僕のヒーローアカデミア ーラッキーガール参上!ー 作:瀬古 一々茶
人は生まれながらにして平等じゃない。
「ひどいよかっちゃん……!泣いてるだろ……!?これ以上は僕が許さゃないぞ」
「無個性のくせにヒーロー気取りかデク!!」
これが齢四歳にして知る社会の現実
おや?悲鳴が聞こえる。
助けなきゃ!なぜなら私はヒーローになりたいから。
「ラッキー!クッキー!んーっと歌舞伎ー!ラッキーガール参上!」
「誰だこの女?お前ぇら知ってるか?」
「「知らない」」
驚いてる驚いてる、そう私の大好きなヒーローはこうやって登場するのだ。ちょっと失敗しちゃったけど。
「おいクソ女誰だか知らねぇが邪魔するからにはさぞかしぶっ殺されてぇんだろうな!」
「へへーんだわたしは最強なんだ!大好きなヒーローとおんなじ個性だからね!」
「ほーう?言ってみろやカス!俺もヒーローになりてぇんだ。いつかそいつもろともぶっ殺してやるよ」
怖ぁほんとにヒーローになりたいのかよ。
ヒーローはそんな顔しないよ。
「フフンそんなに私の好きなヒーローが知りたいって言うなら教えてあげる。ラッキーマンだよ」
「誰だそれ。お前ぇら知ってるか?」
「「知らない」」
「ムキーッもう知らない!あんたたち弱い者いじめは良くないんだから観念しなさい!」
こうして私は悪を倒しいじめられっ子の少年を救う
はずだった
「ケッ弱ぇ。話になんねえな。シラケた!帰る!」
負けた。完敗だった。何あの強さ反則でしょ!
さわれたら勝てたのに触ることすらできなかった。
悔しいし痛いし泣きたい。
けど涙をぐっと堪える。
私の知ってるヒーローは泣かないから。
涙を堪えていると足音が近づいてくる。
「大丈夫?血、出てるよ?」
まるでそうするのが当たり前のようにいじめられていた少年は手を差し出してきた。自分だって痛いだろうに。
そうこれがもう一人の私のヒーローとの出会いだった。
「痛ッ」
「ごめんねでも汚れを拭かないと傷からばい菌が入っちゃうから」
「ううん、ありがとう」
「あの、ラッキー、クッキー、もんじゃ焼きーだよね。ラッキーマン僕も好きなんだ」
「知ってるの?!私あのアニメすきなんだ!ちょっと古いけど」
「ラッキーマンっていうよりヒーローが好きなんだ。一番好きなのはオールマイトなんだけどね」
「そうなんだ!オールマイトもかっこいいんだよね!」
茜色のベンチの上で、私たちは痛みも忘れてヒーローの話に花を咲かせた。
「そういえばデク君私の名前教えてなかったね。私は匯運 命(かいうん めい)だよ。メイでいいよよろしくね」
「ごめんねデクはほんとの名前じゃないんだ。ほんとは緑谷出久(みどりや いずく)っていうんだけどかっちゃんが勝手にそう呼んでて……あっ、かっちゃんていうのはさっきの子で凄い個性なんだけど僕をいじめてくるんだ。でも危なっかしいとこもあっていつも心配しちゃうんだけど、一人で何でもできちゃうからやっぱり凄いんだかっちゃんは」ブツブツ
「フフン、よく喋るね。いずくくんは面白いね」
「ご、ごめんね」
「ねえねえ出久くんの個性って何?
私はね、運。触った人の運を良くしたり悪くしたりできるの。
ラッキーで敵に勝てちゃうんだよ!ラッキーマンみたいにね!」
「すごい個性だね!でも僕……個性ないんだって。でも僕オールマイトみたいなどんな困ってる人も笑顔で助ける超カッコイイヒーローになりたいんだ。けど無個性だからきっと無理だよね」
このときの彼の顔をほっとけなかった。
ほっといちゃいけない気がした。
今になってたまに思い出して後悔する。
このときはほんとにそう思ってて信じて疑わなかったけど、気休めにしかなっていないなって。
「君はヒーローになれる」
そして彼の手を握った。
11年後───────────────────────────────────────
「ここが私のヒーローアカデミア!」
にしてしてみせる!
匯運命15歳
今日私は雄英高校一般入試実技試験に挑む!!