ダンジョンにシカクイ奴が居るのは間違っているだろうか   作:taimanman

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 私は厳しい批評全然OK派ですので、いくらでも辛評してください。
 というかむしろ自分のダメなところを知りたいのでどうか細かいところまで指摘してください。お願いします。


働け細胞キミの頭が働くように

 迷宮都市オラリオ。

 『ダンジョン』と通称される地下迷宮を保有する、いや迷宮の上に築き上げられた巨大都市。

 都市、ひいてはダンジョンを管理する『ギルド』を中核にして栄えるこの都市は、ヒューマンも含めあらゆる種族の亜人(デミ・ヒューマン)が生活を営んでいる。

 そんなオラリオに住み、ダンジョンに潜りそこから得た収入で生計を立てている人達をもっぱら冒険者と言う。

 そんな冒険者の1人であるベルは一年前に育ての親の祖父が亡くなり保護者を失った後、残った財産を持って村を飛び出した。

 言わずもがなダンジョンでの出会いを渇望していたからだ。

 まあ今のベルにアプローチをかけてくるのは某牛君等のモンスターだけのようだが。

 

 『ーー男ならハーレム目指さなきゃな!』

 

 そう、ずっとベルは祖父に教わってきた(洗脳されてきた)

 幼い頃からベルに英雄達の物語を語ってきた。そんな中でベルは教わった。

 英雄達の物語の中で最大の醍醐味は、可愛い女の子との出会いなのだ、と。

 それからは早かった。小さかったベルは英雄に憧れる傍ら、異性との出会いに熱意を燃やし、祖父から日夜『男の浪漫』とは何たるかを教えてもらった。

 年を重ねていくにつれ、英雄なんて偉大な存在にはなれないのだと片方の夢は萎んでいき、その代わりに、もう片方の情熱はお前の意志は受け継いだとばかりに膨らんでいった。

 そして思った。

 英雄達が繰り広げたような冒険の舞台に身を置けば......オラリオに行けば、冒険者になれば、ダンジョンにもぐれば。

 運命の出会いというやつに巡り会えるのではないのかと。

 たった1人の家族を失ったベルは祖父が残したその一念に後押しされるように、ダンジョンのあるこの地へやって来たのだ。

 だが今日初めて命を危険に晒された事によって、流石に馬鹿な理由で来たものだと考え出したようだ。

 まあ、富とか名声とか、そういったものを求めている人達と中身は変わらないような気はちょっとするんだけど。等と考えてもいるらしいので、あまり懲りてはいないようだが。

 的を射ているのが質が悪い。

 ただ『生きる』って難しい。それは理解したようだ。

 ダンジョンだって何だって、そう簡単に思うようにはいかない。

 当初とすげ替わった目的、アイズ・ヴァレンシュタインのことも含めて。

 そう学習したベル。彼が今何をしているかと言うと......

 

 「エイナさぁぁああああああああああああああああんっっ!!」

 

 全身をドス黒い血色に染めきったまま、

 

 「うわあああああああああああああ!?」

 「アイズ・ヴァレンシュタインさんの情報を教えてくださああああああああああいっ!」

 

 己の担当受付嬢に凸っていましたとさっ!☆

 

 

         ○●○●○●○●○●○●

 

 

 ......いやまて、オカシイだろ。

 

 「ベル君、キミねぇ、返り血を浴びたならシャワーくらい浴びてきなさいよ......」

 「すいません......」

 

 よく言った受付嬢君。君は良識ある有能な受付嬢のようだ。

 身体中全身血まみれになりながら街を突っ切ってくるアホゥがここ以外何処にいるというのか。

 そんな奴バ○か○く細胞の白○球かヒロ○カの......

 ......結構居た。

 まあともかくシャワーぐらい浴びよう。

 この少年見た目と違って実は結構狂っていたらしい。

 今までの常識人枠判定はなんだったのだろうか?

 

 その後は、5階層に突撃したことを洩らしてしまい、メチャクチャ怒られたり、アイズ・ヴァレンシュタインについて聞くも一般的に知られている情報しか教えてもらえなくてショゲたり、最終的にちょっとだけ励まされたりして元気をだした彼は、必殺の先制純心「エイナさん、大好きー!!」Dashを決め、彼女の心に100ダメを与えた事に、またそれを見た周りの野郎共から送られる畏敬の念やら殺意の念やらに気づかぬままギルドを去っていった。

 

 その少し後、

 

 「あの、ここに血まみれの少年が運ばれてきたと聞いたのですが、その方は何処に居られますか?」

 

 と、とある女性がギルドにやってきて、少し騒がしくなってしまったことを未だベルは知らない。

 

 

         ○●○●○●○●○●○●

 

 

