艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』 作:黒瀬夜明 リベイク
海軍本部に到着した深海は早速白河提督の執務室へと向かった。本部の階段を歩き、赤絨毯が敷かれた廊下を歩いていきやがて深海はとある片開きドアの前にやって来た。
「入るぞ」
深海はそう言うとノックすることなく室内へと入って行った。室内には白河と中枢棲姫、襟と袖が青いセーラー服を身に着け、ボトムスはキャロットを着用した胸には黄色のスカーフを締めている左腕にアームカバーを付けた。青色の瞳に、グレイッシュピンクの髪を青色のシュシュでポニーテールにした元青葉型重巡洋艦の元艦娘「青葉」と、白い身体の上から赤い差し色の入った中央部が白、両側が赤のアクセントの入った黒のレオタードらしきものに同色のネクタイ、黒のストッキングと手首から先が大型かつ硬質的な見た目で、さらに全ての指に鉤爪がついた禍々しいオペラグローブを付け、また身体後方からは魚の骨を思わせる黒い尻尾のようなものが踵あたりまでのびている。身長を上回るほどに長い白髪を左右のもみあげと後方でまとめた。頭に冠を思わせる形状の黒いカチューシャを付けている、大小一対ずつの角が頭から生えている少し小柄な体格の深海棲艦「
「おいおい。何だよこの大所帯は」
深海は数日前の時よりも増えた人数に驚きを見せていた。白河提督から話を聞いていた青葉がこの場所にいるのは頷けるが、高速軽空母水鬼と近代化戦艦棲姫がこの場にいるのかは完全に謎であった。
「説明してやれ中枢棲姫」
「ああ。この2人は黒野とは初対面だからな、高速軽空母水鬼、近代化戦艦棲姫、挨拶をするんだ」
「オッケ!アタシは高速軽空母水鬼!中枢棲姫様から、アンタの防空埋護冬姫救出作戦を手伝うように言われてんだ。ヘヘッ、よろしく頼むゼ!」
と高速軽空母水鬼は、ニッと笑みを浮かべながら深海に自己紹介をした。
「あぁ。あたしは近代化戦艦棲姫。あたしも高速軽空母水鬼と同じでアンタの戦闘を手伝うことになってるから……まぁ、よろしくね」
と少し気だるそうに近代化戦艦棲姫が続いて自己紹介をした。
「黒野深海だ。高速軽空母水鬼、近代化戦艦棲姫、当日はよろしく頼む」
「任せとけって!」「はいはい…」
高速軽空母水鬼はウインクをしながら、近代化戦艦棲姫は少し深海から視線を逸らしながら返事をした。
「2人は最近に邂逅した深海棲艦だが、腕は悪くない。航空戦力と火力の面で頼りになる筈だ」
「中枢棲姫がそう言うんだ。信じよう」
深海がそう言ったところで白河提督がコホンッと咳払いをした。その咳払いを聞いた深海は、中枢棲姫との会話を止め白河提督の方を向き直った。
「…深海、今回は本当にすまなかったな」
「そう言う話はいいから、さっさと偽造書類を渡してくれないか?」
「まあ待て、今回の抜き打ち監査は非常に苦労を掛けることになる。だから、こいつも一緒に連れて行ってやれ」
「………」
その言葉を聞いた深海は、白河提督から少し離れた場所に立っていた青葉に目を向けた。
「どもっ、深海司令官!これからしばらくの間お世話になる青葉です!よろしくお願いします!」
「…お前が白河提督が言っていた「個人的な協力者」の青葉か」
「はい!恐縮ながら、この青葉が深海司令官の監査をサポートさせていただきます!」
「そうか。個人で今回の件に辿り着いた手腕、期待しているぞ」
「はい!青葉にお任せください!」
青葉はビシッ!と海軍式の敬礼をした。そして深海の元へ歩いてきた白河提督は偽造書類が入っているのであろう封筒と監査官の服装が入った紙袋を深海に手渡した。
「では深海、よろしく頼むぞ」
「ああ。何もないだろうけどな…」
深海はめんどくさそうな表情でその2つを受け取った。すると何かを思い出した深海は、中枢棲姫を呼んだ。
「中枢棲姫、俺から1つだけ頼みがある」
「何だ黒野?」
「確かプラフスキー粒子を生みだしているのは、「深海結晶」だったな?」
「あ、ああ。確かにその通りだが、それが一体どうしたんだ?」
深海結晶
それは深海棲艦の力の源となる結晶の事だ。そしてこの結晶から放たれる青白い光の粒子がガンプラバトルの根幹部分であるプラフスキー粒子なのだ。深海は、自身の鎮守府で長門達に話したように旧海軍の主戦派の連中が何処から資金を得ているのかという仮説を、白河提督と中枢棲姫に話した。
「なるほどな。あり得ないとは言えん話ではあるな」
「ああ。だから中枢棲姫、お前たち深海棲艦にはもう1つの深海結晶を探しておいて欲しいんだ」
「待て待て、主戦派の連中の資金源の話と深海結晶と何の関係があると言うんだ黒野」
深海の話を聞いた中枢棲姫は、深海の話に疑問を覚えた。だが深海はいたって真剣な表情で答えた。
「お前の言っていることもわかる。これは起らない話かもしれないが、深海結晶が何らかの理由で破壊されてしまえば、世界に混乱が起きるだろう。プラフスキー粒子は世間一般には「深海棲艦の技術によってもたらされた粒子」という事になっている。もしそれを失えば、人類は深海棲艦への疑いの眼差しを向けるかもしれない。そうなれば人類と深海棲艦との間に出来上がりつつある信頼関係も失われてしまう。そうなったとしたら―――」
「っ!」
何かを感じ取った中枢棲姫は険しい表情を作った。そして小さな声で、わかった。と呟くのだった。
「すまない中枢棲姫」
「ああ。わかっているさ…私たちも、あの暗く寒い深海に戻るのは辛いからな」
中枢棲姫は、自身の傷跡が残る腹に手を当てながら、悔しそうに呟いた。そしてその時、執務室の扉が開き、深海のよく知る人物が入ってきた。
「提督、お待たせしてごめんね」
「時雨か。案外早かったな」
「うん、道が空いていたんだよ。と、白河提督お久しぶりです」
入ってきたのは何を隠そう時雨だった。時雨は白河に挨拶をし、白河も、元気そうで良かったよ。と返した。
「提督、もう少し掛かるなら車で待ってるけど……」
「いや、話は終わった……それじゃあ行ってくる。行くぞ青葉」
「はい!」
「頼んだぞ深海」
「へいへい」
深海はそう言って時雨、青葉と共に執務室を後にした。その後深海と青葉はそれぞれの車に乗り込み、全国を巡る旅が始まった。
続く