久しぶりに一万超えました
IF編・問題児のクラスへ
ゴールド・E・レクイエム!!
俺が叫ぶと、虚空から突如として現れ、目の前に群がるグロテスクな姿を持つ化け物に向かってパンチを繰り出す。
拳を食らった化け物は水風船の様に破裂、黒い液体が溢れ、身体についてしまった。
「気持ち悪……」
ベッタリと顔全体にかかってしまった俺はすぐさま持っていたタオルを拭いていく。
「今日はこれくらいか……少しはお父さんお母さんの体調も良くなるだろう」
時刻は既に真夜中…この時間帯は人々が寝静まっている頃だろう。
どうして俺がこんな夜遅くに外へ出歩き、人気のない森の中で化け物を倒しているかと言うときっかけは1ヶ月前に遡る。
前世の記憶を持つ俺は生まれながらゴールド・E・レクイエムと言うスタンドをこの身に宿していた。
俺は転生者と言う者だろう。それを発覚させたのは赤ん坊だった頃、目の前に現れたレクイエムの存在だった。
レクイエムは俺が前世の記憶に残っていたとあるギャングスターが組織を乗っ取ろうとする物語に存在していたスタンドだ。
話が逸れてしまったが、戻ろう。
俺が化け物退治を行なっていたきっかけ父親と母親の体調が急激に悪くなった事が始まりだった。
2人とも高熱で熱が一向に下がらない状況だった。病院にも診てもらったんだが、原因が分からないらしく一応、薬を貰って和らいだものの熱は下がらないままだった。
ずっと寝込んでいる父と母に冷えピタや氷嚢、ポカリスエットなどの取り替えを行っている時、ヒソヒソと誰かが笑っている声が聞こえ声のする方へ見てみると、それは人では無いものだった。
悪意のある笑い声……それを聞いた途端此奴らが元凶なのではないかとレクイエムを使って殴り潰した。
それが始まりとなって一日経てば、家中の化け物がうようよと群がっているのでひたすら無駄無駄ラッシュを繰り返しているばかり。
その化け物を倒すと両親の熱が急激に下がり始め、体調が良くなっている傾向が見られた。
だが、翌日になれば熱が再発してしまい、再度あの化け物達を倒さなくてはならない。
そういう終わりの見えない日々が続く中、俺は出会った。
夜蛾正道と言う男に
同時にそれは運命が変わった瞬間でもあった。
「この辺りの呪霊は君が倒したのか?」
黒い液体をタオルで拭き終えたと同時にレクイエムが飛び出し、何かを警戒していた。
その先にいたのは黒いサングラスに剃り込みのある強面の男性だった。
(え?……ヤクザ?)
その姿を一言で現すならそれだった。だが、本当にヤクザなのか信用しがたい物がひとつあった。
(可愛らしい人形とヤクザ……どういう組み合わせ?)
その人の傍には何とも可愛らしいぬいぐるみが数体二足歩行で立っていた。玩具とは思えない動きをしている。
「ジュレイ……と言うのは分かりませんが、そうですね。この辺りの化け物は俺が倒しました」
「そうか……見た所、君は呪術や呪力ではなくただ素手で殴っていたように見える。……天与呪縛の類か?」
テンヨジュバク?
