うたわれるもの 琥珀の軌跡   作:ななみ

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撈海

 受難の相が出ていますなあ。まじない師という老人に手相を見られながら、コゥーハは隈の酷い目を閉じる。

(オンカミヤリュー族であれば、まだまともな説法を頂けるのですがね……)

 とある皇都の路地。皇城から離れた一角。ほとんど寝ていない躰を理解しつつも、都の様子を見て来いという上官の命で投げ出されたコゥーハは、ヒトが少ない場所を散策していた。時に昼過ぎ。私服の襟を正し、焼きモロロを食しながら歩いていると、質素な格好をしたまじない師に声を掛けられた。相手の強引さと自身の気まぐれにより、説教という名の長話を聞かされ、今に至っている。

「友人関係に良い変化があったようじゃの。これからも多くの人と知り合う線が見える。よかったのぉ」

 客の手相をなぞりながら笑う男に、コゥーハは項垂れる。

「それは……面倒事が増えるという意味では……」

「が、古い付き合いの友人とは、よくよく向き合いなされ。さもなくば、大きな決断を迫られるやもしれませんぞ」

 不意に知り合い達の顔が過り、コゥーハは首を振った。考えたくもない、が、各々()()()()は必要なのかもしれない。

(いけませんね。寝不足は時に、思考を曇らせる)

 眉間に手を当てているコゥーハに、男は指を突き立てる。

「後。何度も言うが、お主の躰は良くないぞい。出来うる限り規則正しい生活をですな」

「左様ですね。一流の薬師(くすし)様にもそう御注意頂いた事が御座います。とはいえ、現状、上司次第。それに」

 言いかけ、結局コゥーハは淀んだ口を閉じる。頑なな相手の様子に老人は足元から何かを取り出し、机に置いた。

「わしは薬師(くすし)もやっておりましてな。気休め程度じゃが、これを――」

 ああ、そういうことですか。と心中で息をつき、コゥーハは手を振り立ち上がる。

「結構ですよ。自分は、こう見えても薬師(くすし)の知識は持ち合わせております故」

薬師(くすし)の不養生、という言葉をご存じですかな」

 そっくりそのままお返し致しましょう。コゥーハは目を細め、懐から幾つかの瓶と銭を叩き付けた。

「どうやら、腸に問題があるようですね。各々二日に分けて飲めば、些か解消するかと思います故。お代はこれにて如何でしょう」

 図星だったのだろう。押し黙った相手に無理をしてはいけないとコゥーハは促す。踵を返すが去り際の不注意で通行人とぶつかり、派手に転んだ相手に、墨色の目が丸くなる。

「おや、パララではありませんか。奇遇ですね」

 それはこっちの台詞だ、と言いたげな顔で、道に転がる食材を拾っていたパララが睨んで来た。彼女を諌めつつ、コゥーハも拾った果物の土を掃う。

「もしや此方の御仁に御用がおありで」

 まあな。と肯定した上で、パララは机の上に食料の山を置き、長い襟を正した。

「じいさんにちょっと用があるだけだ」

 一息入れた後、慌てて視線を逸らす男にパララは眉を下げる。

「まあ、あれだ。小金持ち通ったら捕まえて、法外な額で薬吹っ掛けているのは愛嬌だから許してやってくれねえかい」

「イエイエ。自分は被害に遭ってはいない故」

 息をついている老人の隣で、コゥーハは両肩を竦める。わざとらしく大げさな仕草に、パララは苦笑しながら老人の肩を叩く。

「ま。薬師(くすし)としての腕はともかく。まじない? 易師? としての勘? ってやつは結構当たるって評判らしいぜ」

「さて。自分はそういった類を信じ難い性格なのですが」

 心中で自身を嘲笑しつつ、コゥーハは二人の様子へ目を向ける。何気ない談笑から察するに、パララの言う通りこの老人は薬師(くすし)であるようだ。至って普段見かける彼女ではあるのだが、やはり休日であるからなのか、どことなく異なる印象を抱き、コゥーハはしげしげと観察してしまう。

(多少、化粧が濃い気が致しますね。ヒトによっては見間違えそうな程に、美しい)

 立てば優雅に、歩けば華麗に、仕草は大胆に。揺れる蜻蛉の簪は輝き、されど刹那に散りゆく光陰が微かな寂しさを映す。

 コゥーハが見惚れている最中、薬師(くすし)であるコゥーハに診て貰うのはどうかという提案が飛ぶが、パララは断固として反対した。

「絶対、搾り取られる。それに……」

 自分は詐欺師でも無慈悲でもありません。とコゥーハは肩を竦めるも、借りは作りたくないと、やはり彼女は首を縦に振ることをしない。さりとて、コゥーハは個人の領域に無断で立ち入る無粋なことはしたい訳ではない――必要とあらば、という例外を通すことはあるが、現状、パララに関しては押し通す理由が存在しない。コゥーハが下がると、自然と話は収束していった。

