異世界スッゲーD×D 作:D×D大好きッ!!
なんだろう、ちょっと複雑だけど長めの話を投入します!
……気づいた時、俺は全裸で自分のベッドの上に寝ころんでいた。
なぜか股に圧迫感があったので見てみれば、フェラの途中で寝落ちしたのか、三鈴が俺の一物を花に当てる形でよだれをたらして寝ている。
そんでもって隣を見てみれば、こちらも寝落ちしていたのか三鈴に入れたままイッセーが器用にあおむけで寝落ちしていた。
上半身がベッドからずり落ちているから、ブリッジ状態になっているし。
……やばい。とりあえず部長とレーカの前と後ろ、そんでもって三鈴の後ろに一発ずつ出したところまでは覚えているんだが。
あぁ、レーカ用に持っていたビールをヤケで三缶ぐらい飲んだのが不味かったな。時間帯が時間帯だったから、酔いが微妙に抜けてないかも。
あとちらりとベッド横を見ていると、レーカの文字で「細かい話とか聞いときます♪」とか書かれたメモがあるし。
……どうやら酔っ払った勢いで、三鈴とイッセーを誘ってやけSEXをしていたんだろう。なんかうろ覚えて思い出し始めてきた。
そんなことをもいながら窓の外を見れば、奇跡的にも朝になったばかり。時計を確認すれば午前7時直前といったところだ。
さて、俺は深呼吸をして意識を切り替えた。
最後の晩餐ならぬ最後の朝飯になりそうだし、今日はシリアルじゃなくてコンビニで豪勢な飯で買おう。
とりあえず……カレーでいいか。
「あなたたち、命知らずって言葉を知ってるかしら?」
その日の放課後、合流した俺達はイングリッドにバッサリとぶった切られた。
その目はもはやあきれてものも言えないというレベルだったが、それでも言葉にする当たり律儀なんだろう。
ただ隣のシルヴィアは、なんか興味深げにうんうんとうなづいている。
「ふふふぅ。恐れ知らずとはこのことだねぇ? あぁ、でもそういうことをしたのなら私もSEX用の薬を試しに作ってみているし……」
「主を被験者にしようとしてない?」
「遠慮って概念知ってるか?」
思わずイングリッドと共にツッコミを入れると、シルヴィアはどこか蠱惑的な笑みを浮かべている。
「ふふふぅ……その冷たい視線、頭の回転で火照った体に気持ちいねぇ」
無敵だ、この女。
三鈴と変態性の方向性が似ているかもしれない。組み合わせたら散々なことになりそうで怖いぞこれは。
そう思いながら俺はイングリッドと視線を焦ると、小さくうなづきあった。
お互いの苦労を理解した感じの、ある種のシンパシーだった。
「……リアス部長に何をしているんですか、この変態先輩」
「イッセーさん、なんで部長さんと一緒に私が寝ている間に……っ。ぅううぅぅ……しかもふしだらです、変態さんですぅ」
「痛い痛い痛い……っ。なんでこんな目に……っ」
わき腹を小猫にドスドス拳を叩き込まれつつ、隣では涙目のアーシアにほおをつねられている。
うん、あっちは放っておこう。
このままのノリで行くのなら、当然だがアーシアとの折り合いはつける必要がある。元々シスターだし、聖女だしな。ふしだらというか下半身がだらしないままってわけにはいかないだろう。
巧くアーシアをこちら側に引き込むか、そうでないにしろ折り合いをきっちりつけるか。そのあたりはしっかりしてもらわないと真剣に困る。絶対俺たちに類が及ぶ。
まぁ、それはそれとしてだ。
「実際問題なんだが、俺達処刑されたりしないだろうか? 遺書書いた方がいいか?」
行動には責任が伴うものだ。やってしまった以上相応の責任は背負わねばならないだろう。
つまりだ、部長も責任を負ってもらうがその代わりに俺たちは俺達で責任を負うべきだ。場合によっては貴族社会である以上……殺される可能性は考慮するべきかもしれない。
正直その辺が不安だったが、シルヴィアはおかしそうに笑いながらも手を横に振る。
「さすがにその心配はいらないさ。貴族の中には婚約者とは別に愛人を持っている者もいるし、悪魔が人間とたわむれに関係を結ぶなんて珍しい話でもないしねぇ?」
な、なるほど。
俺がちょっとほっとしていると、イングリッドはイングリッドでため息をついて肩をすくめた。
「ま、そういう連中がいることは事実でしょうしね。命までは取られないんじゃない? そもそもリアス部長から誘ったわけなんだし、あなたたちだけの責任じゃないでしょうからそこは進言するわよ」
……言い方はぶっきらぼうだけど、フォローという励ましにも聞こえるな。
イングリッドの奴、もしかしてすごくいい人なのか?
