諸星の心の世界の旅は過酷を極めた。
人間を襲って食べる様な凶悪な生物こそいなかったが、隙あらば女性にセクハラをしてくる動植物ばかりで中々心が休まる暇がなかった。そんな生活を送って三日目、食虫植物のような巨大な植物が諸星と横島を食べたかと思うと、植物は諸星と横島の顔を生やした恐竜の様な怪物となり、リュウダが美神達の力を借りてその怪物を倒すと心の世界は消えて元の世界に帰ることができたのであった。
そして現実世界に帰ってから数日後。ゴーストスイーパーの仕事を終えてリュウダが家に帰る途中、空き地でキャンプをしていたチェリーが彼に気づいて話しかけてきた。
「おお、リュウダよ。丁度よいところで会ったな。お主、これから数日間、時間を取れるかのう?」
「チェリー殿? 数日間とはどういう事ですか?」
「ワシとお主が初めて会った時のことを覚えておるか? もしお主が更なる力を望み修行をする気があるのなら、ワシが良い場所に連れて行ってやろうって言ったじゃろう?」
「……ああ、そう言えば」
リュウダは諸星に取り憑いた三人羽織を倒した時、チェリーに言われた時のことを思い出す。
「先日のブラドーの一件で、お主ならば彼処の修行にも耐えられると思ってのう」
「彼処? チェリー殿、一体何処で修行をするつもりなんですか?」
「うむ。妙神山という霊格の高い山にある修行場じゃ」
「妙神山!?」
チェリーの言う修行場を聞いてリュウダは驚き目を見開く。
妙神山とは「極楽大作戦!!」に登場する神が管理している修行場で、美神もそこでパワーアップするために修行したことがある。そしてそこで管理人である神と知り合ったことを切っ掛けに、美神は大きな戦いに巻き込まれていくようになり「極楽大作戦!!」でかなり重要な場所であるのだった。
「ほう。妙神山を知っておるのか? それなら話が早い。それでどうする? 妙神山の修行は厳しく、下手をすれば命を落とす危険もあるが、間違いなく更なる力を得られるじゃろう。……行ってみるか?」
「………! 行きます!」
チェリーの言葉にリュウダは即答した。
リュウダがゴーストスイーパーの仕事をしているのは、過去に無免許でゴーストスイーパーの真似事をしたことの償いでもあったが、一番の目的はソウルを集めるためである。現実世界とダークソウルの世界の両方の世界でソウルを集め、それを使ってクラーナから全ての呪術を教わり呪術を極めるのがリュウダの目的である。
その事からリュウダにしてみれば、妙神山で修行をすればソウルを得られるだけでなく呪術の威力が増すことが期待できるため、断る理由がなかった。
「ホッホッホ……。お主ならそう言うと思っておったぞ。では明日、早速妙神山に向かうぞ」
「はい、分かりました」
即答するリュウダにチェリーは頼もしそうに笑いながら言い、リュウダはそれに返事をすると妙神山へ向かう準備をするべく自分の家に急いで帰った。そしてアパートの前で彼は、何やら大量の食料を両手に持った横島と鉢合わせした。
「あれ、横島? どうしたんだ、その食料は?」
「おお、藤沼か。いや、実は明日から美神さんと一緒に妙神山って山に行くことなってな。その準備で食料を買ってきたんだよ」
「………えっ!?」
横島の言葉にリュウダは思わず固まる。原作で美神は妙神山に修行へ行ったのだが、そこで大きなトラブルを起こしており、横島から美神も妙神山へ行くと聞いてリュウダは嫌な予感を禁じ得なかった。