『黒腕』の孫として転生したんだけど……   作:赤い靴

15 / 27
お久しぶりです!!

ワンピースへの熱が再び点火したので、書いていきたいと思います。
最近のジャンプが面白すぎて困る……。



第15話 女ヶ島

 臨時会議から三日後。

 海軍本部はざわついていた。

 

「青キジさん!!!起きてください!!ゼラ少佐が……!!」

「んなぁ~。なんだってんだい……人が気持ちよく寝てるっていうのに……」

 

 青キジは椅子にふんぞり返り言う。

 その様子に驚愕しつつも、若き海兵は続けた。

 

「モモンガ中将より連絡が!!ゼラ少佐が…七武海、ボア・ハンコックにより()()()()()()()!!」

「……あららら」

 

 

 

 ◇◇◇◇

 

 

 

 時を遡ること5時間。

 

「モモンガ中将。本当にここでいいんです?来る気配が無いですが…」

「相手は女帝。しかも我が道を征く女……。警戒を忘れるな」

「と、言いましても……」

 

 臨時会議。環形のダリウス捜索のため、王下七武海を招集する事になった。

 相手が相手だ。世界を一変してしまう程の脅威を持っている。

 たとえ屈強な海賊団といえど、人の子は人の子。ダリウスのウイルスに対し、対抗できる程ではないだろう。

 ダリウスに対しても多額の懸賞金が高く掲げられた。

 ここは迫りくる日に向け、手を取り合う、といっていた。

 

 だが……

 

 待ち合わせの時間から4時間は立っている。しかも凪の帯(カームベルト)のど真ん中でだ。

 幾ら海軍の戦艦の底を、海楼石で加工しているにも関わらず、海王類が二度も襲来してきた。

 

 それもまぁ、僕とモモンガ中将で仕留めたからいいんだけど……。

 

 原作ではボア・ハンコックはルフィと出会い……とストーリーが進行していく。

 ルフィが海にでる年だから……いまから四年後だよな?

 つまり今、出会うハンコックは、僕が知るより四年前の存在──

 きっと性格がドぎついのだろうなぁ……

 

「モモンガ中将!!十時の方向から船が!九蛇(くじゃ)海賊団と思われます!!」

 

 僕らの上。見張りをする海兵がモモンガ中将に言う。

 

「ようやくか…」

 

 やや苛立つモモンガ中将は部下に「配置に付け直せ!」と命令する。

 かくいう僕は、悠々自適に中将の横に着く。

 

 今回は王下七武海と関わるので、エレナとアルターは置いてきた。

 なにかあったら困るからな。

 

 

 そこから二十分も待たず、九蛇海賊団は海軍の戦艦の横に着いた。

 

「ほぉ~中々やるね海兵さん。海王類を、しかも二体仕留めるだなんて」

 

 甲板から顔を出す女海賊は言う。

 

「仕方あるまい。我々海軍は、お前たち九蛇と政府の協定によって、女ヶ島の海岸から三キロ以内の侵入を禁止している。それ故、我々は凪の帯(カームベルト)の真ん中で停泊しなければならない」

 

 中将は不機嫌そうに言う。

 そりゃそうだ。海王類の皮膚は大砲を弾くほどに、硬く柔軟だ。

 だから僕とモモンガ中将は、海王類の口の中に自ら入り、内側から斬りつけた。

 あの『刀』もあり、剣術を最近習っていてよかった、と思う。でなければ、消化されつくしてしただろう……。

 

「そうね、ご苦労なこった……。で?私たちに何用で??」

「そうよ、そうよ!」

「ヒェー!久しぶりに見た男ね!九蛇の旗を見れば、その辺の男どもは逃げたすって言うのに!」

 

 どうやら歓迎はされていないらしい。

 つうか、『私たちに何用で』だ?

 九蛇海賊団。その船長であるボア・ハンコックは部下にこのことを知らせてはいないのか??

 

 その状況をゼラと同時に察したモモンガ中将は、ことの経緯を一から話かける。

 

 環形のダリウスのこと。

 行方をくらまし、一つでも多くの『眼』が必要なこと。

 そして最後に、彼の思惑。ウいルスによる世界浄化のこと。

 

「このことについては政府も動き始めた。これが良い例だろう」

 

 モモンガは、新聞を九蛇海賊船に投げ入れる。

 それを華麗に受け取り、女海賊は新聞に集り掛けた。

 

 小さい悲鳴が聞こえる。

 ようやく、今の状況を飲み込んでくれたのだろう。

 

 そんな中、妖艶な一声が掛かる。

 

「……誰じゃ一体……わらわの通り道を……妨げる愚か者共は!!」

 

 その声に九蛇海賊のクルーの視線が一気に向く。

 

「申し訳ございません……!!あ…あまりのニュース内容でしたので……!!」

「お気をつけなさい……」

 

 カツンカツンと音を鳴らせ、近づいてくる。

 あれが……海賊女帝…

 今から六年前に、たった一度の遠征で『八千万』の懸賞金がかかり、七武海の一角となった存在──

 

「全くもって面倒な者達じゃ……」

 

 彼女は口を開く。

 

「その環形のダリウスとやら…。もとはと言えば、そなた達の汚点ではないか?故に、わらわは、手を貸さぬ…。だが、そなた達の積み荷は欲しい──」

 

 ハンコックは首を少し傾け、胸を張り、さも当然のように言った。

 いや、最後のは無理だろ……。いくら何でも我がまま過ぎる……。

 

