病み村よいとこ一度はおいで!   作:兵庫人

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第38話

 その後。リュウダ達に美神達は早速小竜姫の修行を受けることになった。

 

 ちなみに原作の美神は、ここで小竜姫の力を見誤って無礼な態度を取り格の違いを思い知らされるのだが、リュウダと小竜姫の剣の試合を見ていたためその様なことはしなかった。だが横島は……。

 

「えー、それではまず着替えを……」

 

「帯ほどくの手伝います!! これっスね!? 行きますよ!!」

 

「私に無礼を働くと仏罰が下りますので注意してくださいね!!」

 

「うわちっ!!」

 

 と、原作通りのセクハラを小竜姫に行い、危うく彼女に斬り殺されそうになっていた。これには原作を知るリュウダですら呆れ顔となる。

 

「横島は何をやっているんだ? 命がいらないのか、アイツは?」

 

「神にまであの様なことをするとは……。 あそこまで煩悩に忠実であれば、もはやあっぱれとしか言えぬな……」

 

 リュウダの呟きに隣にいたチェリーも頷く。

 

 しかし原作ではこのセクハラがきっかけで小竜姫が横島の素質に気付き、それが回り回って今回の美神の修行が成功するのであった。実際、今も小竜姫は横島を興味深そうな目で見ているし、今のところ原作通りに進んでいることにリュウダは内心で頷いた。

 

「それで、当修行場にはいろんなコースがありますけど、どういう修行をしたいんですか?」

 

「そりゃ決まってるわ! なるべく短期間でドーンとパワーアップできるやつ! この際だから唐巣先生より強くなりたいわね」

 

 修行場でリュウダと美神、オマケに横島が修行着に着替えると、小竜姫が修行のコースを聞いてきて、美神が原作通りに答える。そしてリュウダは少し考えて答える。

 

「……そうですね。俺はダークソウルの力をもっと使いこなしたいですね」

 

「え? 藤沼、お前、もうそのダークソウル? の力を使えているだろ?」

 

「いや、それはそうかも知れないけど……まだ完全に使えてない気がするんだよ」

 

 横島の言葉にリュウダはあいまいに答える。

 

 今リュウダが使っている武装は「前世のダークソウルの記憶を再現したもの」であるが、この世界に転生してからダークソウルで得た武装やアイテムは使えていなかったし、そもそも使おうという発想すらなかった。しかし小竜姫からダークソウルのことを聞いてリュウダは、これまでダークソウルの世界で得た武装やアイテムも使えるようになりたいと思ったのである。

 

「ふむふむ、なるほど……。分かりました。二人にピッタリの修行法があるのでそれをやりましょう。……こちらへついてきてください」

 

 そう言うと小竜姫はリュウダ達を、床に大きな魔法陣らしきものが描かれて、それ以外は椅子がいくつかあるだけの殺風景な部屋へ連れて行った。

 

(なんだこの部屋……? 原作とは違うぞ?)

 

 リュウダが原作とは違う展開に戸惑いながら周囲を見回していると、小竜姫がリュウダと美神に話しかける。

 

「お二人にはここで修行をしてもらいます。……はぁっ!」

 

 小竜姫が気合いの声と共に床の魔法陣に力を与えると、それと同時にリュウダからは黒いローブを羽織って両手に刀とトゲの生えた盾を持った人影が、美神からは彼女をモデルにした女戦士のような人影が現れる。

 

「これは……!?」

 

「これは『影法師(シャドウ)』と言って、貴方達の霊格を初めとした様々な力を形にした分身のようなものです」

 

 美神に影法師について説明した小竜姫は、続いてこれからする修行の内容を説明する。

 

「これから美神さんと藤沼クンの意識を影法師に移した後、藤沼クンのダークソウルの力と記憶を元にした異空間に送り込みます。そしてそこにいる敵を倒して異空間を突破すれば更なる力が得られます」

 

「え……!?」

 

 小竜姫が口にした修行法は原作には全くない完全に予想外な展開で、リュウダは思わず表情を強張らせる。

 

「ちょっ、ちょっと待ってください! 今からダークソウルの世界に行く!? そんなことを急に言われても心の準備が……!」

 

「では行きますよ。……はっ!」

 

 リュウダは慌てて待ってもらおうとするが、小竜姫はリュウダの言葉を聞いておらず早速修行を開始する。

 

 小竜姫のかけ声と同時に周囲の景色が代わり、リュウダが周りを見るとそこは、北の不死院でリュウダが囚われていた牢獄の中であった。

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