異世界スッゲーD×D   作:D×D大好きッ!!

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 さて、特訓会もも割、そろそろガチバトルがはじまるぜぇ……


第六話 レーティングゲーム、始まります!

 

 ……元七十二柱が一つ、フェニックス家。

 

 神話における聖なる獣と同じ名を持つその一族は、不死鳥フェニックスと同等の力を持つ。

 

 すなわち不死。

 

 その体は破損しても炎と共に傷が治癒する。さらに流した涙は癒しの力を秘め、致命傷すら治すとまで言われている。

 

 実際フェニックスの悪魔を滅ぼすには、長時間殺し続けるぐらいで不死の力が処理落ちするまで粘る必要がある。実力が低い物なら神や魔王クラスの大火力を持っ呈して吹き飛ばせば一撃でやれるそうだが、それはそれで困難極まりない。

 

 そのあたりを復習して、俺はため息をついた。

 

「お兄、ため息つくと幸せ逃げるよ?」

 

「全くね。みんなのテンションに関わるから、そのあたりも気を付けてくれない?」

 

 三鈴とイングリッドにそう言われて、俺は意識を切り替えた。

 

 レーティングゲームが始まるまであと少し。俺は今、ゲーム会場に転移するまでを部室で過ごしていた。

 

 知識だけでも入れなおしておこうかと考えたが、厄介さにちょっと頭が痛くなる。

 

 しかもだ。ライザーのゲーム成績は八勝二敗となかなかの好成績。ルーキーとしては有望であり、これまた厄介。二敗に関してはお家関係の都合でわざと負けたらしいので、事実上の無敗だ。

 

 俺たちを見て勝てると確信するだけのことはある。実績がある以上、自負を持つことは当たり前のことだ。

 

 とはいえだ。こちらも負けてやる気はない。

 

 ゲン担ぎではないが、俺は珍しくちょっとかけをした。

 

 人間界においてなんでもかけ事にしてお金をかけるサイトがあるが、それと似たようなものが悪魔社会にもあった。

 

 なのでちょっと貯金を下ろし、部長の勝利に一転がけをしている。

 

 倍率は二十倍近くあるので、相当の額になるだろう。勝ったらパーッと豪勢な食事をしようとおもう。具体的には回らない寿司。

 

 だからこそ、本気で勝ちに行こうとするか。

 

「ふふふぅ。いろいろ準備もできたし、勝ち目は割とあるだろうね」

 

「もちろんでしょ。私たちの新兵器が、リアスちゃんの未来を切り開く」

 

 と、シルヴィアとイングリッドのマッドコンビが怖い表情で微笑んでいた。

 

 真剣に怖いのでちょっと距離を置きたい。いや、いざというときは俺が止めに入らないと。

 

「……ああいう連中にうかつに近づくのは馬鹿のすることよ。慣れてる私が相手をするから離れておきなさい」

 

 と、それとなくイングリッドが俺に肩に手を置いてくれる。

 

 基本的に厳しいけど、同時に面倒見はいいし責任感もある。難しことは言っても無理なことは言わないようにしている節もあるし、こいつやっぱりいい人だな。

 

 だが、だからこそだ。

 

「いや、レーカは俺の家族だからな。身内の暴走体張って止めるのも家族の仕事だ」

 

 その点は任せちゃいけないだろう。

 

 レーカについて慣れてる側がこういう時に投げ捨てるのは論外だ。

 

 ああ、できる範囲内で何とかしていくしかないだろうしな。

 

「……そう。まぁ、無理のない範囲にしておきなさい」

 

 お、ちょっと評価上がったか?