「そいじゃあ……今期の代金だ」

 老人は納得をしていない表情ではあるが、パララの依頼を了承した。生温い風の先に消えゆく彼の背中を送り、パララはすっと顎を引いた。

「で。この辺に賊でも潜んでいるのかい?」

「何故。脈絡もなくその結論に至るのでしょう」

 首元の傷を隠すコゥーハに、非番ではないこと位は把握していることをパララは述べた上で、先日捕縛した賊の一部が皇都をうろついていた件を切り出す。

「昨日、そこの家に押し入っていた奴をしょっぴいたんだが。なんでもそいつがインカラ(オゥ)の残党の一派と繋がっていたらしくてな」

「おや。パララも案外お金にならない事もなさるのですね」

「茶化すんじゃねえ。もっとしっかりしろと上に進言しやがれってんだい」

 やれやれ。コゥーハは脱力した腕を振りながら否定する。しかし賊という点は間違ってはいないか、と視線を落とす。

 皇都の大通り。数日後オンカミヤムカイから國師(ヨモル)が正式にやって来る報により、にわかに活気づいてる人波を縫いながら、コゥーハは買った焼きモロロを相手に渡す。怠慢ではないのか、という指摘に「珍しく、今回は経費で落ちるのですよ。お酒と煙草以外は」と笑ってみせる。

「最近。富豪や豪族達の倉にある物が盗まれる事件が発生致しましてね。関連する情報がないかと聞き込みをして来いと仰せつかりましたのですよ」

「だったらもっと賑わった場所で、金持ち相手の商人に訊けばいいだろうさ」

 補足が足りなかった、とコゥーハは軽く謝罪する。

「そちらの方は粗方お聞きして頂いたようで。他の場所を当たっていた次第です」

 きっかけはハクオロと親交の深い豪族からの被害の一報であったが、調査をした結果によれば、不正の疑いのある者も被害に遭っている事が発覚した。手口からして同一犯の可能性が非常に高く、詳しい調査を行いたいものの、後者は申し出がない限り――不正を行っている証拠でも掴めない限り踏み込めない現状がある。可能性があるなら突っ込めばいいと口を尖らすパララに、狩猟民族は血の気が多いのでしょうかね、とコゥーハは目に手を当てる。

「それで。該当する屋敷で働いている者がいないかとうろついていたところを、件の薬師(くすし)にお会いしたわけです」

 ご苦労なことで。焼きモロロに舌鼓を打ちながら、パララは一つ質問する。

「で。賊の手口ってのは」

 ああ……とコゥーハは面倒な顔を前面に押し出しながら、立ち止まったパララの側で足を止める。

「奇跡ですよ」

 胡散臭いものを遠ざけるように手を振るパララに、冗談です、とコゥーハは頭に手を置く。

「錠がこじ開けられた形跡が一切無く、見張りもその姿を見ていない。だというのに、倉にある物がなくなっている」

「は? 奇蹟じゃあねえか?」

 煙を巻くようにコゥーハは手を動かし、物理的になら不可能だ、と建物の壁に背を掛ける。あくまでも私見ですと置き、そっと口に手を当てる。

「地脈を利用した転移術」

「ち――?」

 オンカミヤリュー族の術法の一つです。と、コゥーハは地面を見据える。緩ませた指輪の真上、地から沸き立つ“淡い茶色”が墨色の瞳の奥底で水面を揺らす。

「尤も、数日後に来られるオンカミヤリューの方々に検証並びに御意見頂かなければなんとも。並行して、対策も練らなければなりませんし」

 詳しいな、と首を傾けるパララに、コゥーハは指輪を嵌めながら遠くを見る目で天を仰ぐ。

「オンカミヤリューの養父が実験しておりましたからね。着用した服だけを指定地点へ移動させるという、曰く、浪漫に満ちた実験を」

「……。とりあえず、アンタの親父がとんでもねえロクデナシだってのはよぉーく分かった」

 褒め言葉として受け取っておきます。とコゥーハは笑って首を振る。

「仮に推測が是だとして。転移術は構造上地脈から切り離せないもの故――無論、ついででは御座いますが。地脈と重なるヒトの少ない場所を捜索することで、怪しい者に会うかと期待したのですが」

「……――?」

「要は。奇跡を起こす条件が整っている地点、かつ人気のない場所を巡っていたという話です」

 推測に自信はあるが、他者に受け入れられるかどうかについては難しいであろう、とコゥーハは心中で吐き捨てる。オンカミヤリュー族は厳しい戒律を課せられている故、犯行は破戒僧である可能性は高い。だが転移術は高度な術法の一つであるため、並みのオンカミヤリュー族が行うのは非常に困難である。聞くところによれば、転移術を苦なく行えるのは阿闍梨(アジャリ)――僧正(ヤンクル)の次に属する位の高僧に匹敵する実力が必要とのこと。そんな実力を持つ者などそうそう居るはずもない。が、コゥーハには心当たりが一人存在する。