何を言っているのか分からないが、恐らくスタンドの事を言っているのだろう
「それで、貴方はどうしてここに?まさか……危ない物の取引を」
「違う。そうじゃない。俺はとある学校で教鞭を執っているんだ」
「えっ?ヤクザでは無いんですか?」
「この見た目だから、そう思われるのも無理ないか。そうだ俺は教師で呪術師をやっている君も呪術師じゃないのか?」
さっきから意味のわからないワードばかり聞いて脳内処理が追いつけない。俺は取り敢えず何も知らない事を話した。
「何も知らないでこの森に潜む呪霊を祓ったのか。
凄いな。ここら辺の呪霊は2級以上の呪力を持つ呪霊達ばかりなんだが……」
「すみません。全然話が見えないんですが、分かりやすく教えて貰えますか?」
「あぁ。済まない」
俺は化け物達がなんなのかこの人にあれこれ聞いた結果、これらは「呪霊」と呼ばれており恨みや後悔、恥辱など、人間の身体から流れた負の感情が具現し意思をもった異形の存在。 呪いであるため一部を除きコミュニケーションは不可能で、総じて人間を容赦なく殺しに来るらしく、呪霊はこういった大勢の思い出に残る場所は負の感情の受け皿となり、呪霊が発生しやすいらしい。この森もそれに属している。
「ここの森で撮影していた動画投稿者が行方不明になった事から始まり、それにつられて多くの肝試しに来た若者達も同様に行方不明となった。それを調査しに来たんだ」
「成程、しかしその行方不明になった人らしい人は見かけてませんね。ずっと呪霊を殴ってばっかりでしたから」
「やはり、既に……」
そこから先何を言おうとしたのか俺にもわかった。彼も恐らくそれを分かっていて口を止めたんだろう。
「すまない…自己紹介が遅れた。俺は東京都立呪術高等専門学校で教鞭を執っている夜蛾正道と言う者だ。君の名前を聞かせてくれないか?」
「真命です。凛音 真命と言います」
「凛音 真命……君はどうしてこんな所に」
「実は……」
俺はこれまでの経緯を夜蛾さんに片っ端から訳を話した。
「成程、ご両親が呪いの影響を受けて高熱状態が続いている……か」
「はい。此奴らぶっ飛ばせば治るんじゃないかと思いまして」
「確かにそうかもしれんが、それは難しい事だ」
「えっ?どういう事ですか?」
「ここらの呪霊は確かに祓われたが、まだこの街一体に呪霊がわんさかだ。
中には疫病を撒き散らす呪霊も含まれている。ここにいる限り、ご両親の体調は元に戻らないだろう」
「まじか……」
じゃあ、これまでの1ヶ月は何だったんだと額に手を乗せながらガッカリしてしまう俺。この森の近くに俺の住んでる家があってそこを叩けば治るのかと思っていたが、街全体に呪霊が無数に存在しており、全部祓わなければ治らないらしい。
そんなに時間を掛けてしまえば、最悪両親が……考えたくもない
「焦る必要は無い……治療法はある」
「治療法?」
「そうだ。さっきも言った通りここにいる限り、体調は治らない……ならばここを離れれば影響は受けにくくなり、次第に体調も良くなっていく」
「離れるって……そんな引っ越しする余裕も無いですよ。無理に動かしたくありませんし」
「そこで私に提案がある。凛音 真命、高専に通わないか?」
「高専ですか?」
「そうだ。我々呪術師はいつだって人手不足。その面が無いわけじゃない。だが、君のように才ある若者に正しい方へ導くの私達の仕事でもある」
「成程……」
「君の御家族の治療が出来るよう、此方が色々と手配する。その代わり、君が高専で呪いとは何かを学びながら呪霊を祓って貰う。どうだ?」
確かに悪くない条件だ。このまま街全体にいる呪霊を祓うより、引っ越しをさせた方がいいと思うが……
いや、迷っている暇なんてないか。父さんと母さんが元気になればそれで……
「分かりました。その条件を飲みます……父と母には追って説明します。ただ、動かす時は丁重に扱って下さい」
「あぁ。負荷はかけさせない」
