『黒腕』の孫として転生したんだけど……   作:赤い靴

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この時期はなかなか忙しいですね…
16話目です。

楽しく読んで頂ければ嬉しいです!



第16話 課題

 鉄の大門を抜けるとそこは、沢山の人間による歓声。

 島付近から聞こえてはいたがここまでとは…。

 

 ボア・ハンコック。その女帝への士気の高さが伺える。

 

「しかしまぁ……」

 

 女、女、女。

 女ヶ島と言うだけあり、男の姿は影一つない。

 皆服装はやや原始的で、イノシシの皮だったり、トラの皮。首には蛇を巻いている。

 

 精神年齢30オーバーの僕だが、身体は絶賛思春期を迎えているので色々危ないが、赤イヌのマグマで焼けた傷のお陰で理性を保っている。

 恐ろしや、思春期。恐ろしや、性欲。

 

 その中、ハンコックは僕に軽く顔を向き言う。

 

「なに、そこまで恐れる事は無いぞ、女子(おなご)よ?」

「え!?イヤ…はい」

 

 どんだけ緊張しているんだ僕は!?

 

「オマエには課題を与えてやる。しかし、今ではない。…ので、待たれよ」

「はい……あの…課題とは?」

「死にたいか?」

「いえ!!待ちます!!」

 

 完璧に向こうのペースである。

 それは当たり前だ。僕は今、海賊船の中に居て、味方は無し。

 船長ボア・ハンコックは懸賞金八千万とは言え、その数字は幼い頃のもので王下七武海に入った時から変動していない。

 つまり今現在、僕の予想だが大きく見繕って懸賞金は十億だ!!どや!?当たってるやろ??

 

 現実問題、懸賞金はさらに上と言う事を知らず、僕はボア・ハンコックに誘われる様に九蛇城(くじゃじょう)に足を踏み入れた。

 

 

 

 ◇◇◇◇

 

 

 

 仕事と言っても、最初は世界情勢の聞き取りからスタートした。

 新聞だけでは拾えない情報もあり、そこは海軍の僕がより詳しいだろう、との計らいだ。

 

 しかし相手は海賊で、僕は海軍だ。最低限の情報を話す。

 こんな僕でも、(マルヒ)の情報を幾つか持っているので、そこは上手くごまかして話題を進める。

 

「そうか。今はその、環形のダリウスの捜索に躍起になっているのだな」

「ええ。ですから、七武海。ボア・ハンコック殿にも捜索依頼を……」

 

 ダリウスの頭脳また、ウィルスの危険性を僕は女帝に告げる。

 ここで気が変わってくれれば嬉しいのだけど……。

 

「これで二度言うが、海軍・世界政府(そなた等)の失態であろう?三度目はそちの出来栄え次第じゃ」

 

 ベットの上でとぐろを巻く大蛇に背を預け、白酒を飲みつつ言った。

 

 ここはハンコックの自室だろうか。

 女帝の背後には、九蛇海賊団のマークが堂々と書かれ、白く滑らかなシルク素材の天蓋が垂れていた。

 彼女の正面に正座をする僕。その両側に妹たちが立ち尽くしている。

 その二人がコチラに鋭い視線を与え、薄ら笑いを浮かべた。

 

 まるで格下の獲物を見下すような眼が六つ。

 それも当たり前だ。僕はまだ覇気すら使えない。

 彼女たちにとって僕は、小さな蛙なのだろう。

 

「では……」

 

 恐る恐る、僕は女帝に口を開く。

 

「課題を…下さい…」

「そうだな、では──

 

 

「これから闘技場にて行われる武武(ゲーム)。…それに優勝する事だ。ゲームは一日一回行われる。……オマエを三日ほど借りている。その間に優勝できれば従おうぞ?海兵?」

「……もし、できなければ……?」

「その刀を貰う」

 

 ハンコックは僕の刀。祖母の愛刀を指さした。

 

「一度見てからというものの…何やら惹かれてな。オマエが課題をクリア出来なかったならば、その代替として貰う。…まぁいっそ海賊らしく奪うのも手だが…」

「……」

 

 僕は黙り込んだ。

 やはり、覇気を扱える人間にとってこの刀は何かを感じるのだろうか?

 ただただ仄かに温かい、と自分は感じるだけだ。

 ふと、ジジィ。ゼファーの言葉を思い出す。

 

『この刀は覇気が使えないとそもそも抜けん。己の程度を知るがいい』と──

 

 いいね、面白くなってきた!

 

「分かった。飲もう、その条件」

 

 

 

 ◇◇◇◇

 

 

 

 それからすぐ、と言う訳ではなく僕は今、選手控えの自室に居る。

 ボア・ハンコックはただ今、湯あみの最中で城内から追い出される形でここに来た。

 勿論、ここの地理には全く詳しくないので、案内が一人。

 

「こニョ服など、良いではニョいか?」

 

 そう言った老女は、スポーツブラのような服を僕に向ける。

 最悪だ。

 なんで案内役がニョン婆こと、グロリオーサなんだ!!

 もっと可愛い子が居るだろうに!?

 何故!?

 

「に、してもそなた……随分可愛らしい()()だな?」

「うるせぇババア!?誰が…かわいい……は??」

 

 男子と言ったか?このババア!?僕の正体を知っている??

 

「そうと言ったニョろうに……黒腕の孫。ゼラ少佐どの?」

 

 そう言ってニョン婆は、僕が載った新聞を懐から取り出した。

 

「蛇姫は一切新聞を読まぬからの…。さて、ゼラ少佐どの」

「いや……ゼラでいい……」

「ではゼラ…お主、どうするんじゃ?」

「…………」

 

 僕は渋々、コートし忍び隠した『手紙』をニョン婆に見せる。

 

「運がいい事に、()()()()()()()()。…環形のダリウスの件、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「はて?その中身は?」

「もし僕が倒れ、日時に間に合わない時に使う()()()()()……。どう転ぶかは分からないけど……」

「どうせ、海軍本部、大将、元帥・世界政府からの強制令じゃろ?……まぁお主が危うくなった際、持ちだすとするニョ」

「どうもありがとう」

 

 僕はニョン婆のお礼を言う。

 

「海軍も大変じゃニョう?さてさて、男とバレないニョう変装しなければ、な」

「うぉぉぉおおぉ……出来るだけ……色々と……お願いします……」

 

 ババアの手によって顔に粉やらなんやらを塗られる。

 

 これが化粧ってやつですか……。

 

 毎日欠かさず化粧をする生前の同僚や、アインさん、エレナに尊敬を覚えつつ僕の顔はババアの手により変身を遂げた。

 これならば絶対にバレへんだろう。

 僕はそう確信した。

 

 

 




お疲れさまでした。

武武の前話ということで、ニョン婆に化粧してもらう話でした。

はたしてゼラくんは課題を達成できるのでしょうか?

次回も読んで頂ければ嬉しいです。


では、また~
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