異世界スッゲーD×D 作:D×D大好きッ!!
次の日、俺は仮病で駒王学園を休むといろいろ調べて動いていた。
……というのもだ。イッセーがこのままおとなしくしている気がしないからだ。
五年以上の付き合いがあるうえ、文字通り死線を共にした関係だ。あいつのことはそこそこ以上でわかっている自信がある。
情に厚い熱血漢であるあいつは、だからこそ時折頑迷になる。
まぁ中学生にもなって覗きの常習犯。むしろレーカや三鈴で発散できないなら、駒王学園でもやっているだろう奴だ。順法精神とか縦社会の在り方とかをぶん投げる余地は少なからずある。
Fateシリーズ風に言うならあれだ。あいつは基本的に中立・善だ。混沌というほどあれではないが、秩序というほどがっちりでもない。
今日は休むように言われているだろうが、何か力になれることは無いかと動いている可能性だってある。
だからこそ、いざ動かれた時に備える必要があるわけだ。
というわけで、俺は今、例の教会がある場所に近づいている。
もちろん乗り込んだりはしない。距離にしても数百メートルは離れているし、さすがにここからなら不味いことにはなりえないだろうという予想もある。
そんなところにある小さな公園のベンチで、俺は背負ったリュックからいろいろなものを取り出しつつ確認をとる。
「……もしもし? 言われたポイントに到着したぞ?」
『あいよー。こっちも準備はオッケー。じゃ、三鈴は操作よろしくね?』
『ラジャッ! じゃ、お兄起動してー?』
レーカと三鈴の方も準備万端のようなので、俺はリュックから取り出したドローンを起動させる。
……レーカが異世界技術をふんだんに盛り込んで完成したこれは、偵察用ドローンだ。
小型のラジコンサイズでありながら、連続稼働時間30分。操作可能範囲はせいぜい3km程度だが、こうして中継機器を持ってくれば長距離から探ることができる特注品だ。
さらにレーザーを利用した盗聴器や収音マイク、サーモセンサーまで備えており、緊急時は瞬間的に燃える証拠隠滅機能付き。加えて異世界技術による軽量素材をふんだんに使用しているため、同サイズのドローンに比べると消音性能も抜群という優れもの。
こんなものをこっそり作っていたレーカは問い詰めたいが、まぁ今回は役に立つのでお目こぼしするしかない。
そして俺は適当にダミーのラジコンを操作しておきながら、家の二人が教会の様子を調べ終わるのを待つ。
外部からの情報でできることは少ないだろうが、付け入るスキさえ見つけられればこっちのものだ。
リアス部長たちも積極的に戦争再開なんて考えてないが、小競り合いは幾度となく起きていることは聞いている。つまり小競り合いで済むのなら、イッセーが教会に殴りこんでも問題ないわけだ。俺たちはそれができるかどうかを調べている。
まぁ実際問題だが、その可能性は大きい。むしろもっと行けるのではないかと思っている。
現実問題、この駒王町の裏側は悪魔が牛耳っているのだ。偽夕麻達はあくまでイッセーの危険性を確認して場合によっては殺すという仕事できたわけで、滞在許可をもらっているわけではない。手打ちになったのならさっさと帰るべきでもある。
それがこそこそとアジトを作って残って、しかも何も知らない人員まで呼びつけている。
……十中八九、上の連中にも知らせずに何か企んでいる。わかりやすい小物の悪党の不正だと思えます本当になんとやら。
だからまぁ、ぶち殺したとしても堕天使側がガチの報復をしに来る可能性は低いんだ。低い可能性に当たった場合を考えて部長は慎重なだけで、可能性がゼロだといえるのなら部長も動けるだろう。不法侵入者だと分かっていて無視する方が問題だし。
それさえわかればやりようはある。少なくとも、大義名分はこっちにあるわけだしな。
だからそこまで分かればいいんだ……が……?
