立花響の義父となりました、石動と申します。   作:CODEZERO

32 / 34
大晦日に買ったポケモンVとスプラ3を今週になってプレイできました。
どうも作者です。

……今回結構シリアス(のつもり)です。


『石動聡一』の葛藤

歌姫マリア含む武装組織フィーネが起こした世界への宣戦布告から2日、石動聡一は二課の基地へと呼ばれていた。

 

「うっす、来たぞ〜……真面目な話か」

 

石動はいつものように軽薄な口調で語り始めたが、呼ばれた部屋にいた風鳴弦十郎とフィーネこと櫻井了子の雰囲気から真面目な話であると察し、口調を変えた。

そして、櫻井了子は手に持っていたファイルから一枚のレントゲンを取り出し、石動へと手渡した。

 

「……なんだ、コレ?」

 

「響ちゃんの胸部……ガングニールの欠片が埋まっている部分を拡大して映し出した物よ」

 

「違う。それは見ればわかんだよ。……俺が言いたいのは欠片から伸びてるこの何本もの線の事だ」

 

そのレントゲンに写っていたのは、立花響の中にあるガングニールの欠片から全方位に伸びている何本もの線だった。

 

「その線はおそらく、ガングニールそのもの。

……聖遺物との融合症例なんて前例が無い。だからここまでなるのに気付かなかったのよ……」

 

「…おい、『ここまで』っつーのはどういうことだ?響の身体に何が起きてる?」

 

「簡単に言ってしまえば、彼女の身体をガングニールが侵食しているの。

………今までの戦いやその中で起きた暴走、そしてライブでの絶唱によって響ちゃんの中にあるガングニールは今、とてつもなく活性化しているわ……このまま戦い続ければ、響ちゃんは響ちゃんじゃ無くなってしまう」

 

「……………は?」

 

櫻井了子から告げられたその言葉に石動は呆然とした。

自分の娘が娘ではなくなる……その言葉を理解できなかった。

 

「おいちょっと待て…じゃあこれから響はどうなる?

あの子がガングニールを起動しなければその侵食は止まったままなのか?

それとも……あの子は…もう助からないのか…?」

 

「……最悪の場合として予想できるのは、このまま戦い続ければ響ちゃんはガングニール『そのもの』へと変化して……日本という国が持つ『聖遺物』という扱いになるかもしれない。

それに、戦わなかったとしてもどこまで保つかも怪しいの。

おそらく今のガングニールは起動しなくても普通に暮らしているだけで響ちゃんの身体を侵食し続ける……

そして、今の医療では彼女と『融合』しているガングニールを取り除く事はできない。

…………言いたくはないけれど……打つ手がないわ」

 

「弦十郎……お前が上に掛け合って、響を戦わせない様にする事はできないのか?」

 

打つ手がないのなら、せめて、少しでも長く生きられるようにというその願いは、首を横に振った弦十郎によって打ち砕かれた。

 

「…俺も既に上に掛け合った。返ってきたのは『現状、我が国に四人しかいない装者という対ノイズの戦力を削る事はできない』という言葉だけだ。……奴らにとって、所詮彼女らは道具なんだろうさ」

 

まるで自虐するかのように吐き出されたその言葉には、上の連中に対する怒りと自らの無力を呪うような後悔が見てとれるようだった。

 

石動は徐に立ち上がり、フラフラと覚束ない足取りで部屋の出入り口に向かっていった。

 

「………悪い、今は…何も考えたくない………」

 

その言葉を残し、石動聡一は部屋から出ていった。

………部屋に残されたのは、重い雰囲気を纏ったままの二人だった。

 

「………こっちでもどうにかできないか模索してみるわ……でも、あまり期待はしないで頂戴」

 

「悪いな、了子君……俺ももう一度、政府に掛け合ってみよう。……いざとなればこの拳を使ってでも響君の戦闘を止めさせてみせるさ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カフェ『nascita』に戻ってきた石動は入り口の掛札を《OPEN》から《CLOSE》に変え、カウンターにある椅子に座った。

 

「俺は……どうすればいい……?」

 

響の戦いを止める?

…あの子は優しい子だ。……誰に止められても、助けを求められたら答えてしまうだろう。

 

……わからない……もうわかんねぇよ……!

どうすれば正解なんだよ……全部が全部『偽物』の俺に正解なんてわかる訳ねぇだろ……!!

『星喰いの蛇』としても『偽物』。サンジェルマンの父親としても『偽物』。

響の父親としても、クリスの父親としても『偽物』…!!

 

「………『お前』が今もいてくれたら、もっといい答えも思いつくんだろうな……」

 

ずっと堂々巡りで定まらない思考。

その中で思い付くのが『アイツ』って……

 

「俺は今でも、お前に縋ってんのかよ……」

 

お前が居てくれたらどんな答えを出すんだろうな……なぁ……?

 

「『アウラ』………」




解説
『アウラ』
エボルトが救われた、生涯ただ一人の妻の名前の略。
フルネームは『アウローラ』。

意味はイタリア語で光のように澄み切った、明るい、眩いなど。
いつまでもエボルトパパの心を照らし続ける人の名前として丁度良いと考え、この名前にしました。
略はそれっぽい言い方してるだけなので、お気になさらず。

明日、もう1話投稿、頑張る。
だから今回短いのは許してください。

セレナ生存or原作通り?

  • 生存
  • 原作通り
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。