騎影が行く   作:ごまぬん。

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第4章、スタートです。
トレピッピの『ゲーム』パートと『偽現実世界』パートが入り混じっていて少々わかりにくいかと存じますが、よろしくお願いします。



File-4 グレート・ジャーニー・ゲーム
スタート・アップ


 

【LIVE】pippi564さんが生配信をしています【5:31経過】

 

 はーい、よーいスタート。

 俺の愛バとの出会いで世界がヤバい系RTA、はーじまーるよー。

 

 まぁRTAも何も初見なんですけどね、初見さん。

 というわけでみなさま〜(天下無双)、こんにちは!

 日本ウマ娘トレーニングセンター学園所属、ゴールドシップの担当トレーナーの〜、トレピッピことpippi564ですぅ〜!

 

 さて今回はですねぇ、例によってみなさま大好きピッピのゲーム実況配信となっております!

 やっていきますのはこちら! じゃん! 『ウマ娘ウイニングダービー Re:Boost(リブースト)』!!

 競バ題材のゲームと言えば元々、スマホ向けアプリで『ウマ娘ウイニングダービー』というのが配信されてるんですが、この『Re:Boost』はその"ウマダビ"の据え置き機(コンシューマ)版となっておりますー。

 

 いやぁ、最初にこれの企画聞いた時は本当にビビりましたねぇ……。

 あっ見ててください、出てきますよ伝説のテロップが。ほら……ほぅら……ほら来た!!

 ───『この作品は公式記録、専門家の分析、関係者の証言を参考とし、実話に基づいて構成されています。ただし、作中の一部のストーリー及び表現・描写についてはこの限りではありません』。

 フィクションじゃねーのかよ! 騙された!

 

 そうなんです。ソシャゲの方のウマダビは、アイドルを育ててシャンシャンする感じのシンプル(オブラートに包んだ表現)なゲームですが───。

 『Re:Boost』もとい"ウマリブ"では、その育成シナリオが段違いに増量されており! まるで自分(プレイヤー)がトレセン学園のトレーナーになったかのような気分を味わえるんですねぇ!

 そんなんもう実質NTRやんけ! いや違ぇよ。NTRも何も、ウチら普通に生徒とコーチの関係でしかないかんね? トレセン学園は婚活会場じゃねぇってそれ一番言われてるから。

 40年前ならともかく、コンプラ全盛の今のご時世にうまぴょい(意味深)なんて……ねぇ?

 

 と、そんなセンシティブな話はさておき。

 登場するウマ娘たちのストーリーは、いずれも実話をベースに構成されたもの。さすがに出てくる固有名詞とかは多少プライバシーに配慮した改変がされてますが、主な流れは実話に忠実です。

 たまーに愛が重バ場な娘とか、そこらのギャルゲーもビックリな超絶イケメンムーブかますトレーナーも居てますけれども……。そこらはぶっちゃけファンサービス的な誇張表現なのでごあんしんください。トレセン学園は婚活(以下略)。

 ……ただ、知り合いの話聞いてる限り、全部が全部作り話ってわけでもなさそうなのが……。競バ界の闇は深い……。

 

 あっ、そういえばゴルシも出てるよ! ピッピのトコにもちゃんと取材来たからね!

 まぁ取材来たというか、スタッフロールの方を調べていただければわかるんですが、実はゴルシ編のシナリオはアイツ本人が執筆者(ライター)なんですよね。なんで?

 

 それでそれで、肝心のゲームの内容はというと……。

 はい、まずは『悠久の蹄跡』モード。いわゆる通常プレイですね。

 基本的にはノベルゲー仕立てで、一応ステータス画面とかも見れますけど、ほぼフレーバーテキスト以上の意味は無いです。オタクが好きなやつ〜。

 とはいえ、実話ベースの読み物として単純に面白いですし、シナリオによってはトゥルーエンドに辿り着くための選択肢のヒントも出てるんで、何だかんだ要チェックですよ! トレーナーさん!

 

 そしてウマリブにはもう一つ、タイトルにもなってる『Re:Boost』モードというのがあります。

 こちらはノベルゲーだった通常プレイとは打って変わって、カワイイ絵面に対し意外と骨太な難易度の育成ゲー!

