ程の傷を負うって……"例の高校生"って相当手強かったんだろうな)」
真命のいる町まで五条を送迎したのは勿論、伊地知だった。彼に関しての情報は走らせながら少しだけ耳にしていた。
町の駐車場に止めて五条を下ろすと「すぐに戻ってくるから待っててねん♪」といつもの形で飛び去って行った。
あの調子ならば、すぐに戻ってくるだろう。もしくは彼は気に入った人を高専へ連れている状態で戻っているかだ。
どの道、すぐに戻ってくるだろう。いつものようにノートパソコンを開き事務作業を行なっていた。
遅い……遅すぎる
五条が車を出てから数時間経過した。
ノートパソコンによる事務作業も終えて後は買ってきた缶コーヒーを飲みながら携帯を弄っている、しかしどれ程待っていても五条が帰ってくる様子がなかった。
流石に数時間も待たせるだなんてこんな事今まで無かったぞ?
帰って来るのが遅すぎるのかいつの間にか不安と心配なってきてしまい、高専に電話をかけようとしたその時だった……
コンコン…コンコン
「五条さん!遅かったじゃないですか?今まで何処n
……えっ?」
窓を叩く音が聞こえ、やっと帰ってきたんだなと外の方を見た伊地知は一瞬で唖然してしまう
「ごめん……負けちゃった……」
それは全身傷だらけで脇腹を抑え、口や鼻血、または頬に切り傷が出来上がっている五条の姿だった。
この時見た伊地知は
「何が……あったんですか?……」
その一言に尽きる他なかった。
おおかた、自分で反転術式を全身に促したお陰かある程度の治療は済んでいた。後は額に包帯を巻いたり、頬にガーゼを貼ったりなどという応急処置をして、高専へ戻るため車を走らせた。
車に乗ってからは窓を開け、頬に手を乗せながらずっと外に向かって黄昏ていた。
「(先に学長に連絡したはいいものの、すっごい厳つい声で「着いたら詳しく聞かせろ」だなんて言ってたからな……)」
そんな事を思いながら伊地知はアクセルを踏み続けた。
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一体何だったんだ……あの子は?
応急処置を伊地知にしてもらった五条は車の中でずっと思考を繰り返していた。
呪力や呪術でもないあの力……
地面を拳で叩きつけただけで生命を吹き込ませ、大樹を創り上げた。
どの呪術でも存在しない芸当……そもそも呪術では無い
常に無下限呪術を纏っているため絶対に攻撃は届かない……筈なのに届いた。
普通に殴り飛ばしては、意識だけを暴走させる力
生命……
彼は地面に生命を吹き込むことで植物を作り上げた。
ならば、それを人間に与えるとどうなる?常に生命が吹き込まれている人間に与えてしまえば、どうなってしまう?
過剰になってしまいその結果、生命力が暴走をし始める……だから、意識だけ暴走して勘違いしてしまった。
なるほど、それなら筋は通る。
けど、問題なのはここからだ。
彼が生命を吹き込む能力があるとしてそれが無下限呪術を破る理由にはならない筈……
では一体何の原因で僕の呪術を破った?
オマエガ見テイルモノハ確カニ真実ダ
あれだ。僕が領域展開した時、動けなくなった彼の後ろに現れたアレだ。
恐らくアレが僕の呪術を破った原因。
それしか理由は見当たらない。
故に、領域展開を打ち消すなんてそんな事ある?
………いや、ちょっと待て
確かに僕はあの時、領域展開した感覚が残ってるけど、"戻された"
"戻された"…………まさかッ!!
