奈落の子育て事情   作:フドル

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誤字脱字報告ありがとうございます!

またこれ含めて2話出来たので投稿していくぞ〜


ハイハイと倒壊。そして遭難者

1:名無しの探窟家

次スレが出来てしまった。

 

2:名無しの探窟家

まさかここまで話が続くとは思わなんだ

 

3:名無しの探窟家

それもこれもイッチが悪いんだ!

 

4:名無しの探窟家

ほっといたらマジで何してるか分からないもんなぁ

 

5:名無しの探窟家

あの後からここに姿を現さないのがすっごい不安

 

6:名無しの探窟家

スーって現れてミラヴィー死んじゃった☆って報告してきそう

 

7:名無しの探窟家

やめろぉ!

 

8:名無しの探窟家

あり得そうなんだよなぁ

 

9:名無しの探窟家

俺らってイッチに無茶振りを言って反応をニヤニヤしながら見るのが生き甲斐なのになぁ……

 

10:名無しの探窟家

躊躇いなくおかのした言って行動するから冗談も言えないし怖い

 

11:名無しの探窟家

疑う心はどこ行ったんだよ

 

12:名無しの探窟家

家出したんじゃない?

 

13:名無しの探窟家

そのお陰で邪悪なスレ民はつまんなくなったのか消えたけどな

 

14:困ったゴーレムだったもの

なんか新しいスレ出来てるやん

 

15:名無しの探窟家

イッチ!

 

16:名無しの探窟家

ミラヴィーちゃんは生きてるかイッチ!

 

17:名無しの探窟家

殺してないだろうなイッチ!

 

18:困ったゴーレムだったもの

>>17 俺がミラヴィーを殺すわけないだろ

 

19:名無しの探窟家

>>18 ……本気で言ってる?

 

20:名無しの探窟家

>>18 ははは、面白い冗談だな

 

21:名無しの探窟家

>>18 今までの行動を振り返ろ?

 

22:名無しの探窟家

>>18 寧ろ殺しにいっているんじゃないかと思ってるんだけど?

 

23:名無しの探窟家

>>18 ドロドロ離乳食事件を俺らは忘れてないからな?

 

24:困ったゴーレムだったもの

そんなことよりお前達に報告がある。良い方と悪い方、どっちから聞きたい?

 

25:名無しの探窟家

あの事件をそんなことで片付けるイッチ流石やわぁ。って感心してたらとんでもねー爆弾投げてきやがった

 

26:名無しの探窟家

イッチが悪いと認識してることなんて聞きたくないんだけど……

 

27:名無しの探窟家

原作が崩壊してもあーあで済ませそうなイッチが言う悪いだもんなぁ

 

28:名無しの探窟家

でも良い方も聞きたくないぞ!

 

29:名無しの探窟家

ミラヴィーちゃんを使って実験に成功しました!とか言って度し難画像を貼ってきそう

 

30:名無しの探窟家

うわ、確かにイッチならそれを良い方って言いそう

 

31:名無しの探窟家

一気に聞きたくなくなってきたなぁ

 

32:困ったゴーレムだったもの

決まらないなら俺が決めた方から話すぞ〜

 

33:名無しの探窟家

えぇ……?

 

34:名無しの探窟家

聞 く こ と が 確 定 し て い る

 

35:名無しの探窟家

たまげたなぁ……

 

36:名無しの探窟家

逃す気なくて草枯れる

 

37:名無しの探窟家

イッチからは逃げれない

 

38:名無しの探窟家

>>37 このスレから出れば逃げれるぞ(ボソッ

 

39:名無しの探窟家

>>38 それは言ってはいけないお約束

 

40:名無しの探窟家

反省を促すダンスの準備しとくか?

 

41:名無しの探窟家

えぇい!覚悟を決めるんだ!イッチ基準の良い方で頼む!信用出来ないがな!!

 

42:困ったゴーレムだったもの

おかのした。ほらこれが良い方だ

【動画添付】

 

43:名無しの探窟家

お、おぉ?

 

44:名無しの探窟家

ミラヴィーちゃんハイハイしてるやん!

 

45:名無しの探窟家

動画開くのにすっごい迷ったけど覚悟を決めて見てみるとホッコリした

 

46:名無しの探窟家

あぁ〜、これは良い報告だぁ

 

47:名無しの探窟家

ちゃんと成長してて嬉しい。嬉しくない?

 

48:名無しの探窟家

でも何で祈手(アンブラハンズ)がいるんですかねぇ?

 

49:名無しの探窟家

やめろ、みんな意識して無視していたんだから

 

50:名無しの探窟家

ミラヴィーちゃんがハイハイしてる奥の方で祈手の仮面が光ってるのよ

 

51:困ったゴーレムだったもの

祈手にはあれから同じ遺物とか使わない遺物の量が増えたら引き取りに来てもらってるのよ

 

52:名無しの探窟家

あぁ、恋愛寄り日常系アニメのマンションとか団地でよくあるカレーを作りすぎたからお裾分けみたいな感じね

 

53:名無しの探窟家

ご近所付き合いじゃねーかw

 

54:名無しの探窟家

まぁ、お隣さんだし多少はね?

 

55:名無しの探窟家

スケールがデカイお隣さんだなぁ

 

56:名無しの探窟家

四層と五層をお隣さんで済ましていい距離なのか?

 

57:名無しの探窟家

世界線が違うけど同じアビスにいるものとしてはその感覚は理解出来ないぞ

 

58:名無しの探窟家

だよなぁ

 

59:困ったゴーレムだったもの

でもみんな気楽に来てるしお隣さんでいいんじゃない?

 

60:名無しの探窟家

気楽?(ガッチガチに装備をつけた祈手を見ながら)

 

61:名無しの探窟家

どこからどう見ても気楽に見えないんだよなぁ

 

62:困ったゴーレムだったもの

層を怪我なく移動出来るなら気楽に入ると思うぞ!他の探窟家達と比較すると祈手は楽にここまで来てるからな

 

63:名無しの探窟家

確かに五層から四層まで上昇負荷を除いて怪我なく移動出来るって気楽に入るのか?

 

64:名無しの探窟家

五層はともかく四層はタマちゃんがいるからなぁ。遭遇する可能性が高いところを避けてイッチのところに来るのは中々大変だと思うぞ

 

65:困ったゴーレムだったもの

四層に初めて入った奴は見てるとすぐに分かるぞ。ダイラカズラから出る湯気で見にくいとはいえアイツらタマちゃんの痕跡とか気にしないでズカズカと縄張りに入っていくからな

 

66:名無しの探窟家

んでタマちゃんに出会って抵抗虚しく殺されると

 

67:名無しの探窟家

後にクオンガタリも来るとか四層の殺意高くない?

