少し暑くなってきた春も終わりを告げる五月の末の朝。
私は、夢を見ていた。何だか楽しい夢。でもふわふわとして、ひなたの声がしたようで薄れていく。
「みゃーねーおっはよー!」
ひなたの駆ける音がする。ひなたー。そんなに駆けないの。
「ゔは」
何!?!?痛っづ。えっと、ひなたがジャンプして私の上に飛び乗ったってことか。
「みゃーねーおきたかー」
「お、おはよー」
う、うん・・・・。ひなたはいっつもやんちゃさんなんだから・・・。
それにしても、いつにも増して強引な・・・。そうしなくても起きるから・・・。
「おはよう」
ほんと元気ねー。ひなたは。
「いってきまーす!!」
眠くて薄っすらとした私にも意識の中にも、ひなたの威勢のいい声が響き渡る。
「いってらっしゃーい」
はぁ。いつも私より早起きして起こしにくるひなたは何時でも元気満点だ。
それと比べて私と来たら・・・。まぁでも眠いし・・・。
「みやこー、いつまでねてんのー。」
お母さんの声だ。ちょっと怒り気味かも。
「おきたー。おきたからー。」
まずい。お母さんに怒られたくないし。それに今日の朝ごはんは私の大好物だし。
──流石に起きなきゃか。
「ふふーフレンチトーストー♪昨日の夜から漬け込んでおいたフレンチトーストー♪」
今日は昨日の夜から漬け込んで置いた、私の自慢の一品フレンチトーストが食べられる日。それだけでつい嬉しくなっちゃう。気がつくと口ずさんでしまう。ほんと美味しいよね。フレンチトースト。
『美味かった母』
「母……。」
あ、食べられちゃったか。あ、なんかショック。折角起きてきたのに、食べれないんじゃ。
「ひなたぁー!!ありがとー!!」
ひなたー。ほんとに、ほんとにありがとう。ひなたはやっぱり最高の妹だ。
「ほっ。」
私は、フライパンにバターを引いて、ひなたが作ってくれたフレンチトーストをひっくり返す。
このちょうどひっくり返す作業をする時は、いつでも楽しい。
「すぅー」
私は、出来上ったフレンチトーストの香りをいっぺんに吸い込む。甘い砂糖が焦げる匂いに、香ばしいバターの香り。私はこれを食べるために頑張って今日の朝起きたんだ。
「いっただきまー」
そのまま嬉しくなって、一口、口にする。
「ん・・・・。」
さ、砂糖の味・・・。フレンチトーストの原型はない。
「あまヅ・・・」
余りの甘さに、ひなたが「ザーー。」と漬け込むフレンチ液の入ったボウルに砂糖をこれでもかと入れる姿を想像してしまう。ひなた。何したら、そんなに砂糖入れちゃうわけ?
今日は特に何もない平凡な一日だった。そんな日には私は、ひなたのために服を作ることにしている。
「ひなたまた大きくなったからなー。採寸し直すか。」
服作りに集中していると、あっという間に時間は過ぎていた。
「みゃーねーただいまー。」
「お、もうそんな時間か。」
気がつくと、ひなたがもう家に帰って来る時間になっていた。ひなたの元に行かなきゃ。
「ここがうち。入って入ってー。」
「おかえりーひなたー。」
ん?ひなたの他に誰かいるのかな。
「みゃーねーただいまー。」
おかえりー。ひなたー。ん?
「・・・お邪魔します」
──春も終わりの気配を出し始めた五月の末のこと。私に天使が舞い降りた・・・。
ひなたのお友達?あれ?かわいい?というか、すごくかわ・・・。
何この子!?すっごく可愛い!
まじ天使なんだけど・・・・。
こんな可愛い子がひなたの友達!?
