艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』 作:黒瀬夜明 リベイク
深海は宣言した。
「これより、海軍本部による横須賀鎮守府の抜き打ち監査を開始する!」
桃田提督と足柄の2人は揃って、え?と口にしたのだった……が
あの、何をしてるんっスか?深海提督
桃田提督が早々に監査官に変装していた深海を見抜いたのだった。
「……え?」
今度は深海が、え?と呟いたのだった。桃田提督は更に続けた。
「え?もなにも、そんなスーツなんか着て何してるんっスか。那智は監査官って言ってたけど、コスプレっスか?」
「…ち、違う!お…私は海軍本部の監査k―――」
桃田提督の言葉に、深海はかなり焦っていた。そして止めの―――
深海司令官、お待たせしま―――
遅れて執務室に入ってきた青葉の正体を明かしが炸裂したのだった。これには流石の深海も
あ…
とこぼしてしまったのだった。室内の空気は完全に凍り付き、自分がやらかしてしまった事に遅れて気づいた青葉は、凍り付いた室内で慌てて弁明しようとした。
「ああ!ち、違います!あ、青葉は「深海棲艦が」って言っただけで――」
「青葉」
手遅れだ
結局、深海は早々に諦めたのだった。
それから少しだけ時間が流れ、深海と青葉、桃田提督は応接椅子に座りながら話をしていた。
「な、なるほど…だからそんな恰好してるんっスね…」
「……まあ、そういう事だ………あ、でも抜き打ち監査の話は本当だからな」
「は、はぁ…」
「深海司令官、本当にマジすんませんした」
「もういい、謝り過ぎるのは身体にも心にも毒だからな…(何故だっ。初めて遭遇した現象の筈なのに、何故か既視感がっ)」
「お待たせ、お茶入れたわ」
「…ありがとう足柄」
そんな話をしていると、横から足柄がお茶の入った湯飲みをテーブルの上に置いた。そしてそのまま桃田提督の後ろに回った。深海と青葉は足柄の出してくれたお茶を啜り、ふぅ。と一息ついた。そして深海が、さて。と言いながら湯飲みをテーブルの上に置いて立ち上がった。
「じゃあ早速、監査を始めさせてもらうぞ桃田提督」
「あ、はいっス」
「青葉、お前は書類を集めてきてくれ」
「了解です深海司令官!」
「まあ、
「わかっている」
そして更に時間は過ぎ、鎮守府はすっかり夜の闇に包まれていた。深海と青葉はその間ずっと書類と睨めっこを続けていたが真剣に書類に目を通す青葉と違い、深海の顔は、
(うわぁ…深海提督、マジでこの監査やりたくなかったんだなぁ……)
そんな顔で書類に目を通す深海を見て、桃田提督の後頭部にはアニメに出てきそうな程に大きい汗が浮かび上がっていた。
「提督提督…
すると足柄が、桃田提督にヒソヒソと小声で話しかけてきた。
「ほ、本人からは何もないし、放っておいていいんじゃないか?」
「ああ~放っておいてくれていいぞ~」
「うえっ!?き、聞こえていたんっスか!?」
「まあなぁ~あともう少しで書類全部見終わるからさぁ~2人は晩飯でも食ってきたら~」
「は、はぁ…(お昼前の覇気が全く感じられねぇ!!)」
仕舞いには、話し声からも覇気が消えかかった深海になってしまっていた。と言うよりも寧ろ、青葉が正体を明かしたおかげでこの様な深海になってしまったのではあるが……かくいう青葉も、そんな深海の姿に何もツッコむ素振りすら見せないというカオスとしか言いようのない空間がそこには広がっていた。
そしてそれから1時間ほどが過ぎた頃―――
あ‘‘あ‘‘~やっと終わったぁ~
深海たちの書類との睨めっこはようやく終了した。
「お、お疲れ様ッス、深海提督!」
「ああ~とりあえず書類は問題ないぞ桃田。はぁ……疲れた」
「お疲れさまでした深海司令官!こっちの書類も問題なくです!」
「お前は元気だな青葉…はぁ…疲れた」
「深海司令官、明日は敷地内の監査ですけど…どうしますか?」
「それについて考えるのは、もう明日で良いだろ…疲れたし」
「そ、そうですよ!今日はうちに泊まっていってください深海提督!(二言目には疲れたって言ってる!)」
「……良いのか桃田?」
「は、はい!足柄に頼んで部屋は用意させますから、待っててくださいッス!」
その後深海は、足柄が用意した艦娘寮の空き室を借りることが出来たためその部屋で一夜を明かすことになったのだった。深海は部屋へ向かう前に夕食と入浴を済ませると部屋へ直行、部屋に着くなりベットに倒れ込むとそのまま眠ってしまったのだった。のだが…
「………」
その部屋には青葉の姿もあったのだった。
(足柄さん酷過ぎですってばー!同じ重巡なのにー!)
退役した艦娘が多く、縮小された横須賀鎮守府の艦娘寮には空き室が無かった為、青葉もこの部屋で一晩過ごすことになったのだった。変に深海の事を意識してしまっている青葉だったが、深海はそんな事気にしてはいなかった。と言うより、既に意識は深い眠りの中なのであった。
続く