「はぁ~いっぱい食べたね、美咲!」
「ゆず、あんな高いお店行くなんて聞いてなかったわよ!」
「まぁいいじゃん!」「サヨナラ、私のお金...」
「でも、結局ヒーロー指数が高い人は見つからなかったね。」
遡ること三日前。私たちにスバにぃから指令が下った。それは、
「ヒーロー指数が高い人を見つける?」「その通り。君たちが使っているガルスーツは、誰でも使えるわけじゃない。スーツの負荷に耐えうる体内のポテンシャル、そして何よりピュアな心が大事なんだ。我々はそれに当てはまる人を探すためのスカウターを開発した。」とスバにぃは小さなマシンを取り出した。
「これは『ガルスペック』。これをメガネに着ければ、見た人のヒーロー指数が表示される。ヒーロー指数が1000を超えている、つまり変身する資格のある人を見つけたら、すぐに報告してくれ。あのトキシミックス獣に対抗するためにも、戦力の拡張が必要なんだ。」「分かりました。」
ということで、この三日間二人とも伊達メガネをかけて街に繰り出しているが、一向にヒーロー指数が1000を超えている人は見つからない。そんな時だった。「美咲、綺麗な歌声が聞こえるよ。」柚葉が指さした方へ目を向けると -
弾き語りをしている背の高い女の人がいた。確かに深い歌声で、とっても綺麗だ。道行く人々も足を止めて見入っている。そして、
「ゆず!あの人ヒーロー指数1000超えてるよ!」「ホントだ!スバにぃに報告しなきゃ!」「ライブが終わったら、話しかけてみようよ。」
「皆さん、今日はほんまにありがとうございました!」観客から拍手が巻き起こる。その数分後、
「あの、とっても綺麗な歌声ですね。お名前は?」「うちは名護 百花や。歌手を目指して兵庫から上京してきた18歳や。事務所が経営しとる高等学院に通ってんねん。」18歳!?私より年下...「あの、百花さん、ちょっとお話があるんですけどお時間よろしいですか?」「ちょっとゆず!いきなりそんな「ええで。」うそーん。そんなこんなで私たちは、百花さんを本部まで連れて行った。
「うちがヒーローに!?ほんまですか?」「ああ、本当だよ。」「なります!昔からヒーローもんは弟と一緒に観てて、憧れてましたから!でも、うちにはちょっと歌が上手いことと、ちょっと足が速いことしか取り柄がないし...」するとたいくくんが、「ほんならこれはどうや?足の速さが最大限に活かせるブルーのスーツや!F1カーがモデルやで、どや?」とスーツのホログラム映像を見せた。「確かに!これなら百花さんにぴったりかも!」私はそう言ったが、百花さんの表情が急に暗くなった。そして -
「ごめんなさい。やっぱりうちにヒーローは無理や。失礼します。」「待ってよ百花さん!あんなに乗り気だったのに、」柚葉の制止も無視し、百花さんは去っていった。「どうしたんだろう、百花さん…」
ポイゾニック帝国地球艦隊本部-
「おいアパマーダ。地球人は音楽を好むらしいな。」「ほほう、さてはイワーイ、新たな作戦を考えたな?」「その通り。どうだ、今回は私と組まないか?」「いいだろう。異論はないか、セノー?」「勝手にしたら。」
『『出でよ、トキシミックス獣、チータースピーカー!』』
翌日
「美咲!トキシミックス獣が出たって、急ごう!」私は柚葉達と現場へ急行した。
「二人とも!このイヤホンを着けて!」
そう呼び止めたのはみゆきさん。「あのトキシミックス獣、街中の楽器やスピーカーをハッキングして人体に有害な音波を流させているの!」
確かに周りを見ると、みんな耳を押さえて苦しそうだ。
「我が名はチータースピーカー。貴様ら、俺の心の叫びを聴け!」「今すぐ止める!」
『『ガルガルチェンジ!』』私たちはガルガールズに変身した。
「貴様らがガルガールズか。行け、ポイズン兵!」
今こそ私の固有武器を使う時。『カモン、ガルクロー!』そう叫ぶと私の手に、オレンジ色の大きな爪-ガルクローが装着された。これを使って、
[01 FINISH ATTACK]『ガルガルカーニバルグランドシュート!』ポイズン兵を一掃する。
一方、柚葉は、
「へへっ!忍者っ子ゆずちゃんの力、見せちゃうもんね!分身の術!」そう言うと、ガルガルスカイブルーが三人に分身した。そして、見事な連続攻撃でポイズン兵を倒していく。
「なかなかの腕前だな!だが、これならどうだ!」チータースピーカーは、両肩のスピーカーから強力な音波を発射した。みゆきさんにもらったイヤホンからのおかげで、ある程度音波のダメージは削れている。しかし、
「美咲!音波のせいであいつに近付けないよ!」「一体どうすれば...」「そうだ!これを使えば!」そう言うと柚葉は、
[221 響鬼] 柚葉の前に太鼓とバチが現れた。
「これなら美咲だけでも進めるはず!」柚葉は太鼓を叩き始めた。
仮面ライダー響鬼の音撃鼓が奏でるのは『清めの音』。邪気を祓う力がある。アイツの音波も打ち消せる。私はじりじりとチータースピーカーに近付く。しかし、
「俺の能力がこれだけだと思うなよ!」チータースピーカーは一瞬で柚葉の背後に回り込み、
「ハァァァァァ!」「グッ!」倒れ込んだ柚葉。そして、
「キャアアア!」私は音波をもろに食らってしまった。変身が解除される。
「こんなものか。これでしまいだ!」「美咲!逃げるよ!」ドロン!
煙幕が発生し、私達は逃げ切った。
「フン..今度こそ、俺のグルーヴを思い切り聴かせてやる!」
その後、チータースピーカーの能力も考慮して、アイツを倒すまで街では音楽の演奏や、スピーカーでの放送の自粛が呼びかけられるようになった。夕方には路上ライブが盛んに行われていた駅前も、閑散としている。
ある朝。私は百花さんを見かけた。
「百花さん!」「...」「私でよければ、話してくれませんか?誘いを断った理由。」「...分かりました。」
ご覧いただきありがとうございました!百花が誘いを断った理由は何なのか?
ちなみに、みゆきさんが二人に渡したイヤホンは、ノイズを99.9%遮断し、仲間とはしっかり通信が取れる優れものです。
本日の先輩ヒーロー
[仮面ライダー響鬼] ヒビキが変身した『鬼』。代々日本に伝わる、『魔化魍』と呼ばれる怪人と戦った。