そんなことを思っていると、シルヴィアはうんうんとうなづきながら笑みを深くする。
「これが日本のオタクに伝わる伝説、ツンデレというやつだよ。現実で見るのは初めてかな?」
「寝言は寝てから言ってちょうだ―」
それに反論しようとしたイングリッドが、足を止めた。
同時に手を横に広げて俺たちも止める。
な、なんだなんだ……?
「シルヴィア、小猫。新入りのフォローをして頂戴。敵ではないと思うけれど……予想通りだと男どもがやばいわ」
え、な、どういうことだ?
俺たちがちょっと困惑をしていると、いつの間にかシルヴィアと小猫が一歩前に出る形だった。
その上でイングリッドは一呼吸を置くと、部室のドアをノックする。
「……入って頂戴」
少し硬いリアス部長の返事を受けてから、イングリッドはドアを開ける。
「やはり、貴女でしたか……グレイフィア・ルキフグス殿」
「意外と早く気づきましたね。その後の対応を含めて、順調に成長しているようで何よりです」
そのイングリッドへの凛とした返事の声は、今まで聞いたことのない人のそれだった。
恐る恐るのぞき込むと、割と怖い雰囲気を漂わせている銀髪のメイドさんがいる。
朱乃さんとリアス部長はソファーの方にいるけど、雰囲気がやはりピリピリしている。
軽く不安になるが―
「……一応言っておきますけど、聞く限りリアス部長が誘ったことで二人に全責任を負わせたりするのは理不尽ですよ?」
―速攻で言ってくれたよイングリッドさん。
もうこの一言で、グレモリー関係で相応の立場についている人だってのが丸わかりじゃねえか。
俺がげんなりしていると、後ろでイッセーがこそこそと小猫の方に顔を近づけている。
「こ、小猫ちゃん? あの人……だれ?」
「グレイフィア・ルキフグスさんです。グレモリー城のメイド長であり、現魔王ルシファーの懐刀です」
うん、これ不味いかも。
「その上女王の転生悪魔では最強格、単純な女悪魔としては女性魔王である現レヴィアタン様やレーティングゲーム2位をキープするロイガン・ベルフェゴールと並び立つ魔王クラス。ついあだ名が銀髪の
……下手すると遺言すら残せず死ぬな。
俺は思わず一歩を下がるが、グレイフィア・さんは心底頭を射たそうにしながらも、ため息を一つついただけだった。
「……リアスお嬢様のお戯れによる責任は、お嬢様にも多分にあることはわかっております。誘ったのがお嬢様である以上、それを理由に命を奪うことはないのでご安心ください」
そ、そうか。
正直少しこわばるが、その上でちょっと視線を動かす。
ただ、悪乗りして徹底的に加速させたレーカはどうなったのかが気になる。確かリアス部長と行動を共にしていたはずだしな。
……あ、部屋の隅で燃え尽きてる。
「ふ、ふふふ……正座、足が痛い……っ」
うん、どうやら説教は喰らったようだ。
俺とイッセーも説教喰らいそうだが、とりあえず言うことがあるな。
「その、乗っかったとはいえレーカがすいません。ほら、イッセーも謝っとけ」
俺がイッセーを促すと、イッセーはイッセーで八となって背筋を伸ばす。
「こ、この度ははしゃぎすぎてすいませんでしたぁ! でも正直極楽でした!」
余計なことを言うな……っ
全方位から呆れ半分の半目がが向けられる中、グレイフィアさんは数秒ほど額に手を当ててから、リアス部長に向き直る。
「リアスお嬢様。……失礼ながら相手はお選びください。その、悪い人ではなさそうですが……かなり品がないところがありますよ」
「失礼ね。男気溢れる情熱的な子よ? まぁ、エッチなことにおいては一気に緩くなっちゃうけれど」
フォローしきれず視線そらさないで下さいよ、リアス部長。
俺がどうしたもんかと思った、その時だった。
「ふん。やはり人間界の空気は好きになれんな」
その瞬間、突如として炎が巻き起こる。
とっさに下がりながらDツヴァイを構えるが、炎は熱を感じるが延焼を起こしたりしない。
それどころか魔方陣を作りだすと、そこから一人の男を呼び出していく。
……なんか嫌な予感がするぞ。
そして、その予感は的中する。
「……よぉ、会いに来たぜ? 愛しのリアス」
などとい言葉を放つのは、魔方陣から出てきた優男っぽい雰囲気の男。
赤いスーツをワイルドに着こなしつつ、ホストとかが似合いそうなその雰囲気。ただしそこに気品の類が感じられるのが嫌な予感を感じさせる。
そしてその予感を的中させるように、グレイフィアさんがその男を紹介する。
「このお方はライザー・フェニックス様。元七十二柱であるフェニックス本家の三男にして、リアスお嬢様の婚約者でございます」
その言葉を、俺は頭で理解する。
「ぇえええええええっ!? こ、婚約者ぁあああああっ!?」
イッセーが絶叫するのも当然だろう。
これ、俺やっぱり殺される覚悟を持った方がいいんじゃないだろうか?
