別れを告げて   作:あいす

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初投稿です。


第1話

 それは、遠い昔の事だ。幻想郷にはとある2人の少女が居た。2人は仲が良く、度々集まっては一緒に遊んでいたという。時には路地裏で、時には妖怪の山で。2人は、「人目の付かない」場所で遊んでいた。それは一体何故か。理由は単純。2人の内の1人が妖怪であったからだ。

 妖怪である彼女は、人里の人間から迫害を受けていた。と言うのも、妖怪とは人間をとって喰らう存在。捕食者なのだ。人里の人間には、そういった価値観が潜在意識に刷り込まれているらしく、人間にとって妖怪を虐めることは無意識から来る恐怖から自分の身を守る自衛行為と言えるだろう。しかし、妖怪側は違った。殆どの妖怪は人間を喰らわず、寧ろ人間に対して友好的であるのだ。価値観という物は非常に影響力があるもので、場合によっては人の視野を狭めてしまう。この話がいい例だろう。

 

 しかし、やはり人間にも妖怪に友好的な者(変わり者)はいる。それが、もう1人の少女だ。

 

 2人の出会いは、とある日の昼方。1人の少女が、家を抜け出し人里を歩き回る所から始まる。その頃の少女はおてんばと言うべきか、非常に元気の有り余っている子供だった。そんな彼女にとって、家に籠り勉強漬けの毎日という物は非常に酷であろう。だからこそ、変わらぬ毎日に飽き飽きした少女にとって人里という物は刺激的だった。人々の笑顔飛び交う、活気に溢れた通り。辺りに漂う空腹を誘う魅力的な香り。彼女にとってそれは、おとぎ話の世界のようだった。心のおもむくままに人里を歩く彼女だが、気づけば夕陽が辺り一面を照らしていた。彼女は顔に出てしまうほどの焦りを感じ、急いで家に帰る為にすぐさま走り出した。幸い彼女はこの辺り一体の地図は全て覚えている為、迷うことなく道を進むことが出来た。耳元で鳴る風切り音。風に吹かれなびく髪。その全てが、今の彼女を表していた。

 

 家に変える為人里を駆けている彼女だが、風を切る音の中にふと笑い声が入ってきた。しかし、それには本来在るべきの喜の感情が何処にもない。強いて言えば()であろう、不愉快な笑い声。彼女は、気づいた時にはその笑い声が聞こえた方向へ向かっていた。体が勝手に反応してしまっていたのだ。彼女は、自分が何をしていたのかさえ忘れ全力で走ってゆく。そして、彼女は声が発された場所へ着いた。そこには、5人の子供がおり、円を囲むようにして何かを見下す様な、それでいてなにかに怯えるような。まさに弱い者程よく吠えると言う言葉を体現したような姿で何かに対して罵声を浴びせていた。……先程5人の子供と言ったが、実際にはもう1人いる。だが、それは人で数えるのが正しいのかどうなのか……。そのもう1()()は、妖怪だったのだ。

 

 

 

 




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