 

68:名無しの探窟家

そいつらが蔓延る四層を怪我なく移動出来る祈手からすると確かに気楽だな!ヨシ!

 

69:名無しの探窟家

こうやって話を聞いてると本当によくリコ達はここを通り抜けれたよな

 

70:名無しの探窟家

タマちゃんに殺されかけてるで(ボソッ

 

71:名無しの探窟家

生きてるからヨシ!

 

72:名無しの探窟家

ぶっちゃけ奇跡の連続やしなぁ。ゲームでは奇跡が起こらなかったパターンが何箇所か見れるぞ(ゲス顔

 

73:名無しの探窟家

きゃぁぁぁぁぁぁ!!!(レグに足から焼かれるリコ)

 

74:名無しの探窟家

初見で笑ってしまったやつを出すのはやめろぉ!

 

75:名無しの探窟家

ふぅ……盛り上がって来たところで何だがそろそろ本題にいこうか

 

76:名無しの探窟家

本題……知りませんねぇ

 

77:名無しの探窟家

もうこのままミラヴィーちゃんのハイハイ眺めとこうぜ?その方が平和だと思うんだ

 

78:名無しの探窟家

覚悟を決めろぉ!イクゾォ!イッチ!悪い方を頼む!!

 

79:困ったゴーレムだったもの

あいよぉ!

【画像添付】

 

80:名無しの探窟家

ぎゃぁぁぁぁぁ!!って、あれ?

 

81:名無しの探窟家

ここイッチの拠点じゃね?

 

82:名無しの探窟家

パッと見た限り何も問題なく感じるけど?

 

83:名無しの探窟家

いや待て、なんで何もないんだ?家があったはずだぞ?

 

84:名無しの探窟家

あ……もしかして奥の方に積み上がってる木材って……

 

85:名無しの探窟家

俺の家ぇぇぇぇぇ!!!!

 

86:名無しの探窟家

大工ニキw

 

87:名無しの探窟家

大工ニキの魂の叫びが聞こえてくるなぁ

 

88:名無しの探窟家

家が倒壊しとるw

 

89:名無しの探窟家

何があったん?説明よろ

 

90:困ったゴーレムだったもの

四層って湿気が凄くて地味に蒸し暑いのよ。俺は気にならないんだけどミラヴィーに何かあれば困るから扇風機とか冷房とかの涼しくなる系の遺物は無いかなって辺りを探してたのよ。でも見つかる気配がなくてどうしようかなぁって思ってた時にボンドルドなら何か持ってるかなって思い至って聞いてみたら持ってるって言うから受け取りに行って拠点で早速試したら家が吹き飛んだ。

 

91:名無しの探窟家

つまりこうだな?

イッチ「ボンドルド〜、(そよ風程度の)風が出る遺物とかある〜?」

ボ卿「おやおや、(周り全体を吹き飛ばす威力の)風が出る遺物ならありますよ。」

 

92:名無しの探窟家

うーん、悲しいすれ違い

 

93:名無しの探窟家

その結果がこれである

 

94:困ったゴーレムだったもの

いやー、アンカーを打ち込まないといけない時点でなんかおかしいとは思ったんだけどなぁ

 

95:名無しの探窟家

そこで気付けよw

 

96:名無しの探窟家

明らかに威力が強いから固定して使う前提の遺物じゃないか!

 

97:名無しの探窟家

疑問顔になりながらもアンカーを地面に打ち込むイッチの姿が見える見える

 

98:名無しの探窟家

ところでその扇風機みたいな遺物ってどんな見た目なん?世界線が違うとはいえ同じアビス住民として見てみたい

 

99:困ったゴーレムだったもの

こんな見た目やで、ボンドルドは結構昔に見つけてそのうち武器開発に使うつもりですって言ってたから原作始まってたらもう無いと思うぞ

【画像添付】

 

100:名無しの探窟家

でっっっっっか!!!

 

101:名無しの探窟家

どこをどう見たらこの大きさでそよ風程度の風だと思うんだ

 

102:名無しの探窟家

イッチwこれはアンカーで疑問に思うより前に見た目で疑問に思わないといけないやつだぞw

 

103:名無しの探窟家

地味にイッチがボンドルドと仲が良いお陰で俺らが知らないことがイッチ経緯で入ってくるっていうな

 

104:名無しの探窟家

他に何か情報無ーい?

 

105:困ったゴーレムだったもの

最近なら外に出てったぞ?祈手(ボンドルド)に聞いてみたらえーと、どこだっけ?国名は忘れたけど雪国に行くって言ってたな

 

106:名無しの探窟家

祈手に聞いても教えてくれるのかと一瞬思ったけどイッチの言い方的にこれボンドルド出てきてるじゃん!

 

107:名無しの探窟家

しれっと出てきてるのに草生えるわ。

 

108:名無しの探窟家

雪国かぁ、何しに行くんだろ?イッチは知ってる?

 

109:困ったゴーレムだったもの

知らん。今までもちょくちょく外に出て行ってたから気にしたことも無かったわ。ちょっと前から帰りにお土産持ってきてくれるようになったからそれは楽しみだけど

 

110:名無しの探窟家

oh……ボンドルドのイメージが崩れていくぞ

 

111:名無しの探窟家

因みにお土産ってどんなやつ?

 

112:名無しの探窟家

あ、俺も気になる

 

113:名無しの探窟家

確かに。あのボンドルドが持ってくるやつっていうだけで興味があるぞ

 

114:困ったゴーレムだったもの

そんなみんなが期待するものじゃないぞ?言語表とか文字の読み書きとか玩具とかやで

 

115:名無しの探窟家

えぇ?意外だわ

 

116:名無しの探窟家

もっと度し難だと思ってたわ。人の手脚とかそんな感じのやつ

 

117:名無しの探窟家

>>116 それはイッチが嫌がるやろ。嫌がるよね?

 

118:困ったゴーレムだったもの

>>117 いや、別に?貰えたら遺物の効果確認にも使えるし……

 

119:名無しの探窟家

喜んじゃってるよ

 

120:名無しの探窟家

これは度し難ポイント増量だわ

 

121:名無しの探窟家

>>120 ポイント貯まるとどうなるの?