この子どんな名前なんだろう。可愛い。この子とひなたってどのくらい仲いんだろう。可愛い。
あ、あれ?なんか顔が暑い・・・。風邪でも引いたかな・・・。けど、そんないきなり。
そんないきなり、可愛いからっていきなり。どうしよ。態度に出ちゃったりしてないかな。
「みゃーねー今日は友達つれてきたぞー。」
ごめん。ひなた。なんか恥ずかしくて返事できなかった。
「わたしのおねーちゃん。みゃーねー。すごい人見知りだから始めて会う人とは顔を合わせないんだ。」
あれ、私、なんかさっきからすっごくもじもじしてるような。
「へー。えっと、はじめまして。白崎花です。」
へ、返事しなきゃ。どうしよ、どうしよ。なんか凄く変な感じ。は、花。花ちゃん。
この可愛い子は、花ちゃんか・・・。
「へっ。あ、あの・・・。ほしのみやこです・・・・。」
どういう反応するかな。えっと、その。だめ、顔を見て話せない・・・。
「返事できてる、すごいぞみゃーねー!!がんばった!!」
「顔まっか。」
は、花ちゃんにまでそう言われるなんて。やっぱり、顔に出っちゃってる・・・。
どうしよ。どうしよ。でも恥ずかしい・・・。
「へっ!?え、ちょ、ちょっと、ちょっとやめて。」
──ていうか、こんないきなりドキドキするなんて変だ。
花ちゃんのことを思うだけで、なんだか変な感覚になる。ちょうど、何というか、
──何?この感じ。このもにょっとした気持ち・・・。
この胸の辺りがもにょっとする変な感覚。何だか急に体も暑くなるし、本当に今日はなんか変だ。
「私のへやこっちー。」
そういうひなたに連れられて、花ちゃんは目を逸らして反対側を向いてしまう私の後ろを歩いていく。
「うん」
花ちゃんが行っちゃう。ついてこうかな・・・。でも、ついてっちゃダメかな・・・。
とりあえず、部屋に戻って気持ちを落ち着けなきゃ。とりあえず落ち着こう。落ち着け私。
深呼吸。深呼吸・・・。はぁ。よし、落ち着いてきたぞ。なにがどうなってるのか冷静に考えてみよう。
えっと、はなちゃんをみてると・・・。もにょー。なんなのこれー!?なにこれー。花ちゃん相手だとなんだかいつもより緊張する・・・。ひなたの友達だから、仲良くしておきたいのに。
──花ちゃん・・・
私はふと、私が作っているひなたの服のデザインを描いたノートに目を向ける。
花ちゃん、絶対こういうの似合うよなー。絶対可愛いよなー。
あんなに可愛いのに、もっと可愛くなったら・・・。ふへへ・・・・。
いっそのことわたしのお友達になったりできないかなー。
・・・でも顔合わせて冷静に話せる気がしないし。
「あ、そうだ。顔合わせなきゃいいんだ。」
私はそう思って、マスクと、サングラスを取り出す。そうだ。マスクとサングラスをすれば、恥ずかしくない。・・・はず。
花ちゃんは、ひなたの部屋にいるはず・・・。そっとノックして入ってみよう。
「ん?みゃーねーかー?」
「どーしたー?みゃーねー。」
そうだよー。
「あっ・・・・。」
私は、部屋の奥でゲーム機を動かしている花ちゃんの方へと目を向ける。
「あ、あわわ・・・。」
その時、気付くと、目の前のひなたが、怖がって目を潤ませていた。
「うわーっ!!」
ぐはっ。その瞬間、ひなたのロケット頭突きが炸裂し、私のお腹に一瞬鈍い激痛が走る。
私は、そのまま、床に倒れてこんで、お腹を抱える。ぐ、ぐるじい・・・。
「みゃーねー。助けてみゃーねー。」
みゃーねーはここにいるよー。けれど、全く声すらでない・・・。
「そこで倒れてるのがそうじゃない?」
ありがとう。花ちゃん。ひなたー。戻っておいでー。
「え。ほんとだー。もービビらせるなよ。みゃーねー。」
ビビらせるもなにも、マスクとサングラスしてただけなんですけど。まだ、痛みが残ってるし。
「ごめん・・・。」
けど、いきなり、マスクとサングラスした人が入って来たから不審者に思ったのかな。まぁ、ここは謝っておこう。
あれ、何しにきたんだっけ。それで、何をしにここに来たのか、痛みで忘れてしまった。
あ、思い出した。そうだ。花ちゃんと友達になろうと思って。
「は、花ちゃん!」
「ん?」
──ここはちゃんと伝えなきゃ。
「私と友達になって・・・。」
「嫌です。」
「えっ。」
そ、そんな。凄いショック。で、でもどうして。友達になるくらいいいでしょ。ねぇ、そこをなんとかお願いっ・・・!
「嫌です。」
「そ、そこをなんとか。」
「お姉さんと友達になる理由がないですし。
え、あ、あれ。でも反論できない。私がひなたの友達と友達になる理由がぱっと思いつかない。
「理由ならあるぞ。花。みゃーねーは友達がいないんだ!かわいそーだろ!!」
「ちょっと、ひなた!!」
ち、違う!!い、いやそうなんだけど。私、大学でも人見知りばっかするし、友達ゼロなのは本当なんだけど。で、でも、恥ずかしいし、頼むから花ちゃんにそれ言わないで!
