艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP4 深海と時雨の大切な日

その夜、深海と時雨は夕食前に旧執務室から出され寝室に待機させられていた。

「……提督」

「ん?」

「今日はみんなに感謝だね」

「ああ、そうだな」

それからしばらくして、秋雨が寝室にへやって来て深海と時雨を呼びに来た。

「お父さんお母さん、お待たせ!」

「準備終わったのか?」

「うん!ほら、早く来てっ!」

そう言った秋雨は、急かすように深海と時雨を旧執務室へと招待した。秋雨を先頭に旧執務室へと向かった深海と時雨は室内へ入って驚きを隠せなかった。

「おお!これは凄いな!」

「わあっ!凄いなぁ」

テーブルに並べられた豪華な色とりどりの料理は、普段の夕食に並ぶことのない物ばかりだったのだ。お寿司の盛り合わせに洋風のオードブル、そして大きなターキーチキン。そして、驚く2人に対して準備をしていた秋雨、梅雨葉、雨葉、白、長門、ビスマルク、プリンツ、明石、夕張の全員が手に持っていたクラッカーを一斉に鳴らした。クラッカーの中に封じ込められていた鮮やかな紙吹雪が舞う中、秋雨が深海と時雨の方を振り返って言った。

「お父さん!お母さん!」

 

 

 

結婚記念日、おめでとうっ!!

 

 

 

そして、秋雨の言葉に合わせる様に残り全員が深海と時雨の「結婚記念日」を祝福した。舞い散る紙吹雪を頭に乗せながら深海と時雨の2人は照れ臭そうに、ありがとう。と告げたのだった。

 

それから深海と時雨の結婚記念日パーティーは進み、主役の2人へのプレゼントタイムが始まった。まず最初にプレゼントを取り出したのは秋雨、梅雨葉、雨葉の3人だった。

「はいお父さん!お母さん!秋雨たちからプレゼントだよ!」

「お父さんとお母さん、きっと喜んでくれるって思って、買ったの」

「そうだよそうだよそうだよ!おとーさん、おかーさん!受け取って!」

そう言った3人は、伊多ん屋で買った「HGCEストライクフリーダムガンダム」と「HGUCアストレイブルーフレームセカンドL」を深海に、「ベアッガイF」を時雨にプレゼントした。

「これって、秋雨たちがやってる「ガンプラ」ってやつだよね?ありがとう、お母さん大切にするね!」

「うん!いつもありがとうお母さん!」

と、ベアッガイFを受け取った時雨は秋雨たちに微笑んで見せた。そして一方の深海は―――

「なあ、秋雨」

「なにお父さん?」

これ(ガンプラ)を俺に送るってことは、俺も一緒にガンプラバトルをしてほしい。ってことか?」

「うん、そのつもりだよ!そう思ったからお父さんに似合いそうなガンダムを選んだんだよ!」

「そうなのそうなのそうなの!梅雨葉がね、おとーさんにはこの2つが似合うって思って決めたんだよ!」

「うん……もしかしてお父さん、気に入らなかった?」

「いや、気に入ったよ。ただ、ガンプラバトルを一緒にする。と言うのは、どうもな……」

と、受け取った2つのガンプラの箱を見つめながら何処か複雑な表情となる深海。すると、その表情を見逃さなかった者が2人いた。

「はい!そんな娘さんの気持ちを受け取れない悪い提督に、私たちからプレゼントですよ!」

「これさえあれば提督も、きっと乗り気になりますよ!」

そう言って立ち上がったのは明石と夕張だった。2人は椅子から立ち上がると深海の元へ駆け寄り、そして明石が「人型」の何かを取り出した。それを見た深海は、不思議そうな目でそれを見ていた。

「…明石、なんだこれは?」

「ええ!提督の為に夕張ちゃんと作った提督専用のガンプラフレームです!」

「名付けて―――」

 

 

 

MKI(ミカイ)フレームですッ!!

 

 

 

MKI(ミカイ)……フレーム?」

「はい!そして、この腕輪もプレゼントします!」

そして今度は夕張が、黒鉄色をした幅3センチくらいの腕輪を深海に手渡した。

「なんだこの腕輪?」

「はい!この腕輪さえあれば、その「MKIフレーム」を自分の手足の様に動かすことが出来るんですよ!」

 

 

ええっ!!

