【書籍化決定】とある男子高校生のラブコメ観察日記   作:サラダよりは肉が好き

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すげぇ、なんとこの作品、UA10万突破しました。
ぶっちゃけハーメルンの基準良くわかっていませんが、雑に10万回くらい読まれてるのかなとポジティブな考えの元、大喜びしております。

正直ほぼ思い付き&反射で書いてるような人間なので、無計画で相変わらず暇つぶし程度の更新頻度になりますが、今後ともよろしくお願いいたします。


感想も評価もありがとうございます。何返信したらいいかわからんので出来ていませんが、本当に嬉しいです。


D月のラブコメ模様 後編

D月α日

 

 今日から海水浴旅行だ。榊原、榊原姉、高城、城波、海原、佐々木、天霧、途中参加の龍地、そして私である。大所帯だ。こんな大規模な旅行は人生で始めてであるため、中々に期待を寄せていた。具体的にはどんなラブコメ模様が観察できるのか、楽しみで仕方がなかった。正直、行きの新幹線ではそんなことばっかり考えていたので、道中のことはあんまり覚えていない。覚えていることと言えば、例の如くツインキャッスルwith榊原姉が、榊原の周りを固めてとんでもない修羅場フィールドを形成していたことと、佐々木の周りの席が海原、天霧、龍地と固まっていて佐々木が良い顔をしていたことくらいである。私?私はなんと一人席である。ふふ、豪華だろう……と内心強がってはいたが、普通に寂しかった。龍地が途中参加したため、なんやかんやあって席順が変わったことが原因らしい。

 まぁ修羅場を見れたことは嬉しいのだが、やはり旅行だからみんなとワイワイしたい気持ちもあったのだ。しかし、こういうポジションは空気になりやすく、その分ラブコメ観察が捗りやすいこともまた事実。自分に言い聞かせて耐え忍んでいた。景色は綺麗だったなぁ……。

 

 そして滞在先のホテルへ到着。男子1部屋女子2部屋と割り振りで、自分の荷物を部屋に運び込んで行った。女子部屋の振り分けは確か、天霧、龍地、海原が同室で、榊原姉、高城、城波が同室だった。榊原姉が嫁候補二人を抱え込む形である。榊原を何としてでもこの旅行中に榊原姉ルームへ突撃させたいものだ。ラブコメ的に美味しそうである。もちろん天霧龍地海原の陸空海部屋(偶然それっぽいのでそう呼称することにした)にも突撃させる予定である。まるでギャルゲーのルート選択のような場面でドキドキしてしまう。何としても滞在期間中に成し遂げたいものだ。

 

 荷物の整理が終わったら、さっそく近くの海水浴場へと全員で遊びに行った。人が少ない時期をチョイスして日程を組んだため、人も少なく思いっきり遊べた。

 まずはド定番のビーチバレーだ。9人いるため、4対4で別れてチーム戦をすることに。早速私の数少ない特技であるレシーブとトスを披露しようと思っていたのだが、龍地からストップがかかった。奴曰く……

 

「君がチームに入ったら戦力的不平等になってしまうだろう。人数も多いし審判で我慢してくれ……」

 

 と言われてしまい、やむなく審判へ。せめてもの抵抗として、チーム決めは私がやっても良いということに。こんなこともあろうかと体育祭の時、榊原と天霧を二人三脚のペアにするために使用した詐欺くじの改良版を用意してきていたのである。これを使って、龍地を見事榊原のチームへと割り振ることに成功した。あわよくば榊原ハーレムに加わって私を楽しませてくれないかなという魂胆だ。チームは以下の通り。

 

Aチーム 榊原、龍地、城波、榊原姉

Bチーム 佐々木、高城、海原、天霧

 

こうなった。天霧は運動自体あまり得意ではないが、実は佐々木が相当運動神経が良い上に、高城と海原も相当な運動強者である。

榊原姉弟はなかなか運動ができるらしく、龍地は自他共に認めるインドア派、中間に位置する城波が居てなかなかいいバランスである。

 

結論から言えば、試合はかなり白熱した。Aチームの城波がパスを出し、榊原姉弟が強烈なアタックを仕掛け、Bチームの海原と高城が上手く攻撃を捌き、佐々木が全力で反撃するという形が出来上がっていたのだ。ラブコメではなく少年漫画をしていたと思う。運動が得意ではない龍地や天霧はなんとか食らいつこうと頑張っていた。頑張り屋な天霧はともかく、龍地も張り切っていたのは予想外だった。熱い雰囲気に飲まれるタイプではないと思っていたのだ。後で聞いてみると「少しは良いところ、見せたかったんだよ……」と、顔を背けながら言われた。そういえば負けず嫌いな一面もあったので、そんなものかと思った。

 勝負の結果はなんとBチームの勝ち。やはりレシーブとトスの人員の差が勝負を決めたらしい。榊原も榊原姉もできないわけではなかったのだが、榊原はどうにもみんなが楽しめるように動いていた節がある。ちょこちょこ龍地や城波にもパスを出していた。まぁガチの勝負でもないので、紳士的と思っても良いのかもしれない。

