艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP1 1日の始まり

鎮守府本庁舎の廊下を時雨と腕を組んて歩く深海。廊下の窓からも眩しい朝日が差し込んでいた。しばらく廊下を歩いて行き、やがて裾や縫い目に山吹色のラインが入っている黒いロングコートを羽織り、白地に黒いラインの入ったスカートと焦げ茶色のストッキングと同じ色の靴を履いた、腰まであるロングストレートの黒髪と深紅の瞳が特徴のとても背の高い女性が扉の前に立っているのを目にした。

「ん?おお、やっと来たか。おはよう提督」

「おはよう、長門」

彼女の名は「長門」元長門型戦艦一番艦、「世界七大戦艦(ビックセブン)」と呼ばれていた艦娘である。だが深海はこの鎮守府を提督では無い。戦時中、深海は「穢れた存在」として軍から追われていた。その逃亡生活の途中、深海は今いるこの鎮守府に辿り着いたのだ。深海はこの鎮守府の前任者を殺害し、この鎮守府の提督となったのだ。その時長門はこの鎮守府で、艦隊総旗艦を務めていたのだ。

「もう全員が来ているぞ」

「ごめんよ長門」

長門の言葉に謝罪をする時雨。深海はそんな時雨の横顔を見ていた。彼の妻である時雨は、深海がこの鎮守府に辿り着いた日の夜、鎮守府近隣の森で深海と邂逅した艦娘であった。時雨は白露型駆逐艦二番艦の艦娘である。そして時雨が鎮守府近隣の森で深海と邂逅する前日、彼女は深海棲艦との戦闘で轟沈寸前レベルの損傷を負い艤装との接続リンク率が10%以下になってしまい、艤装だけを解体することも出来なくなった為、肉体共々解体処分されることが決定した。解体されることを拒んだ彼女は鎮守府から逃げてきたのだ。だが、艤装とのリンクが切れ艤装のみを解体出来ない為、彼女は今でも艦娘としての鎖から解放されていない存在となってしまっている。

「提督?…提督っ」

「ん?ああ、すまん。考え事をしていた」

「こういう時は嘘が下手だな提督。時雨の顔を見て考えていることなんて1つしかないだろ?」

「バッ!止めてくれ長門!」

長門のツッコミに慌てる深海。そんな慌てる深海を見て長門はクスクスと笑っていて、時雨は何故か少しだけ恥ずかしそうに頬を赤らめ笑っていた。すると突然、目の前の扉が開き部屋の中から、突起が付いた白と黒のラインが入ったドイツ将校の帽子を被り、首には錨の輪部分を首に通した首輪のようなものをつけ、肩口から背中までを切り取ったような黒い前留式のボディースーツの様なシャツと腹部にポケットの付いた軍服のようなものを胸下から下だけを切り取って着て、灰色の地に黒縁のニーソックスと同じ色のブーツを履いた金髪ロングストレートと碧眼が特徴の女性が現れた。

「早く入りなさいよアドミラル!いつまでイチャイチャしてるつもりよ!」

「ビスマルク!?」

部屋から姿を現れたのは「ビスマルク」元ビスマルク級戦艦一番艦の艦娘である。彼女は戦時中、友軍艦隊から落伍し満身創痍の状態で深海棲艦の艦載機に襲われている所を深海に保護され、以降この鎮守府に所属するようになったのだ。

「せっかく私たちが作った料理が冷めるでしょ!」

「あ、気にするとこそこかよ…」

「な!少しは気にしなさいよアホミラル!」

「あ~はいはい。悪かったって」

怒ったビスマルクを横目に、深海は室内へ入っていった。ビスマルクはムスゥーとした表情で扉を閉めたのだった。

「おい!私たちを忘れるな!」

そう言って長門は扉を開け、時雨と共に部屋へ入っていった。そして時雨はクスッと笑みを浮かべていたのだった。

 

 

そして部屋に入った深海を待っていたのは、彼の家族たちだった。

「あ、お父さんおはよう!」

「おはよう、お父さん」

「おとーさん!おはよーおはよーおはよー!」

「………!」

「提督、おはようございます!」

「グーテンモルゲン!アドミラル!」

「おはようございます提督!」

「提督、おはよーございます!」

「ああ。おはよう、みんな!」

その部屋は鎮守府の執務室で、奥には執務机。そして目の前には長大なテーブルが置かれ、そこにサラダの盛り合わせやスープが入った鍋、その他色々な料理が並んでいた。黒野家。もとい、この鎮守府に暮らすメンバーが全員揃ったところで朝食は始まる。とは言え、朝食はいつも深海が最後に来るのではあるのだが。そうして深海、時雨、長門、ビスマルクの4人は席につき深海が長門に合図を送った。

「長門」

「ああ。それではみんな、合掌だ」

長門の号令を受け、その場にいた全員が一斉に合掌した。

「ではみんな、自然と生産者の方たちに感謝して―――いただきます!」

 

 

いただきます!

