四つ目のサンデー作品は、もう少しダークソウルの話が進んでから登場させます。
「よし。エリナも強くなったし、いよいよ巡礼の旅に出るぞ」
現実世界でエリナと再会してから数日後。ダークソウルの世界でエリナの特訓に付き合っていたリュウダは、彼女が強くなったことを確認するとようやく巡礼の旅を再開することに決めた。
リュウダの言葉を聞いて、ずだ袋にドレスという怪しさ満点の格好をしたエリナは、ずだ袋の下で目を輝かせながら返事をする。
「いよいよですね! 任せてください、師匠! 私、頑張ります! ……あの、それで師匠? 私達は一体どこに行くんですか?」
「あー……」
エリナに聞かれてリュウダは少し考える。
前世の記憶からリュウダは、これから起きるダークソウルのシナリオを全て知っているのだが、それらを全て話すと時間がかかるし「何故そこまで知っているんだ?」と疑問に思われるかもしれない。なのでとりあえず現在の目標だけを話すことにした。
「まずは城下不死教区かな。そこにある鐘を鳴らせば、巡礼の旅について新しい情報が得られるらしいんだ」
嘘は言っていない。
ゲームのダークソウルでは、城下不死教区と病み村にある鐘を鳴らすことによって、巡礼の旅について重大な情報を持つキャラクターが登場すると同時に、新たなマップに行けるようになっていた。そして病み村にある鐘は、リュウダが巡礼の旅に出るのと同時にすでに鳴らしていたりする。
「そうなんですか」
「ああ。だから早速、城下不死教区へ向かうぞ」
「はい!」
こうしてリュウダは、元気良く返事をするエリナを連れて城下不死教区に向かうことにした。しかし……。
「あの……師匠? あれは一体何なんですか?」
「………!」
リュウダとエリナが城下不死教区の入り口である城門に行くと、そこでエリナは城門を指差してリュウダに質問する。彼女が指差した先には、城門に陣取っている巨大なドラゴンの姿があり、そのドラゴンは怒りの光を宿した目でリュウダとエリナを見ていた。
「何ってドラゴンに決まっているだろ?」
「いえ、そうじゃなくて……。何と言うかあのドラゴンさん、すっごく怒っているように見えるんですけど? 師匠、何かしました?」
エリナに聞かれたリュウダは少し考えてから、城門にいるドラゴンが怒りそうな心当たりを口にする。
「そう言えば……あのドラゴンって、あの辺りを縄張りにしていて近づく奴を炎のブレスで焼き払っているんだよ。それで以前、ドラゴンの炎のブレスを利用して亡者やモンスターを倒してソウルを荒稼ぎしたんだ。もしかしたら、その時にドラゴンの前に現れては隠れるのを繰り返したことで、ドラゴンは馬鹿にされたと思って怒っているのかも……?」
「うぉおーーー!? 何をやっているんですか、師匠!? もしかしたら、じゃないですよ! 明らかにそれでドラゴンさんが怒っているんですよ!」
リュウダの言葉に思わず大声を出してつっこむエリナ。
確かにエリナの言っていることは正しいのだが、こればかりはリュウダを攻めるわけにはいかないだろう。何しろ、この城下不死教区にいるドラゴンのエリアは、ダーソウルの初心者にとって序盤での絶好のソウルの稼ぎ場なのだから。
「そうか……。それじゃあ、どうしようかな? 今はあのドラゴンの相手をするのも面倒だし、別のルートで城下不死教区に行くしか……ん?」
エリナの言葉にリュウダはため息をついて周囲を見回すと、ここから少し離れた場所で人影を確認した。
(あの人は……。まさかまだこんな所にいたなんてな……)
そう心の中で呟くリュウダの視線の先にいる人影は、太陽に向かって両腕を大きく広げて「Y」の字に見えるポーズをとっていた。