その後。美神と冥子に合流したリュウダとサクラは彼女達と一緒にリムジンに乗ったのだが、やはりと言うかそこに諸星と面堂と横島、それにラムもついてきて、流石に八人も乗ると広いリムジンも狭く感じられた。
「それで美神さん? 美神さん達はどんな用でどこに行くんですか?」
「今から行くのは冥子の知り合いの家よ。そこの娘さんにちょっと変わったことが起こったらしくてね、様子を見てほしいって冥子のお母さんに頼まれたの。ちなみに冥子のお母さんはすでにその家に向かって娘さんの様子を見ているらしいわ」
「ほう、娘さん。それで変わったこととは?」
横島の質問に美神が答えると「娘」という単語に反応した諸星が話に参加して、次は冥子が事情を説明する。
「えっとねー。その家の子ってねー、半年くらい前からー、原因不明の昏睡状態だったのー。それが最近になって急に起きてー、起きたら霊力が大きく上がったのー」
「霊力が上がった、か。瀕死状態から復活した人間が霊能力に目覚めると言う話はたまに聞くが、それではないのか?」
冥子の話を聞いてサクラがそう言うと、冥子が首を横に振った。
「ううんー。それとはちょっと違うみたいなのー。その家って六道家の分家でー、代々霊能力者の家系なのー。それで話の子もー、霊能力を持っていたんだけどー、目覚めたらその霊能力が大きく上がっていたのー」
「そう。それともう一つ気になる話を聞いたのよ」
冥子の言葉に頷いた美神はそう言うとリュウダの方に視線を向ける。
「その娘さん、目覚めると同時に、体に今までなかったアザが浮かび上がったそうなの。そのアザは黒い輪っかのようなどこか不気味なアザだったそうよ?」
「………っ!?」
美神の口にした黒い輪っかのようなアザという言葉を聞いて、リュウダは驚き目を見開くと同時に、自分が何故呼ばれたのか分かったような気がしたのだった。
目的地である家は、六道家の分家ということもあってか上流階級が住まうような豪邸であった。
豪邸に着いたリュウダを含めた皆は、先に来ていた冥子の母親と一緒にこの家の娘の部屋へと向かい、その途中で冥子の母親が皆に話しかける。
「皆さん、ごめんなさいね〜。急に呼び出しちゃったりして〜。それで〜、藤沼君〜」
「は、はい。何ですか?」
リムジンで美神の話を聞いた時から嫌な予感がしてきたリュウダは、いきなり話しかけられて慌てて返事をした。
「多分今回の話は〜藤沼君が一番詳しいと思うの〜。もし違った時のために〜令子ちゃん達も呼んだけど〜、まずは藤沼君に〜会ってほしいの〜」
どうやら冥子の母親はリュウダのダークソウルの証である黒い輪っかのアザ、ダークリングの話を美神から聞いていたらしく、似たようなアザが現れたこの家の娘に会ってほしいとリュウダに言ってきた。
「はい。分かりました」
「それじゃあ〜。ここがそうよ〜。……入るわね〜」
そう言っているうちに家の娘の部屋の前に着いて、冥子の母親が部屋のドアをノックしてから開いた。部屋の中には一人の少女が椅子に座っていて、少女はドアが開くとリュウダ達の方に顔を向けた。
「………」
「おおっ!? これは!」
「何と可憐な……!」
「メッチャクチャ美人な女の子!」
「………!?」
部屋にいた少女は艶やかな黒髪と健康的な褐色の肌をした愛嬌のある顔立ちの美少女で、諸星と面堂と横島が思わず声を上げるのだが、リュウダだけは彼女を見て驚いていた。そしてそれは部屋にいた少女も同じようだったようで、彼女はリュウダ達を見ながら椅子から立ち上がると……。
「師匠ーーーーー!!」
『『………………………!?』』
と、椅子から立ち上がった少女はいきなり大声を出したかと思うと、頭にずだ袋を被ってドレスを着た姿に変身してリュウダの元へ走って来た。これには色めきだっていた諸星と面堂と横島だけでなく、他の皆も驚き声を失った。
「お、お前やっぱりエリナ……! おわっ!?」
「ここでも会えると思いませんでした師匠ーーー!」
バキボキメキゴキガキッッッ!
「………!?」
変身した少女、エリナの筋力は40あり、それに力の限り抱きしめられたリュウダの身体からは骨が折れるような音が盛大に聞こえた。そしてリュウダは意識を失い、次に目を覚ますとそこはダークソウルの世界であった……。