「さすがはリアスの女王、美味しくお茶を入れられる美人とか最高だな」
「痛み入りますわ」
ニコニコ笑顔で応対しながらも、分かりやすくピリピリしたものを感じさせる朱乃さん。
そしてそれをものともしないライザー・フェニックスは、リアス部長の肩に手を回す。
納戸が部長が嫌がって振り払うが意にも介さない。これはまた面倒なところがあるな。
イッセーあたりが暴走しそうで怖いが、いざというとき止めれる構えでイングリッドがいるから良しとしよう。
食客に近い立場の俺やアーシアは少し離れたところで椅子に座っているが、奮起にちょっときついものを感じている。
念のためイッセーの様子を確認すると―
「ぐへ……へへへ」
この流れで妄想するな。
たぶんだが、ライザー何某は俺とイッセーが部長の処女を全部頂いたことをまだ知らないのだろう。知っていたら一言あるはずだしな。
余計なことをうかつにつつくなよぉ……っ
「卑猥な妄想禁止です」
あ、小猫がしっかりツッコミを入れてくれた。
と、その時強引な音が響いた。
「いい加減にして頂戴!」
ついに我慢の限界になったらしい部長が、立ち上がって怒り心頭の表情になっている。
「以前にも言った通り、貴女とは結婚しないわ! 次期当主としてそれぐらいの権利はあるはずよ!?」
「以前にも聞いたが、そういうわけにもいかないだろう? 元七十二柱のお家事情は切羽詰まってるんだから」
……悪魔の数がごっそり減っていることを言っているのか。
まぁ名門貴族ともなれば、子供結婚相手にも相応の者が欲しくなるだろう。本家の次期当主ともなればなおさらだ。
とはいえ、人間なんて目じゃない長命種が、十代からそこまでいそぐのもどうなんだか。
うかつにつつくわけにはいかないが、部長としてゃ相当いら立っていることは見てわかる。
「悪魔の世界には新しい風が必要だ。だが人間からの転生悪魔は幅をきかせすぎている。純血の悪魔をと出せさせるわけにはいかないだろう?」
「家を潰す気は無い、だけど私は私がいいと思った者と結婚するわ。それぐらいの権利はあるはずよ!」
そう返す部長に、ライザーはため息をつくといらだちを対に見せる。
リアス部長から消滅の魔力があふれるように、ライザーからも炎があふれて周囲を満たしていく。
あのすいません。盾出してもいいですかと切に聞きたい。
「俺もフェニックスの看板背負って、わざわざ汚い風ばかりの人間界にきているんだ。最悪、君の下僕全てを燃やし尽くしてでも冥界に連れて帰るぞ……?」
「私だけでなく私の下僕まで? ……滅するわよ?」
あ、これマジで大激突になりそうなんだが。
正直遺書の準備を考えたそのとき、グレイフィアさんが割って入る。
「そこまでです。これ以上サーゼクス様の名誉にかかわることをするようなら、黙ってみているわけにはいきません」
……明らかに場の雰囲気が違いすぎる。
間違いなくあの人がこの場で一番強い。たぶん全員でかかっても一蹴されるだろう。
それを証明するように、一触即発だった部長もライザーも、気圧されたのか力を収めている。
「……最強の
側近とはいえ部下でこれとは。現魔王ルシファーってのはどんだけのもんなんだか。
とりあえず、二人とも一旦矛を収めてくれたようだ。俺も少し気を静めるため、お茶を一口飲む余裕がもらえて何よりだ。
そして少し落ち着いたのを確認してから、グレイフィアさんは小さくため息をついた。
「この展開は想定されていましたので、最終手段でレーティングゲームで決着をつけるという提案がなされています」
レーティングゲーム。上級悪魔同士が眷属悪魔を率いて戦うとかいうやつだったな。
なるほど、競技試合としてだけでなく、貴族同士のいさかいの決着にも使われているとことでやるわけか。