五条は何故自分の領域展開が打ち消されてしまったのかずっと考えていたが、頭に電流が走ったかのように閃いた。
ある過程を浮かび上がらせて
「アハハッ……そういう事かぁ……でも、そんな事有り得ないでしょッ!」
「五条さん!?」
全てが繋がった事で何もかもが通り越してしまい、笑い始めてしまった。そのせいか伊地知はビクッと体わ跳ね上がらせてしまう
「ごめんごめん……いやぁ、伊地知やっと分かったよ!」
「な、何がですか?」
悟は目隠ししていた目隠しを少しずらし片目だけを見せるように
「僕が彼に負けた理由だよ」
───────────────────
「……死んではいないよね?レクイエム」
五条悟との勝負に見事打ち勝った凛音真命。
どれだけのラッシュを叩き込んだのかは覚えていないが、殺してしまったのではないかと不安で仕方なかった。
例え、勝負だったしても殺しは不味いと思った。相手がどれだけ強かろうと人間だ。
人間もひとつの生命を宿す生き物だから
両親に教えてもらった大切な言葉。その教えに背いてしまったのではないかと恐る恐る倒れている五条を見る真命
ゆっくりと彼の脈に手を当てた。
「フゥ……良かったぁ…焦ったァ~」
脈は動いていた。ただ単に気絶しているだけのようだ。
ガチガチと固めていた身体に暖かい空気に解れるようにほっとする。
「あっ、勝負の約束……」
勝負する前に約束していた事があった。それはもし、自分が彼に負ければ高専行き確定。しかし、高専に通うこと無く真命は勝利したのだ。
『逆に勝てば俺に関わらないと約束してください』
『うん。いいよ~、君が僕に勝てればの話だけどね~』
何故か故に買っていた録音機が役に立った。
勝っていて仮に向こうが起きていた状態で言い逃れしてくるようであれば、これを使うつもりだったが、その必要は無くなった。
「そういえば、1回意識失ったんだけど、もしかしてレクイエムが助けてくれた?」
「………………」
レクイエムは無言のままこちらを見つめているだけ。
意識を失った直後、何が起きたのか俺はわかっていた……いや、正確には既に知っていたと言うべきか
ゴールド・E・レクイエムの真の能力
それは攻撃してくる相手の『動作や意思の力をゼロに戻す』という究極の能力が備わっている。
これによって真命への攻撃や使用された能力などの干渉が無効化される。それは五条悟の領域展開ですら「なかったこと」になってしまう。
つまり、このスタンドの前に立つ者はどのような能力を持とうとも真命に対して「攻撃を行う」「能力を使用する」といったその行動によって実際に起こるはずの
能力の発動条件は至ってシンプル。G.E.Rが自動で行う……それだけだ。
レクイエム自身も自分が知っているからこそ言わなかったのだろう。
ひとつ心配だったのはもし、この人を殴り殺してしまったらとんでもない事になっていた筈だ。
今、それが起きていないからホッとしている。
もし、起きていたらこの人は今、『死より恐ろしい地獄を味わっている』という事になる。
「ありがとうレクイエム」
感謝の言葉を述べると、
プルルルッ……プルルルッ
「あっ、母さんからだ『ピッ』……もしもし?」
『真命ちゃん!?大丈夫!?今すっごい地震が起きたんだけど大丈夫!?怪我は無い!?』
(あっ……)
恐らく五条さんとの闘いの影響が広かったのだろう。
「うん、一応大丈夫だよ。今向かってるからもう少しで着くと思うから」
『本当!?良かったぁ~、真命ちゃんに何かあったら私心配で!』
「ありがとう。心配してくれて」
『当たり前でしょ!?私達の可愛い可愛い真命ちゃんよ!!
あっ、今日の夕食。真命ちゃんの好きなラタトゥイユだから!』
「ホント!?ありがとう!すぐに帰るから待っててね!」
通話を切り、木の陰に置いておいた鞄を背負い倒れている五条悟の真横を通りながら……
「では、約束通り……今後俺に関わらないでくださいね。さようなら五条悟さん」
二度と会うことは無いだろうと、挨拶を交わし真命はその場から去って行った。
あと、何話ぐらいで終わりにしようかな?