「え、そうなんですか?」
「いや違うよ。友達いるから。」
花ちゃんには友達いないなんて思われたくない。ここは否定しておこう。
「そうですか。」
「いやーほんと、いっぱいいるから!!」
そう。私には友達はいっぱいいるから。大学でも、友達が沢山いすぎて困ってるくらいで・・・。
「すごい。たくさん・・・・。」
そう、すっごく、すっごく沢山・・・・。あ、あれ何だか自分のことが惨めになってきた。あ、私、やっぱり友達なんていないんだ。私だって、友達欲しいのに・・・。
「友達になりましょうか?」
憐れまないで。。そんな憐れむ表情で、慈悲を与えられたら余計、惨めになっちゃうから・・・。
「よかったなーみゃーねー。」
うー。なんだか思ってたのと違うー。もっと、普通に友達になれると思ってたのに。こんな展開は何だか嫌だ。こんなはずじゃ、なかったのにー。
「お姉さん。元気出して下さい。」
は、花ちゃん。やっぱり、花ちゃんは正真正銘の天使だ。その天使がこんな惨めな私に慈愛の手を差し伸べている。
「はい。」
花ちゃんに励まされれば、悩みの全てが打ち解けてしまう。ああ、やっぱり、花ちゃんは天使だ。
私は花ちゃんの手を握る。
花ちゃんの手は、すべすべしていて、柔らかくて気持ちいい。まさに天使の触り心地だ。
「ふへへ。ふへへへへへへ・・・・・。」
ああ、心地いい。こんな触り心地がするもの始めて触ったかも。素直にいい。
「どうしたんですか?」
「花ちゃんの手、すべすべで気持ちーねー。」
ああ、花ちゃんはやっぱり素晴らしい。
「気持ち悪っ!!」
え、な、何?そのゴキブリを見るような目と、回避行動!?私、気持ち悪がられてる!?
「ち、違うよ!!へ、へんな意味じゃないから!!あ、そうだ花ちゃん。採寸させてー。」
そうそう。花ちゃんの採寸しなきゃいけないだった。花ちゃんを採寸して可愛いコスプレを着させて、もっと可愛くする。うひょー。考えるだけで、興奮してきた。
「いきなり何なんですか!!」
「すぐ終わらせるから。採寸させて。」
頼む。お願いだよー。すこし採寸するだけで、変な意味はないからさー。
「近づかないで!!」
あれ、すごっく嫌がってる気が・・・。
「それ以上近づいたら、通報するから・・・。」
え、えええええ。待って、それされたら、私、お母さんに殺される・・・。もう大学行けなくなっちゃうから。そ、そうだ。
「ちょっとーひなたー。助けてー。」
ひなたは花ちゃんの友人だから、こういう時の解決策を知ってるはず・・・!
「みゃーねー。私の手の方がすべすべだぞー。」
ひなたが私に両手を伸ばして、手のひらを見せてくる。
「ややこしくなるから張り合わないでくれるー!?」
待って、その前に急がないと、花ちゃんに通報されちゃうから。通報されたら、私もう生きてけないから。
「ほら、みゃーねー。」
頬に擦り付けないで。分かったから、分かったから・・・。頼むから私の話を聞いて。
「分かってるから。知ってるから。それよりあそこで通報寸前のはなちゃんどーにかしてー。」
お願いだから助けて。
「花の機嫌取るのなんて簡単だぞー。」
「ほんと?どうしたらいいの?」
ナイス!ひなた!で、どうすればいいの?
私は、ひなたから、花ちゃんは甘いお菓子に目がないことを聞いた。そして、私が作って置いていたおやつのメロンパンを花ちゃんに差し出す。すると花ちゃんは、ものすっごく可愛い顔で、夢中になって食べ始めた。何この可愛い生き物?もにょっ。
「食べ物あげれば大人しくなる。」
──ちょろい。そして可愛い。
「こうなった花は食べ終わるまでほとんど動かない。」
可愛い。ついお菓子を沢山あげたくなってしまう可愛さだ。もにょにょー。
「ほ、ほんとだ。私もなでてみよううかなー。」
花ちゃんの頭すべすべしてて、手のひらと同じように触ると気持ちいいんだろうなー。・・ふふっ。
今なら、完全にメロンパンに集中してるみたいだし、撫でるくらい良いよね?
「べしっ。」
花ちゃんは、一瞬で機械的に私の手を跳ね除けた。
「えー。」
そんなぁ。私撫ちゃだめなのー。頭なでなでしたかったのにー。
「お、そーだ。私が花をなでるから、みゃーねーは私をなでればいい。」
え、それってひなたを私が撫でてるだけなんじゃ。というか、ひなたが私に撫でてもらいたいだけ!?
