今回も楽しんで読んで頂ければ嬉しいです!!
僕は基本的にサンジと同意見で『女に手を上げない』精神の持ち主ですので(自己分析)、武武といえど女性にねぇ……
「第一ラウンドぉぉ!!東ィ!マイマードォォ!!西ィ!ゼラァァ!!』
場内アナウンス、解説がボルテージを上げ紹介した。
さてさて、マイマードとか言うお方は?美人だとやり難いなぁ…。
「ほぉ、嬢ちゃんがオデの相手だな!」
「うお!?」
思わずビビった。僕の対戦相手、マイマードがスリラーバーグのローラ(イノシシゾンビ)に酷似していた。
流石に鼻や口、手足は人間だが、身体が太い。首も逞しすぎる。シャンクスか!?
そのおかげで加減なく、思いっきり出来るっつう事だ!!まぁ、何とは言わんが。
『今回の武武は蛇姫様より、武器の使用が許可させれています!!では──
はじめッ!!!
「うおおおおおお!!」
雄叫びを上げマイマードが棍棒をかざし迫る。
腰の刀に手を置いた…が、辞めた。
素手で倒す。否。この程度の相手、素手で倒せなければ、ダリウスにすら届かない──
振り下がるその一撃を避ける。
石畳が粉々に割れ、破片が散る。
「やるなァ嬢ちゃん!」
「まあねッ!!」
僕は彼女の股を抜けるようにスライディングをし、背後をとる。
だが……
「フンッ!」
「は!?ブッ……!!」
まるで
間一髪、両腕を組み鉄塊を使用した為、ダメージは少なく済んだが……。
「なんだよそ者?お嬢ちゃんも見聞色の覇気が使えるのか?」
さも当然の様に、彼女は『覇気』と、僕が求めている単語を口にした。
この島を守護する戦士という存在。その凡そが覇気が使えるとでもいうのか!?
「残念ながら。でも、負けないぞ」
「いい威勢だ嬢ちゃん!!」
相手は大柄で、持つ棍棒も比例して大きい。
ならば、黄ザルとの稽古──攻撃の前動作から、軌道・行動を予測する。
その実戦には打って付けの相手だ。
僕はマイマードの目線、つま先、体幹の移り、武器の持ち手を見る。
横振り──
「らぁ!!」
見事予測は的中した。軌道が分かっているのなら、カウンターは容易に入る。
しかし、相手は見聞色の覇気持ちだ。
と、いってもホールケーキアイランドでのカタクリ。彼の様に練度が高い訳ないので、せいぜい僕と同じ『予見』なのだろう。
相手はバカでは無い。その目から放つ闘志には、一切の妥協を感じない。これがアマゾンリリー。その戦士の教育の故だろう。
だから普通に攻撃……もとい、カウンターを入れれば避けられるのは確実だ。
ならば、
彼女の横振りを姿勢を低くして避け、刀に手を掛ける。
その動きから抜刀を予測したマイマードは、後方にステップして距離を取ろうとした。
計算通り!!
刀に手を置けば『抜刀される』と瞬時に理解されるだろう。
しかし、それこそ僕によるミスリード。
回避に回るその瞬間こそ一番の隙なのだから。
僕も同様に前方にスキップして距離を詰める。
「それを狙って……!?」
驚くマイマードの顎に目掛け、
顎への攻撃がクリーンヒットし、マイマードは地に倒れた。
たとえ相手が自分よりも強敵だとしても、人間は人間だ。人間は余りにも弱点が多い。
脳・喉・内臓・関節・金的。僕がジジィから叩き込まれた技術だ。
この『回避狩り』も同様だ。
よかった、上手くいった。
『KェェェェェOォォォォォ!!勝者ゼラ!!見事にゼラは、マイマードを一発で倒してしまいました──!!コレは期待の新人だ!!??』
熱狂的な実況と、コングの甲高い音が闘技場を沸かす。
「嘘でしょあの子……。マイマードは常に、武武ではトップ5に入る実力者なのに」「この紫髪の。蛇姫様が海軍から持って来たんだって!九蛇海賊団入りになるのかな?」「あの身のこなし……並みの稽古じゃないわ。海軍の新人教育もやるじゃないの」「…………」「……」
「……うぅ、気を…失っていた…のか…?」
僕はマイマードに手を指し伸ばす。
「それが海軍の武術か?」
「ん~そんなところ……?短時間で敵を制圧する時どかにね…」
「可愛い嬢ちゃんのクセして、可愛くねぇな」
「ですから……」
嬢ちゃんじゃねぇって。
思わず口に出しそうな所を何とか踏みとどまった。
◇◇◇◇
「ほぉ。これがゼラ『少佐』の実力とはな、なかなかやるではニョいか」
僕のコーチ的な存在であるニョン婆は、グラスに水を注ぎ渡してきた。
「あ、どうも…。あ、甘い」
「そうじゃろそうじゃろ。儂の家で育てておる果物の果汁を入れているニョ」
「どおりで…」
梨のような柔らかい香りと甘み。それが僕を癒していく。
「蛇姫さまは居なかったのお?ま、決勝まで上がれば見にくるだろうな」
「きっと…一戦、二戦で終わる弱いヒトには興味が無いんだと……。僕はそう感じました」
彼女のネライは胸躍るような戦闘では無く、この『刀』。決して渡さん。絶対に……
「ところでゼラよ。その腹はどうしたのだ?」
「は?」
ニョン婆が指さす方、つまり僕自身の腹を見る。
女性ものの上着。その横腹辺りが小さく赤に染まっていた。
傷が開きはじめたのか……!!
上着を脱ぎ、腹の包帯を解く。
出血。微量ではあるが血が出ていた。
「なんじゃそのドス黒い傷は!?」
ニョン婆は火傷跡を見て声を上げる。
ダリウスの特殊な虫の作用で血が止まらなくて、近くに居合わせた赤イヌに焼いて貰った。なんて言える訳なく(大将との匂わせはマズイと悟った)、僕は老婆にこう言った。
「色々あった。……この傷の元凶は、そのダリウスだ」
「そうニョのか…。ならば今日はもう休んだ方が良いのではないか?傷口が開く」
「イヤ、まだいける……。挑戦権は三回しかないんだ。諦めてたまるものか」
「愚かな男じゃ……馬鹿者にも程がある!……。しかしまぁ、それが『黒腕の孫』なのだろうな」
「こんな傷。ジジィの稽古と比べりゃあ、まだマシよ!!」
僕は決め顔でそう言った。
出来ればもっと可愛い子に言いたかった……。
お疲れさまでした。
アマゾンリリーは偉大なる航路の後半に有りますので、その辺の戦士も覇気は普通に使えるのかな~と思い書きました。
今回の武武は『武器の使用』が蛇姫により解禁されています。
彼女は見たいのですかねー?ボロボロの刀、その力を。
ここまで読んで貰い嬉しいです。
今回はここまでになります。
では、また~