「それと、自分からもひとつ条件があります……仮に、父と母の身が危ないとなったら、俺は其方を最優先にします。誰が死ぬ事になっても……それでもいいですか?」
「構わない。では、君を改めて歓迎するよ。入学手続きは此方が全てやっておくから君は早く、ご両親の傍にいてあげなさい」
「はい。ありがとうございます」
頭を下げた俺はこうして呪術師の世界へ足を踏み入れた
──────────────────
「今日から此方の高専で呪術師として通う事になりました凛音 真命です。よろしくお願いします」
頭を下げ、目の前に座る3人に自己紹介をする。
「先生ー!コイツ全然呪力無いんだけど大丈夫なの?」
「こら悟。初対面の子に失礼だろう?この子もそれを自覚してやってきてるんだ。ちゃんと優しく歓迎しないと駄目だろ?」
「はぁ~、お前ら自己紹介してやれ」
夜蛾先生から事前にこの3人のことの話は聞いていた。どれも問題児と称しており彼等の行動には手を焼いていると聞いている。
「いやいや、呪力のない雑魚に自己紹介して意味ねぇだろ。どうせすぐ死んじゃうんだからさー」
白髪・丸型の黒サングラス。そしていかにも相手を雑魚呼ばわりしている生意気な男。
彼は五条家の奇跡の申し子、五条悟。
受け継がれる、初見の術式の完全看破と、呪力を視ることが出来るという特異の眼、六眼。そして五条家相伝の術式である無下限術式。数百年ぶりという完璧な抱き合わせに加え、五条家が生み出した最強の怪物
「悟。そんな事言っちゃ駄目だろ?可哀想だ。本当に彼がすぐ死んでしまうかもしれないよ?」
隣は黒髪の長髪で耳に大きめのピアスを付け、フォローしてるかもしれないが実際は此方を煽っているようにしか見えない言い方をする男。夏油傑
一般家庭出身という身で在りながら、彼は世にも珍しい呪霊を操る術式である呪霊操術を持ち、取り込めば階級の制限無く自由に呪霊を扱うことが出来るのだという。
「もう~、転校初日に弱い者虐めはやめなって」
そしてどうしようもない2人をだらりと頬杖ついて興味なさげに見つめるショートヘアに右目に泣きぼくろを持つ気怠げな雰囲気の女性。家入硝子
彼女は唯一無二の反転術式の使い手で、更にはその反転術式を他人に施せるという呪術界きっての超稀少なヒーラーである。
確かに夜蛾先生の言った通り、此奴らやばい……ヤバみしかねぇ。
1人は堂々と見下すし、1人は煽り上手で、1人は気怠げだし
(まぁ、この2人よりはマシか)
「すまんな真命。此奴らは思った以上に問題児でな」
「いえいえ、個性的で良いじゃないですか」
額に手を乗せてる……苦労してそうだな。この人も
「いや、お前が思っている以上なんだ。何せそこの悟と傑は入学初日に校庭のグラウンドを崩壊させたり、硝子は喫煙と飲酒してる」
前言撤回、ただのやべぇ奴らだったわ。
えっ?初日にグラウンド崩壊?未成年なのに飲酒と喫煙?法律って知ってるか?
もう、頭ん中が不安で溢れてきた。大丈夫かこれと思っていたが、夜蛾先生には恩があるし、沢山祓えば給料貰えるって話だし、全然いいだろう。
「それじゃあ真命。窓側の席だ」
「分かりました」
そう言われ、俺は用意されていた席へ座っていく。
「よろしく~」
「よろしくね」
隣に座る家入さんが挨拶をしてくれたので、返事をする。
「ではこの後だが、体術の授業を行う。全員ジャージに着替えてグラウンドに集合だ。遅れるなよ」
そう言って夜蛾先生は教室から出ていくのを見送り、俺は用意されていたジャージに着替え始める
「ってあれ?五条君と夏油君、家入さんはジャージ着ないの?」
俺だけ着替えているのに他の3人はすぐさま教室を出ていこうとした。
「あ?気安く名前で呼ぶなザコ。てか呪力も呪術もないザコと仲良くする気はねーから」
「悟。気持ちも分かるが可哀想だろう?彼は私達の事を心配して言ってるんだ」
(えぇ~……やべぇ此奴ら)
何も言い返せなかった。と言うより言い返す言葉さえ見つからなかった。心配したというのに逆に貶された。
真命此奴ラハ痛イ目ニ遭ワセルベキダ。ト言ウカ私ガヤッテイイカ?