 

122:名無しの探窟家

名誉ボンドルド賞を授与します

 

123:名無しの探窟家

何それw

 

124:名無しの探窟家

でも玩具ってことは明らかミラヴィーちゃんを意識してるよね

 

125:名無しの探窟家

ボンドルドもなんだかんだパパだしな

 

126:名無しの探窟家

なおその娘の末路は……

 

127:名無しの探窟家

ヤメロォ!(建前)やめて(懇願)

 

128:困ったゴーレムだったもの

まぁ、玩具に関しては遺物の回収に来た祈手にミラヴィーの遊び道具が欲しいって愚痴ったら持ってきてくれたんだけどな

 

129:名無しの探窟家

そういえばミラヴィーちゃんの遊び道具は無いな

 

130:名無しの探窟家

アビスにそんなもの期待するわけにはいかんのがなぁ

 

131:名無しの探窟家

それ以前にイッチがミラヴィーちゃんの遊び道具のことに思い至って祈手に愚痴るところまでいってることが奇跡だわ

 

132:名無しの探窟家

安定と信頼のイッチの子育て能力の信用の無さ

 

133:困ったゴーレムだったもの

最初はミラヴィーの目の前に俺の髪の毛をチラチラさせて遊んでたんやけど祈手にそれは止めろって注意されたから代わりの遊び道具が無いって愚痴る羽目になったんだよなぁ

 

134:名無しの探窟家

ちょっと待て。聞き捨てならないことを聞いたぞ

 

135:名無しの探窟家

確かイッチの髪って……

 

136:名無しの探窟家

あっ(察し)

 

137:名無しの探窟家

そりゃ祈手も止めるわ

 

138:名無しの探窟家

イッチ、髪カットしようか?

 

139:名無しの探窟家

やっぱりミラヴィーちゃんに危機迫ってるじゃねーか!

 

140:名無しの探窟家

ほんと……ほんとにもう……

 

141:名無しの探窟家

安価の結果なのに髪切れニキいるの笑うわ

 

142:名無しの探窟家

タマウガチと同じ材質・性質の髪を赤ん坊の遊び道具にするなんてボンドルドでもしないぞ

 

143:名無しの探窟家

先端触るとグッサリぞ?

 

144:名無しの探窟家

毒も入ってグッバイだな

 

145:困ったゴーレムだったもの

毒はオンオフ可能だからセーフ!

 

146:名無しの探窟家

アウトだよ!!

 

147:名無しの探窟家

イッチの髪の毛は遊び道具にしてはいけない。リピートアフターミー!

 

148:困ったゴーレムだったもの

つまり……尻尾だな?

 

149:名無しの探窟家

それもアウト!!!だよ!!!

 

150:名無しの探窟家

イッチは尻尾からも毒針出せるでしょ!ミラヴィーちゃんに刺さったらどうするんだ!

 

151:名無しの探窟家

間違えてカッショウガシラの毒を出したら目も当てられないぞ

 

152:名無しの探窟家

アニメ展開なら鬱シーンに入るわ

 

153:名無しの探窟家

イッチの尻尾と髪取り外せよ

 

154:名無しの探窟家

尻尾はともかく髪外したらハゲになるぞw

 

155:名無しの探窟家

ハゲのイッチかぁ……ありか?

 

156:名無しの探窟家

>>155 無しだよ!

 

157:名無しの探窟家

髪なら祈手の仮面貰えば良くない?

 

158:名無しの探窟家

それなら髪も隠せるか?

 

159:名無しの探窟家

攻撃時は中から仮面突き破れるから不意打ちにもピッタリやん

 

160:名無しの探窟家

それなら……いけるか?

 

161:困ったゴーレムだったもの

>>157 仮面はボンドルドから拒否された。流石に祈手の象徴である仮面は仲間になってくれないと渡すことはできないってさ

 

162:名無しの探窟家

意外と真面目な理由だった

 

163:名無しの探窟家

イッチってボンドルドの仲間じゃないの?(曇りなき眼)

 

164:名無しの探窟家

仲間だよなぁ

 

165:名無しの探窟家

もう仲間でいいだろ

 

166:名無しの探窟家

現にミラヴィーちゃんが祈手と遊んでるじゃねーか!

 

167:名無しの探窟家

あれはあれ、これはこれ

 

168:名無しの探窟家

マジレスすればボンドルドの仲間基準は『精神隷属機(ゾアホリック)』を使ったかどうかだと思うからイッチは良き隣人枠か?

 

169:困ったゴーレムだったもの

ボンドルドは付かず離れず、程よい距離感で付き合うのが良いぞ

 

170:名無しの探窟家

はぇ〜、ボンドルドに会ったら参考にしよ

 

171:名無しの探窟家

そういえばボンドルドに言語表とか貰ってるらしいけどミラヴィーちゃんってもう話せるの?

 

172:困ったゴーレムだったもの

意味は伴わないけど言葉自体は出してるぞ

 

173:名無しの探窟家

おぉ、ミラヴィーちゃんがしっかり育ってきてるのに感動するわ

 

174:名無しの探窟家

そのまま言葉を話せるようになってミラヴィーちゃん自身の意思でイッチの度し難行為を止めてくれ……

 

175:名無しの探窟家

ミラヴィーちゃん「ママ!何このドロドロしたやつ!食べたくない!」

イッチ「好き嫌いとお残しは許さないぞ〜(無理矢理口に入れる)」

 

176:名無しの探窟家

…………

 

177:名無しの探窟家

…………

 

178:名無しの探窟家

………あかん、普通に想像出来た

 

179:名無しの探窟家

言葉で否定するより泣きながら暴れて否定した方が良くない?

 

180:名無しの探窟家

好き嫌い以前の問題なんだよなぁ……

 

181:困ったゴーレムだったもの

流石に簡単な飯ぐらいなら作れるぞ。それより大工ニキおる?

 

182:名無しの探窟家

俺の家ぇ……

 

183:名無しの探窟家

大工ニキ立ち直れていないw

 

184:名無しの探窟家

そりゃ(良い仕事したのに次見た時には無惨に倒壊してたら)そうよ

 

185:名無しの探窟家

イッチに悪気は無いといえダメージデカいよなぁ

 

186:名無しの探窟家

アビスで悪気がないならセーフはアウト思考なんよ

 

187:名無しの探窟家

その考え方だとボンドルドもセーフになるからな

 

188:困ったゴーレムだったもの

>>182 大工ニキ、早く生き返ってもろて。大工ニキの知識がないと家が建てれないしミラヴィーが野宿する羽目になるぞ

 

189:名無しの探窟家

なんか原因がミラヴィーちゃんを盾にして凄いこと言ってるなぁ

 

190:名無しの探窟家

誰のせいだと

 

191:名無しの探窟家

だぁぁぁぁぁああああ!!!やってやらぁ!!祈手がよく来るならそいつらの客室も必要だろ!?新しく設計図ひいてくるから家を建てるのは明日からな!!

