リュウダ達がブラドー討伐の仕事を終えて日本に帰国してから数日後。リュウダの元に冥子から急ぎの仕事があるという連絡がきて、彼は学校を休んで朝から冥子の元へ向かった。するとそこには冥子だけでなく美神と横島とおキヌ、チェリーとサクラの姿があった。
以前諸星に取り憑いた三人羽織を退治した時と同じメンバーで仕事をすることになったリュウダは、何やら嫌な予感がして今回の仕事の内容を冥子に聞くことにした。
「あの、冥子先生? 今日、俺達は一体何をするんですか?」
「今日はねー、皆で卵を探しに行くのよー」
「卵?」
「卵と言ってもただの卵ではないぞ」
冥子の言葉にリュウダが首を傾げていると、サクラが詳しい事情を説明する。
「その卵というのは『ナイトメア』という人間の夢に取り憑く妖魔を封印したものでな。今まで行方が知られていなかったのじゃが、つい最近発見されたのじゃ。発見された当時、卵の封印がだいぶ弱まっており、封印を強化するためにワシらの元に運ばれる予定じゃったが、運んでいる途中でいきなり卵が消えたという連絡が入ってきたのじゃ」
「恐らく封印が弱まった隙をついてナイトメア自身が卵を移動させたのであろう」
サクラの言葉をチェリーが引き継いで言う。
ナイトメアは「極楽大作戦!!」に登場するサクラが言った通り人間の夢に取り憑く妖魔である。原作では除霊にきた美神に逆に取り憑いて行動不能にしただけでなく、彼女を救うべく式神の力で美神の精神世界に入って冥子達を、美神の力を利用して散々苦しめた強敵であった。
「それでナイトメアの封印が完全に解ける前に卵を回収しなくちゃいけなくて、私達はその手伝いに呼ばれたってこと。……その代わりサクラ? ナイトメアの再封印のギャラとナイトメアにかかっている高額の懸賞金、ちゃんと分け前はもらうからね」
「……ハァ、分かっておる。いい加減しつこいぞ」
美神がここにいる理由を説明してからサクラに今回の仕事の報酬について言うと、すでに同じことを言われていたようでサクラが疲れたように返事をした。
そしてその後、リュウダ達は目的の霊体を探すのに使う道具の「見鬼くん」や占いなど使いながらナイトメアが封印された卵の行方を追っていき、数時間かけてたどり着いた先はリュウダと横島が通う友引高校であった。
「……なあ、何だか嫌な予感がしてくるんだけど?」
「……奇遇だな? 俺もだ」
リュウダが嫌そうな顔で友引高校を見ながら言うと、その横で横島も嫌そうな顔で友引高校を見ながら答える。そしてリュウダと横島は一度だけ顔を見合わせると再び友引高校の方を見る。
「……もしかして、だけど、諸星の奴は関わっているのか?」
「……諸星だったらあり得るかもな」
チェリー曰く、この世の全ての不幸を背負ったような運命を負った諸星はこれまでも様々なトラブルに巻き込まれている。だから今回の件も諸星が何らかの形で関わっているのではないかとリュウダと横島が話していると、突然友引高校の敷地内に大きな影が生じた。
友引高校の敷地内に生じた大きな影は信じられないくらい巨大な卵でその上には……。
「大きくな〜れ。天まで届け〜」
『『………』』
丁度リュウダと横島が話していた諸星が乗っていてヤケクソ気味に歌っていた。二人はそんなクラスメイトをしばらく見た後、揃って自分達の雇い主へ振り返って話しかける
『『冥子先生/美神さん。頭が痛くなったんで帰ってもいいですか?』』
「えー? それはちょっとー?」
「気持ちは分かるけど我慢しなさい」
「頭痛なら後でワシが頭痛薬を処方してやるからもう少し付き合わんか」
頭痛を堪えるような表情をするリュウダと横島に冥子と美神は困ったような表情で言い、続いてサクラが自身も頭痛を堪えるかのように額に手を当てながら声をかける。するとその時……。
「あっ、卵が……!」
「皆! 気をつけい!」
おキヌとチェリーの言葉にリュウダ達が諸星が乗っている巨大な卵の方を見ると、卵の殻にヒビが入ってそこから眩い光が溢れ出たのだった。