異世界スッゲーD×D 作:D×D大好きッ!!
次の日の昼過ぎ、大体二時半ぐらい。
俺はレーカの頼みもあり、ある家の近くまで来ていた。
バイクで乗り付けるという手段もあったが、日本という国は駐車関連では不便なことも多い。ついでに言うと―
「お兄、乗せてってくれてもいいじゃん」
「無茶いうな。俺はまだ二輪車の免許取って一年たってないしのせれるバイクも持ってない」
―三鈴がついていくといって聞かないので、なおさらだ。
バイクの二人乗りは免許所得一年以上で排気量と乗車定員にきちんと規定があるんだ。免許を持っているからって規定に乗ったバイクを持っているかは別だし、誕生日の関係で俺は免許を取って半年ちょっとしかたってない。
それに実際問題、俺がとる手段から考えると電車と歩きで言った方が早いからな。
「言っておくが余計なこと言うなよ? ただでさえ非常識気味なことするんだから」
「ラジャッ! 基本はお兄に任せるから、頑張って!」
だったらなんで来たんだか。
イッセー関係でいてもたってもいられなかったんだろうけど、だったらイッセーを尾行するなり手段はあったような気がするんだが。
……いや、尾行慣れしてないというか引きこもり気味、さらにはガワが立派な美少女の三鈴では尾行は無理だ。
そして堂々と介入して台無しにさせるのはさすがに酷い。むしろこっちで良かったと考えるべきか。
よし、では行くか。
「でもお兄、直接調べに行ってくれってのはレーカの頼みごとでしょ? 乗り込むのってどうなの?」
「男子高校生に諜報活動ができるか。こういうのは誠意と真っ当な理由と若さゆえの未熟で押し切るしかない」
俺は三鈴にそういい返すと、持って来たお菓子*1を確認したうえで、インターフォンを鳴らす。
『……はい、どちら様でしょうか?』
「あ、すいません。天野さんのおうちは此処でよろしいでしょうか? 俺はこういう物です」
リスク覚悟で学生証をインターフォン備え付けんカメラに見えるように俺は掲げる。
小技は無理だ。こうなれば正面から、当人がいない隙をついて親御さんと接触する!!
「あの、娘は彼氏に会いに大坂に行っているんですが? ……告白?」
「「え?」」
『あ、どうだった?』
「どうだったもこうだったもじゃない! 全くの別人だったぞ!?」
俺は通話に出てきたレーカに、怒鳴り気味でそう告げる。
天野夕麻とやらは遠距離恋愛中で、しかも写真を確認したが全くの別人。念のためにイッセーから送られた写メを見せて確認するが、当人じゃない上に当人に確認しても全くの別人で、どちらもこころあたりすらない。
真剣に警察に相談した方がいいのではという相手方に「自分たちで相談するので、警察から連絡があればお願いします」ということですまして、俺たちは帰路につく……途中で、まず情報を整理するためにカラオケボックスに入ってからレーカに電話を繋げている。
「レーカって、もしかして気付いてたの?」
首をかしげる三鈴の声に、レーカは通話の向こうで何か考え込んでいる感じだった。
『気づいてたわけじゃないけど、制服から高校を探すとどこで見たのかもわからない位置だったから。イッセーたちと中学時代に関わっている子が通ってるわけでもないっぽいから、これ何かあるかも……ってね』
なるほど。
いきなり当人に「お前は何を考えている」だと、万が一何もなかった時に相手とイッセーに失礼。かといってイッセーに「怪しいから気を付けろ」っていうのも気が引ける。となると直接出向いて調べるのが妥当か。
いや、でもなんでだ?
「さっぱり意味が分からないんだけど。どっきりとか嫌がらせにしても度が過ぎてるだろ」
中学時代にガチで覗きをしていたイッセーを嫌うやつがいるのはいいだろう。嫌われてもしょうがないし、それは自己責任の一環だ。
だが、直接被害にあったわけでも被害にあった者の縁者でもないのに、小隊を偽って接近して嘘の告白……はさすがに悪質だろう。そもそも高校生がやることでもない。
万一ばれたらそれこそ警察のお世話になりかねない。そうでなくても天野夕麻本人に知られた時点で、そっちの方にメンタルで被害が生まれて警察に相談されそうだ。そもそも制服まで用意しているあたり、高校生の仕業にしては手が込みすぎている。
……どこかの復讐サイトを運営している、それもグループ以上の規模が動いているとかか? さすがに学生が頼めるような規模でもないと思うんだが。
「……お兄、レーカ。イッセー……大丈夫なの?」
三鈴の声が震える気持ちもわかる。
いくらなんでも怪しすぎる。これは真剣に警察に相談した方がいいだろう。
念のためにイッセーにも伝えて帰らせた方がいいかもしれない。それぐらいに不安になるレベルなんだがな。
「……レーカ。先にイッセーに連絡してくれないか? 適当に理由をつけて切り上げさせた方がいい気がする」
『オッケー。ちょっと待って』
俺の提案にすぐうなづいてくれたが、そこから数秒で舌打ちが聞こえてくる。
なんか嫌な予感しかしないんだが。
『……イッセーの携帯につながらないわ。これ、通信妨害とか喰らってるかも』
……いやな予感どころの騒ぎじゃないぞ。
正体を偽って接触した挙句、デート中に通話妨害まで仕掛けてるだと?