 

192:名無しの探窟家

1日で出来るのか……

 

193:困ったゴーレムだったもの

>>191 大工ニキありがとナス!お礼と言っては何だけど画像送っておいたから見てみてくれ

 

194:名無しの探窟家

イッチのお礼は恐ろしいなぁ

 

195:名無しの探窟家

ぐはぁ!?

 

196:名無しの探窟家

>>195 大工ニキ!?どうしたんだ!?

 

197:名無しの探窟家

>>195 何か変なものでも写っていたのか!?

 

198:名無しの探窟家

>>195 返事をしてくれ!

 

199:名無しの探窟家

中身も性格も知っているのに……あの顔は……卑怯だろうが……ぐふぅ……

 

200:名無しの探窟家

大工ニキ?大工ニキィィィィィイ!!!!

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

「畜生、完全に迷ってしまった……。」

 

 深界三層、大断層。まっすぐに巨大な縦穴が貫く断崖絶壁。その壁にぽっかりと空いているいくつもの横穴の一つで探窟家の青年は困ったような顔でヘルメット越しから頭を掻く。

 

 青年は先日見事に昇格試験を合格し、月笛になることが出来た。そのことを先輩方や青年の師匠、それから同期の仲間達が盛大に祝ってくれたのだ。

 

 特に同期の中では1番に月笛になることが出来たので、向けられる羨望の眼差しが大変心地良かった。それから1週間、身体を休めて英気を養えと師匠に言われてアビスに挑むのは我慢していたが、青年の身体はずっとソワソワしていた。その青年の姿を見て親に揶揄われたのは青年の良い思い出だ。

 

 しっかりと準備をして師匠から昇格祝いとして渡されたピッケルを背負って準備完了。家族に見送られた青年は憧れを胸に更に深くアビスへと潜っていく……。それはここ、オースの街ではきっとありふれたことなのだろう。

 

 そして探索途中で凶暴な原生生物に襲われることも探窟家達の中ではありふれたとは言わずともよくあることだろう。しかし青年は自分を追いかけて来た原生生物から運良く逃げ切ることが出来た。その代償と言えばいいのか分からないが青年を諦めきれない原生生物が横穴に無理矢理入ってきたお陰で横穴が崩落し、帰り道が無くなってしまったが……。

 

 青年が何度も三層を訪れていれば代わりの帰り道を見つけることも出来ただろう。しかし青年はこれが三層初挑戦。三層の地理に疎く、上昇負荷を我慢しながら手当たり次第に上へと登ってみるがどれも途中で行き止まり。断崖絶壁を伝って別の横穴に入ろうかと考えたが、横穴から外を見てみるとベニクチナワがマドカジャクを相手に暴れ狂っている。大変気が立っているようで、そんな奴が外で飛び回っている状態で壁を伝う勇気は青年には無かった。

 

 上には戻れず、壁を伝うことも出来ない。悩みに悩んだ青年が出した結論は下へと降りることだった。この場に留まって救助を待つという考えも思いついたがこの横穴は壁が厚く別の横穴から掘って侵入することは不可能に近い。そもそも三層で探窟家が救助される確率はかなり低く、期待するだけ無駄だろう。それに入り組んだ迷路のような三層より、下のひらけた場所が多い四層の方が他の探窟家と出会える可能性が高いだろう。その探窟家の帰路に同伴させてもらえば生還できる確率が更に上がる。

 

 幸いにも無理せず逃げたお陰で武器はほとんど消耗していない。食糧も三層に初挑戦ということで余分に持ちこんできたのでまだまだ余裕がある。仮に誰も来なくて食糧が尽きて餓死。または原生生物に殺されることになるのなら、まだ見たことがない世界を見てから死にたい。そんな想いを胸に青年は四層へと挑戦した。

 

 息を潜め、ゆっくりと進む。警戒は厳に、青年は師匠の言葉を思い出しながら確実に歩を進める。生きて帰りたいのなら四層に着くとすぐに身を隠しジッとして他の探窟家を待つのが正解なのだろう。しかし青年はこんな状況でも初めて見た四層の景色に興奮し、子どもの頃から培ってきた憧れの感情のままに歩を進めた。

 

 そんなことをした者はそのうち原生生物に遭遇し、呆気なく殺される可能性が高い。だが今回は運が青年の味方をした。

 

「何だこれ……?歌声?」

 

 四層の景色を目に焼き付けていた青年に聞こえてきた少女の歌声。それに惹き寄せられるように青年は歩いていき、尻尾が生えた少女が木を素手で破壊する瞬間を目撃してしまう。

 

 その光景に青年は放心してしまったが、少女の後ろから縄張りを荒らされたことで怒り心頭のツノナキを見て我に帰る。危ない、そう警告の声をあげて駆け出そうとした青年だが、その声を出す前にツノナキの頭が宙を舞う。頭が無くなったことに気付かない身体が少女の横を通り過ぎ、数歩歩いてから力無く地に伏したことで駆け出そうと前傾姿勢になった青年は硬直した。

 

「何で硬まってるか知らねーけど気付いているから出てきたら?」

 

 興味が無さそうな冷たい瞳で頭部を失ったツノナキを見下ろしていた少女から声をかけられたことで漸く青年は硬直から戻ることが出来た。少女はまっすぐに青年が隠れている木を見つめており、気付いていることは本当だろう。このまま隠れ続けていても少女からの印象が悪くなるだけなので慌てて青年は木の後ろから飛び出し、根っこに引っかかってずっこけた。

 

「イッテェ!」

「何やってんだか……立てるか?」

「あぁ、ありがと──」

 

 しゃがみ込んで青年に手を差し出す少女。それに感謝の言葉を出そうとした青年だが、顔を上げた先で見えた景色に絶句する。

 

 少女の服装はアビスには似合わないワンピースで丈は膝にいくかいかないかぐらいの長さだ。それが青年のすぐ前でしゃがみ込んでいる。つまり、青年の角度によっては中が見えてしまうのである。

 

「何で顔を真っ赤にしてんだ?」

「……何でもない!」

 

