誤字脱字など有りましたら報告お願いします。
楽しく読んで頂ければ嬉しいです!!!
一戦目、僕はマイマードと戦い勝利した。
武武の優勝まであと三回。シードが無く、総当たりなので休憩時間は沢山あった。
痛む横腹に目をやりながら僕は闘技場で偵察をする。
いずれ戦うのだ。一つでも多く突破口を導き出したい。
武武の中には九蛇海賊の
流石に戦士との力量は明白で、終始圧倒していた。
はて。ニョン婆にカッコつけましたが、僕はその人に勝てるのでしょうか?不安になってきたぞ……。
三回戦目。準決勝から闘技場の玉座にハンコックが現れた。
まるで『今までの勝負は興味が無い』とでも言わんばかりに。
そんな彼女に一矢向けるように、僕は勝利し決勝戦の挑戦状を手中にした。
そして運が良いことに、準決勝を勝ち上がった僕に勝利の女神は微笑んだ。
僕と対をなすブロック。そこで起こった。
蛇姫により武器の使用が許されている事が裏目に回ったのだ。
一方はハンマー使い。もう一方は鞭使い。その準決勝。
振り上げたハンマーに絡ませるかのように鞭を打ち込む戦士。そのハンマーを奪取するように上にまくり上げた。
その瞬間だった。絶世の美女ことボア・ハンコックがくしゃみをした。
たった一つのくしゃみ。それが闘技場の全ての人間を魅了した。
勿論、闘技場の戦士たちも例外では無く、抱き合って蛇姫への美を称賛した。
だが落下するハンマーは魅力に掛かる訳なく、二人の戦士の頭に目掛けて自由落下したのだ。
タライ落としのように。いや、それよりも何十倍も重い鉄の塊が──
ガツン!!!
とんでもない音が闘技場に響いた。
遠目から見て出血は無く、気を失っているだけのようだ。
何という強靭度。これがアマゾンリリーの戦士、その故なのだろうか……
こうして僕は呆気なく優勝した。
そして僕は、ボア・ハンコックの自室に居た──
◇◇◇◇
「あの……優勝したので…ね?……どうですかね…?」
「何がじゃ?」
「環形の……」
僕は恐る恐る言った。どうして????
最早太陽も落ち月が煌々と輝いていた。
眼前の蛇姫は機嫌が良くなかった。
そんな彼女に何か言えるほど肝が据わっていない僕は、泣いていた。
実際に泣いて無いんだけど、心がね……。
どうすればいいんだ、この我が儘女帝は……。
「では姉様、この者の『延長戦』はいかがでしょう?」
サンダーソニアはハンコックに言う。
その妹、三女のマリーゴールドも同様に首を縦にふる。
「はて、延長戦とは」
「はい。決勝戦が無くなり姉様も不完全燃焼でしょう。そこで延長戦。真の決勝戦を開くのです」
「ほぉ面白そうだな。……こう言う物語も良いな。『我が城の宝物殿に忍び込み捕まった。その処刑は九蛇が行った』と」
「そんな!?それじゃあ海軍の……人質の意味がまるで無いのでは!!??」
僕はハンコックに更に言う。最悪の場合、王下七武海の称号を剥奪される可能性も有る、と──
だが彼女は靡かなかった。それどころか開き直り微笑した。
「それはそれで面白いではないか…!!我ら九蛇海賊団、再び旗を揚げる時が来たようだな……」
ハンコックへの交友ルートは崩れ、見事に敵対ルートに移行した。
そして僕は妹達に拘束され闘技場に連れていかれた。
◇◇◇◇
夜も深くなっているのに、闘技場は満杯だった。
女帝の妹たちが目玉だからだろう。
玉座にはハンコック。
僕の眼前には悪魔の実の能力によって蛇の姿に変身した、サンダーソニアとマリーゴールド。