「何この状況。」
そして、そのまま私がひなたをなでて、ひなたが花ちゃんを撫でるという謎の構図になった。
──私の前に天使が舞い降りたあの日からもう一週間。
ああ、一週間も、花ちゃんと会えないなんて。早く会いたいな。寂しいな。早く会いに来てくれないかなー。
「なんだ、みゃーねー。一緒にお昼寝するかー?」
ひなたー。もう。小学生五年生にもなってお姉ちゃんと、一緒にお昼寝がしたいだなんて。子供なんだから。
「もう、五年生にもなってー」
「えへへへへへへ。」
そうだ。大事なこと聞いてなかった。
「ねぇ。ひなたー。」
「ん?」
「は、花ちゃんまたうちに遊びに来ないの?」
そう、花ちゃん家に来れないか聞いとかないと。ひなたが呼んでくれなきゃいけないわけだし。
「花?多分来ないぞ。この前誘ったらー。」
え、でも何でだろう。
「『お姉さんいないなら行くけどー。』って言われた。」
──あれっ。なんか物凄いショック。
なんだろう。何かが崩れ去ったような、私嫌われるのかな・・・。あれ、嫌われてるって思うとすっごくショックがでかいんだけど。何とか嫌われないようにできないかな。
「みゃーねー。どうした?」
──うちに来てもらって、今度こそ仲良く。
そうだ。花ちゃんとお友達になったんだ。だから、仲良くならなきゃ。
「おーい。」
決めた。これならきっと、私の家に来てくれるはず。この案でいこう。
「ひなた。花ちゃんにこう伝えて。」
「おっ。」
みゃーねーの言葉を聞いて、私は花を家に呼ぶことにした。
「花―。」
花の名前を呼ぶ。
「どうかしたの?」
そしたら、花は何かあったの?と聞いてきた。
それじゃあ、伝えるぞ。みゃーねーが家に呼びたいってこと。
「みゃーねーが、美味しいお菓子あげるから今度うちに遊びにおいで。だって。」
──変質者の誘い方だ・・・。
お姉さん、お菓子で私を釣ろうとするなんて。完全に変質者ですね。やっぱり、気持ち悪いです。
でも、あのお菓子が食べられるっていうなら、一日くらい遊びに行くくらいは・・・・。
「は、花ちゃんがうちに泊まりに来る!?」
え、マジ!?それ本当?家に単に来るんじゃなくて、泊まりに来る?ひなた、本当に言ってんの?だとしたら最高過ぎるんだけど。ねぇ。本当にいいの?
「・・・お泊まり。」
花ちゃんが泊まりに来る。やった。で、でも何で?いきなりそんな都合がいい話が舞い降りてくるなんて。
「うん。その方がいっぱい遊べるからな。」
ひなた。ありがとう。いっつもひなたには助けてもらってる気がするよー。
「みゃーねーがいいなならいいけどー。」
え、私は全然OK。というか、むしろ誘いたいくらいだし。
「お母さんがいいって言ってるならいいけど。」
最終確認だけしとかないと。お母さんに反対されたら完全OUTだし。
「やった。みゃーねーありがとー。」
「でも、はじめてだね。ひなたがうちに友達泊めたいだなんて。」
ひなた、今までのうちに友達を誰一人泊めて来なかったし、何か意味とかあったのかな?
「花ならいいかなって。」
「え。」
どういうことだろ?花ならいいって。
「みゃーねー。家族以外がうちにいるの嫌がるからな。」
え、あ、そうだったんだ。ごめんね。ひなた。私がこんな人見知りの姉やってるばかりに、他のお友達とうちでお泊まり会できなくて。でも、他の人なら嫌がってても、花ちゃんなら、家で泊まるのが嫌ってどころか、泊まっていって欲しいと思う。
──そういえば、そうだったな。考えてみればどうして花ちゃんと仲良くなりたいなんて思たんだっけ。どうして私はこんなに花ちゃんのことが気になるの?どうして花ちゃんにだけ。どうして・・・・。もー。何この、もにょっとした気持ち。やっぱりここがもにょもにょする。もにょっ。
花ちゃんの事ばかりが気になってしょうがない。ひなたの服を作るつもりが、気がつくと花ちゃんのために作っているような気がする。そして、花ちゃんが来るその日まで私は服を作り続けていた。
「はぁ。花ちゃんに着てもらえたら・・・。いや、そんなの無理だから。」
やっぱり嫌がられて、着てもらえないのがオチなのかなー。
そう思った最中、玄関からピンポンと家のチャイムが鳴った。
「はぁ。きたっ。」
遂に来た。今から花ちゃんと今晩ずっと同じ家に居られるなんて。もにょにょ・・・。
「ど、どうぞ。」
「お邪魔します。」
ああ、なんて花ちゃんは天使なのだろう。花ちゃんの揺れるさらさらとした髪、それから・・・
「・・・え、何この服。」
何?このクソダサい服?ダサっ。ダサっ。何このデザイン。なにこの髭生やしたキャラクター。花ちゃんみたいな女の子が着ると、超絶似合わないんだけど。なにこの絶望的過ぎるファッションセンス・・・。
「ひなたは?」
「ダサっ!あ、げほっ・・・げほっ・・・。」
あ、え、今言ってた。ダサすぎるし。聞かれて無かったよね?
「え、今、すこし出てる。すぐに帰ってくるって。」
えっと、大丈夫だよね。聞かれて無かったよね。実際クソダサいけど、それを言われたら花ちゃん傷つくだろうし・・・。
「どうしたんですか?」
「ひっ。い、いやっ。」
まずい。このままじゃ、感づかれる。とりあえずここは、話を整理して。いや、それにしてもダサい。
この髭を生やした頭パーマのおじさんみたいな幼稚なキャラクター。特に花ちゃんみたいな可愛い女の子が着てると、際立ってダサい。
「いや、その服ダサっ・・・ゴホゴホ。可愛いなーって。」
まずっ。ちが、とりあえずダサくても、ここは可愛いって言って置こう。ダサ可愛い?と思う人が現に目の前にいるわけだし。え、ダサいって思ってるよね?