 不思議そうな顔をした少女を見て青年は慌てて立ち上がる。さり気なく顔を触ってみるとそこそこの熱を持っており、少女の言葉通りなら今の青年の顔は真っ赤になっているのだろう。青年が経験豊富ならそんなことにはならなかったのだが、今の今までアビスのことしか考えなかった青年には刺激が強すぎたようだ。

 

「ホントに大丈夫か?辛いんだったら膝枕ぐらいならしてやるが?ほら。」

「大丈夫!!そんなことより自己紹介しよう!俺はクーグツっていうんだ!君は!?」

「えぇ?何でそんながっつき気味に言ってんの?俺はともかく他の子にはひかれるぞ?マメナルだ。」

 

 しゃがみから正座に移って太ももをポンポンと叩く少女……マメナルの提案を本気で検討して何とか我慢した青年……クーグツが話を逸らそうと大声で自己紹介を始める。クーグツがこんなことになった原因であるマメナルはズレたアドバイスを言いながらも自身の名前を告げた。

 

「それで?クーグツは探窟家だろ?こんな端にまで来るってことはなんか目的でもあるのか?俺はここの層に詳しいから行きたいところがあるなら案内してやるが?」

「確かにマメナルの言う通りに俺は探窟家なんだけど──」

 

 クーグツの装いを見て探窟家だと当たりをつけたマメナルにクーグツは自身がここに来た経緯を話した。別に渋るような話でも無いし、この短いやり取りでマメナルのことはなんとなくだが信用しても良いとクーグツは思ったのだ。

 

「ふーん、三層から出れなくなってジッとしているより四層の方が人と出会える確率が上がるから降りてきたと……なかなかガッツあるな。」

「そ、そうか?」

「それに運も良い。クーグツが言っていた最初の分かれ道。逆に進んでいたらタマウガチの縄張りだぞ。そしたら今頃は愉快な飾り物になってたな!」

「そ、そうか。ハハハ……。」

 

 運が良いと朗らかに笑うマメナルにクーグツは苦笑いしか返せなかった。半分の確率で今頃自分はタマウガチに殺されていたのだ。苦笑い以外どうしろというのがクーグツの内心だった。

 

「マメナル。ここに詳しいんだったら他の探窟家と出会いやすい場所ってあるかな?」

「ある……けど俺の確認した限りだと今この層に探窟家はいないぞ?1人は先日五層に行っただろ?3人で来たやつは熟練っぽかったけどタマウガチに不意打ちで殺されて現在進行形で飾り物だろ?一昨日来た自信満々の奴は四層初挑戦っぽかったな。タマウガチを運良く素通り出来たのは良かったけど確かアカリハライに挑んで死んだっけ?今頃は雛の餌だな。」

 

 数えるように指を一つずつ伸ばしてこの層の探窟家の状況を教えてくれるマメナルにクーグツは内心絶望する。どうやっても帰ることが絶望的だからだ。確かにクーグツは死ぬなら行けるところまで行って死にたいと考えたが、帰れるのなら帰りたいのが本心だ。だってそうした方がより深く潜れる可能性が出てくるから。

 

 残っている希望は先日五層に行った探窟家だが、その人が無事に帰ってくる保証なんて何処にもない。何なら五層はとても広く、もし帰ってくるとしてもそれがいつになるかは分からない。

 

「んー?そんな顔してどうした?思い当たる知り合いでもいたか?」

「いや、帰るのは絶望的だなって思って……。」

「そういや帰りたいんだっけ?そのために降りてきたんだったな。」

 

 項垂れるクーグツにマメナルは少し考えるような仕草をするが、すぐに考えは纏まったようで顔を下に向けているクーグツの頬を両手で挟んで自分の方へと無理矢理向ける。

 

「なら俺が連れていってやろうか?」

「えっ?でも……いいのか?」

「もう少ししたら客人が来るんだけどその後でいいならな。」

 

 マメナルの提案を最初は無理だと言おうとしたクーグツだったが、木を素手で粉砕する力とツノナキを一撃で殺した実力を思い出した。客人が来るまで待たなければいけないが、それでも十分だ。

 

「ありがとう!お礼といってはなんだけど、俺に出来ることならなんでもやるぞ!」

「まだ送ってもないのに気が早いなぁ。でもなんでもか……覚えておくぞ。とりあえず暫くは俺のところで泊まっていけ。」

 

 なんでも。そうマメナルが口にした時に悍ましい表情になったような気がしたが、すぐに後ろを向いてしまったので確信にまでは至らなかった。クーグツは疲れていて見間違えたのだと思うことにしてマメナルの後を追いかける。

 

 因みにマメナルが持っていた木を代わりに持とうとしてクーグツは潰れかけた。膂力が違うので当たり前である。クーグツは女の子の前では見栄を張りたい性格みたいだ。

 

 

 

 

 

「着いたぞ。腰は大丈夫か?」

「すまん、だいぶ良くなったよ。」

 

 自業自得で危うく探窟家人生が終わるところだったが、クーグツは無事にマメナルの拠点に辿り着いた。広い広場の真ん中に小さな小屋がポツンと建っている。それよりも気になるのは端っこの方にあるガラクタの山と木材の山。マメナルに聞こうとクーグツは考えたが、何も聞くなオーラをマメナルから感じたので意図的に無視した。

 

「それからこれがミラヴィーだ。仲良くしてやってくれ。」

「あーう!きゃー!」

「ミラヴィーちゃんね。よろしくな!……って赤子!?」

 

 マメナルが拠点に鎮座していた手の遺物から赤子……ミラヴィーを取り出してクーグツに向ける。初めは普通に挨拶をしたクーグツだが、すぐにこの場所ではあり得ない存在に驚きの声をあげる。しかしマメナルは聞き慣れているのか特に気にすることなくミラヴィーを抱えたまま小屋へと向かっていった。

 

「えっ?何で赤ん坊?えっ?」

「今から飯作るけどなんか食べれないやつとかあるかー?」

「特に無いけど……いや、だから何で赤ん坊がここに!?」

 

 小屋から聞こえた声に答え、その後に自分の疑問にまだ答えてもらってないことを思い出して問いただすためにクーグツは小屋へと走った。料理の手伝いを優先したため結局聞くことは無かったが。

 

 それからクーグツは暫くマメナル達とともに過ごすこととなる。しかしクーグツにとっては色々と大変だった。例えば──

 