「それ急げ♡」「どんどん持ってこい♡」

「すべてあげたい!貢ぎたい!!」「なんて美しいんだ♡」

 

「おい!!お前ら!!何やってんだ!目を覚ませバカども!!」

 

 僕は目がハートに成っている海兵に対し言う。

 普段の調子の僕ならば、絶対にハンコックの魅了にかかっているだろう。

 がだ、頭の中はクリアだった。

 赤イヌによって焼かれた脇腹が、未だ激痛に苛まれているかもしれない。

 あるいは、この『抜けない刀』の所為なのかもしれない。

 

 つまり今の僕は、最高に冷静でいられる……というわけだ。多分。

 

 今なお、モモンガ中将はハンコックと対話をしている。

 だが、雲行きはとても怪しい。

 

「こういう結末はどうじゃ?わらわを呼びに来た海兵たちは、摩訶不思議な事件に巻き込まれ、身体が『石』になり全滅した……」

 

 やべぇ!!このセリフは原作で聞いたことあるぞ!!

 

「オマエら!自我を保て!!」

 

 僕は咄嗟に言う。

 だが、かなしきかな。

 軍艦に乗り合わせた海兵は、ゼラとモモンガを除き、皆が異様な光景で石化してしまった。

 

『メロメロ甘風(メロウ)』。とんだぶっ壊れた技、能力、そして異次元の美貌だ。

 

「なるほど…痛みで邪心を打ち消したか……」

 

 ハンコックは、手にナイフを刺すモモンガ中将にそう言う。

 そして、ゼラに視線を合わせて──

 

「そちは、()()()()()()()()()()……まぁ良い……助かったな女子(おなご)よ」

 

 はい??

 いま、僕のことを『オナゴ』って言いましたか???

 

「さて、部下を失ったな海兵?……そうだ、少しわらわと、ゲーム(遊び)をしようか」

 

 出来上がった石造に対し、虫を見るような視線を送るハンコックは、モモンガに提案した。

 

「そちの女子(おなご)を二、三日借りよう。そして、その者には幾つか任を課す……。その全てが解決できるのなら、わらわは、そなた達に従おうぞ」

 

 まるで悪魔のような微笑を浮かべた。

 

 

 

 ◇◇◇◇

 

 

 

 そういう経緯で僕は、海賊女帝ボア・ハンコックに半ば強制的に拉致された。

 理由は不明。

 海賊船に乗り込む際に、()()()()()()()()──

 

「あらアナタ、近くで見ると中々可愛い顔してるじゃない?どう?海軍なんてやめて、九蛇海賊団(ウチ)に来たら?」

 

 双子の妹の一人、緑髪のサンダーソニアは言う。

 

「い、いやー。確かに、本音は行きたい気持ちも有りますが……()()()()()()()()()()()()……」

 

 そしてもう片方、三女のマリーゴールドはゼラの刀について言及する。

 

「なに?二刀流なの?だけど、その一本、ボロボロそうね?」

「このボロいヤツは、僕の実力が無くて抜けないんです…。だから、今は一刀流です……」

 

 なんなら僕の股間も一刀流です。

 なんて、そんなジョークを言えば殺されかねないので、ボア・ハンコックが言っていたように『女子(おなご)』の振りをする。

 声色を少し高くする。

 いまだ変声期を迎えていない(?)僕にとっては、この声は難なくこなせた。

 

 海軍の制服は男女ともに同じ(細部変更可能)なので、外見からの男女の判断は難しいだろう。

 念のために帽子をかぶって居るが……どうなんだ?

 

 ゆったりと揺れる船。

 女ヶ島だろうか?その島はもう、随分大きく見れるようにまで迫ってきた。

 あそこが港なのだろうか?大きな鉄の扉がある。

 

女子(おなご)…名は…?」

 

 女帝が語り掛ける。

 ここでもし、野太い声を出してしまったら全て藻屑となるので、二、三度咳払いをして自己紹介をする。

 

「海軍本部勤務のゼラです……。()()()()()()()()()()()()()()()()()…よろしくお願いします……」

 

 咄嗟に嘘を吐く。

 偽名を使ってもよかったが……辞めた。

 だから、同名の違う人間として身を潜めることにした。

 

「……ゼラ少佐…?あぁ……あの『黒腕のゼファー』の息子……だったか…。ふん、その容姿では()()()()()()()()……」

 

 ウルセェ!本家が僕や!!その容姿ってさっきからなんや!?

 

「そうですね…。少佐からは…俺と同じ名だらかもっと強くなれ……って言われています……はい…」

「うふふふふ……それはそうであろうよ…」

 

 ぎこちない会話だが、何とかなっている。

 

 その間にも船は進む。

 

 鉄の扉はもう目の前だった。

 

 遠くからだが、微かに歓声が聞こえる。九蛇海賊団を称えるものだろうか?

 

 こみ上がる不安と共に、一つゼラは思い静かに笑う。

 

 

 

 わるいなサンジ。僕、女ヶ島に行ってくるわ!!

 

 

 




いかがでしょうか?

女ヶ島に拉致される話でした~。
このまま、男という正体を隠し、ハンコックが提示する課題をクリアできるのでしょうか??
もし、見つかったらどうなるんでしょうね?

誤字脱字など有りましたら連絡貰えると嬉しいです。


では、また~
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。