(ディーが、こそ泥のような真似をするとは――……興味本位の理由であればやり兼ねません。ですが彼であれば、成功した後は元通りにするはず。金銭に困っていたと仮定しても、そこまで良識に欠けているとは思い難い)

 件の事件を辿れば、彼の消息を掴めるかもしれないという淡い期待。公私混同もいいところだと、指輪を擦るコゥーハは嘲笑する。

「結局、収穫は全くありません。その線においての、これ以上の捜索は徒労でしょう」

 コゥーハは腰を上げ、正面にある建物へと視線を向ける。

 直後。コゥーハの頭が激痛で揺れる。

(――――っ)

 咄嗟に目を瞑り、コゥーハは顔を隠すように腹を抱えてうずくまる。地鳴りのような音と血の味が滲む吐き気、飛びそうな意識を繋ぎ止めるが如く口を押え汗を拭い、駆け寄ったパララへ心配ないと返した。

「……それよりも。すぐに、向かいの芝居小屋の、舞台か、あるいは道具を置いている場所か、崩れている危険が」

 “黒い光”のある方へ足を上げるが、コゥーハの躰は自身の意に反して言う事を聞かない。酷い眩暈は重心を狂わせ、重低音の余波は全身に重りを纏わせる。それでもパララの肩に掴まり入口へと身体を向けるが、彼女の強い言動に為す術もない。

「ったく。フラフラした躰で何処へ行こうってんだい」

「…………」

「地震なんて起きていやしねぇぞ。アンタいうの心配なんて――ん? 芝居小屋の方が騒がしいな」

「――……」

(瞼が重く……今日は……新月では……)

 全ての感想を咀嚼する間もなく、コゥーハの視界が暗転した。

 

 

 

※※

 

 

 

 散乱している書物を掻き分けるように、コゥーハは相手の後へ続く。ようやく辿り着いた座卓の前に座った部屋の主の正面で、促された後に正座する。

 それで? 白い両翼を微かに動かす男の瞳は好奇心で溢れている。相変わらず年齢不相応な養父だな、とコゥーハは心中で独りごちた。

「アトゥイおじ様にご相談があって参りました」

「……私に相談とはね」

 シロトゥクから帰ったと思ったら。アトゥイは笑いながら、琥珀の指輪を嵌めた指を鳴らした。刹那、部屋の空間が変化する。空気が遮断されたかのような感覚――壁一面に張り巡らされた“光”を一瞥し、アトゥイは腕を組む。

「外に誰かいたみたいだが、これで外部からの接触は一切受け付けない。……カナァンが来た場合の言い訳は考えておく必要はあるが」

「外部から、ですか」

「なに。保険は必要だろう? 此処を指定したという事はそういうことだと私は認識しているが、違うのか?」

 入口を睨んでいるコゥーハだったが、「はい」と答えて相手へ向き直る。

「アトゥイ様は、ヒトの記憶について研究されていると自分は認識しております」

 へえ。別段驚くこともなく、アトゥイは緩い笑みを浮かべながら「続けなさい」と促す。

「私に、記憶を封印する術をかけては頂けないでしょうか」

「……」

 驚いたな。本当に驚いた風に、アトゥイは口笛を吹いた元を手で覆う。

「私に禁忌を犯せと言った挙げ句に、自らを被験者として指名するなんて」

 ディーですらそんな面白い事は言わない、と大笑いするアトゥイに、この人は相変わらずだと思いつつも、言い知れぬ苛立ちと共にコゥーハは抱え込む。

「……御自身に封印(リィ・ヤーク)を掛けておられるからして、術法は確立されていると思っているのですが」

 ほう。アトゥイの表情が打って変わって真剣みを帯び始める。

「そこまではっきり“見えている”からして、やはりオンカミヤリューが見る“神”と同種のモノを見ているという推測は間違ってはなさそうだ」

 しかし。アトゥイは立ち上がり、窓際にある棚を漁り始める。

「私はコゥーハには封印(リィ・ヤーク)の基礎を一つでも教えたつもりはなかったはずだが。そこまで断定できる確証か理由があるのか?」

 それは……言葉に詰まったコゥーハに目もくれず、アトゥイは更に棚の奥へと手を入れる。

「……。コゥーハの内にある“彼女”から助言でも受けたのかな」

「!!」

 図星か。クスクスと笑うアトゥイとは対称的に、コゥーハは憔悴しきった表情を俯かせる。

「お話した事は、今まで誰にも」

 無い。アトゥイのはっきりとした否定は、拒絶に近い声音を含んでいるようにコゥーハには感じられた。雰囲気に気圧され言葉が続かない彼女に、間延びした皮で己を包みながら、アトゥイは低い声で付け加える。