 

 

それを聞いたその場に居たもの全員が思わず声をあげた。

「つまるところ、リアル・フルサイコフレームって所ですね!」

「………」

そして今度は、全員が絶句していた。そして深海が明石に尋ねた。

「明石、このフレームと腕輪。一体どうやって作った?」

「あ、はい!提督の使っている艤装の余剰部品から作りました。こうすれば提督の「家族を護りたい」って想いに1番近い形で具現化できると思ったので!」

「今の世の中は、戦時中のように無法地帯ではなくなってますからね。以前の提督の様に、暴力を振るえば罰せられてしまいます。提督にそんな思いはさせられないと思って、MKIフレームを製作したんです!」

「っ!」

それを聞いた深海はガンプラの箱をテーブルの上に置くと立ち上がり、明石の手に握られた「MKIフレーム」と夕張の手に握られた腕輪を受け取った。

「……ありがとう明石、夕張。お前たちの想い、無駄にしないように努力しよう」

「っ!じゃあ、お父さん!?」

「ああ。秋雨、梅雨葉、雨葉、白、一緒にガンプラバトルするぞ!」

頷きながら宣言した深海。それを聞いた秋雨たち4人の顔はパァー!と明るくなって、やったぁー!!と4人揃って喜び合ったのだった。それを見て、時雨は安堵したのか小さな笑みを浮かべたのだった。

「では最後に、私とビスマルク姉さま、白さんが買ってきたケーキで絞めましょう!」

そう言ってプリンツは海原デパートのちょっと豪華なお菓子屋で買ったホールのショートケーキを机の上に置いた。

「わあっ!凄いよ提督、こんなにフルーツが山盛りになってるホールケーキ、見たことがないよ!」

「ああ。ここまで凄いものがあるんだな…ビスマルク、プリンツ、白、ありがとうな」

「いえ!お礼には及びませんよ!私とビスマルク姉さまを助けてくれた時の恩を思えば、これくらいは当然ですよ!ね?ビスマルク姉さま!」

「フンッ!そ、そうね……私はアンタに一生分の借りがあるもの。感謝しなさいよね?」

「ああっ、勿論感謝してるさ。ありがとうな、ビスマルク」

「……フンッ!」

とビスマルクは頬を赤くしながらそっぽを向いた。そして白は、エッヘン!とした表情で深海に対して両手を腰に当てて胸を張っていた。

「………!」

「ああ、白が選んでくれたのか。ありがとうな白、俺の好みわかってるな!」

「………!」

そして深海は白の頭を撫でてやったのだった。その後しばらく、旧執務室では切り分けたケーキを食べながら談笑の時間が過ぎていた。だが、それも終わりを告げる時が来た。深海と時雨は、席を立ちこのパーティーを開いてくれた家族に向け改めて感謝を述べた。

「今日は、こんな会を開いてくれて本当にありがとうなみんな。とても嬉しかったよ」

「僕からも感謝申し上げるよ、本当にありがとうっ。こんな家族と幸せに過ごせて、僕は……ううん。僕と提督は、幸せ者だよ!」

「ああ。みんな―――」

 

 

 

 

本当にありがとう

 

 

 

 

そう言って深海と時雨は揃って頭を下げた。そして部屋中から、拍手が上がったのだった。

 

 

 

そして時間は流れ、2300(フタサンマルマル)時―――

「提督、今日は本当に嬉しかったね!」

「ああっ、感謝が絶えない。って言うのは、まさにこう言うことなんだろうな」

「そうだねっ」

深海と時雨は寝る前の談笑を楽しんでいた。すると、寝室の扉をノックをする音がした。それに気づいた深海は、ベットからゆっくりと立ち上がり扉を開けた。果たしてそこには、長門が立っていた。

「夜分遅くにすまない提督」

「長門か、何か用か?」

「ああ。ちょっとした差し入れをな」

そう言った長門は何かが入ったビニール袋を手渡した。深海が中身を確認すると、そこには水分補給用のスポーツドリンクが6本ほど入っていた。

「こんなものですまないが、私から結婚記念日のプレゼントだ」

「ああ、ありがとうな長門。今日は本当にありがとう、こんな会を開いてくれて」

「なに。私はみんなに少しだけ発破をかけただけさ、礼には及ばんさ」

「ううん。長門が企画してくれたおかげで、僕たちは楽しい思いが出来たんだ。本当に、ありがとう」

「時雨まで止してくれ。流石に照れ臭いぞ」

時雨の言葉を聞いた長門は苦笑しながら後頭部をポリポリと掻いた。それを見て深海も小さな笑みを浮かべていた。

「では、私はそろそろ休むことにするぞ」

「ああ。おやすみ、長門」

「おやすみ。今日は深い夜になるんだろうが、ほどほどにしておけよ?」

「ふふっ、うん。ありがとう長門、おやすみ」

長門はゆっくりと扉を閉め、旧艦娘寮にある自室へ向かった。そして寝室に残った深海と時雨は、長門からの差し入れをベットの傍にある深海と時雨の私服が置かれた棚の上に置き、2人してベットに腰掛けた。そして、ベットの上に転がっていた電灯を操作するリモコンの「消灯ボタン」を押した。一瞬で部屋は真っ暗になった。そして窓から差し込む月明かりだけが部屋を照らすようになると、深海と時雨は就寝前の口づけをした。

「……深海っ」

「今日は、寝させないからな」

そうして2人はベットに倒れ込んだのだった。

 

続く

 

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