「ふー、良い湯だな。」

「湯加減どうだー?」

「ちょうど良いよ!」

「そっか、んじゃあそっち行くわ。」

「へっ?ぶっ!?何で入ってくるの!?」

「あー?別にいいだろ?あとから湯を沸かしなおすのも面倒くさいし一緒に入ってしまえば。」

「あうー!」

「良くない!せめて隠して!」

「面倒。」

 

 風呂に入っている最中にマメナル達が乱入してきたり。

 

「あのー、マメナルさん?他に布団はないのでしょうか?」

「あるわけないだろ。」

「んじゃあ俺は外で寝てくる!」

「ダメに決まってんだろ。それとも何だ?周囲警戒のために配置している遺物に身体を穴だらけにでもされたいか?」

「なら小屋の中で別の場所に……。」

「この小屋急造で建てたからこの場所以外は建て付け悪くて音がなるんだよ。ミラヴィーが起きるから諦めて寝ろ。」

「……はい。」

 

 狭い布団の中でマメナルと密着して寝たり。

 

「な、何で服脱いでるのさ!?」

「着替えと洗濯をするために決まってんだろ。クーグツの服も洗うから早く脱げ。」

「む、無理に決まってるだろ!?」

「あー?ミラヴィーが見てんだから我儘言うなよ。ほら、脱がすぞ。」

「あっ!?待って!脱ぐ!脱ぐから!脱がされるなんてダメージデカくなるからやめて!?」

 

 マメナルに洗濯のために服を剥ぎ取られたりと色々あった。数日経つと少し慣れてきたので騒ぐことはなくなったが顔は依然として赤くなったままである。マメナルのガードはかなり緩く、彼女と過ごしていくうちにクーグツは実力的には自分が圧倒的に下なのに守らなければとこの生活の中でほのかに芽生え始めたマメナルに対する気持ちを誤魔化すように使命感に似た何かを抱いた。そんな日々もついに終わりを迎える。

 

 ピィーー!!!と笛の音が鳴る。それはクーグツには聞き慣れた後で、思わず持っていた洗濯物を落としてしまう。それに気付いて慌てて洗濯物が地面につく前に拾おうとするが、それよりも速く隣にいたマメナルがキャッチした。

 

「マメナル、ごめん。」

「気にしなくていい。それにしてもやっと来たか。」

 

 マメナルがジッと奥の空間を見つめる。それにつられてクーグツも奥を見ると、暗闇の中に水色のような光が不気味に揺らめいている。その不気味さに思わず身構えてしまうがマメナルはその光に向けて気軽に声をかけた。

 

「……グェイラか、久しぶり。」

「久しぶりっすわ。マメナル。」

 

 暗闇から出てきた者の正体にクーグツは驚愕する。良くも悪くも色々な噂がある白笛。黎明卿、新しきボンドルドが率いる探窟隊『祈手』。その1人が出てきたからだ。

 

「グェイラ、早速で悪いんだけどちょっとミラヴィーのこと見といてくれない?遺物に色付けるからさ。」

「……そこの月笛が絡んでるっすか?」

「うん、ちょっと上に連れていくことになってな。来てくれたのがグェイラで良かったよ。流石にギャリケーとかだと頼みにくかったからな。頼んだよ。」

「まだ了承してないんすけど?はー、仕方ないっすね。」

「流石グェイラ。」

 

 チラっと水色に発光するグェイラの仮面が自身の方に向いた時には思わず構えてしまったクーグツだったが、グェイラはすぐに視線を外した。それから大袈裟にため息を吐いた後、ずっと自身の服を引っ張っていたミラヴィーを抱き上げる。

 

「ほら、行くぞクーグツ。荷物の準備は出来てるのか?」

「あ、うん。えっと、グェイラさん。ありがとうございます。今度会えればその時はお礼をさせてください。では。」

 

 遺物の山から何かを引き抜いたマメナルがクーグツの横を通り抜ける。クーグツはそれを見て置いていかれないように纏めてあった荷物を背負うと、2人の関係を見てもやもやした気持ちを押し殺してグェイラに感謝を込めた礼をする。そしてグェイラの反応を待つことなくマメナルを追いかけた。

 

 ミラヴィーと自分しかいなくなった空間でグェイラは1人ポツリと呟く。

 

「お礼の機会なんて来ないと思うがねぇ……。あの月笛、マメナルに何言ったんだ?」

 

 

 

 

「──ってことだよ。」

「へぇー、それでアビスに憧れたんだ。」

 

 グェイラにミラヴィーを任せたマメナル達は三層に向けて歩いていた。マメナル的には今すぐにでも飛んでいっていいと思ったが、流石に四層と三層の上昇負荷は可哀想だと思ったので三層までは歩いていくことに決めたようだ。

 

「まぁ、気持ちは分かるな。ポッと沸きの俺ですら遺物探しに夢中になるんだ。子どもの頃から色々と話を聞かされている奴らがアビスに憧れるなって言う方が無茶か。」

「そういえばマメナルはどうして四層に住んでいるんだ?」

「俺はミラヴィーのためだな。最初は二層辺りで家を作って生活するつもりだったんだけどミラヴィーは四層の上昇負荷には耐えれないからな。負荷を受けないようにゆっくり上がろうとしてもその前にトイレやら何やらでミラヴィーが泣く。」

 

 お互いのことを話しながら2人は進み、時に止まり、着実に三層に近付いていく。

 

「よし、着いた。大断層の終着点だな。」

「……凄い、これが下から見た大断層なんだ……。」

 

 上を向き、そこに広がる景色の迫力にクーグツは思わず声を出す。上から見た景色でもそうだが、下から見るとこうも違うものなのか。そう感嘆していたクーグツだが、突如自分の身体が持ち上がったことで我に帰る。

 

「マメナル?いきなり何すんだ!?」

「何って?抱っこだけど?」

 

 後ろからお腹に手を回してクーグツを抱っこするマメナル。何とか下ろしてもらおうと暴れ、気付く。マメナルの足も地についていないことに。

 

「んじゃあ、説明するぞ?このまま一気に飛んで二層に行く。以上。」

「え?それだけ?原生生物は?」

「んなもん全部殺していくに決まってんだろ。ほら行くぞ。」

 

 てっきり横穴から二層まで行くと思っていたのに予想外の方法を説明されクーグツは狼狽する。そんなクーグツを気にすることなくマメナルは一気に飛び上がり三層へと突入を始めた。

 

「おぐぅ!?ぐぇぇぇ!」

「次に目を覚ませば二層だよ。暫くゆっくりしとけ。」

 