「ありがとうございます。ひげろーっていうんですよ。おきにーりなんです。」
ええ・・・。こんなクソダサいのがお気に入りだなんて、花ちゃんのファッションセンス壊滅してるんだけど大丈夫かな。ひげろー?ダサろー。でしょ。もうこの話してると感づかれそうだからやめよう。
「そうなんだー。何そのキャラ・・・。」
──いや、それより。あの誘い方で本当に来るなんて。
それもそうだ。私だって、実際のところ変質者の誘い方と同じだと思ったし、明らかにダメもとだったからさ。こうあっさりくるどころか、泊まりに来てくれるだなんて。とりあえず言って置かなきゃ。
「あのね。花ちゃん。知らない人にお菓子もらってもついていったらダメだからね。その人は危険だよ。」
そうそう。お菓子あげるからって見知らぬ人についていっちゃダメだからね。
「お姉さんがそれを言いますか?大丈夫です。私はそんなにバカじゃないですから。」
「そっか。そうだよね。」
良かった。ちゃんと分かってるならいいんだけど。
「それで、美味しいお菓子って何ですか?」
それがね。今日は私お手製のプリンがあって、喜んでもらえたら嬉しいなって思って作って見たんだけどどうかな。とまず、心の中で話すセリフを決める。それから説明する。
「今日、実はプリンがあっ」
「プ・リ・ン!?」
すっごい笑顔。そんなに食べたかったんだ。って、まてまて。ってことはプリン差し出したら、見知らぬ人でも変な人にもついていっちゃうってことなんじゃ。・・・本当に大丈夫かなぁ。
でも、そんなに食べたかったらすぐに差し出すね。
「はむっ。んー♪」
こんなに美味しそうに私のプリン食べる人始めてだ。なんかすっごく嬉しい。特に花ちゃんに喜んでもらえるなんて、今まで料理の練習してきて良かった。
「よかったー。気にってくれたよーでー。」
──それにしても、花ちゃん本当に可愛いなー。
一瞬唇を舌でなめて、それからスプーンでほうばる。美味しそうな顔を浮かべる天使の表情に私は、心を踊らされていた。
「みゃーねーきてるのか?」
ひなたーおかえりー。
「って花服ダッサ。」
え、まってひなた今なんて。
「ダサっ!?」
「こら。ひなた!!」
こら。ひなた。思ってても口にしていいことと悪いことがあるでしょ!!
「え、ひげろーださい?」
ほら、花ちゃんショック受けてるじゃん。
「ダサいなっ!!」
あ、あっさり断言。そんなこと言ったら私が嘘ついてるのバレちゃうじゃん。
「で、でもおねーさんは可愛いって。」
そう。私は可愛いって言ったからね。
「みゃーねーが?ないない。みゃーねー服作るの得意だからそういうの分かるし。」
あ、え。そんな。完全に相手に納得させる言い方で言わないでー。
「嘘、ついたんですか?」
いや、その、花ちゃんを傷つけたくないなって思って。その、ここは嘘でも可愛いって言った方がいいかなーって。
「え、えその、か、かわいいよー。」
「嘘ついたんですね。」
あ、嘘だって完全にバレた・・・。滅茶苦茶ショック受けてる・・・。
「そうだ。みゃーねーが作った服もらったらー?」
あ、その手があったか。私でも思いつかなかった。ナイスだひなた。よくここでそれを言ってくれた!
「ひなた。いい事いった!!」
「いや、私はひげろーのままで。」
いや、だめだよ。花ちゃん。そんなダサい服より、絶対私の作った服着た方が可愛いし、花ちゃんも自分の可愛いさをアピールできるよ!とりあえずその服はダメだよ。
「待ってて、そんなクソみたいな服より可愛いのすぐ持ってくるから!!」
「く、クソみたいな服・・・!?」
よし。待ちに待った、花ちゃんに服を着せるお時間だ。やった。花ちゃんが私の服を着てくれる。願ってもみなかったこの奇跡の瞬間がここに。花ちゃんがもっとより一層可愛くなる時間。
「ああ・・・。」
「ぴったりだな!!」
「測ってもいないのに、この服何?」
大丈夫だよ。花ちゃん。私、あの後花ちゃんのサイズ考えて完全にぴったりの用意しといたから。着心地はばつぐんだよ!!
「みゃーねーの作る服コスプレだからな。可愛くても外に着ていけねー。」
「じゃあ、なんで進めてきたの?」
それはもちろん、花ちゃんをより可愛くするためだよ!花ちゃん可愛いなー。
「パシャ。は、花ちゃん可愛いから記念撮影を。」
そう、そう。この角度。このくらいのアングルから撮ると、花ちゃんがより一層可愛く見える。
「どうして下から撮ってるの?」
「そ、そっちのほうがいい写真になるかなって。」
そうそう。別に変な意味はないよ。ほら。花ちゃんだって、自分の映る写真は可愛い方がいいでしょ?
