艦これ×ガンダム ガンダムビルド艦隊これくしょん 深海の言葉『上巻』   作:黒瀬夜明 リベイク

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EP50 佐世保への帰投、そして再会

深海は矢矧たちと別れ、ネ級改や雲鷹たちと共に佐世保への帰路に付こうとした。横須賀から駆け付けてくれた足柄たちは、一旦呉で燃料を補給してから横須賀に帰投するらしい。

「今日は助かった、救援感謝すると提督たちに伝えてくれ」

深海は、矢矧、足柄、利根の3人にその言葉を伝えた。足元の赤色海域となっていた海は、ゆっくりと元の青い色を取り戻して始めていた。撃沈をま逃れた深海棲艦たちは、艦娘たちに投降してくる者と、海中へと姿を消す者のふたつに分かれた。今回の戦いでは、空母ヲ級1、重巡リ級2、駆逐イ級3が投降してきた。彼女たちの処遇は後ほど決まるらしく、一旦は佐世保への回航となった。

佐世保への帰路の道すがら、冬月が不思議そうな目で周囲を見渡していると、やがて深海に質問を投げかけてきた。

「提督、何故深海棲艦との戦闘が発生しない。今は戦時中ではないのか?」

その言葉を聞いた深海は一瞬だけ疑問を顔に浮かべたが、すぐに答えを返した。

「深海棲艦との戦争はもう十年も前に終わっている。だがそれでも、終戦を知らない深海棲艦たちは現れるからな。今日の出撃は、その深海棲艦たち――もとい、お前を目覚めさせるか、防空埋護冬姫を保護する作戦だった」

「ぬぅ…信じがたい話だが、提督の傍にネ級改がいるのを見れば、納得のいく話ではあるな」

「納得してくれたのなら、助かるよ」

深海は冬月の傍に控え、そのまま佐世保へと向かった。

 

 

佐世保に到着した深海たちを時雨と秋雨たちが向かえた。普通なら、一般人の出撃ドックへの立ち入りは禁止されているが、今日は特別なのだろう。深海が陸に上がると、秋雨たちが駆け寄ってきた。先頭は勿論、雨葉だ。

「おとーさん!おかえり、おかえり、おかえり!」

深海の身体に飛び付いてきた雨葉をしっかりと受け止める深海。普段と変わらず笑顔で顔を上げる雨葉が、今はいつも以上に可愛らしく見える。戦いから戻ってきた時、深海はいつもこのように感じている。それは勿論、秋雨と梅雨葉も同じだった。秋雨と梅雨葉も深海の足に抱き着いてきた。

「お帰りなさい、お父さん!」「お帰り」

「ああ、今帰った。三人とも、出迎えありがとうな」

深海は3人の娘たちの頭をそれぞれに撫でてやった。そこへ時雨と白がやって来る。

「お帰り、提督。無事で良かったよ」「………!」

「時雨も白も、心配をかけたな。ただいま」

微笑みながら深海を見つめる時雨に、深海も笑みを返す。すると、深海の隣に冬月がやって来た。時雨は彼女を一目見受けると、一瞬だけ驚いた表情を見せたがやがていつものように笑いながら挨拶をした。

「久しぶりだね冬月、彼の大戦の時以来だね」

「お前は…そうか、時雨か!久しぶりだな!」

冬月も嬉しそうに声をあげた。しかし――

 

涼、時雨もここにいたみたいだな!はは、懐かしいな!

 

「え?」

冬月は誰もいない空間に向かって呼び掛けた。時雨が一瞬だけ困惑した顔になったが、だがそれも一瞬だった。

「ああ。共に部隊を組んだことは無いが、雪風から「佐世保の時雨」の名はよく聞いたものだな!」

冬月は頷きながら、そこにはいない涼月と話をしていた。深海もあえて気にしない。これは、よくあることなのだ。

「時雨、涼月も会えて嬉しがっている!私も嬉しいよ!」

「うん。ありがとう涼月、僕も嬉しいよ」

時雨も気にする素振りを見せずに会話を続けた。そして深海はそんな会話に割って入った。

「冬月、すまないが…佐世保鎮守府の鈴村提督に挨拶に行く。付いて来てくれ」

「ん?ああ、分かった!」

深海は艤装を取り外した後、冬月を伴い佐世保鎮守府本庁舎の執務室へと向かった。

 

 

深海は執務室の扉を開け、冬月と共に室内へと足を踏み入れた。室内には秘書艦の雲鷹の姿は無かったが、代わりに1人。白い弓道着に紅白のもんぺを履いた、茶髪のポニーテールの少女が竜太と話をしていた。扉が開き、深海たちが入ってきたことに気づいた少女はクルリと振り向いた。ポニーテールがふわりと揺れ、前髪の左横にある桜の華の髪留めが、チャリン。と音を立てた。オレンジ色がかった少女の瞳が、深海の青い瞳と重なったのはその直後だった。

「……づほ姉ぇ」

深海は目の前にいる少女。自分の義理の姉である「瑞鳳」の名を口にした。

 

続く

 

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