「別に怒っている訳ではない。ただ、“彼女”の同意と情報を得る必要はあるのではと思ってな」

「……■■■(彼女)に意思はないそうなので、私の好きにすれば良い、と」

 成程。アトゥイは抑揚のない返答を投げた後、一枚の紙を机に広げる。

「ひとまず、その■■■(彼女)のことは置いておこう。コゥーハが何故、何時どのようなモノを封印したいのか、希望と理由を聞かせてくれ」

 

 

 

 コゥーハが一通りの話を終え。アトゥイは静かにため息を漏らした。

「……」

 存外私に似てしまったところもあるのだろうな。笑うアトゥイの目は暗い。先程まで好奇心で満ちていたモノとは思えない闇がコゥーハの心をいたぶる。その目をすぐに引っ込め、アトゥイは紙の上に線を結び始める。

「彼への配慮は良いのか? 賢い彼のことだ。矛盾を突かれて不仲に発展するような事は」

 構わない。コゥーハの即答に、アトゥイは「そうか」と返して眉を寄せる。

「ともすれば。問題はディーの方か。会う頻度はほとんどないだろうが、会って早々好奇心で術を解こうなどと考える確率は高そうだ、さて」

 しばしの熟考の後、アトゥイは机を軽く叩く。

「いっそのこと。ディーには封印(リィ・ヤーク)を施す事を話しておくか」

「理由、聞いてくるでしょうね」

「彼のことだ。「私の長期実験に協力してくれる」だけで大体は納得する体を取る。まあ、枷は嫌いだからして、動機ぐらいは挨拶程度に聞いてくるかもしれないが」

「……」

「言いたくない相手を慮ること位には、一般常識のある彼だ。安心して良い」

 アトゥイに言われるとますます不安になるのだが。口にしかけた言葉をコゥーハはすんでのところで呑み込む。心中を知ってか知らずか、さて、と呟きコゥーハを見据える。

「結論から言おう。コゥーハの意向には大体は沿ってやれる」

 だが条件がある。手を止めたアトゥイの語気は強い。筆を硯に置き、襟を正す。

「記憶の整合性を保つためにはこれまでの■■■(彼女)に対する一部の記憶ごと封印する他あるまい。それに。封印(コレ)は他の術法や地脈、月相の余波を非常に受けやすい欠点があってな。今でさえ負担が大きい身体に、これ以上の負荷を掛けて良いものどうか。同意も含めて■■■(彼女)の意見が聞きたい」

 それは。眉を寄せるコゥーハに、アトゥイは続ける。深く暗い双眸を隠すことなく。

■■■(彼女)と話をさせてくれないか」

「それは……」

 コゥーハの意見は必要ない。アトゥイはきっぱりと切り捨てる。

「己への評価というものは正当に出来るものではないからな」

 なに、今の私は取って喰ったりはしないさ。西日が差し込む窓を背に「どうする?」とアトゥイは再度促す。

 数拍の後。コゥーハは静かに目を閉じた。

 

 

 

※※

 

 

 

 あまり近づかぬ方が良いぞ。自分とよく似た声をした女性の言葉に、コゥーハは飛び起きた。

 果てまで続いている白い霞の中。側にある川のような“光”の束に触れていたコゥーハの手はすぐに離れた。相手に注意されたからではない、本能的なナニカがコゥーハの行動に影響を与えた。

「貴女は……」

 思わず正座したコゥーハの向かい。()()()()()()()()()()()長髪の女性が、退屈そうに”光”の水面を叩いている。呆気にとられている相手を一瞥し、約十年振りか、と口を開く。

「此処へ来たという事は。■■■(石碑)()()使うと決めてやって来た、という顔、ではないな。僅かだが記憶の封印(リィ・ヤーク)が未だ効いておる。アトゥイめ、死してなお付き纏いおって」

「何故、おじ様のことを――」

 前のめりになったコゥーハの額を指で弾き飛ばし、女は無表情に“光”の中へ手を入れる。

(ぬし)の記憶がしばし曖昧な部分があるだろう。あれは主がアトゥイに頼んで封印……否、改竄させたものだ。と言っても、ソレすら封じてしまうように主自身が望んだ訳だが」

「…………」

 コゥーハは熟考し。先程見ていた光景を思い出す。

 もし彼女の言う通りであるのであれば。過去の自分は何かしらの都合で記憶の一部を封印した事になるが、だとすればそれは何時の話であろう、と。

(約十年前。と彼女は言っていた。と、いうとシロトゥクから)