ふむ、一見すると妥協案になりそうだが―
「……あの、質問していいですか~?」
―そこで、レーカが手を上げる。
声色こそゆったりしているが、そこそこ付き合いのある俺は感づいている。
これ、かなりマジな状態だな。
視線を集めたレーカは、特に気負うことなく首をわざとらしくかしげていた。
「今朝リアスちゃんから聞いた話だと、そもそも「大学卒業までに婚約者を見つけられなかったら結婚」ってことになってたはずですよね? それを強引にひっくり返しておいて、妥協したつもりとか……ふざけてない?」
後半、間違いなくレーカは本気の声色で問いかける。
なんで妥協しているふりをして、そもそもしなくてもいいことをさせようとしているのだ。そう批判すらしている。
「……おいおい、部外者が悪魔のやり方に口を出すのか?」
「いきなり入ってきてあわや殺し合いに巻き込まれたんだもの。文句を言う権利はあるんじゃない?」
ライザーに真っ向から反論したうえで、レーカは視線をグレイフィアの方に向ける。
「それを通したいなら相応のメリットとかがいるんじゃないかしら? 普通にやれば勝てるぐらいのハンデキャップなり、勝った場合は婚約を白紙にしたうえで多大な恩恵を約束するぐらいなり。……貴族が自分の発言に責任を負わないって論外じゃない」
その通りだな。
貴族には責任という物がある。そしてそれを怠った貴族はたいていが自業自得で追い落とされるものだ。それは人類の歴史が証明している。
話を聞く限り、リアス部長はそもそも婚姻を強制される段階ではない。それを認めておきながら、勝手に手のひら返しをしたうえでよくわからんがいきなり最後の手段じみた方法をとるとか……。
「部長、今の当主を追い落とすなら協力しますよ。俺にも責任ってものがある」
さすがにちょっとイラっと来ているなこれは。
俺やレーカが批判的な態度をとっていることに、ライザーは少しイラつき始めているようだ。
気づいているかいないかはともかく、少し火花が飛び散っている。
その上でライザーは部屋を見渡して、嘲笑の表情まで浮かべてきた。
「……なるほど。この部屋にいるのが全員で、それも眷属だけじゃない……舐めてんのか?」
間違いなく俺たち全員を馬鹿にした態度に、リアス部長のこめかみが引くつき始めた。
「どういう意味かしら?」
「俺のかわいい下僕の敵になりそうなのは、
そう告げるとともに、ライザーは指を鳴らす。
その瞬間、奴が来た時のように炎が巻き起こり転移魔法陣を作り上げる。
そしてそこから現れたのは、十五人ほどの眷属悪魔と思われる者達。十五人ということは、
現れ後ろに控える眷属たちを自慢するように手を広げ、余裕の笑みすら浮かべている。
「これが俺の、かわいいかわいい下僕たちだ」
いや、まさにその通りだ。文句をつける理由もない。
こればっかりは反論の余地がない。ライザーの見る目は正しいというべきだ。
―全員もれなく美少女だし。
おいおいおい。まじかよオイ。
眷属悪魔を自分のハーレム逆ハーレムにしている奴はいると聞いたが、まさかいきなりお目にすることになるとは。
リアス部長が嫌がっている理由はそこか……いや、イッセーのスケベを許容できているならそうはならないだろう。
「……う……ぅ……うぅ……」
とそこでうめき声が聞こえて、全員の視線が集まった。
……イッセーが号泣していた。
まぁ、確かに、そうなるな。
眷属悪魔制度を利用して、ハーレム王になるために頑張っているのがイッセーだ。上級悪魔なら眷属でハーレムを作れるという可能性に燃え上がっていると個だ、
目の前にその実証がいるのだから、そりゃもう感動してもおかしくない。イッセーはそういうたぐいの馬鹿だ。
ただこの流れでそれはどうよ?
