立花響の義父となりました、石動と申します。   作:CODEZERO

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393回です。


小日向未来とのオハナシ

クリスちゃんに胸を貸して数分。

泣いていたクリスちゃんが泣き止んで、落ち着いた様子になった時に未来ちゃんが俺に問いかけてきた。

 

「そういえば…聡一さん。なんで私に秘密を教えたんですか?

響にも教えてないんですよね?」

 

「う〜ん……予想なんだけどさ、未来ちゃんと響、今喧嘩してるでしょ?」

 

「…………はい」

 

未来ちゃんは少し驚いた顔をして、俺の言うことに頷いた。

 

「喧嘩の原因として予想してるのは、多分響が戦ってる事を隠してた事だと思うけど…合ってる?」

 

「はい…合ってます。

わかってるんです。響が私の事を考えて言えなかったっていうのは……

…だけど言って欲しかったんです。相談してほしかった。

ようやくまた会えて、昔みたいな関係に戻ることができたから……

虫のいい話なのも分かってます。私は、響が私に一番そばにいてほしかった時にそばにいなかった。

そして響が立ち直ってから戻ってきて、また昔みたいな関係に戻ろうって……都合のいい話ですよね………」

 

「う〜ん………」

 

俺は返答に少し困った。

てか、二課はマジで何やってんだろうな…?せめて現状一番近くにいる人には教えといてやれよ……未来ちゃんいい子だぞ?響に関することなら現時点で一番信用できる子だからね。

それよりも…未来ちゃん勘違いしてるなコレ。まずそれを正さなきゃな。

 

「…未来ちゃん。多分未来ちゃん勘違いしてるぞ?

響は本当は『完全には立ち直ってない』んだよ。」

 

「………え?」

 

「そりゃそうでしょ。さっき未来ちゃんが言ってたことだよ。

『一番そばにいて欲しかった人がそばにいなかった』んだから、立ち直れるハズが無い。

………あの子の心には未だに傷がたくさん残ってるよ。それは俺じゃあ治しようが無いんだ。

たとえ俺が義理の父親でも……関わってきた期間はたった一年半だけ。

………十何年も一緒にいた『響のことをそばで見続けてきた子』に敵うはずがない。」

 

「…………あ」

 

未来ちゃんはハッとした様子で、俺を見続けた。

 

「まぁ、なんというか……未来ちゃんに秘密を教えたのは結構安易な理由だったりするんだよ。

響が未来ちゃんに隠し事をしてたんなら、未来ちゃんも響に隠し事をすればいい。

それでWIN-WINじゃね?的な軽い理由だよ。……ちょっと後悔してるけど……」

 

「……なんでですか…?」

 

「俺の想像なんだけどさ…未来ちゃんは、やられたらやり返すっていうのそんなに好きじゃないでしょ?」

 

「まぁ……はい。」

 

「だからさ…なんというか……安易な理由で言ったことは軽率だったと思ってるんだ。ごめん。」

 

俺は未来ちゃんに向かって頭を下げた。

あ、クリスちゃん?今は俺から離れてる。

俺に泣きついたことを思い出して羞恥心でいっぱいになってベッドの上の毛布でミノムシになってる。

……暑くない?

 

「あんまり気にしてませんよ……これどうします?響に言っちゃってもいいんですかね…?」

 

未来ちゃんは脅しで聞いたのではなく、単純に悩んでいるようだった。

 

「別に響になら言われても気にしないよ?……ていうか、響も薄々勘づいてんじゃないかな…?」

 

「いえ…響ですよ?気付かない可能性の方が大きいと思うんですけど……」

 

「………否定できないのが辛いね。」

 

そうだよなぁ……響なんだよなぁ……!

デュランダルの時も後になってボイチェン外してたことに気付いたけど、あれから連絡もなんもないし……

あれ?マジで気づいてない説あり得る?……いや、流石に気づいてるよな……でも……響なんだよなぁ……!

サンジェルマンだったら速攻で気付いてるよ………(体験談)

サンジェルマンにバレた時なんか、ブラッドスタークの姿の時に『お父さん』って呼ばれたからな…?

