異世界スッゲーD×D 作:D×D大好きッ!!
「……兵藤に彼女ができただって!?」
「しかも他校の美少女ですって!?」
「あのフルオープンスケベに!? 冗談だろ!?」
「松田と元浜が絶望してうなだれてるほどだぜ? 本当じゃね?」
「いや、あいつら中学時代悪名高かったんでしょ? それでも?」
「なんでも覗きの常習犯だったとか。エロ本も行内に持ち込んでたらしいぜ?」
「補導されろよそれは」
「……まぁ、そこさえ除けば期のいい連中だけどさぁ?」
「それを台無しにして余りあるスケベよねぇ?」
「……その人、もしかしてビッチ?」
「まぁ、女の子にもエロイ子はいるけどさぁ?」
「並みのスケベであいつに付き合えるのかぁ?」
「すっごいことになってるな、オイ」
俺は正直、ちょっと呆れ半分でその噂話を聞いていた。
俺がきいただけのこの反応で、イッセーがどういうやつかがよくわかるというもんだ。
悪い奴では断じてないけど、まごうことなき変態。つまり受け付けない奴にはどこまでも受け付けない手合いということだ。
「……で、彼女ができた感想は?」
「人生……バラ色っ」
すっごいムカつく笑顔で親指を立ててイッセーが応える。
俺はそれに軽くため息をつきたくなったので、カフェオレを飲んで気を静める。
イッセーたちの中でも特にイッセーと付き合いがあるのは、家が向かい同士であることと乳製品好きであることの二つが理由だ。
つーかイッセー、乳製品をとると体調がよくなる特異体質だからな。こいつなんなんだマジで。
実際とんでもないことがレーカのおかげで判明しているし……まぁそれはいいか。
「で? その後の関係はどうなんだよ?」
「ふっふっふ。今度の休みにデートに行く予定だ! うらやましいか……ぁあん?」
こういうところがなければ完璧なんだが。まぁ完璧な人間の方が少ないから仕方ないか。
とはいえ、イッセーの奴は肝心なことを忘れてないだろうか?
俺は半目でイッセーを見ながら、肝心なことをとりあえず伝えることにする。
「イッセー。女は基本的に、男より性に潔癖だぞ? 増して俺たちは野郎視点でもふしだらだから、十中八九レーカや三鈴とヤれなくなるぞ?」
いやそこが本当にな。
男と女は違う生き物だとよく言うが、これが実際本当なんだよ。
そもそも哺乳類は性質上、男は質より量で女は量より質になりやすい。そのため女は基本的に、男よりエロに不寛容になりやすいんだ。生まれて一度もオ〇ニーをしたことがない女性が、成人になっても割単位で出てくるなんて聞いたこともあるしな。
そもそもイッセーたちは、男でも「もうちょっと抑えろよ」レベルでオープンスケベだ。当然女子視点だとドン引きされやすい。中学時代にやらかしている事実だけでもドン引きされているわけで、幸か不幸か高校生になるころにはレーカと三鈴がガス抜き役になっているから収まっているおかげでまともな扱いを受けてるといっても過言ではない。
……まぁ、俺も大概ご相伴にあずかっているし、未成年飲酒及び酒造の常習犯なわけだが。そのあたりのオンオフをしっかり切り替え、さらに偽装ができていることがどれだけ違うかってことの証明だな。
まぁそれはともかく。
「……そ、そんな……っ」
すでに崩れ落ちているイッセーを見る限り、十中八九短期間で終わりそうだなこれは。
そもそもこの年になって「ハーレム作りたい」「女子が多いなら俺達にもチャンスが!」なんていう理由で、一年足らずで強引に偏差値を上げて入ったのがこの駒王学園高等部。
最近驚愕になったばかり故、男女比が女子に大きく偏っている学園だ。ちなみに中等部及び大学部もあり、割と名門校でもある。
俺が入ったのもそれが理由だ。学歴が全てってわけじゃないけど、学歴はいい方が将来の潰しがきくしな。