「……リアス、あいつは俺達を見てなんで泣いているんだ?」
「あの子、ハーレムを作るのが夢なのよ。その実例を初めて見て感動しているんだわ」
引き気味のライザーに部長が視線をそらしながらため息をついた。
うん、いろいろと台無しだ。
「……きもーい」
「下品ですわね」
「ライザー様、あの人気持ち悪ーい」
ライザーの眷属からも実に受けが悪い。
まぁ、明らかに空気読んでないしね。これは仕方がない。
だがライザーは、それをなだめるように両手を前に出して眷属たちを落ち着かせる。
「まぁまぁ落ち着けお前たち。上流階級を羨望の目で見るの下賤な者の
おお、ハーレム作ってるだけあって、そこには理解が―
「……いっそのこと見せつけてやろうじゃないか」
―と思ったら嫌味なことしやがった。
ライザーは眷属の女の子に近づくと、何人かとかわるがわるキスをする。下まで絡めたディープな奴だ。
婚約者の前で良くなるな。これ、絶対調子乗ってる類だ。
そして何人かと終えた後、自慢げな表情をどこまでも見せてきやがった。
「どうだ? お前じゃそんなことできないだろ?」
……あ、これイッセーキレるぞ。
「てめぇ……ふざけんなの焼き鳥野郎!」
「……はぁっ!? 焼き鳥とか無礼だぞ貴様! なんなんだ!」
「リアス部長の眷属悪魔! 赤龍帝の兵藤一誠様だ、覚えとけ!!」
「赤龍帝ぃ? ……あぁ、神や魔王すら滅ぼせるはずの力を持ちながら、誰一人としていまだ達成できてないヘタレ共の今代かぁ?」
争いは同レベルの者同士でしか発生しないって、こういうこと言うんだろうか。
確か用法はただの言い訳レベルの内容だとすら聞いたことがあるが、ついていくこちらの身になってくれない?
「んだとこらぁ!? 上等だ、一発かましてやらぁ!」
そしてイッセーは我慢の限界だったのか、籠手を具現化しつつ突貫する。
だがライザーは余裕の表情で、後ろに下がりながら片手をあげた。
その直後、棍を持った一人の少女が前に出るとイッセーに突撃する。
イッセーは素早く籠手を真に出すが、少女は棍を短く持って懐に入り込む。
そして躊躇することなくつきだそうとし―
「……ぐぁっ!?」
「……あぅっ!?」
―結果といて、初手は相打ちになった。
厳密にいえば、棍がみぞおちにめり込む直前にイッセーがDアインの放電機能を解放。その雷撃で攻撃が半端になり、お互いに跳ね飛ばされた形になる。
「貴様っ! よくもミラをっ!」
ライザーはその光景に驚愕しつつも激高するが、さすがにこれは看過できない。
「その辺にしといてくれないか?」
俺もDツヴァイを展開すると、ブレードを展開してイッセーをかばうように割って入る。
機先を制されてライザーたちが止まる中、俺ははっきりと断言する。
「そもそもあんたが意地の悪い挑発をしたのがきっかけだろう。元七十二柱本家の貴族様が聞いてあきれる……下品な奴」
「この人間如きが、殺気から冥界の在り方に口出しするは、さすがに我慢の限界だ」
俺の批判に相当切れたのか、ライザーはグレイフィアさんのほうを振り向いた。
「そこまで言うならハンデをくれさせてくれ! そのレーティングゲーム、リアスの投入できない分をこいつらで埋め合わせにするってことにしてくれないかな?」
……ほぉ。
正直それは都合がいい。
ただ、その言葉に少し不満げな表情をリアス部長とグレイフィアさんが同時に浮かべる。
「お待ち下さい。これはあくまで元七十二柱の諍いです。そのような横やりはどうかと」
「そうよ! これはリアス・グレモリーの個人的な問題。関係ない子を巻き込むわけには―」
そう二人が止めるが、その心配は無用だ。
おかげで参戦を可能とする理由は確立できたからな。
「別にいいんじゃない? 彼には私たちに決闘を申し込む理由があるんだし、こっちとしても責任は取らないとねぇ?」
そういいながら、レーカがリアス部長にしなだれかかる。
そしてさらりと肌をなでると、そっとほおに息を吹き替えた。
「ひゃぁん♪」
そのなまめかし声に、ライザーは硬直した。