「レーカ、三鈴? なんか騒がしいけどどうした?」
なんか二人がわめいている気がする上、それとは別にうるさいんだが。
「おーい、どうしたー?」
返事がないので何度か呼んでいると―
『お兄、なんかやっばいことになってる!?』
三鈴がとんでもないことを伝えてきた。
その後、俺が携帯電話でリアス部長たちを呼び出すと、なぜかイッセーたちがアーシア・アルジェントまで連れてきた。
「……お前何やってんの?」
「いや、言っとくけどアーシアが逃げてきたのを保護しただけだからな!?」
詳しく聞くと、無力を悔やんで筋トレをしていたら、アーシア・アルジェントと出くわしてデートじみたことをしていたらしい。
そして来歴を聞いて友達になって助けると決意をしたイッセーは、そのまま考えた結果部長たちのところに連れて行って保護してもらえないかと直談判に行ったらしい。
そしてそれと同じタイミングで、俺達経由でとんでもない事態が起きていることを聞いて、リアス部長たちがこうしてきたというわけだ。
「それで三矢? 堕天使たちのいる場所で
「俺が見ているのはレーカや三鈴が見ていた画像と同じなんでまだ何とも。ただ近づいてみても音とかはしてなかったですね」
そう、それが俺たちが部長たちを呼んだ理由だ。
映像越しで解析担当のレーカが気づいたことなんだが、どうも銃撃戦が起きているらしい。
ただ、堕天使が結界を張っているせいか全てがわかるわけじゃない。たまたま窓にレーザー盗聴器が当たり、結果として銃撃戦の音が聞こえてきたとか。
「……なるほどね。で、その音はまだ続いているのかしら?」
イングリッドが通信用の魔方陣にそう質問をかけると、そこから声が飛んでくる。
『間違いない感じね。この音の感覚だと、マシンガンとか使われてるわね』
便利だな、異形や異能。
まぁ、それはともかく。
俺はリアス部長に視線を向けると、言うべきと判断したことを告げる。
「自分の管轄区で、別勢力が勝手に争っている。この場合、殴り込みなり仲裁なりをするのが仕事だと思うんですが、手伝いましょうか?」
「そうね。話を聞く限り例の堕天使だし、仕事も終わっているのに勝手に居座った挙句、他の勢力と争っているのは黙ってみていられるわけがないわ」
よし、話は決まったな。
すでにイングリッドたちも準備をしているし、イッセーも拳を握り締めている。
そして俺も、もらったDデバイスを確認する。
レーカが俺用に開発したDデバイス。警察に見られてもいいわけができるよう、「災害時の備えとしての懐中電灯」と言い訳ができるように懐中電灯としての機能を持つ、グリップ型の洒落たデザインのデバイス。
これを確認したうえで、俺たちは小さくうなづいた。
「では行きましょうか。とりあえず文句を付けましょう?」
そして俺たちは教会を包み込む結界を通り抜け―
「……う……っ!?」
―俺は目の前の光景に、思わず吐き気を催した。
そんなことをしている場合ではないから気合で耐えるが、正直今日は肉類は食べたくない。
それぐらいの凄惨な光景が目の前に広がっていた。
穴だらけになって内臓をこぼして倒れている、神父服らしきものを着た人達。
県で切り裂かれた後からこれまた内蔵をこぼして絶命している、装甲がついた対爆スーツのようなものを着ている者達。
そんな死体がそこかしこに堕ちている、そんな凄惨な光景が広がっていた。
こんな凄惨な殺し合いが起きているのに、結界一枚隔てたら誰もも気づいてないってのか。本当に異形や異能は末恐ろしいな……っ
「……想定外の目撃者確認。殺害を開始します」
「今度はグレモリーか! 死にやがれぇっ!」
そして気づいた双方が、俺たちもターゲットに選んでいく。
本当に、吐き気を催している場合じゃない!
というか来たのは失敗だったな。その場のノリに従いすぎたな俺。
だがこうなった以上、足を引っ張ることだけはしない!
「三矢、大丈夫?」
「自分の身は自分で守るので、足を引っ張るようなら見捨ててくださって結構です」
連れてきてもらった以上、この程度のことは最低限の責任だ。
自分の責任は自分で背負う。それが人としてのエチケットだからな。
「Dツヴァイ!」
俺はレーカに作ってもらったDデバイス、Dツヴァイを起動すると走り出す。
下手に結界の外に出た場合、何をしてくるかが予想できない。自分の意志で踏み込んだ以上、結界内で何とかしのぐ。
だからこそ、俺はグリップを握り締めると戦闘から生き残ることを決意する。
そして神父服の集団は拳銃を、対爆スーツもどきの連中はマシンガンを構える。
それに対し、俺は素早く盾を出して防ぎ切る。
俺の神器はどうやら創造系という、つかさどる何かを疑似的に作り出す神器らしい。
それを補正するDデバイスであるDツヴァイは、グリップを持ちてとする形で、比較的単純な構造の武器を創造する。
盾ぐらいならそこそこのことはできる。そしてこの位置なら盾があれば十分だ。
そしてその間に、朱乃さんが雷で周囲をまとめて攻撃。
神父服のおそらくはぐれ悪魔祓い共は大半が素早く飛びすさる。装甲スーツ共も意外と機敏な動きで対応している。結果としてはぐれ悪魔祓いは八割、装甲スーツ共は半分が雷を回避した。
……喰らったやつは壊滅してるけどな。冗談きついぜ。
そう思った時、今度は映画とかで聞いたような擬音で言うとキュラキュラという音が。
その方向に視線を向けると、そこには明らかに洗車ですと言わんばかりのごつい車両が出てきたと。
しかもこのタイミングだと、もう砲撃が―
「消し飛びなさい!」
―放たれた瞬間、リアス部長が手元から黒っぽいエネルギーを放ち、砲弾ごと戦車を消滅させる。
……幻想的すぎて一周回って落ち着いてきたな、俺。
やだなにこの二人。さっきまでの戦闘とジャンルが違いすぎるだろ。
正直呆れそうになるが、しかしここにいる連中だけで終わるわけがない。
「ここは私たちに任せなさい。イッセー!」
リアス部長がそういいながら、イッセーのほうに意識を向ける。
「いい機会よ。あの堕天使に言いたいことがあるなら行ってきなさい!」
「……はい!」
その言葉に、イッセーは決意を秘めた目でうなづいた。
「朱乃はアーシアのカバーに入って。残りのみんなはイッセーを援護して頂戴!」
「「「はい、部長!」」」
イングリッドたちもイッセーをカバーするために続く。
俺は周囲を確認してから、すぐにイッセーを追いかける。
偽夕麻の一件では、この場で俺がイッセーの次にキレている。
俺だって一発ぐらいはかましたいんでな。……覚悟を決めろ、俺!
個人的に思うことなんですが、二次創作でオリジナル要素をぶっこむとき、味方側だけに来るっていうのは好きじゃないんですよ。
なので、敵もいろんな方向で強化されていくのでお待ちくださいな。