酒造関連に努めたいというのが今のところの願望だし、レーカがすさまじい株取引や投資で稼いでいるけど、それだけで行けるほど世の中甘くないと世間を調べればすぐわかるし。
人生の潰しを利かせるためにも、学歴ぐらいはあった方がいい。あとは資格もそこそこほしいな。
とりあえず普通二輪免許*1は十六からとれたので所得済み。ちなみに趣味の一環で特殊小型船舶操縦士*2と2級小型船舶操縦士*3に、グライダーの各種免許*4を所得しており、これだけあれば就職時のちょっとした自己アピールは十分だろう。
そして将来の目標を踏まえ、乙種第4類*5の前段階として丙種危険物取扱者*6は取っている。今は二級ボイラー技士受験資格不要《/ref》に集中している。
将来的には大型二輪免許*7及び大型自動車免許*8にフォークリフト*9に乙種第4類までは取りたい。免許関連は更新の試験などがあるから、まぁ後は必要に応じてという形だ。
……というより、酒類製造免許は非常に細かい分類になるのでこれ以上取るとややこしい。まぁここまで取っておけば酒造業をするには十分だし、方針転換しても立ち回れるだろう。
まぁそれはともかくだ。
「とにかく今度はデートだって? どうするかはお前の自由だが、まぁ失敗したときのやけ酒ぐらいは考えてやる」
たぶんだが、失敗した方がお互いのためだろう。
まぁ、こんな年で結婚して老後の人生設計まで考えた恋愛ってことでもないだろうし、そこそこ付き合えるならそれでもいいのか?
と思ってたら、なんかジト目で見返された。
「未成年飲酒は犯罪だろ?」
「未成年がエロ本やエロゲー持ってるのも犯罪だぞ?」
カウンターを決めてから、俺はちょっとため息をついた。
「……で? お前らアホなこと考えてないだろうな」
デートの準備とかもあるのでさっさと帰ってったイッセーを見送ってから、俺はカラオケボックスで松田と元浜の相手をする。
こいつら絶対嫉妬で狂っているだろうと思ったんだけど……。
「やはりホモ扱いか? ホモ扱いした方がいいのか?」
「浮気性の噂だ、いや、洗脳とか催眠術とか―」
「落ち着け馬鹿共。嫉妬みっともない」
やっぱり阿呆なことを考えてやがった。
「そういう嫉妬とかがさらに女を遠ざけるんだ。ただでさえ昨今の女子にとって、オープンスケベは嫌われる元なんだからな?」
モテないムーブをなんでここまでぶちかましてモテれると思っているんだこいつらは。
俺がはキレ半分でくぎを刺していると、割と千葉市断った目で松田が俺に詰め寄ってくる。
……馬鹿をやる分には楽しいし、なんだかんだで情に厚いんだが。なんでイッセー含めてダメな時はここまでだめなんだ。
「うるせぇ! お前こそ女子に興味ないムーブしやがって……男なら女を求めるもんだろ!?」
「性欲の発散に困ってないからな。そも今の性発散環境を捨てれる気がない以上、彼女を持つ方が不義理だってんだ」
ウーロン茶の入ったコップで押しやりながら、俺は盛大にため息をついてからフライドポテトを食べる。
全く。その辺の切り替えができないうちは、ガチの恋愛なんて夢のまた夢だろうに。
「ま、イッセーもその辺はあまりうまくできてなかったしな。絶対すぐに終わるから安心しろ」
「……容赦がなさすぎるだろ、友崎」
元浜に軽く引かれるが、自分を客観視してイッセーを客観視した結果だ。
俺たちが彼女を作るには、今のただれた関係を納得させるか引きずり込むかだ。
それが今どきの女子には難しいことは、ちょっと考えればすぐわかる。
というわけで、だ。
「そういうわけだ。ぬか喜びで終わるイッセーの傷に余計な塩を刷り込む真似はよしとけ。さすがにみっともないだろうが」
俺はそう結論付け、こいつらのやけ食いに付き合って時間を潰すことになった。
「……ただいまー」
晩飯担当だったのにだいぶ遅くなったな。