レクイエムがブチ切れている。普段仏頂面で表情が見えないスタンドだが、オーラが半端ない。
五条君と夏油君が教室が出ていく中、家入さんだけがピタッと止まり
「大丈夫なの?君」
「ん?何が?」
チャックを締めながら家入さんの話を聞く。
「転校初日、あのクズ共に散々言われてるけど」
「まぁね気にしてもいないし、さっきも言ったけど個性的な集まりなんだなって思ってるだけ」
正直、怒りは感じなかった。レクイエムは以下にも殴りそうな雰囲気を出しているけど
「クズ共の味方をするつもりはないけど、呪力や呪術もない君ではこの先、生き残れる可能性は低いと思うよ」
「確かにね、でも俺は夜蛾先生には恩があるから」
「恩を返すつもりで呪術師やるならやめた方がいい。この世界…君が思ってる程甘くない」
そう言い残して、教室のドアを閉めて出ていった。まるで否定するかのように
真命…アノ女モ殴ッテイイカ?
(いいや、彼女は間違った事は言っていない。実際に夜蛾先生も言っていたように呪術師は悔いのない死なんてないよ)
綺麗事だけではやっていけないのが呪術師だ。今俺が立っているのは入口付近。まだ本格的に呪術師として活躍すらしていない。
勿論、最初は戦う気なんて全くなかった。両親が高熱さえ発しなければこうはならなかったのかもしれない。
時折、そんなことを思ってしまうが決して口には出さないようにしている。言葉は刃物だから、言った事は決して取り消す事などできない。
いや…元よりこうなる運命だったのかもしれない。
時計を見てみれば、授業開始まであと数分だ。
「でも、俺は覚悟の上でこの高専に入ったんだよな」
俺は常に呪霊との戦いで命のやり取りを続けてきた。自分のスタンドがレクイエムだからといって慢心する訳には行かない。
どんな時でも油断せず、常に全力を持って戦ってきた。いつ自分が死ぬか分からない。「毎回毎回これが今日も死ぬかもしれない」そんな覚悟の上でやってきた。
その信念は高専に入ってからも変わらない。ここに入ってしまえば死ぬ確率が更に上がる。これから任務だってあるんだから
「覚悟は決めた。後はそれらをやり通すだけだ」
振り返り、気持ちをリセットしてから俺は教室を出ていった。
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─夜蛾正道side─
彼が心配だった。
自分が担当するクラスは問題児の巣窟。ましてや呪力や呪術がない転校生。
しかし、天与呪縛の類のものなのか彼は呪霊が見える体質で素手で2級以上の呪霊を何体も祓っている。
それに彼は妙な事を言っていた。
『夜蛾先生には見えますか?俺の隣にいる存在が』
何を言っているのか分からなかった。彼の隣には何もいないし、呪霊もいない。
『どういう事だ?お前の隣には何も見えんぞ』
『そうですよね……じゃあ、これを見て貰えますか?』
真命が地面に触れた瞬間……それは突如として出てきた。
巨大な植物がニョキニョキと成長し、大樹へと変わり果てたのだ。その時の光景は未だにも忘れられない。
最初は術式か何かと思っていたが、彼には呪力や呪術もない。恐らく天与呪縛の類かと思っていたが、彼が言うには生命エネルギーを吹き込み、生命を産まれさせる事ができるらしい。このような異例は今まで見た事がない。
『呪術界において、天与呪縛の類に属するかもしれないが、これは異例過ぎる。もしかすれば、呪霊との戦いで役立つかもしれない』
『本当ですか!?俺頑張ってみます』
教室に案内する前に見て欲しいとあれこれ言われ、見ることになったが唯一気になっていたのは彼の隣にいるナニカだった。
しかし、私はその姿を認識する事が出来ず彼にしか見れないらしく、彼曰く呪霊ではなく守護霊の様なモノが常にいるらしい。
