【書籍化決定】とある男子高校生のラブコメ観察日記   作:サラダよりは肉が好き

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F月の裏側です。

今回はツインキャッスル+α。

少しずつ、物語も終わりに近づいています。

そして、皆さまのおかげでUA14万を達成しておりました。本当に、本当にありがとうございます。

相変わらず勢いとノリで進んで行きますが、今後も完結までお付き合いいただけたら幸いです。




別視点 F月の裏側

F月の裏側 城波ドロシーの視点

 

 どうも城波ドロシーだよ!榊原章君が大好きな女子高生です!ってこの自己紹介はちょっと恥ずかしいな…。

 高校生になってから、毎日すっごい楽しいです!面白いことがいっぱい起きました!好きな人と同じクラスになったり、友達も沢山できたり……恋敵もできたりしたけどね!

 

 そんな私には、大好き!って意味で気になる人と、ちょっと不思議だなって意味で気になる人がいます。

 

 大好きって意味の人はもちろん、榊原くんです!中学生の頃、いじめられてたアタシを助けてくれた彼。すっごいかっこよかった!って、最初は夢見がちな恋する乙女って感じの意味だったけどさ。

 でもね、皆と一緒に過ごしていくうちに榊原くんのことがだんだんと分かって来て、本当の意味で榊原くんのことを好きになっていったの。

 なんでもできるように見えて実はうっかりやさんなところとか、苦いものが苦手だったりとかっていう意外な一面。

 あとは誰かの為に一生懸命になれるところとか、本当に人思いで優しいところとか、実は裏ですっごい努力してるところとか!

 そんな榊原くんを支えてあげたいって考えたことは、ある意味必然だったのかもなぁって思います。

 榊原くんのお姉さんから聞いた話なんだけど、中学時代の榊原くん、実は本当に苦労していたみたい。彼を良く思わない人たちから嫌がらせを受けていたんだって。自分も嫌がらせを受けている中アタシを助けてくれていたのかと思うと、本当に申し訳ない気持ちになる。

 だからこそ、榊原くんが苦しい時はアタシが頑張るんだ!愛ちゃんには負けないんだから!

 

 そして、不思議だなって意味で気になるのは……龍地ちゃんの好きな人、ミスター無表情!何というか……うん!色々変!

 最近は無表情なだけで、人並みの男子って感じもしないでもないんだけど……行動が大人びてるっていうのかな、はしゃぐタイプではないのかなって感じ。

 すごい気が利いて面白い人なのに、龍地ちゃんからのクソデカ感情に対しては鈍いのは本当になんで!?って思う!

 肝試しで一緒になった時も無表情のまま進んでたなぁ。アタシは結構怖いの平気だから楽しみながら進んでたけどさ。……今思えば、ちょっと小刻みに振動してたかも……?本当は怖かったのかな?

 肝試しと言えば!突然無表情君が音楽に合わせて歌って踊ってたの面白かったなぁ。ダンスキレッキレだったし、歌も超うまかった。結局アレはなんだったんだろう……?生徒会長さんは何も知らないみたいだったけど、きっと演出だよね!

 

 そして、夏祭り。この日はアタシたちにとって大きな意味を持った日になった。色々あって告白もし損ねて、夏祭りでいっぱい遊んだ帰り際、改めて告白を切り出そうとしたところに、逆に榊原くんから切り出されたんだ。

 

「……文化祭の日、二人の告白にちゃんと返事を返そうと思う。もう少しだけ待ってくれ。」

 

 正直、怖いって気持ちが先行しちゃったな。今までが楽しかったから、関係性が変わって二度とこんな時間が過ごせなくなるのかなって……考えたくもないよ。

 でも、榊原くんが一生懸命考えてそう決めたなら、アタシはその日までやれることを尽くして、榊原くんの答えを受け入れるだけ。やっぱり、あたしは榊原くんの事が好きだから。

 愛ちゃんには悪いけど、負けるつもりナシ!文化祭までに勝負を決める……!

 

 

F月の裏側 高城愛の視点

 

 高城愛です。章くんのことが大大大大大大好きな女子高校生です。この愛は誰にも負けません。ドロシーさんにも、義姉さんにも。

 ……コホン。章くんとは幼馴染で、小さい頃から一緒に過ごしていたの。……と言っても、一緒だったのは小学校の途中まで。その後中学校までは私の家の都合で別の所へ。その後、お義父さんに接触して高校を突き止め、同じところへ進学しました。偶然を装ったけど、計画通り。

 まさか高校になってドロシーちゃんという伏兵が現れると思ってなかったけど……榊原家で色々あったこともあって、接触を控えていたのが悔やまれる。

 そんなこともあったけど、高校で皆と過ごす日々はとても楽しいことばかり。毎日がとっても速く過ぎて行って、この時間が終わってほしくないって思う。

 けど、私は章くんと結ばれたい。その一心で、章くんと仲が良い無表情な彼へと接触を試みた。

 

 章くんのことについて聞きたいって言ったら「OK」って返事を貰って、おしゃれなカフェで会う流れに。夏祭りで告白する旨を伝えたら……章くんのことをどうして好きなのか答えたらいいよって言われた。

 今思えば、多分無表情な彼なりに章くんのことを心配してたんじゃないかなって思う。私とドロシーちゃんがちゃんと彼のことを好きなのかどうなのか……気配り上手な無表情な彼だからこそ、ここでハッキリとさせたかったのかもしれない。

 もちろん私は章くんへの愛を語った。若干引かれた気がしたけど関係ない。私は、章くんのことが心から大好きだ。

 その答えに満足したのか、彼が知ってる限りの章君情報を話してくれた。

 

