コレクターが行く 作:見切り発車
骸骨を殺そう!
【五千年分の命のアンデッド化を達成しました】
【条件解放により、【死霊王】への転職クエストが解放されました】
【詳細は死霊術師系統への転職可能なクリスタルでご確認ください】
「んー?」
カルディナの砂漠で死霊魔法を使っているうちにコレクトにアナウンスが流れた。
「やっぱりアンデットの生産が条件だったか。アンデット自体の性能は関係ないのはラッキーだったな。でもこれくらいなら誰でもできそうだが……」
コレクトはそうひとりごちる。たしかに五千年分の命のアンデット化だけならば達成している者もいるだろう。しかしコレクトは気づかないうちにもう一つの条件である怨霊のクリスタルの作成も終わらせていただけだった。
こちらを達成することも本来であれば難しく、だからこその超級職への転職条件であったのだがどちらも大して苦労せずにクリアしてしまったのはおそらく歴史でも初であろう。(ちなみにこちらは妖刀製作の過程で作ったことがあっただけだった)
なにはともあれ、新たな超級職を手に入れる機会があるということで確保しに行くことにした。
「まさかレジェンダリアの特定のクリスタルまで向かわないといけないとは……」
現在コレクトはレジェンダリアを歩いていた。
意気揚々と【死霊王】へと転職に向かったコレクトであったが、【死霊王】はレジェンダリアでしか転職することができずかなり移動に時間を取られてしまった。
幸いにしてあとは対して時間がかかるような道なりでもないため少し速度を落として移動しているという訳だ。
「ええと、ここをまっすぐ行くと速いかな」
レジェンダリアの地図は昔確保したことがあった為道に迷うこと無くたどり着けそうである。
「!よっと。そこか!」
いきなりコレクトを狙った複数の魔法が襲いかかった。もちろん完全に回避し、反撃の魔法を発動する。
「《サンドムーブ》」
コレクトが発動する粒子操作の基本魔法。だがしかし超級の魔法使いの使うそれは必殺のそれになる。
操作された砂は魔法を打って来た相手に対して魔法を叩きこんだ。ブローチも考慮し、叩き込んだのは一撃ではなく、2回3回と連撃を叩きこむ。
「これだけやれば十分か」
いきなりの攻撃者に対処し、しばらく歩いているとまた攻撃が飛んできた。今回も同じ魔法が飛んできたが、しかし今回の方が単純に数が多い。さっきの倍程度の数はあるし、威力も倍近い。
「なっ!?」
流石にこのレベルで威力が跳ねることは想定しておらず避けきれずに攻撃を受けるコレクト。幸いにして致命傷ではないが、右腕に魔法を受けてしまった。
そして、それだけの魔法を放って来た相手が姿を表す。
表れたのは骸骨だった。一言で表すのならリッチでり、その姿の通りアンデッドであった。そして頭上には【魔骸導師 マキシミニ】と表示されている。
「UBMか。伝説級くらいだな。しかし皮肉だな」
コレクトの推察はあっており、こいつは伝説級のUBMであり、さらに言えばアンデッドのUBMだ。今、コレクトが取りに行っている【死霊王】となにか縁を感じざるを得ない。
「なにはともあれ、私の邪魔をするならさっさと死んでもらおうか」
今ここに、戦いの火蓋は切って落とされた。
……それが戦いになるかはともかくとして。
最初に動いたのはマキシミニ。マキシミニは死霊魔法を発動しコレクトの呼び出した霊にコレクトを拘束させた。拘束は即座に振り払われたが、その隙に大量の呪いを付与する魔法を放った。
放たれた魔法を見ても避けようとしないコレクト。魔法はみごとに直撃し、コレクトは複数の状態異常に掛かる。
これを見て勝利を確信したマキシミニ。かなりの魔力を込めたそれはレジストできるものではなく、致命に至るだけの呪いを付与できたと確信したからだ。
「そら、お返しだ。《サンドミキサー》」
しかし、コレクトは何事もなかったかのように現れた。
一切の影響を受けていないように魔法を発動しマキシミニを砂の渦に閉じ込めた。
砂の渦は一切の容赦なく、マキシミニのアンデッドの体を削り落としていく。
抵抗しようと魔法を発動するマキシミニだが、大量の魔力を込められた《サンドミキサー》にかき消され意味をなさない。
マキシミニはなすすべもなく《サンドミキサー》にすり下ろされた。
しかしマキシミニもアンデッド系のUBM、《サンドミキサー》を食らってもまだかろうじて生きていた。
「ん?まだ生きてたか。無駄に頑丈なことだ」
なんとか《サンドミキサー》を耐えきったマキシミニは後ろに下がりながら全力の魔法を放とうとするが、そんな甘い行動を許すコレクトではない。
後退するマキシミニに超音速起動で近づき、刀を抜いた。
「《呪転撃》」
振るうは特典武具。
自身に降り掛かった異常を攻撃力に変換するもの。
大量の状態異常を与えたのはマキシミニで、これは自業自得であろう。
マキシミニは想定外の超音速起動に対応できるはずもなく、その一撃をなす術なく受ける。
その威力は満身創痍のマキシミニのHPを削りきって余りある。
その朽ちた肉体は自らの与えた呪いを返され、この世から消え去った。
【<UBM>【魔骸導師 マキシミニ】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【コレクト】がMVPに選出されました】
【【コレクト】にMVP特典【魔骸杖 マキシミニ】を贈与します】
「ん、効果は……魔法強化系のスキルかな。まあ今は【死霊王】の確保を急がないと」
そう言いながら走りだそうとするコレクト。
しかし、走りだそうとするコレクトを邪魔する声がかかった。
◆
彼らは焦っていた。自分たちが管理する土地にいつの間にかUBMが住み着いていたからだ。
しかし、その場にいた彼らにUBMを討伐するだけの実力はなく、一度帰らざるを得なかった。
そうして一度村に帰り、戦力を整え、討伐までは行かなくてもせめて何処かに追いやろうとUBMを探していると大きな音が聞こえたのだ。
音の発生源に向かうとそこには1人の人がいた。
彼らの目的はUBMであったが、自分たちの土地に無断で入る者を見逃すこともしない。
ゆえに声をかけることは必然で、返された言葉に納得することもできなかった。
「何者だ!なぜここにいる!」
「?ティアンか。別に、歩いてるだけが」
「ここは我らの土地だ!早く出ていけ!」
「ここに用はないからすぐ出るよ」
言い方に少しイラつきを感じたようだが、出ていくというのなら特に言うことはない。
「そうそう、ここらにUBMがいる筈だから気をつけろよ」
注意を言ったのはただの親切心で、それに帰ってくる言葉に驚いたのも無理はない。
「ああ、マキシミニのこと?あれなら倒したけど」
「マキシミニ?何のことだ?」
「え?」
「たしか名前は、カースドb」
ちょうどその時、まるで狙っていたかのようなタイミングでそれは現れた。
それは獣の姿をしていた。
それは怨念を身に纏っていた。
それは自らの縄張りへの侵入者への殺意を隠す気は欠片も無かった。
それは彼らの都合など考慮せず襲い掛かった。
今ここに、対UBM戦2回戦の火蓋が切って落とされた。
こいつは2次創作らしく盛りに盛ったキャラ。名はコレクト。超級で魔法剣士ビルド。
次の話は明日とか。