 

 大いに盛り上がったところで、昼時より過ぎた時間になったのでバーベキューの準備。調理担当の榊原、高城、私を中心に食材の下ごしらえや、カレーの準備も始まった。カレーはキャンプの代名詞だと思っていたのだが……どうやら私がカゴに入れていたらしかった。買い出しの時、海水浴におけるラブコメ誘導プランを考えながら買い物をしていたため、適当にカゴに入れてしまっていたのだろう。ということで私が責任をもってカレーを仕上げることになった。これは好機だ。私がカレーを作りに取り掛かることによって、必然的に榊原と高城のペアが形成されることになる。

 ということで、早々にカレーの準備を終わらせて、榊原と高城の様子を観察していた。なんというか……ツーカーというか、とても息がぴったりだった。榊原は一人暮らしで自炊をするタイプだったし、高城は良く弁当を作って榊原へと持っていく様子を見ていたので、料理ができること自体は知っていた。

 しかしだ、榊原が肉を下処理し、高城がその肉を流れるように味付けしながら野菜を切り分け、串に刺す。洗練されすぎていた。さしずめ、全手動バーベキュー串製造マシーンである。手動ならばマシーンではないが、それくらい手慣れた者らしかった。しかもその間、楽し気に会話をしながら(高城は顔を赤らめながら)手は止めていなかったというのだから恐ろしい。

 このままではただのお料理教室で終わってしまうと思ったその時、ハプニングは起きた。榊原が少しだけ指を切ってしまったのだ。ほんの少しで唾でもつけておけば治る程度のものだったが、高城がこれに大慌て。とにかく血を止めなきゃと焦り、なんと、榊原の指を自身の口でしゃぶったのである。ラブコメで良く見る、主人公の指を美少女が舐めるというアレである。榊原は焦っていろいろ手が止まり、思考も止まり、顔を赤くしてその様子を硬直してみる他なく、高城は暫くの間指を舐めた後自分がしていた行動の恥ずかしさに気が付き、それはもう大変なことになり、顔がもうギャルゲというかエ〇ゲというか、そんな感じの顔を紅潮させて俯いてる感じであった。いいぞいいぞ、これでヒロインレースは高城が一歩リードだ。ギャルゲならイベントCG一つ回収である。これを見れただけでもカレー作りに専念したかいがあったというモノだ。因みに、他のメンバーにはコンロとか設置してもらったりしてもらっていた。

 

 色々ありつつ、遅めの昼ご飯のバーベキュー。肉焼き職人は何を隠そうこの私である。今改めて思うと酷使されすぎなような気がしないでもないが、正直ラブコメを観察するにはそういうポジションが丁度いいのだ。何回か、榊原とか佐々木とかが変わってくれようとして居たが、なんだかんだ好きな加減で肉を焼くのが楽しいからと断った。なんだかんだ、ここのメンバーは優しい奴らである。ラブコメの登場人物は大体優しいと相場が決まっているのだ。優しさが染みるぜ。だが、流石にみんなで食べているときは大きなアクションは起こらなかった。まぁ榊原にアーンしてからかうという流れが発生して、女子たちが次々に榊原の口に肉や野菜を突っ込み(榊原姉はドロドロした目をしていたような気がする)、佐々木や私もそこに悪乗りで参加した。あわあわする榊原を見るのは毎回非常に楽しい(ド外道)。

 

この後は少し泳いだ後に、速めにホテルに戻って体を休めた。初日から飛ばしすぎるのもいけないという判断からである。運動が得意ではない組みもいるのでその配慮だろう。

明日からはバーベキューの用意もないので、その分泳いだり遊んだりするイベントも多いだろう。非常に楽しみである。

 

 

D月β日

 

 海水浴旅行二日目。予定通り?に泳ぎメインの日になった。私は割と楽しみにしていたのである。なぜならば、ラブコメにおいて海で泳ぐという行為そのものが超級のフラグだからだ。泳ぎ対決になったり、水着がポロリして主人公がかばうハメに成ったり、足が唐突につって主人公やヒロインが助けに行ったりと、目白押しだ。大体人の不幸に直結している辺り本当に起こったら不味いものもあるのだが、そこは見極めて動くというのが真のラブコメウォッチャーである。

 

まずは泳ぎ対決。私が海についた瞬間、唐突に水泳選手権の開催を宣言するところから始まる。今考えても頭はおかしいが、自然な導入を考えられない程に、私の脳はラブコメで支配されていた。ルールは簡単で、一定距離を一番速く泳いだ人が優勝というものである。優勝賞品は私からかき氷の奢りである。こういう時に大事なことは、まず高価すぎる景品にしないことだ、やりたい奴が軽い気持ちで参加できるように持っていくのがミソである。狙い通り、ノリがいい佐々木と榊原は参加。海原も参加してきた。まぁこんなところだろう。榊原と女子を近づければ大抵何かが起こるという信頼の元、水泳大会(私印)が開催された。