後になってなんで気付いたのか聞いてみたら理由が『………なんとなく?』だった時はマジでビックリした……

 

「ていうかよ…ちょっと気になったんだが聞いてもいいか?」

 

「どうした?クリスちゃん。ミノムシから羽化したの?」

 

「なんでミノムシ前提なんだよッ!?もっと他にもあるだろ!?」

 

「………蚕?」

 

「なんで全部蛾なんだよッ!!?」

 

失礼な。蚕かわいいだろ。………羽化したらすぐ死んじゃうけど…

他の蛾はあんまり好きじゃないな。虫全般嫌いだけど蚕だけは可愛くて好きだ。

 

「……あのバカの家族はどこにいるんだよ?」

 

あぁ……そうか。クリスちゃん知らないのか。

そりゃそうだな。フィーネがクリスちゃんに『捕獲対象は家族を失っている』なんてクリスちゃんの同情を誘うようなこと言うわけないわな。

 

「立花響。一年半前まで両親、祖母と同居。

……ツヴァイウイングのライブでの事件をきっかけに父親は家族から逃げ、現在も行方知れず。

母と祖母は過激派によって家を焼かれその中で焼死。

そのあと雨の中倒れてたのを俺が拾ったってとこだな。」

 

「そう……だったんですね…」

 

……あれ?未来ちゃん知らないのか……って当然か。

詳細は知らなくても、響の口から実の家族の話が出ない時点で未来ちゃんは薄々勘付いてたんだろう。

この優しい子が響の傷口を抉る可能性のある話を響にするわけない。

 

「そっ…か…あいつも家族を……」

 

「聡一さん、もし…もしですよ?……響のお父さんが響を連れ戻すってなったら…聡一さんはどうするんですか……?」

 

「……響の意見を聞いて、実の家族のそばにいたいってなったら響は親元に帰すさ。

俺のもとにいたいって言ってくれるなら……その時は、どんな手を使っても響は俺のそばに置く。」

 

そう。結局は響の意見が最優先だ。本人抜きで話なんぞできるか。

 

「……(響が自分を捨てた父親を選ぶとは思いませんけどね…)」

 

未来ちゃんに優しい眼で見られてる……なんでぇ?

あ、コーヒーちょっと冷めてる。今のうちに飲んどくか……

 

「なぁ、どんなこと言ってあいつを口説いたんだ?」

 

「ッ!?!?!?」

 

「あ、それは私も気になる。響にどんなこと言ったんですか?聡一さん。」

 

あっぶねぇコーヒー吹きかけた…!!

女の子の前で吹くわけにはいかねぇから頑張って抑えたが…いきなりビビらせないでくれよ、全く……

 

「…俺が拾った時の響は…なんていうんだろうな?この世界の全てにもう期待してないって言う感じの顔してたな……

それで、腹減ってるみたいだったからお粥出して、食べ終わって落ち着いてから色々聞いて…そうだな。さっきのクリスちゃんと一緒だ。理由も全部含めて響は悪くないってことを言ったんだ。

そしたら泣いて飛び掛かられた…あの時はビックリしたよ。で、泣き疲れたのか緊張の糸が切れたのか…そのまま寝ちゃってな。

で、次の日に朝飯一緒に食って…食い終わった時に聞いてみたんだ。

『響ちゃんさえいいなら…俺の娘にならないか?』って。

そしたら速攻で『なる!!』って…言ったこっちがビックリしたよ笑

まぁ、経緯はこんな感じだな。」

 

「「へぇぇ……」」

 

「……何よ?俺だってちゃんとする時はちゃんとするぞ?」

 

「いや、それは身をもって分かったから大丈夫だ。」

 

「まぁクリスはさっき口説かれたもんね。」

 

「あれ口説いた内に入るの!?」

 

え?あれ口説いてることになるの!?

