艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』 作:黒瀬夜明 リベイク
ある晴れた日。小鳥の囀りと波の音がこだまする山間部を切り開いて作られたとある鎮守府で、その男は目を覚ます。
「提督、起きて。朝だよ!」
「んっ…んんぁ~……ふあぁぁ~」
ベットの横に立つ、羽根毛とアホ毛のある焦げ茶色の髪を三つ編みにして茶色とオレンジ色の髪留めをつけた青い瞳の少女に身体をゆすられて、少年のような見た目のその男はゆっくりと体を起こした。大きなあくびをしながら、上半身を起こして大きく伸びをする。
「…ん、ああ。おはよう、時雨」
時雨と呼ばれたベットの横に立つ少女はその男の朝の挨拶に微笑みながら答えた。
「うんっ、おはよう提督。いい朝だね!」
提督と呼ばれたその男はベットから降りると、ベットの傍にある棚に置かれた綺麗に畳まれた服を取り、上下黒一色の寝間着からいつもの私服に着替えた。黒を基調とした生地に右胸を中心にした銀色の十字が描かれた半袖のTシャツと、薄っすらと青色が混じった黒いジーンズを身につけ、右目が隠れてしまう程長い前髪、腰よりも少し長い真っ白な髪の毛先を纏め、黒い髪留めで止めた。そして体を起こした男………と言いたいが、150㎝くらいの身長と少年の様な見た目ではとても「男」とは呼べないその人物は最後に黒色のスニーカーを履いた。
「毎日その服で飽きないの?提督」
「飽きない…と言うか、考えたことないな…別の服を着るなんて」
「そっか。でも、そういう所が提督らしいよね。僕は提督のそういう所、好きだなぁ」
「フッ、俺もお前のその優しさが好きだ。ありがとうな、時雨」
2人の左手薬指にはめられた銀色の結婚指輪が、窓から差し込んだ朝日に照らされて光る。2人はそのまま互いを抱きしめ合い、ギュッとハグをした。朝からギュッとハグをするのはもはやこの彼と彼女の毎日のルーティンになっている。それだけ、彼と彼女……この夫婦の絆は深いのであった。
「提と―――ううん。
「ああ。俺も…俺も大好きだよ時雨。愛してる」
そしてその流れで2人は口づけを交わした。ここまでが2人―――
朝のルーティンだ。そして口づけを終えた2人は互いを見つめ合っていた。そして時雨が、言った。
「もうすぐ朝ごはんが出来るから、早く執務室に行こう提督。みんなが待ってるよ」
「ああ、そうだな。行こう時雨」
「うんっ」
そうして2人は仲良く横に並んで寝室を後にするのだった。
こうして深海の「平和で幸せな何でもない1日」が始まるのだった。
続く