 ギルドから出た後、大通りの人だかりを縫うように駆けていく。しばらくして大通りから細い裏道を通り幾度も角を曲がる。背中に届いていた大通りの喧騒が聞こえなくなってきた頃、ベルは寂れた廃教会に着いていた。

 中に入り祭壇後ろの小部屋に向かう。そこにはいくつもの本棚があった。その中でも最も奥の棚の裏側には、地下に続く階段があった。

 あまり深くないその階段を降りると、奥に続く扉の隙間からうっすらと光が漏れていた。

 

 「神様、帰ってきましたー!ただいまー!」

 

 扉を開け放ち部屋に入ると共に、挨拶。

 すると部屋の真ん中に鎮座するソファーに突っ伏していた幼女が、テクテクという擬音がつきそうな感じで歩いてきた。

 

 「やぁやぁお帰りー。今日はいつもより早かったね?」

 「ちょっとダンジョンで死にかけちゃって......」

 「おいおい、大丈夫かい?君に死なれたらボクはかなりショックだよ。柄にもなく悲しんでしまうかもしれない」

 

 その言葉に少し嬉しくなったらしい。

 

 「大丈夫です。神様を路頭に迷わせることはしませんから」

 

 等とつい先程死にかけたくせに見栄を張り出した。

 やっぱり彼も男の子なのだろう。

 それはいいのだがその台詞は死亡フラグになるのでやめた方がいいだろう。

 

 少し話した後、ステイタス更新の話になりベットに向かう。

 【ステイタス】とは、神の恩恵。

 無限の楽園に飽きた神々は、天界を降り下界にやって来た。

 彼らいわく、様々な無駄を拵えながら文化や営みを育む『子供達』ーー下界に住む人達のことーーに娯楽を見出だしたらしい。

 その彼らが下界で人と同じように生きていくと決めた以上、神達の間で『神の力(アルカナム)』を使ってはいけないというルールが決められたらしい。

 そのため彼らは地上では人と変わらない力しか持たない。

 そんな彼らが生きていくためには衣食住が必須であり、そのためにはお金を稼がなくてはならない。

 働くことが好きだという神も居はするが、大半は好きなことだけをしていたいという者達だった。そんな彼らは好き勝手するために、人の手を借りる事にした。

 彼らの『恩恵』である【ステイタス】を与える代わりに、その者達に金を稼いで来てもらうのだ。

 要はギブアンドテイクの関係になるということ。

 そうやって【ステイタス】を貰った人達と与えた神の関係を【ファミリア】という。与えた神の名によって○○ファミリア等と言われ、構成員の知名度がそのままファミリアの知名度になるのだ。

 

 「......ごめんねぇ、こんなヘッポコな神と契約させちゃって」

 「か、神様ぁ......」

 

 つまり、今日まで構成員がベル独り()()()【ヘスティア・ファミリア】は当然ベルが入る前は誰もいない完全なる新興ファミリアだったわけで。そんな【ファミリア】に入れてしまった事をこの幼女......もとい神ヘスティアは気にしているらしい。

 だが。

 

 「でもベル君、聞いてくれよ。なんと今日遂に、団員が1人増えたんだ!」

 「えっ?」

 「ついさっき1時間ぐらい前に、このボクのファミリアに2人目の団員が出来たのさ!!」

 「ほんとですか!」

 「ああ、本当さ。キミと同じで迷子になっていた子を見つけてね。その子いわくなんでここにいるかわからないって言うから、ボクの所に来るかい?って聞いたら了承してくれたんだ」

 「そうだったんですか。いや本当に凄いです神様!」

 「ふふーんっ、それほどでもあるね。もっと誉めてもいいんだよ?」

 

 それって結局ベルと同じでなにもわかってない子を引っ掛けたって事じゃないのか?と思ったが一応全て説明はしたらしい。それでも良いらしいそいつは果たして豪気と言えばいいのか向こう見ずと言えばいいのか。

 

 「それじゃあ明日からはその人と一緒にもぐる事になりますね。楽しみです!」

 「ああ、頑張っておいでよ」

 「はい!」

 

 そう言って一旦話を締めくくると、ヘスティアはベルの上に乗った。今から【ステイタス】更新を始めるらしい。

 

 「そういえば死にかけたって言ってたけど、一体何があったんだい?」

 「ちょっと長くなるんですけど......」

 

 そう言って話し始めるベル。その話を聞いているうちに、ヘスティアの頭には1人の姿が浮かんできた。

 (全身四角い子って、もしかしてもしかしなくともボクの新しい子だよね。5階層に行った?初日で?しかもそのまま下に降りていった?一体どうなってるんだ......。確かに彼は無茶苦茶なスキルを持っているけど......)

 一体彼は今何処に居るのか。それが気になってしょうがなかった。

 

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