俺としては大真面目に慰めたつもりなんだけど……

 

「冗談ですよ。…誰に対しても優しいんですね。聡一さんは。」

 

「まぁ、例外はいるけどな。

娘や未来ある子どもを傷つける奴に対しては遠慮も油断も加減も全部すっ飛ばしてぶっ潰す。」

 

アダムはグレーゾーン。

サンジェルマンはなぜかワーカーホリック気味らしいし……(漢女情報)

まぁ、本人がいいならいいけど……

 

その瞬間、温かい空気を打ち破る様にけたたましいサイレンの音が鳴り響いた。

 

「……おい、なんの騒ぎだ?」

 

「何って、ノイズが現れたのよ」

 

「ッ!?」

 

「警戒警報しらないの?」

 

そのままクリスちゃんは外に駆け出していこうとする…が、俺がそれを止める。

 

「ダメだ、クリスちゃん。今は大人しくシェルターに逃げてくれ。

クリスちゃんの身体はまだまだ万全とは言い難い。」

 

「それじゃダメなんだよ……!

あたしが!!ソロモンの杖を起動したから…こんなことに……!」

 

「…ハァ……クリスちゃん…どうしても、行きたいのか?」

 

「行きたいんじゃない…行かなきゃいけないんだ!!

あたしが行ってノイズを倒さなきゃ……!!」

 

「………そうか。

クリスちゃん、さっき言ったよな。どれだけ道を間違えても引き返してでも正すって。

あれに一つ追加だ。」

 

俺はクリスちゃんの頭をわしっと撫でた。

 

「………俺も一緒に背負ってやる。

(ソレ)はクリスちゃん一人が背負うにゃ、ちと重すぎる。」

 

「ッ…!!……頼って、いいのか?」

 

クリスちゃんは顔を俯かせながら聞いてきた…が、俺の答えは一つだけだ。

 

「俺が信じれないか?」

 

クリスちゃんは首を振った

 

「……あんた以上に信じれる大人は…パパとママ以外いない…」

 

「じゃ、信じてくれ。

……悪いな未来ちゃん、一人で行かせることになっちまって。」

 

「いえ…聡一さん、クリス、頑張ってください。」

 

「本っ当に強い子だな全く……

お詫びと言っちゃなんだが…コイツやるよ。」ポイッ

 

「わわっ!?」

 

俺は『紫色のトランシーバー』と『バットロストフルボトル』を未来ちゃんに渡した。

 

「トランシーバーの上の穴に挿してみな。」

 

「えっと…あ、ここですね。」カシャッ

 

トランシーバーの上部にボトルを挿すとトランシーバーが変形し、コウモリの形になり空を飛んだ。

 

「えっ!?」

 

「名付けて……『バットランシーバー』でいいか。

そいつはノイズも倒せる様に調整してあるから、シェルターまでの護身用に使ってくれ」

 

「あ…ありがとうございます…」

 

困惑してる……ごめんね?また今度ちゃんと説明するから今は許して?

 

未来ちゃんはnascitaを出てシェルターへとまっすぐ走っていった。

そして、俺とクリスちゃんはその逆方向へと向かっていった。

 

「さてと…クリスちゃん、背中は任せるぞ?」

 

「わかってらぁ!…そっちこそあたしの背中任せるからな。」

 

「任せときな。……傷一つ付けさせやしねぇよ。」

 

【コブラ…!】

 

「……蒸血…!」

 

【Mist Match……!】

 

【コブラ……!】

 

【コッ…コブラ……!…コブラ…!】

 

【FIRE!!】

 

 

「―――Killter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)―――」

 

「よし、行くぜ?クリスちゃん」

 

「蜂の巣にしてやるッッ!!」

 

 

さぁて……雑音駆除の開始と行こうかねぇ!

 




何気に今作初聖詠……
バットランシーバーの他にも、ボトルを用いた自立稼働ロボットは出てきます。
最初は、未来ちゃんにあげるのはラビットにしようかなぁとか考えてましたが、モチーフカラーの方がいいかと思い、コウモリにしました。異論は受け付けます。変更はできませんけど……

次回は掲示板回の予定です。

ウェル博士…人格改変してもいいですか?

  • ええで〜!
  • アカンわ!原作準拠!
  • ちくわ大明神
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