 三層の上昇負荷をもらいゲロを吐くクーグツにマメナルは聞こえているか分からないが優しく声をかける。クーグツが最後に見た三層の景色は、マメナルの周りを浮遊していた手脚の遺物がマメナルを食らおうと飛んできたマドカジャクを殴り潰すところだった。

 

 

 気付けばクーグツは仲間達に囲まれていた。仲間達は口々にクーグツのことを褒め称える。そのことに困惑して周囲を見渡すと、そこにはオースの街の住民達が集い、まるで大合唱のように仲間達と同じ内容でクーグツのことを褒め称えている。

 

 状況が分からない。そんなクーグツを見て仲間達がクーグツの偉業を次々に口にする。それを聞いているうちに本当に成し遂げたのだと思い始め、クーグツの心が昂揚し始める。試しに両手を空へと掲げると天が割れんばかりの歓声がこの身を包み込んだ。

 

 あぁ、俺は成し遂げたんだ。彼女に礼を言わなくては。自分を助けてくれた彼女の姿を思いながら辺りを見渡すが見当たらない。そもそも彼女とは誰だ?クーグツが疑問のままに仲間へ聞くと、彼女はアビスに帰ったという。

 

 何故アビスへ?とりあえずお礼を言わなくては。クーグツがそう思いアビスへ足を運ぼうとすると仲間達が取り押さえてくる。もういいだろうと、彼女も分かってくれるはずだと。そうだとしてもそれを俺は認めない。彼女……そうだ、マメナルだ。戻らなければ。マメナルを心配させてはいけない。仲間の幻覚を振り払い、クーグツはアビスに向けて飛び込んだ。

 

「あ、起きた。」

「……いつまで倒れてた?」

「数分くらいかな。そろそろこっちから何かしようと思い始めていたところ。」

 

 現実へ戻ってくると目の前に逆さまになったマメナルの顔面がドアップで入り込んでくる。その後ろにはかなり小さな逆さ森が見え、顔を少し傾けると大断層の入り口が見える。つまりここは二層最深部の天上瀑布だろうとクーグツは当たりをつけた。マメナルは宣言通りクーグツを上まで連れてきてくれたのだ。

 

「起きれるか?」

「もう少し寝ていたいかな。」

「なら膝枕続行か。」

「そうだな、もう少し頼む。……膝枕ぁ!?」

 

 さっきから後頭部に感じていた柔らかさはそれだったのかとクーグツは飛び起き、後悔した。勢いで飛び起きてしまったがもう少し堪能していたかったと。

 

「お、起きたならもういいか。」

「あ……いや、もう大丈夫だ。ありがとう。」

 

 今からでもまた寝ようかと悩んでしまったが結論を出す前にマメナルは立ち上がってしまった。クーグツは無意識に出してしまった惜しむ声を恥ずかしく思ったが、マメナルには聞こえていなかったようなので何事もなかったかのように感謝を告げる。

 

「どういたしまして。さて、俺はミラヴィーのこともあるからこの先には行かないけど、大丈夫だよな?」

「あぁ、ここまで来たら大丈夫だ。本当に何から何までありがとう。」

 

 クーグツは深く頭を下げる。命を助けられたのだ。感謝してもし足りない。出来ることなら仲間達にもマメナルを紹介して最大限のお礼をしたいと考えるクーグツだが、マメナルはミラヴィーのことが心配なのか頻繁に三層の方を見ているため諦める。

 

「そういえばさ、クーグツはお礼になんでもするって言っていたけど……本気?」

 

 別れの言葉を出そうとしていたクーグツだが、その言葉を出す前にマメナルが三層を見たままクーグツに問いかけた。

 

「あぁ、俺に出来ることならなんでもやるさ。」

「それって今でもいい?」

「俺に出来ることだぞ?それだったらなんだって来い!」

「そっか、そっかぁ……。」

 

 三層を向いたまま一切クーグツの方を向かず、マメナルは頷きながら服の中に手を入れる。クーグツ側ではなんにも見えず、しかし探窟家の勘が今すぐ逃げろと警鐘を鳴らす。今まで従ってきた本能とも言える警鐘に思わず一歩下がってしまうが、その行動はあまりにも遅かった。

 

「えいっ。」

「え……?アァァァァァァア!!!!」

 

 クーグツの方に振り向いたマメナルが何の躊躇もなくクーグツの腕に何かを突き刺した。それが何かも分からないままクーグツは刺された箇所から発生した激痛に叫び声を上げる。

 

 変化は劇的だった。肉が泡立ち、断裂する。千切れた部分から筋繊維のようなものが飛び出して繋ぎ直し、更に膨張する。範囲は徐々に広がり、少しでも進行を止めるためにクーグツは刺されてない方の手で膨張を続ける腕を掴むがそんなものは焼き石に水だ。

 

「これってこんな感じかぁ。」

「どうじで!?」

「何が?」

「なんでごんなごどを!?」

「何でって、何でもするってクーグツは言ったじゃん?」

 

 不思議そうな顔で言うマメナルにクーグツは感情のままに叫ぶ。助けてくれるのではなかったのかと。最初からこうするつもりだったのかと。マメナルはそれを不思議そうな顔のまま聞き続け、やがて一言。

 

「俺は連れていくって言ったけど助けてやるなんて一度も言ってないぞ?」

 

 首を傾げながら何を当たり前のことをと思っていそうなマメナルにクーグツは絶句した。それを本心で言っているのだと理解出来たからだ。パリン、パリン、とマメナルと一緒に過ごした日々の記憶とほのかに芽生えていた気持ちがヒビ割れていくのを自覚し、思わず目から涙が溢れ出る。

 

「もしかしてそんなに辛いのか?でももう一本あるから頑張ってな。えいっ。」

「ぢっ、ぢがゔ!!待っで……アァァァァァァア!!!!」

 

 心配そうな顔をしながら近付いてきたマメナルがもう一本持っていた同じ遺物をクーグツの無事な方の腕に突き刺す。同じように膨張を始めた腕だが、先ほどと同じように押さえることが出来ず、クーグツは痛みで地面をのたうち回る。

 

「アァァァァァァア!!!!アァァァァァァア!!!!」

「あ、その遺物って意識乗っ取ってくるやつだから諦めないで抵抗しろよ?抵抗に成功すれば今までと比にならない力が手に入るから白笛級の実力も夢じゃないぞ!」

「マメナルゥゥゥゥゥゥ!!!マメナルゥゥゥゥゥゥ!!!」

「うわ、危な。」

 

