艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP25 舞鶴鎮守府の監査(前編)

時雨たちが白露たちの家に到着していた頃、深海と青葉は舞鶴市と隣町の境界にそびえる山を軽自動車に揺られながら眺めていた。

「それにしても綺麗な山だな」

「それはそうですよ!この山の別名は若狭富士(わかさふじ)!若狭方面からこの山を見ると富士山のように見えることからこの別名が付いたんです!」

「妙に詳しいんだな青葉」

深海は青葉が今眺めている山に付いて妙に詳しい事に驚いた。そして青葉の顔がいつになく嬉しそうな表情だったことにも気づいた。すると青葉はご機嫌に話し始めた。

「詳しくて当然ですよ!だってこの山青葉山(あおばさん)って言うんですから!」

「青葉山…なるほど、お前の名前の元になった山という事か。だからそんなに上機嫌なんだな」

「えへへ!」

青葉はとても嬉しそうに後頭部を撫でていた。

「なら、監査が終わったら写真でも撮りに行くか?」

「え!?良いんですか深海司令官!」

「ああ。お前のカメラなら良い写真が撮れると思うが、俺も手伝う」

「これはさっさと監査を済ませないとですね!よーし、青葉頑張っちゃいますよ!」

とてもやる気になった青葉は、軽自動車の速度を上げ舞鶴鎮守府を目指した。

 

そして舞鶴鎮守府に到着した深海たちは正門前で止められるも、そのまま鎮守府の本庁舎に向かうことに成功した。そして本庁舎の執務室の扉を開け、横須賀で宣言した言葉と同じ言葉を言った。

「これより、海軍本部による舞鶴鎮守府の抜き打ち監査を開始する!」

執務室には、青いメッシュの入った七三分けの髪と黒いセルフレームの眼鏡をかけた第一種軍装を着た身長が170㎝くらいの青い瞳の男「浦田島治(うらたとうじ)」と、ベージュのカーディガンの上に黒とカラー部分は灰色で赤いラインが入ったセーラー服を纏った、スカートも同色かつ同じようなラインが入っている。薄い桃色の髪をポニーテールにしてリボンでぐるぐる巻きにしている特徴的な髪型をしている身長が160㎝くらいの少女「由良」が執務作業をしていた。すると、深海に気づいた浦田提督は執務机から立ち上がると両手を広げながら深海と青葉の元へやって来た。

「これはこれは、遠路遥々お疲れ様です。僕の鎮守府の監査、よろしくお願いしますよ…監査官殿っ

「…うむ、では早速監査を始めさせてもらおう」

深海は平然を保って浦田提督の言葉に答えた。だが深海が浦田の見せたニッとした笑みを見逃す筈もなかった。そしてその理由も既に把握していた。

(浦田の奴、わざと気づいてないふりしてるな。まあ、元々こういう性格なのは知ってたが)

そして当の浦田提督はと言うと。

(やっぱ気づかれちゃってるよね~流石、深海提督ってとこかな)

と、深海が自分の気づいてないふりに気づいていることをその雰囲気だけで読み取っていた。

 

その後、深海たちは書類の監査を始め、あっと言う間に日が暮れてしまった。すると、浦田提督は――

「今日はもう夜も遅いですから、こちらで泊っていってください。予約しているホテルも無いんじゃないですか?」

「ふむ、そうだな。では、お言葉に甘えさせていただこう」

「では、部屋を用意しますから少しお待ちください。由良、頼むよ」

「はい。準備してきますね」

そう言って由良を退室させた浦田提督は、深海の方を向き直った。そして何かを察したのか、深海も青葉に退室してもらうように頼むのだった。

「すまないが青葉くん、私の荷物を運んでおいてくれないか?」

「え?…あ、わかりました」

そして青葉も何かを察してか執務室を後にした。深海と浦田提督だけが残った執務室で深海が、さて。と呟くと、途端に浦田提督は笑い出した。

「プッ、あははは」

「相変わらずの性格だな浦田。桃田のようにすぐ口にしてくれた方が楽だったんだぞ?」

「ごめんごめん!普段軍規とか、堅苦しいものが嫌いなあんたがそんな堅苦しいスーツ着て眼鏡なんてかけてるんだからさ。つい揶揄いたくなってしまったんだよ」

まったく、と呟きながら伊達眼鏡を外しスーツのネクタイを緩める深海。すると浦田提督が深海に背を向け、窓の方へと歩きながら話し始めた。

「今日僕の鎮守府に監査に来たのは、旧体制派の連中が何かしてないかを探るため。ってとこかな?」

「そんな所だ…流石の早耳だな」

「まぁね。海軍一の情報通提督。なんて言われてるからね、僕は。まっ、本部程じゃないけどさ」

浦田は、巨大な個人情報網を持っている。社交性が高い浦田は、海軍に入る前から多くの人間と良好な関係を築きこの情報網を手に入れたのだという。

「それなら話が早い。何か新しい情報はないか?」

「そうだね……旧体制の連中はこの国の端の方に拠点を構えてる。って噂がある」

執務机の上に腰掛けながらそんなうわさ話をする浦田提督。

「端の方…北海道か九州という事か?」

「さあね。この話はとても確度の低い情報、本当のうわさ話程度の物さ。信じるか信じないかは、あんたに任せるけどね」

「わかった。頭の片隅にでも置いておく」

そんな話をしていると、由良が執務室に帰ってきた。

「提督さん、監査官さんのお部屋の準備が出来ました……って、あれ?何で深海提督さんがここにいるの?」

「その辺は浦田から聞いてくれ。部屋の場所は何処だ?」

「あ、えっと。艦娘寮の空き室、303号室です。由良が案内しますね、ね!」

「いや、大丈夫だ。また明日な」

そう言って深海は、由良の返事を待たず執務室を出ていった。

 

続く

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