異世界スッゲーD×D 作:D×D大好きッ!!
こちらは少しずつだけど順調に読者の数が増えて言っているので、この調子で確実に増やしていくためにも更新速度が維持できるうちに、R-18版も出せるようにしたいところです。
さて、バトルの方も激しくなりますぜぇ?
教会の目の前まで出てきたとき、そこは入ったところ以上に壮絶な戦場になっていた。
戦車や装甲車の残骸と思しきものがそこら中に転がり、死体は破片になっているレベルで、減刑が分からなくなりそうなものがたくさんある。
正直また吐き気が戻ってきたが、それ以上に寒気を感じている。
理由は明白。ここにいきのこっているのは誰一人としてさっきの連中とは格が違う。
『……あら、グレモリーに勘づかれたの? 結界はどうなってんのよ』
そうぼやいているのは、誰がどう見てもロボットですと分かる感じの存在。
手にはオーラとでもいうべきものを纏っている剣が握られている。装甲にも返り血が飛び散っていて、相当の敵を殺していることがすぐわかる。
そして相対するように教会側にいるのは、偽天野を含めた数人の人物。
コートを着ていたりスーツを着ていたりゴスロリを着ていたりするボロボロの連中に、比較的傷が少ない神父服で白髪の少年。
そして偽天野はとげのついたボンテージ服を着て、イッセーがいることに気づくと舌打ちをした。
「見逃してやったのに、今度は邪魔するとはねぇ……この糞ガキっ」
「……っ」
イッセーの肩が少し震えるが、それより先にイングリッドが一歩前に出る。
「はっ! そっちこそ仕事も終わっていつまでうだうだいるのかしら? こっちだってそんなことを知ったら追い払いに来るに決まってるでしょうに」
「……腐った悪魔のメスガキが、この高貴たる堕天使によくもふざけた口をっ!!」
イングリッドに吠える偽天野の、この口の悪さに俺はちょっと冷静さを取り戻したぞ。
荒れすぎていろいろ論外だ。ろくでもないのが出でたもんだなぁオイ。
正直、オカ研側は俺含めて全員が偽天野に嫌な感情を覚えているってわかる。表情がみんな揃ってだしな。
……その上で、イッセーは悲しそうな表情で偽天野の方に一歩近づいた。
「……夕麻ちゃん」
「あらあら。小汚い悪魔が何の用かしら?」
明らかに蔑みの表情を浮かべる偽夕麻に、イッセーは泣き出しそうな表情を向けている。
「俺、生まれて初めて告白されたんだ」
「そうね。あんたモテそうにないもの」
「……デートプランも一所懸命考えた」
「ありきたりの定番通りだったわね。おかげで退屈だったわ」
「夕暮れのあの時……告白されるかと……思っちゃったりして……」
「そうでしょう? 夕暮れのロマンチックなところで殺してあげようと思って、ちょうどいい子の名前を拝借したの。わかりやすくモテない男にはもったいない後衛でしょう?」
追い込まれていたところの発散も兼ねてなのか、つくづく悪意が込められた言い分だ。
そしてイッセーは、こぶしを握り締めて偽天野をにらみつける。
「……レイナーレぇえええええええっ!」
「……腐った悪魔の糞餓鬼が、私の偉大なる名前を呼んでんじゃないわよっ!!」
その瞬間、同時に切れた二人が攻撃を開始する。
偽天野ことレイナーレは光の槍を投擲し、イッセーはそれを回避。
そしてそれをきっかけに、戦闘は再び再開される。
『……さて、一つ聞きたいけど……例の聖女様ってのはどこかしら?』
「なるほどな。あんたの狙いはアーシアか」
ロボット兵器のその言い草に、俺は大体の事情を察する。
なんでもあのアーシアは、癒しの力を持っている。おそらく神器であろうそれは、悪魔すら癒したんだとかなんだとか。
そしてそれを耳ざとく聞いたレイナーレが、敵意のこれでもかと籠った目でロボット兵器をにらみつける。
「ふざけるなよガラクタ風情が! あの子の
「てめえ! アーシアはお前の者じゃねえ!」
イッセーが激高して殴り掛かるが、レイナーレは交しつつ光槍を投擲する。
それをイングリッドが他の相手と戦闘しながら、器用に剣を投擲して撃ち落とす。
そこに堕天使たちが一斉に光の槍を投擲するが、今度はシルヴィアが投擲した結晶体が輝き、それを迎撃。その瞬間、踏み込んだイングリッドの一線が堕天使の一人に切り傷を創り出した。
……連携速度が速い。長けているというほかないなこれは。