「やめて。」
「で、でもいい写真・・・。」
すっごく写真映えしてるのになー。
「やめて。」
「で、でもあと一回だけ撮らせて。おねがいっ!」
そうそう。写真撮らなきゃ。こんなに可愛いのに写真に収めなきゃ、絶対にもったいないよ。
「分かりました。でも下からはダメです。」
「ふぅ。」
ありがとう。花ちゃん。最高だよ。花ちゃん。
「れ、連写!?」
沢山撮らなきゃいけないからね。一回っていうのは一枚っていう意味じゃないよ?
「はぁー。着替えよ。」
えー。待って。私の渾身の出来の服はこれだけじゃないから。
「え、着替えるの?じゃあ次はこっちの服に。」
「着ない。」
え、そ、その、そこをなんとかお願いできないかな。
「なら、こっちの猫耳の。」
こっちのならパジャマみたいで、コスプレに見えないよー。
「絶対着ない。」
そんなー。え、でも、いいんだ。花ちゃん。それなら私、奥の手使っちゃおうかなー。
「もしくれたらもう一個プリンあげるよー?他のお菓子もあげるよー?」
お、聞いてくれたかな?
「今後も、私の作る服着てくれるなら、花ちゃんの食べたいもの何でもあげるよー。」
お、効いてる。効いてる。
「そ、そこまでいうなら・・・。着てあげてもいいですけど・・・。」
まじ?ほんとに?いいの?本当にいいんだよね?え、あ、じゃあ遠慮なくやらせてもらうね。
「ひゅーっ!!」
セーラー服に海軍の帽子の花ちゃん可愛いっ!!
「うほほほほー。」
アリスの服装も可愛いっ!!ああ、まじ天使。天使やめられないっ。もにょっ。
「んふふっ。いいよ花ちゃん、可愛い!!ああー。世界一可愛い!!マジ天使!!」
花ちゃんの猫耳パーカー可愛すぎぃ~。地球上どころか、宇宙一可愛い~。こんなに可愛いもの見たこと始めて。可愛すぎるよー。
「みゃーねー。顔すげー真っ赤だけど大丈夫か?」
そうかな。なんか、花ちゃんが可愛すぎて可愛すぎて火照って来てるのかな。
「え、よく分かんないけど、花ちゃん可愛いし、花ちゃんが私の作った服着てると思うとなんかこう興奮する。」
そうそう。私が直々に作った服だからね。
「みゃーねー私はー?」
「ひなたも可愛いよー。」
ひなたも似合ってるよー。同じくらい可愛いよー。
「やったー。」
で、そうしたらこれやるしかないでしょ。
「次はひなたが花ちゃんに覆いかぶさる感じで!」
「こうか?」
「そう!!」
──はぁ・・・・。はぁ・・・・。いいっ・・!!
べ、べつに変なことは考えてないよ。で、でも、花ちゃんの可愛い姿に、ひなたが乗っかる感じが、そのたまらない。いいっ。ああ。いいっ。はぁ・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。
──何やってんだろ。私・・・。
お菓子が食べれるっていうから、お姉さんのいう事聞いたら、私、なんでこんなコスプレして、ひなたとこんなポーズとってんだろ。というか、お姉さん。今日一番に気持ち悪いですね。
やっぱり花ちゃんは最高だなー。私のお菓子沢山美味しそうに食べてくれるしー。
「はわぁあーーっ。」
「豪華だなぁ~。」
「好きなだけ食べていいからねー。」
そうそう。花ちゃんが喜んでくれるのが一番だからねー。
「いただきまーす。」
──苦労して手に入れたお菓子・・・。
私、今までこんなに美味しいお菓子食べたこと無くて。不思議。
──はむっ。ふんうんうん。ほんとにおいしー。私のお小遣いでも少しくらいなら買えるかなー。
きっと、高いんだろうなー。どうすれば、ずっと食べれるようになるかな。どこで売ってるんだろう。
売ってるお店に買いにいかないと。
「ねぇ、ひなた。このお菓子ってどこで売ってるの?」
「全部みゃーねーの手作りだぞー。」
「は?この人が?作った!?」
は?お姉さんが。このお姉さんが!?
「ん?」
これからもこのお菓子を食べるにはおねーさんが必要。つまり私は・・・。
「お姉さんの気持ち悪い趣味にずっと付き合わないといけないの?」
あんな気持ち悪い趣味に付き合って、気持ち悪いお姉さんのいうこと聞かないといけないだなんて・・・。
「気持ち悪い!?」
──いや、お姉さんが楽しんでいるうちはいい。もし私に飽きたら。
「花ちゃんはもう飽きたからいいや。お菓子もあげないから、もう来なくていいよー。」そんな風にんなったらどうしよう。
「むっ。」
「お菓子だけ置いてって!!お姉さんは要らないから、お菓子だけ置いてって。」
え、あれ?花ちゃんが私を抱きしめてる。そんな。花ちゃんに抱きしめられるだなんて。嬉しい。でも、どうして?