 思考に霞がかかる。考えたくない、という意思が働く。確か、チェンマを離れて間もない頃――そこまで思い出したところで、激しい頭痛と吐き気に襲われる。頭を抱えるコゥーハに「忘れたままでも、現在の生活に支障はないと思うがの」と女は溜め息を吐いた。

「だが。同時に封じた■■■(石碑)の扱いに関しては、主の預かり知らぬところで大事になっておるようだがな。先日、()に干渉してきた奴がそう言っておったが。私が出来る事など何もないというのに。そも、碌に主へ知識を与えず、好き勝手に決めて使い潰しておった図々しい奴らにまた関わるなど考えたくもないわ」

 これに関しては、コゥーハは首をかしげる他なかった。一つだけ前者と違う事は、本当に自分は何も知らない、という言葉が腑に落ちていく、()()()

 おもむろに口を開いたコゥーハを遮るように、女は掬い上げた“光”を覗き込んで驚いてみせた。

「なんじゃ。さっき見ていたのは、アトゥイが干渉してきた日の記録ではないか。ならば■■■(石碑)とは何か、思い出せたのではないのか?」

 目の前の彼女は■■■(石碑)と呼ぶ存在。コゥーハは静かに思いついた■■■(アレ)を口にする。

 アトゥイが定義した言葉に似ているの。と女は鼻を鳴らす。

「まあ、■■■(あやつ)が概ね正解だと断言するからして、私がとやかく言うのも無粋だろうて」

 古き鎖が融解したかの如く。コゥーハは小さな記憶を一つ繋ごうとする。

「以前の私は、貴女達とお会いした事があるのですか」

「……。質問の意図を的確に咀嚼できぬが。封印(リィ・ヤーク)に影響を鑑みて答えるなれば……半分是で、半分否だろうな」

 だが。と、女は無表情のまま、自信たっぷりに断言してみせた。

「主の体調不良はアレに近づかぬようにするための措置でもあろうて。封印(リィ・ヤーク)も、主が()()()望めば■■■(あやつ)が引きちぎる事もできるし、掛かったままでも上澄みの知識ぐらいは貸す。先日の、娘を救いたいと心から願った時のようにな」

「それなら――」

 それは。コゥーハの問いたい事を遮るように、女はやや怒りを帯びた声を吐き捨てた。

 圧倒的な覇気が、コゥーハの全てを縛る。

「……」

 目を閉じ、数拍を経て、ようやく出てきた言葉の流れでコゥーハは異なる問いを静かに投げる。

「……おじ様から。封印(リィ・ヤーク)の解く方法をお聞きしていないのですか」

 む? 驚くようにコゥーハをしばし見据えた後、女はコゥーハの頬を指でなぞる。やがて「まあ、良いか」と肩を落とし、“光”の中を探るように両手を入れる。

「記録が一つ抜けているようだな。……あの場であやつが盗み聞き()()()いた者ならば、あの後アトゥイから何か聞かされたかもしれんだろうな」

 それは――目を見開いたコゥーハに向かって、女は容赦なく“光”を掛けた。

 

 

 

※※

 

 

 

 暇なのか? アトゥイの呆れを含む問いに「いいえ」と胸を張って微笑む彼は普段通りのディーだな、とコゥーハは静かに溜め息をつく。部屋の隅で発明品をかき分け――否、整理しながら、今宵も繰り広げられるであろう会話に耳を傾ける。

「それで? 今日の用は?」

「コゥーハを観察しに」

 言い方に多少思うところもあるが、いつもの事だ、とコゥーハは努めて流すことにする。封印(リィ・ヤーク)の構造を聞き出そうとする攻防が一段落し、木簡の整理が終わった頃を見計らったように声を掛けてきたディーに振り返る。

「久し振りに一勝負といこうじゃないか」

「ショウギですか?」

「莫迦を言うな。絶対に勝てないモノに挑む愚か者が何処に」

「少なくとも一人存じておりますので」

 むぅ。端整な顔立ちを歪ませながら、ディーは腰にある剣に手を置く。

 確かに。溜め息を吐くアトゥイを余所に、コゥーハは隅にある木刀を投げる。

「たまには運動するのも良いですね」

 今日こそは一本取ってみたいものだ。笑って得物を構えるディーに、外へ行けとばかりにアトゥイは怪訝な顔で入口を指さした。

 

 

 

 紅紫色が広がる場所の側。良く踏み固められた地面が広がる一角に二人は対峙する。青い外套を脱ぎ捨て、軽く木刀を振りながら、ディーは目を細める。

「さて。今回はどう攻めるか」

「一本取るだけに戦術を立てる必要が?」

「オンカミヤリューが武の才がない事くらい解るだろう……」

 それでも、ディーは平均以上の素質はある。とコゥーハは過去の手合わせからそう認識している。力なき故の速さと柔軟さからくる斬撃と刺突――特に後者は、彼の特有の構えと相性が良いのか、コゥーハの髪を何度か掠める。