 マメナルがクーグツに近付いて諦めるな、頑張れと応援をする。それに対してクーグツの返答は殴打。遺物の効果で膨張を続け、既に8メートルを超える巨体から繰り出される強烈な振り下ろしは地面を容易く破壊して岩盤を隆起させる。涙を流しながらクーグツが潰れたマメナルの姿を見ようと腕を退けるが、そこにマメナルの姿はなかった。

 

「いきなり危ないなぁ。この遺物はクーグツのために選んだんだぞ?俺は遺物の効果を詳しく知りたい。クーグツはアビスの深層に行く力が欲しい。Win-Winの関係じゃないか。」

「アァァァァァァア!!!!」

 

 上から聞こえてくるマメナルの声に即座に反応して跳躍。既にマメナルが何を言っているかも分からず、感情のままに暴れまくる。意識も朦朧とし、ただ何かがいるから攻撃をしているだけである。

 

「ここまで跳べるのか。うん、なかなかいい強化具合だな。上昇負荷はくらってるみたいだけど見た感じはくらっていないみたいに見えるな。後はクーグツが遺物の精神支配を乗り越えてくれればいいんだけど……望み薄か?」

 

 マメナルの上を取り、先ほどと同じように剛腕による強烈な振り下ろしをお見舞いしようとするが、それよりも速く上から脚の遺物によってクーグツは地面に蹴り落とされた。

 

「マメナルゥゥゥゥゥゥ!!!マメ……ナルゥゥゥゥゥゥ!!!マメ……ナ……ル……。」

「……ダメか。お疲れ様。魂はアビスに帰してやるよ。」

 

 筋繊維のようなものが耳に入り込んでからクーグツは叫ぶのをやめてフラフラと歩き出す。その姿をマメナルは悲しげに見つめ、クーグツの背後から赤熱した手の遺物で筋肉の鎧を容易く突破し、心臓を抉り抜いてそのまま握り潰した。

 

 元が人間のクーグツなら致命傷。どうやっても死を免れない。心臓を抉り抜かれたクーグツの身体は地面に倒れ伏し──何事もなく立ち上がった。

 

 胸に大きな穴を開けたままの化け物は逆さ森を目指して走り出した。それを驚くことなく見届けた後、マメナルは結果を纏めながら大断層の縁へと歩き始める。

 

「うーん、やっぱ意識の乗っ取りが難点かなぁ。アイツらはミラヴィーに軽いものでも代償ありの遺物は使うなって言うからなぁ。腕とか脚が一本無くなるだけで戦える力が手に入るなら安いもんだと俺は思うんだけどおかしいのかな?でもまぁ、これはボンドルド行きかな?確かパワー系が欲しいとか言ってたし『精神隷属機』があれば関係なさそうだもんなぁ。帰りにグェイラに渡すか。遺物名は……手放すしボンドルドに任せようか。」

 

 ブツブツと呟きながら大断層の縁についたのか力場の影響で底が見えない穴を眺める。後は降りるだけ。ふわりと浮き上がった後、マメナルはクーグツが消えていった方向に振り返る。

 

「クーグツはなかなかいい奴だったんだけど、勿体無いことしたかな?でもなんでもするって言われたし本人も力が欲しいって言ってたからなぁ。うーん、まぁ、いいか。」

 

 勿体無い顔をしていたのもほんの一瞬。いつもの表情に戻ったマメナルは勢いよく大断層へと身を投げた。




オリ主……アンカーを打つ必要がある扇風機って何だろうなと思いながらスイッチを押したら家が吹き飛んだ。まず家よりデカい時点で気付け。
暇な時に四層を飛び回って様子を見ているためかなり詳しい。その途中で見つけた探窟家達が危機に陥っていても助けることはしない。でも探窟家がオリ主の存在に気付いて助けを求めてきたら助ける。クーグツを二層に連れていったのもそれに近い。だけどクーグツが余計なことを言ってしまったため善意で強化系遺物を使った。ちなみにこの遺物はスレ民が止めなければ将来的にミラヴィーに使うつもりだった。基本リスクは無視し、乗り越える・耐えきれる前提で他者に遺物を使用する。

スレ民……ミラヴィーちゃんのハイハイに癒された。悪い報告も大工ニキを除いて特に悪くなかったので安心している。と思っていたら案の定ミラヴィーちゃんに危機が迫ってた。

ミラヴィー……オリ主の膝上に座ってたので家が吹っ飛んでも特に被害はなかった。びっくりして泣いたぐらい。オリ主の髪を弄って遊ぶのは本人的には楽しかった。

祈手……オリ主のところへ遺物を引き取りに行く時は前線基地に無事に辿り着くため、ガッチガチに装備を固めている。オリ主が髪の毛を使ってミラヴィーと遊んでいた時は流石に止めた。何人かは刺し殺されてるからね、仕方ないね。

クーグツ……今回の被害者。オリ主と密着しながら寝たり、風呂に入っていると全裸のオリ主が入って来たりと色々大変だった。最初は責任を取らないとと思っていたが、それなりに長い生活でそれは恋心に変わっていった。この度迂闊な発言でオリ主の善意を発生させてしまい死亡。身体は遺物に乗っ取られた。逃げた先の一層で赤笛探窟家に大きな被害を出し、オーゼンに討伐される。変貌する途中でリュックは落としてしまったが、師匠からもらったピッケルは意地でも離さなかった。身体に埋まる形で残されたピッケルは討伐された後、オーゼンの手で師匠の元に届けられる。

大工ニキ……イッチとミラヴィーちゃんの満面の笑み画像でノックダウンした。

名も無き遺物……対象に自身の姿が変貌していく精神的ショックと肉体の激痛で弱らせてから身体を乗っ取る。これを乗り越えることが出来たのなら主人と認め、人外の怪力と筋肉の鎧を得ることが出来る。でも主人が死ねば身体はもらう。ぶっちゃけ力は千人楔を数本刺すのと同じだし、防御力もタマウガチの針には負けるので千人楔を刺したほうが得である。



ちなみにクーグツの生存ルートはなんでも発言をしなければ普通に帰れました。発言をしてしまっても天上瀑布での最終確認で否定すれば大丈夫です。
恋愛ルート?んなもんねーよ!

では明日にもう1話投稿するぞい。

因みにこれ書いてる時にアビスと地上で時差があることを思い出しました。やべーよやべーよ
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