 

 ま、此処で調子には乗らずに心に留めておくか。

 

「……うっす! 兵藤一誠到着しました!」

 

「あ、皆さんすでに来られていたんですね?」

 

 と、そこにシスター服を着たアーシアを連れたイッセーが入ってきた。

 

 ちなみに、アーシア以外のメンバーは全員が駒王学園高等部の学生服だ。

 

「私たちオカルト研究部にコスチュームがあるとすれば、それは駒王学園の制服よ」

 

 という部長の意見によるものだ。

 

 破れたら修繕費ぐらい出るだろうか。そんなけち臭いことをちょっと考えてしまう。いや、そもそも普通出るとはおもうが。

 

 まぁ小猫はオープンフィンガーグローブを付け、シルヴィアはなんというかマッドサイエンティストっぽいローブを羽織っているなど多少の調整はしているが。

 

 ちなみに俺もいつも通りだ。制服そのものは普通に来ているが、内側にポケット多めのベストを着ている。何が起こるかわからない以上、何かあった時の備えは擁したいということで俺はベストを常時身に着ける癖があるんでな。

 

 あまり着慣れていないものを着ても逆にあれだ。ここは指揮統一も兼ねて合わせるとするかといった感じだ。

 

 そんなわけで朱乃さんが入れてくれたお茶を飲みながらちょっと待っていると、魔方陣が光ってグレイフィアさんの立体映像が映し出される。

 

「皆さん、準備はおすみのようですね。開始十分前です」

 

 その言葉に、俺たちのスイッチが確かに入った。

 

 その様子を確認したうえで、グレイフィアさんは小さくうなづく

 

「開始時間になりましたら、こちらの魔方陣から戦闘用に作られたフィールドに転送いたします」

 

「え? 作られた? 一から作ってるの?」

 

 三鈴が首をかしげると、グレイフィアさんは振り向いてうなづいた。

 

 いやちょっと待て。コロシアムとかそんな感じじゃなくて、いちいちフィールドを作ってるのか。すごいな。

 

「どんな派手なことをしてもかまわない様、使い捨てのフィールドで行うのがレーティングゲームの通例となっております」

 

 さらりとすごいこと言ったな、この人。

 

 異形の技術はすさまじい。人間界に広まったら革命がおこる……混乱の間違いかもな。

 

 まぁ、イッセーのあの砲撃を思い出せば納得だ。

 

 山肌をごっそり削るあの一撃。あれで上級悪魔の領域だという。となれば最上級悪魔とかになるとそれどころじゃないだろうし、下手をしなくても核兵器以上の火力も出てくるだろう。

 

 だったら異空間を一々つかす手にする方が楽なのかもしれない。異形の感性を人間界のそれと一緒にするのもあれだろう。

 

 とはいえ恐るべし悪魔の技術力。

 

「……あ、ちょっと質問いいですか?」

 

 と、そこでイッセーが手を挙げた。

 

「そういえば、部長にはもう一人僧侶がいたはずですね? その人は参加しないんですか?」

 

 その言葉に、古参のオカ研メンバーが妙な空気になっている。

 

 何やら訳ありのメンバーがいるということでいいのだろうか。

 

「……残念ながら、彼はある事情故に参加封印されてます。これは上役からの命令でもありますので、しないしできないと思っていただければ」

 

「……いずれ、そのことについても話すわね。ただ、そういうこともあって今回の特例が通ったといってもいいわ」

 

 グレイフィアさんとリアス部長がそういうが、どういうことなのやら。

 

 その上で、グレイフィアさんは俺や三鈴、レーカのほうを向いた。

 

「今回のレーティングゲームは、便宜上特殊ルールの一つであり「クアトロ・ファミリア」の流用となっております」

 

 特殊ルール。そんなものもあるのか。

 

「どういった者なんですか?」

 

「簡単に言えば「使い魔使い放題」。レーティングゲームでは使い魔の使用に制限が掛けられるけど、このルールにおいては事前に指定した四体の使い魔に限って無制限で使えるという物よ」

 

 俺の質問にリアス部長がそう答える。

 

「今回はリアス様が眷属を全員分集めていないことと、ライザー様が別件での決闘を兼ねていることによる特例です。ハンデキャップとしてあなた方四人を使い魔として設定し、ライザー様側は使い魔の無制限運用を行わない……という形になっております」

 

 なるほどなるほど。

 

「う~ん。特例だとは思うけれど、そこはかとない人種差別感」

 

「レーカ、余計なこと言わない」

 

 俺はレーカをたしなめるが、まぁ仕方がないだろう。

 

 種族的に明確な性能差もあるんだし、ちょっとぐらい上から目線がデフォルトになるのは仕方がない。油断されやすいということで良しとするべきだ。

 

 だが、これはこれでやりようはあるな。

 