『今まで、呪霊を祓えたのはここにいる守護霊のお陰なんです。俺は最初怖くて戦えずずっと守護霊が祓ってくれたんです。
それで、いつまでも守られている訳には行かないので俺も覚悟を決めて戦ってきたんです』
彼はこんなに凄い守護霊がいるのに決して慢心などしない…そんな風貌を思わせた。自分も戦う決意をし、これまでに生き残ってきた。全ては家族の為に……
そんな彼が今、五条家が生み出した最強の怪物「五条悟」と模擬戦を始めようとしていた。
恐らく、今の彼では悟に勝つのは難しいだろう。何より五条家の相伝術式にして五条悟の生得術式「無下限呪術」を発動している。それを使いこなす為の「六眼」も備わっている。
だが、最初は負けてもいい。無理に勝とうとは考えなくていい。少しずつ呪いとは何ぞやを学んで祓えばいい。
そう思いながら私は組手開始の合図をした。
「傑がさ。手加減だのあーだこーだ言うから最初、俺は一歩も動かない。好きなように攻撃していいぜ?まぁ、雑魚のお前に無理だろうがな」
全く、悟の奴……まぁ、初めてだから彼なりの優しさでもあるんだろう。
だが、言い方は考えて欲しかった。
「分かった。じゃあ行くよ」
真命は五条に目かけて駆け始め、右の拳で叩き込む。
その瞬間思いも寄らない出来事が起きた。
これは私だけでなく、傑や硝子も同じだった。
「ッッッ!?」
何せ、彼の拳が五条の頬に
「『無駄ァ!!』」
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五条君がハンデをくれたのか最初自分は何もしないから、好きに攻撃していいよって言ってくれた。
だから、遠慮なく五条君の頬に目掛けてストレートパンチを繰り出し、命中してはそのまま殴り飛ばした。
「ッ!?ガッハッ!?…はぁ、はぁ、はぁッ!?」
殴られた事に関して驚いているのか、殴った箇所を抑えながら唖然としている。
「五条君が好きなように攻撃していいって言うから攻撃したんだけど……大丈夫?」
「テメェ!何でザコの癖に俺に
あれれ?もしかして殴られたから怒ったの?いや、器小さくね?体術の授業なんだから殴られるのは当然じゃないの?
「何でって普通に
真命からの観点からすれば触れたから殴れたと済まされるが、周りからすればそうはいかなかった。
何せ五条悟は彼に殴られる前に無下限呪術を発動していた。
無下限呪術と言うのは五条家の相伝術式にして五条悟の生得術式。
本来至る所にあるという「無限」を現実に持ってくる術式。 無限は不可視のエネルギーであり、触れようとすると空中で静止していると感じるほど遅くなっていき、結果として術者に触れることができなくなる。
これが五条悟が最強と呼ばれる理由の1つでもあるが、それが打ち破られるなんてこの場に全員が予想できただろうか?
本当の事を言ったせいか、五条君は青筋浮かべて睨み始めた。
やべぇ、キレてるよ。
五条君は口から出血している所を手で拭い、次の瞬間、物凄いスピードで接近してきた。
「泣かすッ!!」
怖ァッ!!
てか、五条君身体能力凄いな。一気に距離詰めてきたよ。
俺は五条君の猛攻を受け流しながら、いつ攻撃を仕掛けるか考える。
レクイエムと戦ってきたせいか、身体能力が上がっており、普通に捌き切れる。
そして、隙ができたコンマ数秒のうちにレクイエムの拳と同化させて頬に打ち込む。
「ガフッ!?」
「鋭い痛みをゆっくり味わえ!」
2回目の殴り飛ばしが入り、五条は吹っ飛び受身を取る事に失敗したのか地面に転がってしまう。
「悟!」
「……ァア!!大丈夫だ傑!こんな雑魚すぐに」
さっきから人を雑魚呼ばわりして…流石にイラッて来たな。
「五条君その雑魚にコテンパンにされてるけど大丈夫?」
「あ"?まぐれで殴れたからって調子に乗んなよ」
めっちゃキレてるね。でも、殴られた事に変わりは無いでしょ?