お、気づいたな。
実際その通りなのだろう。ライザーはプルプル震えると、顔色を赤くしたり蒼くしたりしている。
「…………‥おい」
今までない冷たい声色だが、もうこの際構わない。
俺は一歩前に出ると、胸に手を当てて宣言する。
「昨夜、リアス部長の初夜は俺とレーカとイッセーと……あと俺の妹が……貰ったんだ」
「ちなみに誘ったのはリアスちゃんだけどぉ? いろいろ手をまわして確定させたのは私でぇ? 前後の処女はイッセー君と三矢が頂いたわぁ~ん♪」
挑発目的の笑みを浮かべる俺とレーカに、ライザーは泡を吹きそうな表情でグレイフィアさんを見る。
その視線に、グレイフィアさんも隠せないと悟ったのだろう。
「……申し訳ありません。後れを取りました」
目を伏せたグレイフィアさんの言葉に、ライザーの表情から感情が消えた。
そしてだからこそ、俺は此処で宣言する。
「イッセー。俺たちは部長の初夜を頂いたものとして責任がある。具体的にはキレて当然のこいつの決闘を受ける権利だが、どうせならまとめてやった方が手っ取り早くないか?」
その言葉に、立て直したイッセーは起き上がりながらこぶしを握り締めた。
「ああ、そうだな! 俺はリアス部長の処女を貰ったものとして、
一転して優位性を獲得したと悟ったこともあり、イッセーは笑みが隠しきれてない。
だが同時に、その責任を負う気概を持って、部長の眷属として立ち向かう覚悟もできていた。
そして、俺も当然だが覚悟ができている。
「俺は発言と行動には死んでも責任を持つ。そうじゃないと胸張って死ねないからな。あんたも貴族なら、責任をもって挑むといい」
その俺の挑発に、ライザーは―
「……いいだろう。望み通りにしてやろうじゃないか」
―喧嘩に乗ってくれた。
「俺の持つ全権限を使って、お前たち三人をリアスが用意できない駒の代役として認めさせる……いや、お前の妹とやらもゲームに参加できるのなら、参加できるように取り計らってやる。使い魔の応用で行けるだろうし、できない様なら俺の負けでいい」
「ライザー様。それは―」
グレイフィアさんが止めようとするが、ライザーは手を出してそれを制する。
「まとめてねじ伏せねば俺の気が済まん。何よりそうでもしなければ、決着がついてもうるさく邪魔をしてきそうだ。……こいつらの言う通り、ハンデと共に代価も暮れてやらねば沽券にかかわるんでね」
そう言い切り、そして俺たちの方を向いた。
「俺が勝ったら即結婚。だがお前が勝ったら結婚は白紙にもどし、今後十年間フェニックスの涙を俺の権限で月二つ無償でくれてやる。売るなり使うなり好きにしな! フェニックスの名において確約する!」
「……はぁ。これは止められませんね」
止められないと悟ったのだろう。グレイフィアさんがため息をついた。
その上で、両方を見てから小さくうなづいた。
「かしこまりました。ですがそれらを通すには時間がかかります。十日ほど頂いてもよろしいでしょうか?」
まぁ、かなり横紙破りや変則手段もあるしな。当然時間はいるか。
「俺は構わん」
「……いいわ。この好機を逃す必要もないでしょう」
二人がうなづき、そしてにらみ合う。
「全員ぶちのめして、お前との一時を貰ってやる」
「ほざいてなさい。必ず倒してあげる」
……にらみ合う二人。そしてそこに割って入るようにイッセーが前に出てライザーをにらみつける。
「てめえは俺がぶっ飛ばす。リアス部長はお前なんかに渡さねえ!」
その真っ向からの宣戦布告に、ライザーも一歩を踏み込んで至近距離からイッセーを見据える。
火花が見えるようなにらみ合いと共に、ライザーもまた歯を向いて敵意を見せつける。
「吐いたつばは飲み込めんぞ? 貴族を愚弄した罪を支払わせてやる」
「「絶対……潰すっ」」
そして、俺たちの決闘は了承。準備期間の十日後に、リアス部長の命運をかける戦いは始まることとなった。
と、言うわけで三矢達もゲームに特別参加となりました。
今回、ゲームで完全決着をつける流れにする予定です。