エリナが半ば強引に巡礼の旅に同行することが決まった日の翌日。リュウダは現実世界で学校の授業を終えると、校門の前である人を待っていた。
「すまぬの。待たせたか?」
『『……………!?』』
リュウダが待っていたのはサクラであり、友引高校屈指の美女がリュウダに声をかける光景に、下校しようとしていた男子生徒だけでなく女生徒までもが、思わず足を止めて彼らの方を見た。
「いいえ。特に待っていませんよ。後は……」
『『藤沼、キサマーーーーー!?』』
サクラの言葉にリュウダが返事をすると、どこからか現れた諸星と面堂と横島が彼に詰め寄ってきた。
「藤沼! 貴様これはどういうことだ!? 一体いつの間にサクラさんとそこまで親しげになった!?」
「藤沼! お前サクラ先生にうつつを抜かすだなんて、冥子さんはどうするつもりだ!? お前が冥子さんをなんとかしてくれないと、こちらの被害が……!」
「藤沼! テメェ俺のサクラ先生に何手ぇだしとんねん!? サクラ先生は俺んだーーー!」
「ええい! やかましいわ!」
リュウダに詰め寄る諸星と面堂と横島にサクラが大声を出して叱りつける。それにより三人がようやく大人しくなったところで、リュウダはサクラと待ち合わせていた理由を説明する。
「今日俺とサクラ先生は冥子先生に呼ばれていて、それで待ち合わせていたんだよ。それに呼ばれているのは俺達だけじゃないんだけど……横島、お前何も聞いていないのか?」
「俺? 聞いていないって何がだ?」
横島がリュウダの言葉に首を傾げるのと同時に、校門の前に一台のリムジンが止まり、そこから冥子と美神が出てきた。
「あら? 横島クン、ここで何しているの?」
「美神さん? いや、ここは俺が通っている学校ですから……。それより美神さんこそどうしてここに?」
リムジンから出てきた美神に話しかけられた横島が何故冥子と一緒にここに来たのか彼女に聞くと、美神は冥子の方を見て答える。
「私? 私は冥子に呼ばれてきたのよ。何でも私に相談したいことがあるって。それでサクラと藤沼クンも冥子に呼ばれていて、こうして迎えに来たんだけど……あっ?」
「どうかしました? ……ゲッ!?」
横島の質問に答えた美神が驚いた顔をして、横島も美神の視線の先を見ると驚いた顔となる。何故なら美神と横島の視線の先では……。
「いつか会ったゴーストスイーパーのお姉さん。前は助けてくれてありがとうございました。お礼に一緒にお茶しませんか?」
と、諸星が冥子にナンパをしようとしていた。
「あらー? いきなりそんな事を言われても困るわー。そんなに近づかれると……」
「え? う、うわーーー!?」
『『ーーーーーーーーーーーー!』』
諸星にナンパされた冥子は恥ずかしさから式神のコントロールが甘くなってしまい、その結果彼女の影から十二匹の式神が出現して諸星に襲いかかる。ちなみリュウダ達は諸星が冥子にナンパをしたのと同時に距離を取ったので被害を受けておらず、式神の被害を受けたのは諸星一人であった。
「ハハハッ! ざまーみさらせ、諸星! 冥子ちゃんに言い寄る男はみんなそうなるのじゃ!」
「まあ、僕達も一度は通った道だからな。お前もそれくらいは我慢しろよ、諸星」
「そう言えば俺も最初は派手に式神の暴走に巻き込まれたな……。それで大丈夫か、諸星?」
「いいから助けんかい! お前ら!」
式神の暴走に巻き込まれた諸星に横島が大笑いをしながらそう言い、面堂とリュウダが苦笑をしながら話しかけ、それに対して式神達の下敷きとなった諸星が大声で叫ぶのであった。