(――しまっ)

 絡み合った木刀――コゥーハのそれが宙を舞い、二人の間に落下する。驚いた風の視線が二対、墨色の瞳に重なっていく。ストンと立った乾いた音が、やけに茶色の耳に障った。

 しばしの静寂の後。落ち着きのあるアトゥイの声が、コゥーハの重い身体に掛けられる。

「成程。咄嗟に“先読み(ズル)”をしなかった辺り。現在のところ封印(リィ・ヤーク)は相応の効果を発揮していると見て良さそうだな」

「……」

 思考が微かに霞む。過去に狡い戦法で相手を打ち負かしたのかどうか考えを巡らせてみるものの、思い出せないという()()()の体験に、ただただ戸惑う。口腔内で若干の血の味を噛み締めるコゥーハに向かって、アトゥイはそっと手を伸ばす。

「今日の所はこれ位にして休みなさい。それで良いだろう?」

 振られた相手がつまらなさそうな様子を示すその光景が、そっと目を閉じたコゥーハの瞼の裏に焼き付いた。

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 騒がしい声が聞こえる。談笑というよりは喧騒、憔悴と怒号と動揺が入り乱れる落ち着きとは無縁な室内で、コゥーハは目を覚ます。

 ここは。吐いた言葉に反応して、パララがゆっくりとコゥーハの上体を起こす。

「やっと目を覚ましやがった……」

「パララ……その衣装は……?」

 パララの着ている服は、先程会った時のソレとは全く違うものである。名のある豪族が着るような派手な服装に、相応の化粧。コゥーハが思わず息を呑む程に。

「美しいですね」

「どうやら頭をやられてるらしい。……落としたら直るか?」

 パララが手を離した瞬間、すぐに手を突きコゥーハは難を逃れる。本当に離すとは、と文句を心中で吐き捨てながらも、コゥーハは周囲の様子を観察する。

「此処は。芝居小屋ですね」

「そうだ。アンタが倒れた後、どうしたもんかと大通りに出たら、ここの団長が良くしてくれてな」

「フスコ殿が……」

 知り合いなのか? パララの問いに、一度だけ、とだけコゥーハは返す。

(しかし。非常に忙しいみたいですね)

 化粧の香が立ち込める部屋を、幾人もの流れが右往左往している。着替えの途中の者もいれば、薬師(くすし)と思われる者が薬箱を手に負傷者の手当てをしている。その隣で劇の台詞らしいものを諳んじる者もいれば、木簡へ必死に齧り付いて離れない者もいる。

 状況をいまいち理解し兼ねているコゥーハに「アンタの言ってた事は正しかった」とパララは説明を始める。

「芝居小屋の倉庫にある大道具の山が崩れてな。幸いにも怪我人は少なかったものの……予定していた演目の道具が一式()()()()()もんで、急遽演目が変更される事になった」

 そんな状況にも関わらずコゥーハを受け入れたフスコへの感謝を添えながら、コゥーハは一つの疑問を投げかける。

「しかし、ではパララのソレは」

 ああ。パララは天井を仰ぎ、一息ついた。

「この演目が出来る唯一の主役の彼女は難儀な性格らしく、予定の演目以外は今日はやりたくないと駄々をこねたらしくてな。困ってたところを助けてもらった恩もある、なんであっしが名乗り出たってだけだ」

「……」

 おかしいって言いたいのか? 噛みつくパララに、いいえ、とコゥーハは目を細める。

「以前、大陸を旅する一座に身を置いていた事は存じておりますので」

「……つくづくアンタって恐ろしい奴だな」

 怪訝さを全面に出すパララに微笑し。それで。とコゥーハは眉を寄せる。

「演目は」

 分かってるくせに。とパララは吐き捨てる。

「見ていけば良い。が、中止にはしないところといい、この演目の選択といい、ここの団長もちょいと危なっかしい性格みたいだな」

 自分の知ったことではないが。パララは呟きながら髪を降ろし、二つの簪を胸元へ仕舞った。

 

 

 

 とある豪族が治める地は、決して豊かな土地ではなかった。だというのに、そこを治める藩主は贅沢三昧の日々。そのために民を締め上げる政策を打ち出し、内部からの叛乱がいつ起きてもおかしくない状況。演目はその藩主の娘の半生を綴った物語である。

 

「あら。このお菓子はもうないのですか?」

 身丈の大きさが感じられない程の優雅さを、頭の上からつま先まで違和感なく表現するパララ。見事な舞を魅せる彼女が差している一つの簪を見つめながら、舞台裏の隅でコゥーハは唸る。