「花ちゃんどうしたの?」
「みゃーねー。ずるいぞ。二人だけで遊んで。私もまぜろー。」
「わー。えい。いぇいー。」
うぐっ。ひなた首しめないで、首。首。ネック。そこネックだから!
「なーなー。みゃーねー。みゃーねー。」
キツイ。キツイ。息できない。ひなたに殺されるっ・・・!!
「ひなた!?お姉さん、やばい。やばい!」
「げほっ。」
ああ、死ぬかと思った。
「すまん。みゃーねー。大丈夫かー。」
「大丈夫だから。」
何とか。別に今はちゃんと息できてるから。
「病院とか行った方がー。」
「ヘーキヘーキ。息できなくて苦しかったけど。なんでだろう。花ちゃんに抱きしめられながらだったかな。少し良かった。」
花ちゃんに抱きしめられたから、なんかすっごく良かった。苦しかったけど。
「やっぱり病院行きましょう。」
花ちゃんは、まだまだ私のお菓子を美味しそうに食べてくれる。ああ、なんて素晴らしい一日なんだろう。
「はむっ。」
マフィンを頬張る花ちゃんも可愛いなー。
「本当よく食べるな。花はー。」
よく食べてくれて嬉しいなー。
「だって、このお菓子もいつまで食べれるか分からないし。」
えー。そんな、別に心配しなくても大丈夫だよー。私は花ちゃんから逃げたりしないよ。
「もーお。花ちゃん。だから、そんなに心配しなくて大丈夫だよー。私こう思ってるんだ。」
そうだよ。花ちゃん。私はずっと傍にいるよ。
「十年先、二十年先もきっと、私は花ちゃんを着せ替えで楽しんでいるって。」
そうそう。花ちゃんはやっぱり可愛いいから、二十年後先もコスプレしたいなーって。
「そんな気持ち悪いこと思ってたんですか?十年後、あーゆう服はきついと思います。」
「あ、いやいや。花ちゃんなら大丈夫だから。」
花ちゃんなら可愛いいから、十年後どころか二十年後でも全然平気だよ。
「ただいまー。」
あ、お母さんだ。
「お母さんおかえりー。」
「お邪魔してます。」
「ああー。あなたが花ちゃんね。いらっしゃい。ん?」
「ひなたー。花ちゃんとお風呂入っちゃいなさい。」
え、ああれ?なんか空気が変わったような。
「はーい。」
ひなた嬉しそうだなー。
「はぁ。(何かに気付く)」
「わ、私も一緒に・・・。」
そうだ。私も一緒に花ちゃんと一緒にお風呂へ。
「みやこはそこに、座りなさい。」
「えっ?」
え、なんか逆らったら殺されそうな雰囲気。あ、これは何かやっちゃったな。あ、私、死にました。
「いこー花―。」
ひなたは、取り残されたみゃーねーを置いて、私一緒にお風呂場へ向かうため立ち上がる。
ついでに、お風呂でもこのお菓子が食べれればいいかなと、マフィンの入ったボウルを手に取る。
「それは置いてけ。」
「はぁー。おいしかったー。いいなー。ひなたは。毎日あんな美味しいお菓子食べられて。」
ひなたはいいなー。お姉さんがつくる美味しいお菓子がいつでも沢山食べれて。
「じゃあ、毎日遊びにくればいいっ!!」
「毎日?」
え?毎日食べに来てもいいの?
「うんっ!」
「毎日お菓子が食べられる・・・。でも、そのためには・・・。」
そうだ、「へへへへへへっ・・・。」と嗤う気持ち悪いお姉さんの言うことを聞かなきゃいけないんだった。そう思うと、それはキモすぎる。
「うっ・・・。」
「食べ過ぎたか?」
いや別にそういうわけじゃないけど。
「でも、毎日あんだけ食べてたら、大きくなったら絶対太るよなー。花。」
えっ。そんな。でも、私結構今日もお菓子食べちゃったし、やっぱり太るのかな。
「なっ。食べた分ちゃんと運動するから大丈夫・・・。のはず・・・。」
多分、運動すれば太りはしないはず。
「花が食べた分運動してたらムキムキになれるなっ!はっ・はっ・は!!」
え、それだと、今度は私ムキムキになっちゃうってこと?
「むぅ。」
「大人になった時、ムキムキかプクプク。どっちか楽しみだな!」
え、そんな。私、ムキムキか、プクプクのどっちか確定!?
「なんてこというの?」
ひどいな。ひなたは。
「きょっおのご飯はカレーだぞー♪」
今日のご飯はカレーだぞー。花は、お菓子食べ過ぎて入らないんじゃないのか?
まぁ、私はカレーは別腹だけどなっ。
「私、お腹一杯かも・・・。」
やっぱりか。って・・・・。
「うぇっ・・・。」
え、みゃーねーが布団に巻かれて吊るされてるだと?
「みゃーねー!?」花ちゃん「お姉さん!?」
「誰にやられた!?敵か!?」
何があった!?誰にやららたんだ?どんなやつだったんだ。みゃーねー!
