艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP24 舞鶴鎮守府へ

「お前はッ―――」

深海と目が合った南太平洋空母棲姫は思わず深海の名前を叫びかけたが、深海が人差し指を口の前で立てたのを見て慌てて口を塞いだ。それを確認した深海は、ふぅ。と息を吐き椅子に座り直した。そして座り直した所で南太平洋空母棲姫が深海と雨の元へとやって来た。

「お母さん!?どうしてこんな所にいるの?」

「文塚さんのお店に行ったら、雨ちゃんがここに来ているって聞いてね。どうしたのかなと思って追ってきたのよ……そしたら―――」

「俺がいた。と言ったところか…」

「……その通り。何で貴方がこんな田舎にいるのよ?」

フッと笑みを浮かべる深海と少し呆れた表情で会話をする南太平洋空母棲姫。そして南太平洋空母棲姫の質問を聞いた深海は、先程までの笑みは消えて、真剣な表情になった。

「俺は今、人探し…いや、深海棲艦探しをしていてな」

「深海棲艦探し?まさか私を探していたなんて言わないわよね?」

「探し深海棲艦ではないが、探していたな。単刀直入に聞かせてくれ、深海海月姫について何か知らないか?」

海月(うみづき)に付いて?

と、南太平洋空母棲姫が深海海月姫の事を「海月(うみづき)」と言った時、深海は少し笑ってしまった。

「おいおい。存在しない艦娘の名前を言って笑わせないでくれよ」

「…「海月(うみづき)」っていうのは、あの子(深海海月姫)の愛称よ。覚えておきなさい」

「お、おお…すまなかった―――それで、何か知ってることは無いか南太平洋空母棲姫?」

自分を笑わせようとしたのだと南太平洋空母棲姫を勘違いしていた深海は、少し照れ臭そうだったが、その表情もすぐに真剣な物へと変わるとテーブルに両肘をついて身体を前のめりにさせた。その表情を見た南太平洋空母棲姫も真剣な表情となって話し始めた。

「3ヵ月程前に顔を合わせたわ。……でも、言われてみれば海月からの連絡を最近受けていないわね」

「そうか。他には何かないか?」

期待していたような情報を得られず、少し悔しそうにする深海。すると、雨が不意に口を開いた。

「お母さん。海月さんと最後に会った時、海月さん…少し表情が暗くなかった?」

「なに?」

「え?うーん……言われてみれば少し暗かったような気もするわね。雨ちゃん、よく覚えてるわね」

「う、うん!海月さんのことも、雨は大好きだから!」

「そっか、きっとあの子も喜ぶわっ…フフッ」

「うん!!」

優しい笑みを浮かべる南太平洋空母棲姫とにっこりと笑顔を見せる雨の家族の会話をよそに、深海は1人考えていた。

(南太平洋空母棲姫たちと最後に会った時に暗い顔をしていた…か。もしかしたら、善からぬ連中に目を付けられてしまったのかもしれない。深海棲艦に恨みや悪い意味で興味を持っている奴は多くいる。あり得ない話ではないな)

そんな1人考えに耽っていた深海に南太平洋空母棲姫が声をかけた。

「お、おい。どうしたんだ黒野深海」

「ん?あ、いや…何でもない。少し考え事をしていた」

「そうか…力になれたのかはわからないが。海月の事、よろしく頼むわ」

「ああ、任せておけ」

そう言って深海は席を立ち、机に1万柄札を置いた。

「俺はもう行く。会計はこれで済ませてくれ」

「ご馳走してくれるなんて、優しいのね」

「情報提供してくれた礼だ。気にするな……」

そう言って深海はその場を後にしていったが、少し歩いた所で立ち止まると南太平洋空母棲姫と雨の名前を呼び―――

 

 

幸せに暮らすんだぞ

 

 

と言って今度こそ店を出ていった。

(フフッ、中枢棲姫さまが一目惚れされる訳だわ…)

 

 

 

それから深海たちは太平洋側に存在する海軍の施設に監査を行いながら北へ向った。そして、最北端の施設の監査を終了したことで今度は日本海沿岸に沿って南下していき、数週間が過ぎた。今黒野一家と青葉を乗せた2台の車は、舞鶴鎮守府がある舞鶴市の隣町まで来ていた。隣町の道を走っていると、道の駅が見えてきたので黒野一家のキャンピングカーと青葉の軽自動車はそこで休憩と今後の段取りについて話し合うことにした。車を降りた深海、時雨、青葉の3人は自動販売機の近くで話し合っていた。

