城下不死教区。
そこは……というよりダークソウルの世界にいるのは基本亡者ばかりであり、周囲からは滅多に物音が聞こえてこない静かな場所であった。
しかし今回ばかりは例外なようで、今日の城下不死教区からは武器と武器がぶつかり合う音に肉が断ち切られる音、そして一人の男の豪快な笑い声が聞こえてきた。
「はっはっはっ! 貴公ら、二人とも中々にいい腕前じゃないか! これは俺が手を貸す必要はなかったか?」
笑い声を上げていたのはバケツのような鉄仮面を被った騎士であり、鉄仮面の騎士に話しかけられて亡者を倒したリュウダが返事をする。
「いえ、そんなことはありませんよ。貴方が加勢してくれたお陰で助かっていますよ、『ソラール』さん」
ソラール。
それがこの鉄仮面の騎士の名前で、彼はゲームのダークソウルに登場するキャラクターの一人である。
でっかくて温かい太陽に憧れており、ダークソウルの宿命を背負うと自分の太陽を探すためにアストラの地から巡礼の旅に出たいう人物で、そのことから「太陽の騎士」の二つ名で知られている。
ゲームの序盤に出会うことができるソラールは、ある条件を満たせば特定のボス戦、果てには最終決戦に協力してくれる心強い味方で、それに加えて彼の明るい性格に心癒されたダークソウルのプレイヤーは多いだろう。……そう。
ソラールは太陽のようにでっかく熱い男になりたいと言っていたが、彼はすでに歴戦のダークソウルプレイヤーの心を照らす太陽なのである! 少なくとも作者は何度となくソラールによって色々と救われてきた!
城下不死教区の手前でリュウダとエリナは独特のポーズで太陽に礼拝していたソラールと出会い、少し話した後にエリナが口にした「太陽に礼拝するなんてまるで初日の出みたい」という言葉にソラールが過剰反応したのである。そして気を良くしたソラールがしばらくリュウダとエリナに同行して、この城下不死教区の攻略を手伝ってくれると言い出して今にいたるのであった。
そして城下不死教区にある建物を守っている亡者を全て倒したリュウダとエリナとソラールは、そのままここに来た目的である鐘のある大教会に入ると、そこにいる倒していった。
「ふぅ……。ここにいる亡者はこれで全部ですね。……それにしてもこの亡者達、妙に手強かったような?」
「確かにな。中々骨のある亡者だったな」
「ああ……。それなら原因はアイツだよ」
大教会の二階で十数体の亡者を倒した後、エリナが首を傾げて言うとそれにソラールが同意し、リュウダが少し離れたところで倒れている、手に三又の槍を持って変わった法衣のようなものを着ている亡者を指差した。
「あの亡者は他の亡者を強化する能力を持っていてな。アイツに強化されたからここにいる亡者が強かったんだよ」
「そうなんですか?」
「おお! 中々博識だな、貴公」
リュウダが亡者が強化されていた理由について話すとエリナとソラールが感心したような声を出す。そんな二人の声を聞きながらリュウダが周囲を見回していると、彼はある通路を見つけた。
「あれは……?」
「あっちに目的の鐘があるんでしょうか? 行ってみましょう」
「そうだな」
「あっ、オイ?」
リュウダは自分が見つけた通路を見て、何か忘れていたことがあるような気がするがそれが何なのか思い出せないでいると、エリナとソラールが通路の先に向かって行ってしまった。そして仕方なくリュウダもエリナとソラールの後について行くと、通路の奥には……。
「やぁ……。貴公ら、まだ人だな?」
牢屋に囚われている金色の全身鎧を着ている騎士の姿があった。