「いけーやっつけろー!!」「サンダーソニア様──!!」「マリーゴールドさま!素敵!!」「月光に照らされた蛇姫様…美しすぎますー!!」
僕が出場した武武よりも盛大な歓声が覆う。
それも当たり前だろう。
かの蛇の怪物であるゴルゴンを退治した姉妹と言われている。
その熱狂的で狂信的で、壮絶な支持は僕の心を打ち砕かんとした。
勝率は絶望的だ。
今の僕は、彼女たちを打ち負かしたルフィよりも弱い。
体調も万全では無いし、妹達を圧倒する程の火力も無い。
まず第一、優勝しか考えていなかったので体力も同様に無いのだ。
こうもドクドクと少量だが流れる血が、服を染めている。
「なにどうしたの?あらら、血が出ているじゃないの?……。道理で、姉様の能力が効かなかったのも判るわ」
「満身創痍のネズミ。後は飲み込むだけね」
あらら、うふふと笑うサンダーソニアとマリーゴールド。
それに僕は一言告げる。
「手負いの獣ほど恐ろしいモノは無いぞ……」
「そうね。なら……短期決戦ね!!」
「さあ行けサンダーソニア!マリーゴールド!宝物殿に忍び込み、盗みを働こうとした罪!極刑の武武にて知らしめよ!!」
ハンコックの命が下った。
僕の処刑は逃れられないものとなった。
なら…戦うしかない……。
一か八か、綻び刀に手を置き抜刀する──
しかし抜けず、僕の右手は空を切っていた。
「何?茶番?もう終わりでいいわよね!?」
マリーゴールドの長い斧槍が素早く振るわれる。
その一撃一撃が致命傷を与えるほどの威力と悟り、紙絵で避けつつ後退する。
「背後ががら空きねアナタ?」
「!?」
僕の背中に強い衝撃が走る。
サンダーソニア。蛇に変化させたその尻尾で叩きつかれた。
闘技場の石畳が割れる程の威力。不意の攻撃とあってガードは取れなかった。
だが間一髪、気を失わずにすんだ。幸運だ。
これもジジィや三大将との稽古のお陰だろうか?お礼は言いたくないが、心の中で感謝をした。
砂埃が落ち着く。
僕を中心に、二匹の巨大な蛇が舌を出し、回っている。
隙の無い布陣。死角と隙をコチラに与えてくれない。
さぁどうする?ジジィならどうする?大将ならば……僕ならば……!!!
「あ……そういうことなのか……」
「もう勝てる未来が浮かばなくなったのね?一瞬で終わらせてあげる…。蛇髪憑き──八岐大蛇!!」
サンダーソニアは緑の長髪を蛇に変化させ、一気に迫った。
どうして気づかなかったんだろうか?
覇気が足らぬのならば……その代償を差し出せば良い。
こんな簡単な事……なぜ今まで浮かばなかったんだろうか?
「僕の寿命でも、内臓でも、目ん玉でも……好きなモノ持っていけ!!その代わりに、一時でいいから……」
僕に力を貸してくれ──
そう願い、刀に手を置く。
迫る攻撃を差し置いて、僕は集中した。
ただこの刀を服従させることだけを。
そして──
紫の閃光が闘技場を駆け抜けた。
それは遠い日に恐れられた海兵『紫電』。その雷光。無き祖母、アセロラと同等のモノだった。
「ッウ……!?」
その放たれた一線は、鋼鉄の強度を誇る八岐大蛇を切り伏せた。
ボロボロの刀身。ソレを覆う紫と黒のオーラ。
「グフェ…ゴホッ…!!」
思わず咳をする。受け止めた手には血がベッタリと付着していた。
口元と袖でふき取ると、一つ深呼吸を入れる。
戦慄する妹達に刃先を向け、僕は言った。
「さぁ……第二ラウンドの始まりだ!!」
いかがでしたか?
ついに綻び刀を抜きました!
その代償はどのぐらいなんでしょうねー?
次回も読んで頂ければ嬉しいです!!
では、また~