(主役の着想と題材は、おそらく、大陸中部屈指の美女とまでうたわれる彼の……)

 途中からは正史とは違うのでしょうが。と思いつつ、コゥーハは舞台へ目を戻す。

 

 内部からの叛乱こそなかったものの、外部からの侵攻に耐えられるだけの備えも体力も彼の藩は持ち合わせていなかった。元々忠誠心も民達からほぼないからして、あっさり城が陥落したのは言うまでもない。

 

 パララの絶叫がこだまする。目の前で父を、母を殺され、発狂していく迫真の演技は、小屋全体の目を釘付けにしている。その瞳が、徐々に深く暗く沈んでいく様子でさえ、寒気を催すくらい、完璧に。

(ここまでは。國の瓦解の原因が内部の叛乱ではない事以外は、概ね正史通りですが)

 

 藩主を斬った小國の(オゥルォ)は娘に向き直り、切っ先を向ける。かに見えたが、男は部下に命じて娘を解放させた。その足元に、自身の脇差と一つの簪……藩主が娘に贈った、彼女が差しているまったく同じ簪を投げ捨てた。何故かと問おうとした男の部下達より早く、彼女は得物を片手に走り出していた。途中で簪が落ち、振り乱された髪、という表現は酷く正しく、その隙間から見えた彼女の双眸は――

 

(……以前に見せたパララの顔に、似ていますね)

 深く考えようとしたコゥーハの肩は、とある男によって叩かれる。振り向いた先、げんなりした表情を全面に押し出し、コゥーハは口を尖らせる。

「今日は至って任務に励んでいますよ、隊長」

 つまり手を抜いた日があるという事ですか、とベナウィは溜め息を吐くも、彼の性格に漏れず、早速仕事の話を切り出した。

「今回の一件。パララの報告からして、例の賊が絡んでいる可能性が高いと思われますが、貴女の意見を伺っても」

 ああ。と肩を落とし「前言撤回します」とコゥーハは頭を下げた。

「今まで少々意識を失っておりまして。今回の件に関していうならば、情報共有さえ出来ていない体たらくなもので……隊長?」

 脈を測ろうとしたベナウィの手を振り払い、ただの貧血なので問題ありませんと、コゥーハは人差し指で自身の頬をつく。

「しかしながら。自分めの経験則から申し上げますと、術法が使用された可能性が高いかとは思います」

 そうですか。と顎に手を当てるベナウィに、コゥーハは質問を投げる。

「といいますか。何故隊長がこちらに? しかも私服で」

「聖上が、フスコ殿へご興味をお持ちになりまして」

「ああ。彼の御仁の(オゥルォ)嫌いは先代の時から徹底しておりますからね」

 召喚にも応じず、出向けば小屋にも入れず演目も中止させる。自宅も引っ越しが多く行方も掴ませない徹底ぶりである。故に、ケナシコウルペ時代においても、現トゥスクル時代においても、叛乱分子の線から要注意人物として見られている事はコゥーハは耳にしている。

「せめて演目だけでも御覧になりたいとの事で。お疲れのようでもありましたので、今回はお忍びで」

「…………。城内ならさておき。あのお顔でお忍びもなにも。それに、貴方のお顔も潜入捜査にまったく向かないお顔でしょうに。他に適任は幾らでもおりますでしょう」

 後者に対してやや疑問を浮かばせたベナウィを無視し。コゥーハは舞台へ視線を戻す。

(……よもや。この演目を)

 いや。とコゥーハは首を振る。今回は突発的な事故による演目の変更。だとしても――意図を感じられずにはいられない、違和感。

 考え過ぎか。そう考えるのを止めたコゥーハを、ベナウィは引き戻した。

「この演目。私は初めて拝見しますが、貴女はご存じですか」

「……」

 周囲に人が居ないか確認し、コゥーハは口を開く。

「……名前は流石に変更されているようですが。シケリペチム國内では有名な、ニウェの功績を称えた演目の一つ。その中で初めに語られるものです」

 眉を顰めたベナウィを横目に、尤も、とコゥーハは補足する。

 演目での主役は、この後、憎悪だけを糧に、ありとあらゆる卑劣な手段を使ってニウェを討とうとするものの、ニウェは真正面から全て叩き潰していく。彼女の最期は、藩主の娘の責任を自覚する事もなく、味方からの裏切りを受け、一人沼の底へと沈んでいく。しかしながら、今回の演目における彼女は、道中で藩主の娘たる責任を理解し、彼女の側にずっと仕えている一人の臣下と共に、圧政に苦しむとある集落のために立ち上がる、という内容のものである。

