女神「暇なのでヒト雄をTS異世界転生させますわ!」 作:怪文書製造機withノベリスト
この文章はノベリストが大部分(0%)を書きましわ
よってこの文章はノベリストの作品ですわね。
ちょっと邪魔だったので備忘録を消しましたわ。
んにゃぴ多分誰も見ていないのでセーフですわね。
[約30000前] 高域、世界樹都市、ノベルティア邸 名無し
差し込んでくる暖かな陽の光によって目を覚ます。
…まだ寝ぼけているのだろうか頭がぼーっとする。
身を捩る。自分を包む柔らかな感覚が安らぎを与えてくれる。
息を吸う。ほのかな花の香りが鼻腔をくすぐる。
あぁ、これはきっと夢なのだろう。わたしが思い描いていた理想の幸福の形。
あの肥溜めの中で掴み取ろうと躍起になっていた夢。
だが掴み取れ無かった文不相応な希望。
きっとこれは死にゆくわたしの脳が生み出した幻想。
死の間際に見ている幻なのだろう。
だが、不思議と悪くない気分だ。
心の内の怒り、憎しみが穏やかな光によって溶けてゆく。
骨張った身体が優さに包み込まれほぐされてゆく
幸せだ。
もしかすると、わたしはもう死んでいて、
この場所は死後の世界なのではないかという淡い希望を持つ。
いや、それはないだろう。わたしの様な屑には似合わない。
もし死後の世界があるのだとすれば、悍ましく、醜悪な、苦しみに満ち溢れた、欲望が煮詰まった様な世界。
そんな廃棄場の様な世界に私は送られるのだろう。その方がわたしにはお似合いだ。
穏やかな微睡みがわたしを眠りへ誘おうとする。
こんな幸せの中で果てる事が出来るのであれば本望だ。
わたしはこの幸せな幻を感じながら目を閉じ………
サリア「やあ、漸く目が覚めた様だね。」
……目が覚めた。
扉が開く様な音と共に女の声が聞こえてくる。
何なんだ一体、今から死ぬって時に余計な事しやがって。
邪魔された苛立ちに再び怒りが胸の内から込み上げてくる。
クソったれが、最悪の気分だ。
サリア「いやぁよかったよかった。3週間も目を覚さなかったから心配したよ。うん。」
その能天気なあっけらかんとした声色に更に神経が逆立ってくる。
わたしを馬鹿にしているのか?何なんだこいつ、喧嘩売ってんのか?
脳を怒りが占有して意識が冴えてくる。
わたしの神経を逆撫でする馬鹿の顔を拝んでやろうと身を起こす。
サリア「ああまちたまえ。まだ怪我が治っていないんだ。
身体は動かさない方がいいと思うよ。うん。」
「っっ!」
脇腹の痛みで更に意識が冴えてくる。
おかしい、何なんだこの状況は。目に入る情報の所為で思考が混乱する。
周りは見たこともない様な高級感溢れる部屋。
身を携えるベットは触感からも、見た目からも相当な上物だろう。
サリア「ほら言わんこっちゃない、はは、すごい顔してるね。怪我人なんだから大人しくしといた方がいいよ。」
なんだコイツはよぉ…さっきから人をなめてる態度とりやがって、殺すぞ。
……確かわたしはがめつい商人のクズ野郎に騙されて、追手から追われて、それから……
サリア「ん?なんだい混乱しているのかい?まぁ無理もないけどさ。
にしても、はは、すごく百面相してるね。ちょっと笑っちゃうよ、うん。」
「さっきからうるせぇんだよ、ぶっ殺すぞテメェ……」
サリア「えぇ…第一声からそんなこと言わないでおくれよ…
ボク、一応キミの命の恩人なんだよ?」
「知るかボケが、黙れっつってんだよカス野郎。」
サリア「えぇ……?」
…まぁいい、状況は良くわからないが多分目の前の馬鹿が原因なのだろう。
改めて奴の事を注視してみる。
見た感じはわたしと同年代くらいだろうか、背丈は同じくらい、体格は……
…無駄に肉付きの良い身体しやがってよぉ、引きちぎるぞテメェ…
身なりは簡素だが、高級感の感じる物。
この部屋と合わせて考えると、このアバズレは金持ちのボンボンと言ったところか。
苛立ちが更に増す、コイツはきっと、生まれた時から幸せで、
それが当然のことだと思いながら生きてきたのだろう。反吐が出る。
何よりも気に食わないのがコイツの顔だ。見るだけで憎しみが湧き上がる。
その明るさに満ちた目、きっとコイツは汚らしい世界など見ずに育ってきたのだろう。
ヘラヘラとした口元、きっとコイツは生きる為に無様に媚びへつらって、
命乞いの言葉を必死になって吐き出したことなどないのだろう。
それにその表情、そう、その表情だ、その優しさと、慈しみを感じる、
最高にクソッタレなその表情。見るだけで腑が憎しみで煮え狂う。
知っている、ああ、知っているぞ、その表情は、それは偽善者の貌だ。
わたしは知っているぞ。
薄っぺらい同情心、自分よがりな正義感。
醜い、何処までも醜い自己陶酔に浸る貌だ。
あの男だってそうだった。あの偽善者のクソ野郎、最低のゴミクズ。
口先だけは綺麗事ばかり並べて、わたしの心を弄んだクソ野郎。
上っ面だけの理想を囁いて、わたしのことを騙した詐欺師。
アイツの言うことを信じて、なんでもやった。
殺して、騙して、壊して。その行為が、幸福を得る事に繋がると信じて。
だが結果はどうだ、全て嘘だった。幸福どころか何一つ得られなかった。
しまいには我が身可愛さにわたしを売りやがった。信じていたのに、それを裏切った。
クソッタレ、思い出すだけで反吐が出る。
あの詐欺師も、騙された馬鹿な私も。
全てが憎い。殺したくなるほどに。
サリア「……大丈夫かい?もしかして具合が悪いのかな?すごい顔してるよ、キミ。」
「………黙ってろや……。」
サリア「あー、そうかい、うん。」
……まぁいい、とにかく今は、現状を把握する事が最重要だ。
多分コイツに聞けば何かわかるだろう。気に食わないが、背に腹は変えられない。
「…オイ、どうしてこうなってんだ、説明しろや、カス。」
サリア「黙れと言ったり、しゃべれと言ったり、忙しないねキミは。まあいいけど。
あと、ボクの名前はカスじゃないよ。
…そういえば、自己紹介がまだだったね。先にそっちからやろうか。うん。」
「アァ?テメェの名前なんざどうでもいいんだよ。」
サリア「いやいや、自己紹介は大切だよ。
お互いのことを知る事は、仲良くなる上で大切な事だからね。」
サリア「さてと、では改めまして、
ボクはサリア、ノベルティア・サリアだ。
ボク達歳も近い様だし、仲良くしてくれると嬉しいな。」
「するわけねぇだろうが、ぶん殴るぞテメェ。」
サリア「えーいいじゃないか別に、
これも何かの縁だと思ってさ、友達になろうよ、ね?」
「あほクセェ、願い下げだ。」
こんな奴とオトモダチになるだぁ?
冗談じゃねぇ、なるわけねぇだろボケが。
そんな機会は絶対に訪れない。
絶対に、だ。この心臓に誓ってやるよ。
それぐらいありえない。
コイツとそんな関係になる位なら、この心臓をくり抜いて死んでやるよ。