「確かに強いよ五条君は」
「あ"?」
「確かに五条君は強い。事前に先生から聞いてるよ、ここに来る前に多くの呪霊を祓ったんだってね。それは凄いことだよ……けどさ
五条君はさ、自ら最強を名乗ってるけど同時としてそれなりに『覚悟して』言ってるんだよね?」
「は?……何言ってんのお前?」
「最強を名乗ってるって事はさ、逆にいつか自分より上の最強にやられるかもしれないという危険を常に覚悟してるって事だよね?違う?」
幾ら最強とはいえ、それが未来永劫約束されている訳では無い。どんな強者であろうと弱点はある筈だ
「俺と傑がやられる?んなわけねぇだろ!!」
「現に五条君、2回も殴られてるけどそれでも最強って言える?」
「ムカつくなァ!!!テメェ!!」
は?
「─────ムカつく?」
五条の一言に俺の中のナニカがプッツンと切れた。
彼はこう言った「ムカつく」と
それは言ってはいけない
さっきまで、五条君や夏油君に罵倒雑言されて隠してはいたが、密かに怒りも湧いていた。
しかし、これから一緒にやっていく仲間なのだから亀裂は入れたくない。だから心の奥底にしまっておいたのにそれが今では火山のように溢れ出ている。
真命の殺気、そして表情がどうなっているかと言うとそれはこの場にいる全員の背筋を凍らせる程の冷酷で仏頂面な表情だった。
一見、無表情に見えるかもしれないが、彼から溢れ出る殺気、獰猛で荒々しく攻撃的なモノ
普段は怒る事自体まず無い。ここまで切れたのは彼のような人間がいると初めて認識したからであろう。
「ウッ!?」
俺は咄嗟に五条の制服の襟を力強く握り、引っ張り、殺気の籠った瞳で睨み続ける。
「……ッ……な、なんだよ?」
「さっきさ、五条君ムカつくとか言ってたよね?なら、その言葉そのまま返すよ。
本当はね五条君やら夏油君やらの態度見て、密かに怒りを感じていて思ったんだ。
「こんなにも失礼な
それでもね、仲間だから怒らない事にしたんだよ。
事前に夜蛾先生から五条君達の事は少し聞いてるし、強いんだなって、だから着替える必要はないんだなって、理由があったと思ったから怒らなかったの。
で、体術の授業を初めて行う自分にとって初めてだから、気を利かせてくれたんだなと思ってハンデをくれたにも関わらずこのザマだ。
お前さ、マジ何なの?」
「ッ!?」
「流石にさ、もう我慢出来ないわ。まぁ俺は呪力や呪術もないから君がそう思うのも無理は無いよ………だから、見せてあげるよ。
君という最強が俺という雑魚にやられるって言う瞬間を!!!」
襟を握っていた手に更なる力を込め、
「…ッ!?調子に乗るんじゃ」
五条君が何かを言い終える前に俺は力強く
「真命ッ!」
夜蛾先生が止めようと走ってくるが、
「心配いりませんよ……俺、
人は殺せないので……」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
力強くレクイエムの腕と同化して、五条君の襟を掴み首ごと、死なない程度に無駄無駄シェイクを繰り出す。
五条君はシェイクされている事により脳が揺れてしまい、身体に力が入らないので抵抗する術がない。
何回かシェイクした後、空いてるもう片方の手の指を1本ずつ握っていき拳を作っていく。それが何を意味するのかシェイクされた五条はすぐに理解したが、
「ま、待っ」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」
「WRYYYYYYYYYYYY───ッ!!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
自分でも数え切れない片手版「無駄無駄ラッシュ」を五条君の顔面叩きつけ、最後に少し宙に浮かせてから最後の一撃を叩き込んだ。
やりすぎてしまった……後で謝ろう
花京院との承太郎の戦闘を再現してみました