──敵・・・。
お姉さんをこんな風にする敵って一体?
「敵というかBOSSに・・・。」
「BOSS!?」
BOSSって何?あ、お姉さんのBOSSって言ったら。あ、分かった。
「お母さんかぁー・・・・。」
ああ。
「夕飯の前に何菓子食わせてんだー!」
「ごめんなさいっ!!」
ってことはこういうやり取りがお姉さんと、お姉さんのお母さんの間にあったんだ・・・。
「ああ・・・・ひどい目にあったー。まさかあのまま三時間も放置されるなんて。」
いくらお母さんでも、三時間放置は酷すぎるよー。はぁ。疲れた。もう寝ないと。
「みゃーねー一緒にねよー。」
ひなたは寝る前も元気だなー。
「今日は花ちゃんがいるでしょー。」
ひなたー。花ちゃんとひなたの部屋で寝ちゃいなー。
「だから花も一緒だぞ。」
え、それってどういう・・・。
「むむっ・・・。」
と何だか少しいたたまれなさそうに部屋にはいる花ちゃん。え、でも、は、花ちゃん!?い、いいい、一緒に寝て良いって本当?
「はっ。はい。」
は、はい。と思わず私は答えてしまう。
そして、そのまま三人揃って私のベッドの中で寝ることになった。っていうか狭い。ひなた、私のほっぺに頭くっつけてるし。でも、ついに私の布団に花ちゃんが・・・。
・・・この状況。
「あ、あの・・・。お姉さん。お母さんに怒られたのって、私のせいですよね?」
「え?」
「ごめんなさい。」
え、そんな花ちゃんが謝る必要なんてないよ。だって、私が花ちゃんに喜んでもらいたくてお菓子を勝手に沢山あげちゃっただけだから。花ちゃんは全く悪くないよー。
「ち、違うよ。私が勝手に作っただけだから・・・。花ちゃんのせいじゃないよ。だからほんと、気にしないで。」
「はい。」
にこやかに答えてくれる花ちゃんはやっぱり可愛いなー。
「あの、あーゆう服、おねーさんは着ないんですか?」
「あーいう服?コスプレのこと?」
えっと、私が着るかってこと?
「はい。ひなたや私にばっかり着せて、お姉さん、見た目は綺麗だから似合うと思うけど。」
き、綺麗だなんて、う、嬉しい・・・。で、でも、は、花ちゃんにあのことだけは全然に言えない。バレちゃいけない。
「んんっ。それより、今日のお菓子どうだった?」
話題を変えとかなきゃ。
「美味しかったです。」
ああ、今日一番の笑顔かも知れない。ああ、なんて花ちゃんは最高な生き物なんだろう。・・・ふおっづ。
「どうしたんですか?」
──満ちてきた。もにょっ。
「うん?」
──でも嫌な感じじゃないや。うん。受け入れてみるとなんかいいか・・・
「〝ンッ」
げ、蹴られた!?うごっ。あれ、さっきまで私にほっぺすりすりしてたはずじゃ。なんで私ひなたに蹴られてるんだろ。寝相悪っ。
「お姉さんっ!?」
は、花ちゃん。心配してくれてありがとう。と、とりあえずこのベッドの上はひなただけにして、二人で布団敷いて床のほうで寝よっか。
「寝相悪っ。」
やっぱり花ちゃんもそう思うよねー。
翌朝、私は少しだけ眠りが足りないような感じがしつつ、目を覚ました。
「ふっ。ふわぁぁあああああ。ん?はっは。みゃーねーは寝相悪いけど、花も寝相悪いんだな。」
そうじゃなくて、ひなたが悪いんでしょー。
「お姉さん、よくひなたと寝てるんですよね。」
「うん。」
「大変ですね。」
花ちゃん分かってくれる!?よく寝るんだけど、毎回毎回その度に寝不足で。
──春も終わりを丁度告げた、五月の終わりのこと、私にチャンスが舞い降りた!
「今日は家に、私一人。チャンス!!」
そう。今なら、あれができる。私の隠していた究極奥義!!
「白く、輝く、奇跡の花。ホワイトリリー!」
私がこういう服を着るのはちょっと恥ずかしいんだけどー。やっぱりやめられないんだよねー。この少女向けバトル物のコスプレはやっぱり最高なんだよねー。ふふっ。でも、もしこんな姿誰かに見られたら・・・。もう私生きていけな・・・。
「んんんんんん!?!?!?」
なんで、隣は空き家なはず・・・。誰かに見られた・・・。決め台詞の所まで見られてたら、もう私、生きていけな・・・。
「白く、輝く、奇跡の花。ホワイトリリー!」
「゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああああああああああああああああああ。」
あああああああああああああああああ。私はもう生きていけない。
みやこ「んふぅふぅ。花ちゃん可愛かったなぁ~。今度はどんな服着てもらおうかなぁー。あーゆうのとか、こゆーのもいいなー。」
花ちゃん「次回、サイキョーにカワイイ。お楽しみに。」