艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP19 北の町へ

「ん…ふあぁ~」

翌日、先に目を覚ましたのは青葉であった。青葉はあの後、謎に緊張したまま寝むってしまったが、どうやら熟睡は出来ていたようである。目を擦りながら身体を起こし、ゆっくりと梯子を下りていった。下に到着した青葉は、ベットの上でまだ寝息を立てている深海に目を向けた。すると、そのタイミングで深海が寝返りを打った。

「う~」

「ヒョエッ!?」

突然の出来事に驚きの声を上げる青葉だったが、深海を起こす程ではなかったようで深海は未だに寝息を立て、仰向けで眠っていた。

「はぁ~ビックリしちゃいましたよ………」

そう言いながら胸を撫で下ろす青葉は、ふと深海の寝顔を見た。海軍本部で合流した時の固まった表情はそこには無く、疲れて眠りこけたポッカリ空けた口から涎を垂らしている少年のような寝顔がそこにはあった。その子供のような寝顔に青葉は少しの間、見惚れてしまっていた。

(…深海司令官の寝顔、結構かわいいかも……)

そんな事を思っていた青葉だったが―――

って!何考えてるんですか私はっ!?

「んあ~?青葉かぁ~?」

「うわぁー!み、深海司令官、青葉に気づいてたんですかー!!」

んにゃ(いや)~今のお前の声で…目が覚めた…んだ」

「そ、そうでしたか!す、すみませんでした!」

「…まあ、とにかく。お前が起こしてくれたんだろ?ありがとうな、青葉」

「い、いえいえ!お構いなく!わ、私は深海司令官をお手伝いする身ですから!これからもお任せください!」

「そうか?なら、目覚ましはお前に一任させてもらうからな」

「は、はい!青葉にお任せ―――って、ええぇぇー!!!

「………?」

青葉が叫んだ理由を、深海は察することが出来なかった。

 

その後、深海と青葉は監査の為横須賀鎮守府内を歩き回った。早朝から始まった敷地内監査は、昼を過ぎて夕方にようやく終了した。前日の書類との睨めっことは違って、敷地内を歩き回るので深海は多少元気が残っていた。そして最後に、深海と青葉は本庁舎の執務室に戻り桃田提督に監査の報告をしに向かった。

「桃田、今監査が終わったぞ」

「お、お疲れ様ッス!」

「まあ、真面目なお前が管理・運営している横須賀鎮守府だ。何も問題は無かったよ」

「あ、ありがとうございます!……それで深海提督、この後はどうするんですか?」

と、桃田提督はそんな質問を投げかけてきた。無論、深海の答えは決まっていた。

「北へ向かう。そこにある太平洋側の海軍の拠点に監査を入れるつもりだ。その後は日本海沿いに南下していって、舞鶴鎮守府と呉鎮守府だな」

「そ、そうッスか…本当にお疲れ様です」

「気遣い感謝する。では、俺たちはこれで失礼させてもらう。くれぐれも抜き打ち監査の事、他の奴に喋るんじゃないぞ?」

「は、はいっ!お気を付けて!」

こうして、横須賀鎮守府の監査は終了した。

 

 

 

それから数日が過ぎた。

 

 

 

深海たちを乗せたキャンピングカーはある田舎道を走っていた。季節は夏の中頃となっていた為、周囲には緑豊かな自然が溢れていて梅雨葉と雨葉は周囲の景色を楽しんでいた。

「すごい、すごい、すごいねー梅雨葉!周り全部田んぼだよ!」

「うん。とっても、綺麗…」

(あいつらも楽しめているみたいで良かった…)

そんな2人の姿を見ながら車を運転する深海。すると、深海の耳がポキッ!と言う音を捉えると、続けて秋雨の、あ!という声が車内に響いた。

「どうした秋雨?」

「最後の鉛筆が折れちゃったよお父さん。これじゃ勉強できないよ…」

「梅雨葉と雨葉のは…」

「梅雨葉の、もう残ってない」

「雨葉のもー」

「…仕方ない。次の町で文房具店に寄るとするか……と、噂をすれば見えてきたな」

こうして深海たちはとある北の町へ足を踏み入れることになったのだった。

 

続く

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