 

 

そして全員が一斉に「いただきますっ!」と言うと、各々が料理を食べ始めた。すると、深海の隣に座っている時雨の更に隣に座ってトーストをかじっていた、黒い襟に赤いラインの入った黒地の長袖セーラ服を着て青色のネクタイを締めた右目を少しだけ覆っている髪の部分だけが白い黒髪を三つ編みにして左肩から垂らしている青い目の少女が、ふと何かを思い出した様な表情になり、深海に話しかけた。

「お父さん、今日学校の帰りに商店街に行きたいんだけど、良い?」

「商店街にか?まあ、良いが…何しに行くんだ秋雨(あきさめ)?」

彼女の名は「秋雨(あきさめ)」深海と時雨の間に生まれた娘だ。物腰がしっかりしており、母親である時雨に似て他人のことを第一に考えることが多い性格をした11歳の長女だ。

 

【挿絵表示】

 

「うんっ。友達とガンプラバトルの約束してるんだ!駄目かな?」

梅雨葉(つゆは)からも、お願い」

雨葉(あめは)も、お願いお願いお願い!」

すると、秋雨の隣に座っていた左目が隠れてしまう程長い白いショートヘアーに襟のラインとスカーフの色が赤色の黒いワンピースを着た赤い右目をした少女と、黒地に青いラインの入ったセーラー服っぽい襟元が特徴的なワンピースを着て青色のスカーフをネクタイ代わりにつけ、黒い髪を後ろで三つ編みにした青い右目と赤い左目をした少女2人が口を開いた。

「梅雨葉に雨葉もか」

白いショートヘアーの少女「梅雨葉(つゆは)」も深海と時雨の間に生まれた娘だ。口数が少ないが、面倒見の良さは姉妹の中でトップクラスの10歳の次女だ。

 

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そしてもう1人の、黒い髪を後ろで三つ編みにした少女「雨葉(あめは)」もまた深海と時雨の間に生まれた娘だ。単語を3回続けて言う癖があり、常日頃から父である深海にアピールを繰り返している10歳の三女で、梅雨葉とは双子である。

 

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「…わかった。ビスマルク、プリンツ。3人の送り迎えを頼めるか?」

「何で私が行かなければならないのよ!」

深海の言葉を受けて、ビスマルクはすぐに拒否をした。だが、ビスマルクの隣に座っていた、金色の髪を耳辺りで錨型の髪飾りでまとめておさげにした黒と灰色の長袖と、両手には白手袋、黒のミニスカートに黒のハイソックスを着た少女が宥めていた。

「良いじゃないですかビスマルク姉さま!送り迎えが終わったら、一緒に買い物にでも行きましょうよ!いいですよねアドミラル?」

「ああ。好きなだけ楽しんで来いよ」

ビスマルクを宥める少女「プリンツ・オイゲン」は元アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦三番艦の艦娘だ。戦時中に友軍艦隊から落伍し満身創痍の状態で深海棲艦の艦載機に襲われている所を深海に保護され、以降この鎮守府に所属するようになった。その際にビスマルクと共にいた僚艦が彼女である。愛称は「プリンツ」で、ビスマルクの保護者的な存在でもある。

「ちょっと、勝手に決めつけないでよ!」

「なら私の代わりに、農場に行くか?」

「むぅ……わかったわよ」

長門の発した言葉に、ビスマルクは渋々了承した。

「長門、今日の農作業の手伝い。よろしく頼むな」

「ああ、任せておけ」

深海の鎮守府には山を切り開いた場所に農場がある。ビスマルクはどういう訳か、農場での作業をしようとしない癖のような物があるのだ。そして今日は深海と時雨、長門が農場の世話をしに行くことなっている。

