艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP38 佐世保鎮守府

呉鎮守府を後にした深海たちはそこから呉以南の日本海側と瀬戸内海側の海軍施設を監査しながら佐世保鎮守府を目指した。そして深海たちが佐世保に到着した時には季節は冬へと変わっていた。

「ふぅ…やっと佐世保に到着したな」

「そうだね提督。僕も久しぶりの佐世保だから、ちょっと気持ちが昂ってしまっているよ」

キャンピングカーを運転しながら助手席に座る時雨と会話をする深海。フロントガラスのワイパーが小刻みにフロントガラスに積もった粉雪を払って行く。深海と時雨、そして秋雨たちを乗せたキャンピングカーは佐世保鎮守府を目指して国道を走っていく。市内の道を走っていき、佐世保鎮守府の正門にキャンピングカーを止め、守衛との話を済ませた深海は今度は佐世保鎮守府庁舎の正面玄関にキャンピングカーを停車させた。

「ここからは俺1人で行ってくる。少しだけ待っててくれ、佐世保鎮守府の提督(あいつ)と話しを付けてくる」

「うん。青葉さんにも伝えておくね」

頼む。と言って深海は私服姿で本庁舎へと入って行った。中央階段から二階に上がって執務室へと向かう。そして執務室の扉をノックし、どうぞ。という少し高い男性の声が聞こえてきたのを確認して室内へ入った。

「あ!深海お兄ちゃん、やっと来たんだ!」

執務室に入って来ていきなり「お兄ちゃん」と言われることに深海は驚かない。寧ろここで飛び付かれなかっただけまだマシなのである。

「遅くなってすまなかった。久しぶりだな、龍太(りゅうた)

「うん!久しぶり!」

鈴村 龍太(すずむらりゅうた)。彼が佐世保鎮守府の指揮を任されている提督である。幼さの残る顔と、顔の右半分を覆う紫のメッシュが入ったウェーブヘアーが特徴だ。年齢も横須賀、舞鶴、呉の鎮守府提督を務める桃田、浦田、金田よりも年下で性格もかなり子供っぽいところがある。そして深海に対して異様に懐いており、何故か「お兄ちゃん」と深海の事を呼んでいる。深海も深海で、そんな鈴村提督の事を「龍太」と呼び可愛がっているのである。

「龍太、海軍本部から話は聞いていると思うが…」

深海は早速本題を切り出した。龍太は大きく頷いて言葉を返した。

「うん、聞いてるよ。北九州沖の赤色海域の事だよね?つい数日前にネ級改たちが佐世保(ここ)に到着したから、後は深海お兄ちゃんの到着待ちだったんだ!」

「そうか。ネ級改たちは今どうしてる?」

「今は鎮守府の近海で家の艦隊と演習をしていると思う。だったよね、雲鷹?」

龍太が執務机に隣接する秘書官の机で書類作業をしていた、首に明るい緑色のマフラーを撒いて白の上着とマフラーと同じ色の袴を身に着けた、前髪がぱっつんの黒髪を頭の後ろで輪っか状に纏めた金色の瞳をした少し背の低い艦娘。「雲鷹」に問いかけると雲鷹は顔を上げて答えた。

「ええ。今頃は大鷹と神鷹がみっちりしごかれてる頃じゃないかしら?あ、深海提督のコーヒー用意しなくっちゃ」

「ああすまない、だが今は遠慮させてもらうよ」

「そう?なら、わかったわ」

深海は雲鷹と話しながら執務室の扉の前から龍太の座る執務机の前へとやって来た。

「龍太、1つ相談があるんだが。今俺は海軍施設の監査を行いながら各地を回っててな。俺の家族も今一緒に佐世保(ここ)に来ているんだが、艦娘寮の空き部屋をいくつか貸してもらえないか?」

「へぇー深海お兄ちゃんも大変な仕事してるんだね。わかったよ、調整はボクと雲鷹がするから、少し待ってて」

「助かる。じゃあ、また後で―――」

そう言って深海が執務室から出ようと扉の方へ踵を返して歩いていこうとした時、龍太が不意に深海を呼び止めた。

「そうだ深海お兄ちゃん、お兄ちゃんの所の明石と夕張が佐世保(こっち)に来てるよ?」

「?どういうことだ」

「お兄ちゃんが着いたら工廠に向かわせるように、って伝言を預かってたから忘れないでよね?」

「あ、ああ。ありがとうな龍太」

龍太に感謝を述べ、深海は執務室を後にした。そして廊下を歩きながら明石と夕張が佐世保に来ている事について思考を巡らせながら、深海は正面玄関を出ていった。

 

続く

 

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