 正史では。ベナウィの問いに、コゥーハは頭を掻いた。

「彼女の父親が治めていた藩はインカラ(ここ)よりあまりに酷い統治を行っていた事で有名でしてね。滅ぼした事で、藩主を討ち取ったニウェを担ぐようにして周辺諸藩との纏まりが生まれ、現シケリペチムの原型が生まれたそうです。尤も、ニウェはその領主達を最終的には全員滅ぼしましたが。そして、主役の彼女ですが」

 一瞬悩むも、コゥーハは続ける。

「嘘か真か。ニウェの養子になったとの噂があります。確か、三番目にあたる子だそうで、彼との打ち合いの折、彼の顔に傷をつけた、とか云う話もあるとか」

 自分も噂は聞いた事があります。とベナウィは腕を組む。

「三番目の子は絶世の美女ながらも、戦場においてその実力は確かなものだったと」

 しかしながら、数年前に戦場で消息を絶ったきり死亡したと云われており、現存するニウェの子供は一人だけだという情報をコゥーハも耳にしている。各所の報告や戦記を照合すると、ニウェを除けば、シケリペチムの中で一番厄介なのは彼女の存在だと思われると私見を述べながら、すっと顎を引く。

「いっその事。こちら側に取り込めれば些か楽になるかとは思うのですが」

「貴女らしからぬ、都合の良い意見ですね」

 確かに。とコゥーハは苦笑し、そっと自身の額へ手を当てる。やがて演目が無事終了し、喝采と共に舞台の幕が降りた。おもむろにやってきたパララに素晴らしかった旨を伝え、コゥーハは辺りを見渡す。

「やはり団長殿の姿はありませんね」

 その事なんだが、とパララは意味ありげな表情で笑う。

「今回の礼に、聖上の召喚に応じるように突っ込んでみたら、あっさりと応じるって返事が来た」

 顔を見合わせる上司二人に、あ~、とパララは苦笑する。

「なんでも団長さん。先代と先々代の(オゥルォ)の要求を突っぱねていた手前、引っ込みがつかなくなったそうでな」

 軽く話をしたところによれば、ハクオロの事自体はさほど嫌ってはないらしい、というのはパララの談である。むしろ各種政策による礼を述べたいとまでいう体からして、脈はありそうだ、とコゥーハはほっと息をつく。

「ありがとうございます。これで社の竣工式の件は進捗しそうです」

 社? と首を傾げるパララに、ベナウィが補足する。

「オンカミヤムカイの社の事です。國師(ヨモル)が到着する予定の数日後に行われる竣工式に先立ち、奉納の舞を踊れる人物を急ぎ手配する必要がありましたので」

「そういや今度来る予定の國師(ヨモル)ってのはどんな人物ですかい?」

 さて、とコゥーハは首を傾げる。

「とはいえ、片田舎の小國ですからね。それ程の高名な御方がいらっしゃるとは考えにくいとは」

 さほどがっかりした風でもなくパララは肩を竦めて見せた。そんなパララにコゥーハは笑い、「今回は特別手当を支給しておきますね」と耳元で囁く。したり顔をそっと隠しながら、期待しておく、という意を残し、パララは舞台裏へと消えていった。

 さて。とコゥーハは腕を組み、手にある指輪を緩める。

「自分めは此処に残りまして、件の賊に関しての調査を少々――隊長?」

 指輪が落ちた真上。コゥーハの左手を手繰り寄せ、ベナウィは相手の額に手を当てる。小さな溜息と共に、淡々とした様子で部下に命令を下す。

「今日の所は休息を。これ以上の無茶をされて倒れられでもしたら、此方が迷惑というものです」

 ですが。口走ったコゥーハの左手首に小さな痛みが走る。

「調査は私が引き継ぎますので問題ありません。貴女は聖上の護衛を終えた後、しっかりと休養を摂るように。報告書の提出は明日以降で構いません」

 指輪を拾い上げ、ベナウィはコゥーハの手にソレをしっかりと握らせる。コゥーハは抗議しようと足を進めるが、上官の眼が追従を許さない。青みがった黒い瞳はいつもの――表情の乏しいソレとは一線を画す、怒りにも近い、抉るような視線。

「……承知致しました」

 いつもの軽口すら躊躇わせ、コゥーハはそう言わされていた。“金色の光”と“黒い光”が交じる視界の中で、“青白い光”は静かに去っていく。

(自分めに。心配など……らしくもありませんね)

 目を閉じ、コゥーハは指輪を左手に嵌めなおす。言いかけた言葉を心中で散らし、数拍。一人残されたこの場で、ふっと沸いた疑問に頭を抱えた。

「ところで――……現在聖上は何処に」

 




ロストフラグの方でディーの情報出ているんですが、(最新話まで見ていないこともありまして)こちらは今まで書いていた独自の設定を引き継ぐ形で推し進めていこうかと考えておりますのでご了承いただけると幸いでございます。

誤字を修正しました。 2025/2/15
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