誰がどう考えても何かがある。これ絶対にやばいだろ。
……糞ったれ!
「三鈴、お前は今すぐ警察に行って相談してくれ。天野さんの電話番号は聞いているから、此処に電話すればなおさら行けるはずだ」
「え、お兄は!?」
うなづきながらも当然の質問をする三鈴に、俺はちょっと頬を引きつらせながらも言うべきことを言う。
「直接探すに決まってるだろ。大体のプランは聞いてるしな」
ったく。確かにアイツは問題児極まりないが、さすがに当事者でもない奴に殺されるほどのことはしてないだろ。
ああもう、手間のかかる!!
その日の夕暮れ、兵藤一誠はデートの終盤、雰囲気のある公園にきて―
「死んでくれないかな?」
―いきなり殺されることを頼まれた。
一瞬思考が停止したことを責められたりはしないだろう。
告白してくれた少女とデートした日の夕暮れに、こんなことを予想できる方がおかしい。日本の男子高校生からすれば、そんなことを考えるのは重度の中二病か被害妄想の類というほかない。本気でいえば頭の心配すらされるだろう。
だが同時に、寒気に近い感覚を一誠は覚えていた。
わかるものが見たのなら、それは殺気だとしてきしただろう。それほどまでに、彼はいま、死地に追い込まれていた。
微笑む夕麻の背から、黒いカラスのような翼が生える。
そしてその手に、光で構成される槍が現れる。
その幻想的ともいえる光景に、しかし危険を伝える感情が継承を鳴らす。
そして一誠が思わず左腕の
「さようなら、イッセーくん♪」
間違いなく愉しみながら、夕麻は愉快そうに光の槍を投げ―
「うぉおおおお!」
―とっさに構えたプラズマの盾で、一誠は槍をなんとかふせぎきった。
「……は?」
その事態に、夕麻は一度あっけにとられたうえで直後に顔を真っ赤にして表情を歪める。
憤怒、恥辱、屈辱、嫌悪。
様々な感情が読み取れ、その全てが本心からとわかるが、だからこそ一誠も理解してしまう。
目の前の女は。自分のことをどこまでも馬鹿にしているんだと。
「嘘だろ、夕麻ちゃん。俺、初めてのデートで、一生懸命……」
「ええそうね。せめてロマンチックな展開で殺してあげようと思ったのに、こんな形で手間をかけさせるとか……反吐が出るわ!」
悲しみすら覚える一誠の前で、恨みの域にまで達した感情を夕麻は爆発させる。
そして一誠もまた、自分の死を悟った。
今のは運がよかったと痛感する。防御が間に合ったのは偶然だし、とっさの対応で盾のむきがななめになっていたから受け流せただけだ。警戒されている雰囲気からして、今度は突破されるだろう。
それを理解したからこそ、このままでは自分は確実に死ぬと実感する。
まるで走馬灯のようにこれまでの思い出が浮かぶ中、一誠がふと思い浮かべたのは―
……ああ、せめて夕麻ちゃんの生おっぱいを見たかった……いや、死ぬのならあのストロベリーブロンドの彼女のようなおっぱいを、生で見たかった……っ
―この一周回って感心する者すら出てきそうな、おっぱいまでの渇望が、世界の命運すら左右する勢いで一誠の命脈を繋ぐ。
具体的には、デートに行く途中でもらい、ポケットに適当に突っ込んだビラと共鳴した。
そしてそれは、強い光と共にまるで魔法陣を思い描くような円を基調とする陣を展開する。
「……グレモリー家の魔方陣!? この糞餓鬼……悪魔の契約用チラシをっ!?」
驚愕しながらとっさに下がる夕麻すら見えなくなるほどの輝きの中、その光は一人の少女を呼び出した。
「……私を呼んだのはあなた? ……あら、うちの高校の、それに堕天使……?」
この日、兵藤一誠は運命と出会った。
さて、原作キャラもどんどん出てきて来ましたよぉおおおおっ!
ガードが間に合って命を繋いだイッセーですが、その理由に関してはもうちょっとお待ちください。とりあえず次の話で説明します。