 いくぜライザー。悪いが部長との婚約は白紙に戻させてもらう。

 

 俺にも責任という物があるんでな。恨みっこ無しでやらせてもらうぞ……っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、俺たちは時間になったので、魔方陣でゲーム会場に転移した。

 

 転移したんだが……風景が変わってない気が。

 

「あれ? 事故った?」

 

「うふふ。成功してますわよ、ほら外を見てちょうだい」

 

 と、首をかしげる三鈴の肩をたたいて、朱乃さんが窓の方を示す。

 

 つられて俺も見てみたが、外の様子は様変わりしていた。

 

 駒王学園高等部の全景こそあるが、そこから先の市街地や中等部などがさっぱり見えない。空に至っても深夜のそれだったのが、なんというか不思議な色合いになっている。

 

『皆様、この度グレモリー家とフェニックス家のレーティングゲームにおいて審判《アービター》役を担うことになりました、グレモリー家使用人のグレイフィアでございます』

 

 ……校内音声でグレイフィアさんの声がするぞ。

 

『我が主であるサーゼクス・ルシファーの名の元、ご両家の戦いを見守らせていただき―』

 

 いや、これってまさかそういうことか!?

 

『―バトルフィールドは両家代行の御意見を参考に、リアス様が通う人間界の学び舎、駒王学園のレプリカをご用意いたしました』

 

 やっぱりか!

 

 使い捨てのバトルフィールドで学校一つ作りやがった。

 

 駒王学園は高等部だけでもかなりの敷地面積だぞ。それを一回のゲームをするためだけに、使い捨てで作ったのか。

 

「ま、マジかよ……」

 

「悪魔スッゴー……」

 

 イッセーと三鈴が唖然とする間も、グレイフィアさんの説明は続いていく。

 

 要約すると本陣は部長が部室でライザーは生徒会室。兵士がプロモーションする場合はその近くまで移動する必要あり。制限時間は人間界の夜明けまでだから、少なく見積もっても五時間以上かかると見込むべきだな。

 

 そして、ゲームはスタートされた。

 

「さて、朱乃、お茶の用意を」

 

「うふふ、すでにお湯はわかしていますわ」

 

 ……スタートされたんだよな?

 

「お、落ち着いてますね、部長……」

 

 イッセーも割と戸惑っているけど、意外なまでに全員余裕を持っていた。

 

「ゲームとは大抵こういう物よ? 長時間かけて行う物である以上、始まった直後であわててもいいことはないもの」

 

 そうなのかと感心していると、シルヴィアがいつの間にやら地図を広げている。

 

 上から見た学園の見取り図だな。これを参考にして作戦を立てるのか。

 

 配分的には旧校舎及び周辺の森がこちらのホーム、新校舎全体はライザーのホーム。となると主戦場はその中間。

 

 校庭は新校舎から丸見え。裏の運動場は単純すぎて相手も当然備える。となると体育館だが、見えないからこそ相手も人員を割くな。

 

 まぁ、先述は専門外だからこの辺は部長たちに任せよう。

 

 ……そして見取り図とにらみ合いをしながらの十数分が経過した。

 

「……とりあえず、一通りのプランを説明するわ」

 

 ……といった感じで作戦がまとまり、俺たちは改めて準備態勢に入る。

 

 イングリッドたちにレーカが付き添って、各種トラップの設置が進んでいる。

 

 悪魔式のトラップはもちろんだが、レーカの優れた技術力による科学的なトラップも追加という鬼仕様。これは悪魔式を囮にして化学式のトラップで仕掛ける算段だ。

 

 これで何人かやられてくれればいいし、動きが封じられただけでも十分。

 

 そして俺も、事前の備えを確認する。

 

 これまでいろいろな知識の習得を行って、危険物取り扱いの資格も獲得している。当然だが、その結果として相応の危険な兵器も用意できる。

 

 ……具体的に言うと、小さめの瓶を利用した火炎瓶とかだ。

 

 発射用にDツヴァイの調整もしたし、ほかにもいくつか用意はしている。

 

 ……さて、そろそろ時間だな。

 

 勝ちに行こうか…‥っ!

 




 ついに火ぶたを切ったレーティングゲーム。

 次回から戦いが激しくなっていきます……っ
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