「………!!」

すると、ビスマルクとプリンツからテーブルを挟んで椅子に座っている、腰まである青みがかった右目が隠れている白いロングヘアーに、真っ白のワンピースの上にグレーの長袖上着を着た額の左右に1本ずつ黒い角がある真っ赤な目をした少女が、プンスカと怒ったような表情でビスマルクとプリンツを見つめ始めた。

「おい(しろ)。なに怒ってるんだよ?」

「………!!」

「え?2人だけ買い物行くなんてズルい?」

「………!!」

(しろ)」と呼ばれた白いロングヘアーの少女は、ブンブンッと首を何回も縦に振っていた。彼女の名前は「浅瀬 白(あさせ しろ)」深海の義理の妹である。

 

【挿絵表示】

 

戦時中、野盗に襲われている時に深海に助けられて以来、深海の事を「兄」と慕い旅に付いてくるようになった少女だ。だが、旅の途中で軍によって拉致され、艦娘としての素質があった為、暁型駆逐艦二番艦「響」へと改造されてしまった。しかし戦闘中に轟沈した結果、今度は姫級の深海棲艦へと姿を変え、訳も分からず深海の事を探し回っていた。そこで深海と再会し、彼との戦闘の末「D事案(ドロップ)」が起こり人間へ戻ることが出来たが、喋ることが出来なくなってしまった。だが、表情から何を言っているのかを判断することは出来る深海がいる為、本人はあまり気にしていないのだが。

「ならお前も付いて行けよ。秋雨たちのガンプラ、お前と雨葉が見てるなら、なお行った方がいいだろ?」

「………!!」

深海の言葉を聞いた白は、表情をパァー!と輝かせて笑うと大きく頷いた。

「はあ、仕方ないわね……」

そんな白を見てビスマルクはため息を吐きながら手元の取り皿に乗ったソーセージを口に運ぶのであった。そんなビスマルクを見て内心、クスッと笑った深海は今度は自分の席から少し離れた席に座る、もみあげの長いやや茶色みがかった黒髪のショートボブに、黒の薄手の上着と丈の短いミニスカートにスパッツを履いた茶色の目をした少女に声を掛けた。

「大鳳。お前は今日明日と、哨戒任務だったな?」

「あ、はい!今日の1000(ヒトマルマルマル)時から明日の同時刻まで九州から南西諸島海域方面の哨戒任務です!」

彼女の名は「大鳳」大鳳型装甲空母一番艦の艦娘だ。深海が戦時中にたまたま行った大型建造で生まれた過去を持つ、深海に対してかなりの信頼を寄せている少女だ。現在は、艦娘としての制服を着用することで艤装を使用できる「新型艤装」を使って日本各地の鎮守府に残った元艦娘、深海棲艦たちと協力して1週間に1回の交代制で哨戒任務をこなす日々を送っている。

「知っているだろうが、終戦しても今だ新しい姫級の深海棲艦が現れる。彼女たちを早期に見つけ出して、説得しないとまた戦争の火種になりかねない。しっかり頼むな」

「はい!この大鳳にお任せください!」

「明石、夕張。大鳳の艤装の整備と補給、しっかりと頼むぞ」

「それは勿論ですよ提督!」

「私と明石に任せちゃってください!」

ピンク色の髪を横でおさげ風にまとめ、水色のシャツの上にセーラー服を着て腰回りの露出したスカートを穿いている少女「明石」と、少し緑がかった銀髪をセミロングのポニーテールにした、へそ出し半袖の黒いセーラー服にオレンジのリボンと緑のミニスカートを着て白のハーフブーツを履いた橙色の眼をした少女「夕張」は揃って親指を立ててみせた。「明石」は元明石型工作艦の艦娘で、「夕張」は元夕張型軽巡洋艦の艦娘である。今現在は、深海の鎮守府で生活に必要な物品や、哨戒任務に赴く大鳳の「新型艤装」の修理や整備などをする為にこの鎮守府で暮らしている。ちなみに「新型艤装」を発明したのも彼女たちだったりする。

こうして、それぞれのメンバーが今日何をするのかを確認し合いながら朝食は進み、朝食は済んだ。

 

秋雨、梅雨葉、雨葉の3人は学校へ

 

ビスマルクとプリンツ、白は秋雨たちの送り迎えと買い物に行くために車庫へ

 

大鳳と明石、そして夕張は艤装の最終チェックの為工廠へ

 

そして深海と時雨、長門は農場へ行き。

 

 

鎮守府での1日が始まった

 

 

続く

 

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