「あそこに見える山を越えれば舞鶴だ。勿論、舞鶴鎮守府には俺と青葉の2人で向かう」

「うん。今までの監査通りってことだね」

「了解です深海司令官!監査の間、時雨さんたちはどうするんですか?」

「うん。この町に住んでる白露たちの家に厄介になろうと思ってるんだ。連絡もしてあるしね」

時雨の姉妹である白露、村雨、夕立の3人は戦争を無事に生き残り退役し、舞鶴市の隣町で新生活を始めていたのだ。

「なるほど!それなら何処かの駐車場に車を停めておく必要もなさそうですし、連絡も簡単に取り合えそうですね!」

「つゆ姉や村雨、夕立の事だ。きっと歓迎してくれるだろう」

「うん。僕も会うのが楽しみだよ!」

珍しく時雨もワクワクしている様子だった。

「じゃあ、俺はこのまま青葉と舞鶴に行く。終わったら、そっちに向かうから待っていてくれ」

「うん。気を付けてね提督」

そう言って深海と青葉は軽自動車に乗り込み、道の駅を出発した。そして数分遅れて時雨の運転するキャンピングカーも道の駅を後にした。

「お母さん、お父さんがお仕事してる間は何処にいるの?」

「白露たちの家だよ。秋雨たちの元気な顔を見せてあげてね」

「やったやったやった!白露おばさんの家だー!」

「ちょっと、楽しみ」

「―――!!」

と、楽しみにしている秋雨たちの声を聞きながら時雨はキャンピングカーを走らせた。そして十分くらいで、キャンピングカーは白露たちの暮らす一軒家へと到着した。キャンピングカーを停め、時雨たち5人は車を降りて玄関の前に集まった。そして時雨がチャイムを押すと、モフモフ感と頭のてっぺん近くに獣耳の様な跳ね毛があるロングヘアーの明るい茶髪に赤いカチューシャを付け、白に赤いラインが入った襟元と袖、前にジャージ風のチャックが付いて右腕には黒い布が付けられた少しだけ青みがかった黒と白のセーラー服と同じ黒地に赤いラインが裾にあるスカートに黒いオーバーニーを履いて胸元に「Ⅰ」と書かれたスカーフを巻いた薄いオレンジ色の瞳の少女が出てきた。

おっかえりー時雨ー!!

その少女は玄関から出てくるなり、時雨に抱き着いた。おっとと。と言いながら、時雨がその少女を抱きとめる。

「うん。ただいま、白露

「あらあら、白露ちゃんったら…」

「いつまで経っても変わらないっぽい!」

そして時雨に抱き着いた少女「白露」の奥から、芦黄色のロングヘアーをツーサイドアップにして右前髪に金色の髪留めを付けて黒いベレー帽を被り、白に赤いラインが入った襟元と少しだけ青みがかった黒と白のノースリーブに上からアームスリット入りの白いケープを羽織って腰には白い布を巻いて、白いフリルのついた黒地に赤いラインの入ったスカートを履いた右足は全体を黒のサイハイソックスで覆い、左足は黒のオーバーニーをソックスガーターで吊っている、右目が赤、左目が紅檜皮色のオッドアイの少女と、髪も先端が桜色に染まった亜麻色のストレートヘアを背中まで長く伸ばしており、前髪は斜めに軽く揃えてカットして左前髪に金色の髪留めを付け、獣耳の様な跳ね毛が頭のてっぺんにある変わったヘアスタイルに、首元には白地に淵を金色で装飾したマフラーを撒いて、白に赤いラインが入った襟元と袖に、裾に歯を出して怪しく笑みを浮かべる顔が描かれた魚雷型のワッペンが3つ縫い合わせた少しだけ青みがかった黒と白のセーラー服と同じ黒地に赤いラインが裾にあるスカートと黒のハイソックスを履いた赤い瞳の少女が出てきた。

村雨、夕立も。ただいまっ

うん、おかえりなさい!時雨ちゃん!

時雨ぇーおかえりっぽーい!

奥から出てきた2人の少女、村雨と夕立は笑顔で時雨を出迎えたのだった。

 

続く

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