 私たち本職のトレーナーや、現役のウマ娘たちの間でも流行りましたねぇ。ピッピも大学時代にCivilizationシリーズにハマってたクチなんで、それはもう。

 トレーナー業のシミュレーションとしては、かなり完成度高いんじゃないかな? もちろん、現実の業務に比べたら色々とゲーム的にアレンジはされてますが。書類仕事しなくていいの最高や……。

 

 で、スカウトして担当になったウマ娘と共に、栄光のウイニングロードを駆け抜けていくわけですけ・れ・ど・も───。

 そう、『Re:Boost』モード最大の醍醐味といえば! プレイヤーの選択次第で拓ける"もしも(IF)"の世界、新たなる挑戦の道ですー!!

 君の推し(愛バ)であの時の雪辱を晴らしたり! かつては実現しなかった対戦カードで夢のレースをしたり! 体調管理を徹底して不幸な故障を回避したり! トレーナーの采配一つでゲート難とかゲート難とかゲート難とかを克服させたりして遊べるって寸法ですねぇ!

 慣れるまでは現実世界で勝ってたレースでの入着すら出来なかったりもしますが、コツさえ掴めばツインターボ師匠で3000m戦を勝つことも可能です! ただ、ウララちゃん(ハルウララ)で凱旋門賞制覇はSEKIROのマックス周回をスキル強化縛りでやるような苦行なので、よっぽど覚悟キマってる人以外はやめといた方が無難カナ……。

 

 それじゃあ、台本はここまで。さっそく始めちゃいますか!

 今回のお題(クエスト)、確認していきますよ~。どうせゴルシの企画だから、とんでもない縛りプレイか過重労働を押しつけられるんでしょうけ……ど……。

 

 ん? ───んん?

 こ、これは……!!

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

 トレセン学園、個人教導執務室(トレーナー・ルーム)棟。

 ここには個人単位で指導担当契約を結んだ──つまり選手チームに属しておらず、部室を持たない──ウマ娘とトレーナーのために設けられた、3畳から4畳半ほどのスペースの個室が並んでいる。

 

 放課後、ハルノエクリプスが人の流れに乗ってトレーナー室棟にやって来ると、舩坂は建物の玄関で彼女を待っていた。

 挨拶もそこそこに、さっそく二人に割り当てられたトレーナー室へと案内される。そこは今はまだ共通備品の机と椅子しか置かれていない、ごく殺風景な部屋だった。

 

「さぁ座って。今後の話をしよう」

 

 そう言う舩坂の指示に、ハルノエクリプスは存外大人しく従った。

 表情は昨日のように明らかに不機嫌そうなものではなく、再び能面じみた無表情に固定されている。

 

「ではまず、君の意志を確認させてもらいたい。()()()()()()()()恐縮だが、君の目的は一体何かな?」

 

「……脳内メモリーの損傷につき、この惑星の調査に乗り出した本来の目的は不明です。よって現在は、メモリーの復元完了までの期間、地表の社会に潜伏することを当面の指針としています」

 

「なるほど。まぁ……我々がこうして出会ったのも何かの縁だ。君がこの星の社会に順応したいと言うならば、私も可能な限りの支援を約束しよう。『情けは人の為ならず(困った時はお互い様)』───私の好きな言葉だ」

 

 舩坂は自身も椅子に座ると、机の上に置いてあった書類を広げ、ハルノエクリプスの方に向き直る。

 

「ハルノ、君が"中央"のウマ娘に扮して過ごすなら、当然トゥインクル・シリーズに挑戦することになる。これはいいかい」

 

「はい。走力に限定した性能トライアルに何の意味があるのか、いまいち理解しかねますが」

 

「フッ。ウマ娘と競バの起源については諸説ある。講義してやりたいのは山々だが……。図書委員に、ゼンノロブロイという生徒が居てね。また暇を見て話してみるといい。良い歴史書を紹介してくれるはずだ」

 

 銀髪の男は懐から手帳を取り出して一瞥し、視線を戻す。

 アザレア・ピンクの瞳と鏡色の魚目が、お互いを覗き込んだ。

 