「あいつはなんだかんだ普通の男子高校生だからな。実は色仕掛けは有効だぞ。ただ露骨すぎるのはあんまり好きじゃないみたいだから、ファッションとかふとした仕草に色気を隠すようにするといいと思うぞ。見た目の好みだけなら間違いなく高城はドストライクだしな。正統派が好きなんだよなんだかんだ。でも好み関係無くても、好きになったものへの愛情は強いタイプだから、あまり胡坐をかいてちゃいけない。例えばアイツの使ってる筆箱とか中学から使ってるらしいし……。あぁ、あとそうだ。最近は文学少女について布教したな……ごめんて、ライバル増やしたのはごめんって。けどおしとやかな雰囲気が好きなのはそうだ。間違いない。」

 

 結構引くレベルの情報を持ってた。やっぱり人のことを良く見てる。彼に聞いて正解だった。このあと取り急ぎ眼鏡を買ってくることにしよう。文学少女っぽく見えるといいけど……。

 

 あと気になることといえば……そう、龍地さんとの関係。というのも、彼は龍地さんにあんなにわかりやすく好意を寄せられているというのに、その想いに応えるどころか気が付いてる様子すらない。どうしたらあんなに鈍感にいられるんだろうと思って、思い切って聞いてみたんだけど……

 

「龍地?あぁ中学時代は大体一緒に居たけど……。最初は学校だけの付き合いだったけど、いつのまにかあいつから誘われて学校外でも会うことが多かったかもな。その度に大体厄介事に巻き込まれるんだよ。アイツ探偵一家に生まれたからか知らんけど……こう、猫の家出だったり、テレビで見るような大事件だったり……ってやべ、これは言わない方がいいんだっけ。まぁそんな感じ。相棒っていうか腐れ縁がしっくりくるような気がする。」

 

 本人はこんな感じなんだよね……。他にも色々聞いてみたけど……。

 

「龍地って意外と計算外の事態に弱いから結構弱気になりがちなんだよな。その度にケアするのが大変だったなぁ……一回だけ「ボクが死ぬってなった時は…一緒に地獄に墜ちてくれるかい…?」なって痛いこと言って来たもんだから「普通に嫌だからさっさと解決するために頭動かせよ。お前ならできるだろ」って言ったら何か震えながら立ち直ったってことが……痛い、痛いって高城。なんでグーで鳩尾を狙って来る……!」

 

 コイツはダメだ……!色々ダメだ……!物理的手段でも何でも使ってこの鈍感を何とかしないと……!

 

 なんてこともありつつ、勝負を決めるために迎えた夏祭り当日……は、ちょっと色々あって告白もできなかったし……章君から文化祭で返事をするって言われちゃって……色々ともやもやが募る結果となった。

 心の整理にちょっとだけ時間がかかっちゃったけど、改めてドロシーちゃんとも宣戦布告をし合って、夏休み明けから激戦を繰り広げる覚悟を決めた。

 

……何があろうと、最後に勝って、章君の隣を歩くのは、私だ!ファイト!

 

 

 

F月 ???の視点

 

 どうも、幽霊です。とある高校の音楽室のピアノに憑りついています。正直、とてもヒマです。はい。今からおよそ十数年前に事故で亡くなり、いつの間にかここにたどり着きました。

 生前、ピアノの習っていたからかここはとても居心地が良く毎日穏やかに過ごしています。

 そんな幽霊ですが、こんな穏やかな日々を過ごしていてもやはり未練というものは残っています。

 

 それは……生前リアタイで見ていたアニメ「ラブっとラブル!」の最終回を見ないままこの世を去ってしまったことです………!

 そんなことで!?なんて思う方もいるかもしれませんが、この時代、オタクは今ほど世間に理解されない生き物であり、大衆に隠れてその趣味を嗜む他無く………!そこまでしてオタ活をしていた幽霊にとってひじょおおおおおおに大事な未練なのです。

 動画投稿サイトに、オープニングテーマである「恋はジハード!」を無理やり譜面に起こしてグランドピアノでの演奏を動画に撮りアップロードしたのもいい思い出でした……。

 春頃のアニメだった「ラブっとラブル!」は、丁度今この時期に最終回を迎えます……その直前で亡くなった幽霊は、この時期になると興奮が抑えきれず………音楽室のピアノを使って演奏をする衝動に駆られてしまう………!

 

 あぁごめんよ、肝試しに来ている生徒達……!でも呪ったりはしないから、せめて肝試しの一環として楽しむくらいで見逃しておくれ………!

 

 ………なんて思っていたら、とんでもない逸材が音楽室に訪れた。無表情ですこし怖い男子生徒だ。彼は、弾かれている曲が「恋はジハード!」だとわかるや否や……完ぺきな歌声と振付でダンシングし始めたじゃないか……!

何が何だかわからなかった。でも、この時代にもまだ「ラブっとラブル!」を知っている者が居たとは…!

 

 そこから嬉しくなって、幽霊はそこから全力で音楽を奏で……そして、彼と幽霊の「ラブっとラブル!」の絆が生み出した奇跡か…幽霊は、無表情の男子生徒の記憶を覗くことに成功した。そこには、夢にまで見た最終回が……!

 

 嗚呼……そうか、ヒロインたちは無事に争いをやめて幸せになれたのか………よかった。本当によかった………。

 

 これで、幽霊は、安心して成仏を……あれ、気のせいだろうか…。

 

 彼の魂が、少しブレて二重に見えるような……。老眼………じゃないよな、幽霊は幽霊だし……まぁ、いいか。考える暇もない。未練が無くなった幽霊は、素敵な思い出を抱えて、この世を去るのみだ………。どうか、全てのラブコメに幸あらんことを………。

 




やっぱり黒髪ロングとか金髪系とか王道なキャラクターもいいよね。
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