 

三人ともおおよそ魚かと思うスピードで泳いでいく。流石に比喩だが、普通にわが校の水泳部とそん色ないのではなかろうか。折り返し地点まではいい勝負をしていたのだが、ゴール少し前でなんと海原がスパートをかけ始めた。泳ぎに関しては、どうやらスーパーマンの榊原や運動大得意な佐々木よりも上手だったらしい。

そして、ゴールして海から上がったその時、事件が起こった。ある意味望んでいたことでもあったのだが、海原の水着がどうやら流されてしまっていたらしかった。一番最初に海原がゴールすることが正直計算外である。大会主催者としてゴール付近で待っていた私を思いっきり引っ張って、あろうことか私で体を隠し始めた。正直フリーズした。

だってそうなるとは思わないだろ!!榊原が普通に勝つと思ってたんだから!!!変に感触とかだけ覚えてしまっていた。私だって健全な男の子である。ごちそうさまとは思ったが、榊原が先にゴールしなかったことを恨むばかりだ。こういうのはアイツの役目だろ……。

その後、流石に榊原が水着を取りに行くわけにもいかず、榊原姉が海へと飛び込んで水着を発見してきて事なきを得たが、その後海原は私と目を合わせてくれなかった。そりゃそうだ。私だって合わせられないもの。

この日は、他にスイカ割りやビーチフラッグなど定番の遊びをしてお開きになった。

 

 だが私の戦いはまだ終わってはいない。これから榊原を榊原姉の部屋へとけしかける予定である。私のラブコメ観察はこれからが本番だ。遅くなることが予想されるので、今日の日記はこの辺で〆ることにする。壮大な計画が、今幕を開けたーーーー!

 

 

 

D月γ日

 

 結論から書こう。計画は失敗した。というのも、私の行動パターンを分析した龍地の手により、みんなで纏めてテーブルゲームをしようという流れに持っていかれてしまったのである。おのれ龍地。なぜこんな嫌がらせをと思ったが、私のやってきたことも大概なので大きな口を叩くことができなかった。私一生の不覚である。

 結局、全員で人生ゲームをして遊ぶことに。龍地へのせめてもの抵抗として、私はひたすら榊原と他の女子が世帯を持つように誘導して動いていた。ゲームとはいえ誰が正妻か白熱する姿を見て、私は大変満足したので良しとする。

 

昨日の結果報告はさておき、本日は海水浴旅行最終日である。泳ぐというよりは、お土産だったり周辺の店へ食べに行ったりなどがメインとなった。私は一応両親へのお土産としていくつか品を見繕って、早々に榊原の観察へと移行した。

 メインで榊原姉、抵抗するようにツインキャッスルが、榊原を取り囲む。佐々木は相変わらず海原さんへのアプローチに必死だ。ということで、必然的に天霧と龍地が組み的なものになっていった。それぞれ仲が良さそうで何よりである。

 

榊原を観察していると、龍地と天霧に声をかけられた。どうやらちょっと真剣な表情だったので、少しだけ場所を変えて話を聞くことに。

 みんなから少し離れた場所に行くと、天霧から衝撃の真実が、なんと、私が小さいころ遊んでいた美少女幼馴染ことソラちゃんは、天霧のことだというのだ。龍地と話したとき、龍地から私が所属していた小学校を聞いて、もしやと思い至って話を切り出すことにしたらしい。天霧の思い立ったら即行動の速度がおかしいなとも思ったし、龍地がなんで私が通っていた小学校のことを知っていたのかもおかしくおもった。別に龍地にその話をしたことはなかったはずなのだが、龍地だし仕方ないだろう。だが天霧がこんなにもアグレッシブなのは面食らった。

 正直ソラちゃんだとは信じられなかったが、流石に思い出話を正確に話されたら信じる他無かった。まぁ別嬪さんになってからに(おじさん感)。昔みたいに呼んで欲しいと頼まれたが、正直ソラちゃんというより天霧は天霧という感じで頭の中で結びついてしまっているので気が向いたら、と返事をした。私も諸事情で当時とは苗字が変わっていたし、お互い気が付いていなかったということで、ひとまずは今まで通りに呼び合うことに。

 緊張の糸がほどけたのか、天霧はその事実確認が終わったら顔を覆って去っていった。残った龍地が私に、「あの子、脈ありかもしれないね、どうするの?」とちょっと低めのトーンで話しかけて来たので、天霧は榊原に惚れてるはずだしそんなわけはないという返答をすると、やれやれという感じな態度をとられてしまった。何故だ……?

 

 色々ありながら、海水浴旅行は幕を閉じた。夏休みはまだまだあるし、今後もラブコメ観察は力を入れていきたいと思う。

 




中編がもう一つ完成する可能性がありましたが、この話を後編として来月の話を書くことにしました。
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