まぁ漬物とみそ汁の元はあったし、どんぶりで何とかしよう。卵丼……はさすがに手抜き扱いされそうだし、此処は親子丼あたりにするか。
で、あの二人はどこにいるのやら。
色々事情があるから表で仕事が難しいレーカや、実は高校通ってない三鈴は基本、家からそんなに遠出をしない。どっちもインドア派だからなおさらだ。
結果として時間つぶしでさらに退廃的な関係になるわけだが、まぁそれはそれとして―
「……お兄! イッセー振られた!?」
「早いわっ!!」
―どんだけ振られてほしいんだ。
絶対すぐに降られるとは思っているが、それにしたってその反応はないだろう。
俺がバッサリぶった切ると、三鈴はその場に崩れ落ちる。
「そんな、イッセーが、イッセーがマトモな女子に持てるなんて……私とヤれなくなるじゃん!?」
「竿なら松田と元浜も十分イケるだろ。そもそもイッセーが好きなら告白でもしたらどうだ?」
兄の目から見てもわかるが、三鈴はイッセーに向ける好感度は突き抜けている。
バレンタインでもノリで手作りチョコを人数分用意するが、四つ作って一番出来がよさそうなのをイッセー用に選ぶから間違いない。ちなみに一番出来が悪いのはほぼ確実に俺な当たり、身内とはこういう時雑に扱われると痛感する。
……最初に手作りチョコを作った時はひどかった。焦げてるのはさすがにアウトだろうと今でも思う。
まぁそれはともかく、涙目の三鈴は呆れた目を向けてきた。
「はぁ? 竿は何本もあった方がいいじゃん。私がずっこん入れられている前でばっこん入れられてる人と一緒のなめたりしたいんだよ私は」
「難儀すぎだろその性癖」
だめだこの妹、性癖をこじらせすぎている。
……まぁ俺も大概なんだが、やはりここまでこじらせた元凶に手伝わせるか。
「……レーカぁ? どうせイッセー振られるだろうけどさぁ、そもそも今のままだと長続きが困難なんだからフォローの手伝いぐらいしてくれよ?」
いや、そもそも異世界人に地球の日本人レベルの社会性や価値観を徹底しろって言うのもあれだろう。そこに関してはお互い歩み寄るべきだとは思うぜ?
思うけど、十代半ばの少年少女の性癖をこじらせてる責任は取ってほしい。あのままだとイッセー、絶対彼女出来ないぞ。
……性風俗産業に入ればあるいは? いや、あいつなんだかんだで独占欲強いし……やっぱりきついな。
そんな風に考えているけど、なぜかレーカから返事がない。
ん?
「レーカ? どうかしたか?」
俺が二回にあるレーカの部屋を除くと、レーカはかなりガチな雰囲気でパソコンに向かっていた。
画面自体は小さいが、レーカの世界ではいわゆるAR技術がすさまじく発展していたらしい。インプラントで簡易的なネット接続を素で可能としている上流階級が多いとか。
だからこそ、ネット関連において彼女はこの世界の水準を遥かに超える。こっちに持ち込んだ技術を使っている彼女の演算機器は、ちょっとしたスパコンレベルはある。
「……あ、ごめん。ちょっと気になることがあってさ?」
と、振り返ったその顔は真剣だった。
「どこかの会社が倒産しかけてるとか?」
だとすると大損になるし、対処するのは当然だな。晩飯はおにぎりにした方がいいか。
ただ、レーカはそこに関しては首を横に振る。
「そっちじゃなくてね。……そうだ、ちょっと頼みがあるんだけどいいかな?」
「……というと?」
俺たちにわざわざ頼みがあるということは、遠出とかか?
そもそも異世界人のレーカは目立つから、人の多いところには出たがらない。
しかしどうする気なのかと思った時、レーカは一枚の住所と地図が書かれた紙を差し出した。
「ちょっとこの辺調べてくれない? イッセーに告白した天野さんってこの住所」
「……はい?」
何がどうなってる流れなんだ、オイ
本格的に事態が動くのは、二話ぐらい後になりそうです。