「と、それはさておき。───目標とするレースや進みたい路線の希望は無い、ということだが」

 

「いずれ捨てる身分です。栄誉を求めることに意味はありません。成績優秀者には報奨金が支払われると聞いていますが、この惑星の通貨には銀河連盟からの正式な為替も設定されていない以上、最低限の生活費さえ賄えれば……」

 

「あぁそうか、いや、いい。聞いた私が悪かった。まったく……無欲なウマ娘だ」

 

「厳密に言えば、わたしはウマ娘ではありませんが」

 

「はいはい……。想像以上にやりにくいな、本物の宇宙人(エイリアン)の相手ってのは……」

 

 ぼそりと呟き、舩坂はしばらく虚空に意識を彷徨わせる。

 

 如何にも鳴り物入りの大型新人といった(てい)で赴任した舩坂金時(ゴールドシップ)トレーナーだが、実を言うと当初は『三女神の託宣をガン無視して世界の敵ちゃん(ハルノエクリプス)と遊べたら面白いだろうなぁ』くらいにしか考えていなかった。

 結局のところ(彼女)にとって、メジロマックイーンに語った所感などは、自身の計算高い知性と()()()倫理的葛藤を黙らせるための方便に過ぎない。すべては『自分の視界の内に辛気臭い顔があるのが嫌』という感情に帰結する。

 発想力と実行力で武装した気風の良い番長(ボス)気質、あるいはエンターテインメント第一主義の仕切り魔。それが"いつもの大体あのへんの界隈"筆頭・ゴールドシップの正体である。

 

 何だかんだで聡明な(彼女)は10秒で初心に帰り、『如何にして始祖の三女神の度肝を抜いてやるか』という方向で考えることにした。

 思考はそのままに、意識を舩坂金時のそれに切り替えて話し始める。

 

「───ハルノ。我々は『マーベラス同盟』だ。私は君と懇意にしている彼女らほど純朴な人間ではない。同盟を組む以上は、私にもそれ相応のメリットを提示してもらう」

 

「尤もな要求です。一見して均等な互酬性の無い取引ほど恐ろしいものはありませんから。それで、具体的には何をお望みですか?」

 

「あぁ。そうだな……。初めての担当相手に高望みかも知れないが、トレーナーとしてはやはり『三冠』は押さえておきたいところだ。どのような路線であれ───」

 

 その時、舩坂の脳に電流が奔った。

 ───あるではないか。ハルノエクリプスを、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()方法が。

 

「……もののついでだ。『あいつら』の夢も、勝手に持って行ってやるとするか」

 

「?」

 

「いや、何でもない。それより、私が君に望むことだが」

 

 頭の中に浮かんでいた既存の案をすべて投げ捨てる。ここから先は完全な即興(アドリブ)だ。

 不敵な笑みを浮かべて、男は告げる。

 

「私は───、神話になりたいんだ」

 

 口角が歪む。頬が震える。何という悪魔的発想。何という冒涜的所業。

 ファン感謝祭で得た覚悟とメジロマックイーンの後押しが無ければ、思いつく前から無意識に排除していたであろうやり方。

 

「……神話?」

 

「そうとも。まさしく空前絶後、人類史の終焉まで語り継がれる至高の伝説。何人たりとも撃ち墜とせぬ、天上天下に唯一無二の極光だ。私はそれを、自らの手で作り出したい」

 

 半分は本心。半分は思いつき。

 つまり、面白全部。

 

「深く考える必要は無いとも。我々が志すのはただひとつ。君の脚と、私の手で……」

 

 選抜レースでの出来事を思い出すまでもない。三女神と舩坂金時(ゴールドシップ)は知っている。

 ハルノエクリプスは、頭から爪先まで一切の弁解の余地が無い違法ユニットだ。

 だが、どうせイカサマ(チート)をやるのなら、このくらいのフカシをブッこいた方が気持ちが良い─────。

 

「この世代から、あらゆる冠を奪い取る」














すげぇ! ちゃんとしたオリ主ウマ娘二次SSっぽいぞ!
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