「ふぅ……。やっと着いた……」
ダークソウルの世界で病み村を出たリュウダは、全ての不死者が最初に訪れて巡礼の旅の拠点となる火継ぎの祭祀場にやって来ていた。
「それにしてもあの厄介な高低差が激しいマップに迷路みたいな最下層を越えないと来れないなんて……。やっぱり病み村は厄介だよな。流石は歴代ダークソウルシリーズで嫌われマップの上位になるマップだよ」
一応、火継ぎの祭祀場と病み村をつなぐショートカットは存在するのだが、そのルートを使用するにはとあるアイテムが必要で、そのアイテムを持っていないリュウダは面倒な正規ルートで病み村から火継ぎの祭祀場に戻ってきたのだ。この行きの面倒さも、病み村が不人気な理由な一つだとリュウダは改めて理解した。
そんなリュウダの独り言を聞いてある人物が彼の存在に気づいて話しかける。
「よぉ? 久しぶりだな」
リュウダに話しかけたのは、瓦礫の上に腰掛けているチェインメイルを着て無精髭を生やした中年の男であった。
「あっ。青ニートさん、お久しぶりです」
「アオニート? 何だそりゃ? ……まあ、いいか。それにしても最近見なかったから、もうくだばったかと思ったぜ?」
リュウダがネット上の数多くのダークソウルプレイヤーが呼んでいる名前で中年の男に話しかけると、中年の男は首を傾げた後に疲れたような笑みをリュウダに向けた。
「ええ、まぁ……。実は病み村で少し修行していたんですよ。それでそろそろ巡礼の旅を再開しようかと思いまして」
クラーナ達のことを隠して巡礼の旅を再開したこと言うリュウダに、中年の男は怪訝な顔となる。
「何だ? お前、まだ巡礼の旅を諦めていなかったのか?」
「巡礼の旅を最後までするつもりはありませんよ。ただ……ん?」
「あん?」
中年の男の言葉にリュウダが巡礼の旅を再開した理由を言おうとした時、二人は上空から何か音が聞こえてきたことに気づき、二人揃って上空を見上げた。すると……。
「〜〜〜〜〜!」
『『………!?』』
上空からあるものが勢い良く地面に落ちてきて、リュウダと中年の男はその空から落ちてきたものを見て絶句した。
上空から落ちてきたのは、身体が干からびた人だった。その姿から見て恐らくは不死者だろう。
それはまだいい。この火継ぎの祭祀場は、巡礼の旅に挑む不死者が最初に訪れる場所だから、不死者がやって来るのも理解できる。
リュウダもゲームでは見ていないだけで、この世界の不死者が自分のいない時に火継ぎの祭祀場にやって来ている可能性もあると思っている。それに自分も最初は巨大なカラスによって空から連れて来られたから、空から不死者が降ってきても理解できる。しかし……。
ボロボロの下着しか着ていない半裸の女性が、がに股で両腕を左右に広げた大昔のギャグマンガみたいな体勢で地面に激突して気絶している姿は、流石のリュウダも中年の男も理解することができなかった。
「……あの? 青ニートさん? 彼女は一体何者なんでしょうか?」
「だから青ニートって何だよ? 俺に聞かれたって分からねぇよ」
リュウダが地面に倒れて気絶している不死者の女性を見ながら中年の男に聞くと、中年の男もまた不死者の女性を見ながら答える。
正直な話、これ以上なく怪しくてかかわり合いになりたくないのだが、墜落する瞬間を見た以上は放っておけず、リュウダと中年の男は不死者の女性が目を覚ますまで待つことにしたのであった。
「エルデンリング」というダークソウルと同じフロムのゲームを題材にしたマンガがありまして、そのマンガの主人公を見て今回のオリキャラを思いつきました。