「ひぃいぃぃやっはぁああああっ!!」
その瞬間、今度は神父服の白髪がこっちに切りかかってきやがった。
俺は素早く回避すると、足を狙ってDツヴァイを銃に切り替えて反撃。
だが相手は器用にそれを回避し、今度は拳銃を向けて―その瞬間、横合いから豪勢に長椅子が叩きつけられそうになって飛び跳ねて回避した。
「……すばしっこい」
「お~う! ロリっ娘が怪力ってのはジャパニーズロマンってやつだねぇ……うわっと」
真顔で連続投擲される長椅子を回避する白髪から、俺はそっと距離をとった。
いや、これ冗談抜きで流れ弾が不安で―
『一つ聞きたいのだけれど』
―その時、足音が響いた。
俺とっさに銃のままDツヴァイを向けるが、それより先に剣の切っ先が俺の肩に突き刺さる。
……焼けた杭が押し当てられるって表現は、こういうことを言うんだな。
思った以上に冷静にそれを感じながら、俺は激痛に動きを封じられながらロボットに顔をまじまじと見つめられる。
『あいつらの手元にアーシア・アルジェントがいないんだけど、そっちが囲ってるのかしら?』
「ぐ……あい、つらの……はったりって、可能性は……」
よくこの状況でしらを切り通せたと、俺は俺自身に無駄に感心した。
間違いなく命の危険を感じているし、間違いなく人生最大級の激痛だ。
この状況で、まだ顔すらろくに覚えてない相手のために、俺はしらを切ろうとしている。
自分の義理堅さが信じられないぐらい高いとびっくりしている。ちょっと自分自身に驚愕したいけど、そんな余裕もない。
ただこのままだとまじでやばいな。何より他のメンツがそれぞれの相手で手いっぱいなのが不味い。
これ不味いぞ。俺、下手するとここで死ぬかも……っ
そしてやばいことに、相手はこっちのブラフを一切気にしていない。
『そう。拷問している余裕もないし……ここで殺してあげるのが優しさかしら?』
……いたぶるぐらいならスパッと楽に殺してあげる方がよっぽど優しい発言か。
まずいな、これはまず間違いなく死ぬぞ。
死ぬのは怖い。だがそれ以上に、このまま死ぬのはもっと嫌だ。
俺がここまで来たのは何のためだ?
イッセーの友人として、レイナーレに思うところがあった。アーシア・アルジェントを助けようとしているアイツの力になろうとした。
その二つは事実だ。だがそれだけなのか?
……一瞬だけ、だけど今までにない密度で考え、そして俺は思い至る。
それを認識したとたん、俺の体は激痛を無視してロボットの顔面に一撃を喰らわせた。
『……っ』
「悪いが……ここで死ぬ気は無いっ!」
打撃を入れるとともに思い出すのは、家族を軒並み失った時のことだ。
あの時から俺は、悲劇というのがどんなところから襲い掛かってくるかわからない。そして人間とはいつか必ず死ぬ。そんな世界で、死に方を選ぶことはできないかと思ったものだ。
だからこそ備えることを兼ね、様々な知識を集めていった。
そしてだからこそわかることがある。
俺たちが住んでいる世界は、世界全体で見ればとてもましなのだ。
凶悪犯罪に限定すれば検挙率9割越えで、そもそも凶悪犯罪の発生率が低い、この日本という安全という点では指折りの国。それがどれだけ恵まれているか、俺はよく理解している。
世界のどこかを探せば餓死者が毎日いくらでも出てくるような国がある。家を持たない子供が同情されることなく、害獣のように忌み嫌われる国がある。子供たちが銃を持たされ、当たり前のように弾避けとして戦場に送り出される国がある。
人間はいつか死ぬ。だがしにかたにはいろいろある。だからこそ―
「……せめて胸を張って死にたいんだよ、俺は……っ」
―ああ、俺はそのために生きていたんだ。
いつどんな形で死ぬかわからない、この世の中。そんな中かなり恵まれた環境で生まれ育った、この幸運。それでも幼くして悲劇に見舞われた、この人生。
だからこそ、せめて俺の人生を俺だけは肯定したい。胸を張って俺はこの人生を生き抜いたのだと、死後自分自身だけは誇りたい。
そう、俺は―
「こんな形じゃ死ねれないっ! せめて時間は稼ぎ切るっ!!」
―いつでも死ねるように、この人生を生き切るんだ!
その決意をもって足を踏み込み、そして俺は決意を込め―
その瞬間、俺の力が解放された。
次、ディアボロス編クライマックスッ!!