今回はナギたちVSネルギガンテ。バレットの師匠も登場です。楽しんでいただけると幸いです。
「っ!?」
ネルギガンテの尻尾攻撃を避けながらなにか…恐らくゲーム画面に思考を向けていたバレットの顔が歪む。強靭な腕の振り下ろしをシールドで受けて、ヒビキとマシロが攻撃を仕掛けるのを見ながら、私は尋ねた。
「どうしたのバレット?ネルギガンテ相手するより厄介なことでも?」
「ナユタに接触した名前がヤバい奴の名前と一緒なんだ!なんか厄介なことになってる!」
「こっちもヤバいぞ!」
瞬間、ネルギガンテが両腕を振り上げて勢いよく叩きつけてきて、ヒビキとマシロは吹き飛ばされ生じた衝撃波を私がランスに取り付けられた盾で受け止める。
「グオギャアアウッ!!」
「いててて……メル・ゼクス程じゃないにしてもやるなあ」
「完全に肉弾戦特化型か、いい笛の材料になりそうだ!」
「ぶれないねヒビキも。…バレット。行って。ここは私達三人に任せて」
突進してきたネルギガンテの拳を受け止めながら後ろを向いてそう叫ぶ。私なら防げる、ヒビキとマシロなら十分に攻めきれる。そう確信しての送り出しだ。
「だ、だけど……」
「こんなやつ私達だけで十分だよ!私流威合!
「なんかあったんなら行け、バレット!
バレットは迷っている様だったが、マシロが威合から跳躍して接近、敵の反撃に鞘を激突した衝撃を利用して太刀を引き抜いて袈裟斬りを叩き込んでネルギガンテの胸部に深い切り傷を刻み、ヒビキが狩猟笛でネルギガンテの顎を殴り飛ばして怯ませたのを見て意を決したのか、頷いた。
「わかった、後は頼んだ!」
そう言って鬼人弾と硬化弾と回復弾を撃って私達にバフをかけて回復した上で走ってナユタたちがいるであろう方向に向かうバレット。それを見て鍔競り合っていたマシロを殴り飛ばしたネルギガンテが追いかけようとするが、鉄蟲糸の珠が叩きつけられてほどかれ、鉄蟲糸に拘束され引っ張られる。ヒビキの共鳴音珠だ。
「グオギャアアウッ!?」
「俺達のリーダーの元に行かせて溜まるかよ!音撃斬・共鳴!」
狩猟笛に括りつけた鉄蟲糸で雁字搦めにすると、狩猟笛を立てて演奏、バフを発生させながら溜めて行った衝撃を、最後に纏めて鉄蟲糸に叩き込み、衝撃が伝った鉄蟲糸は斬撃属性のダメージを発生させて音の振動を利用した斬撃で全身を切り刻むヒビキ。あまりの大ダメージにネルギガンテの巨体がダウンする。
「グオギャアアアッ!」
「ぐっ!?」
しかし鉄蟲糸を鷲掴みにされ、片手でぶんっと振り回され大木に背中から叩きつけられ大木を粉砕して地面に叩きつけられるヒビキ。そのまま追撃で叩き潰そうとしてきたのを、咄嗟に飛び込んで受け止める。
「流転突き!」
そのまま鉄蟲糸を伸ばして突進し、三回連続で方向転換して突きを繰り出して怯ませる。駄目だ、私じゃ火力が足りない。
「金剛大車輪斬り!」
すると回復薬を飲んで復帰し、その場で一回転して大剣で地面を叩いてグルングルンと太刀と大剣を手に大回転して連続で斬撃を叩き込むマシロ。しかしあまりの硬さに弾かれてしまい空中に打ち上げられる。
「かったいな……!」
すると勢いよく大剣をネルギガンテの顔面に振り下ろし、その反動で飛び上がると回転したマシロは、太刀と共に大剣を何度も何度も斬撃を叩き込んで頭部、背中、翼、尻尾を縦横無尽に回転しながら駆け巡り斬撃を叩き込み続ける。
「金剛大大大車輪斬りィ!」
「グオギャアアアアアウッ!?」
両腕を振り回してマシロを捕らえようとするネルギガンテだったが、縦横無尽にその巨体を駆け巡るマシロを捕まえられず翻弄され、そこを突いて跳躍するヒビキに続いて私もネルギガンテの懐に飛び込む。
「爆裂昇天突き…!」
ガンランスの爆発で高速で跳躍、ランスの穂先でネルギガンテの顎を穿ちながら天高く飛び上がり、鉄蟲糸で繋いだ地面に向けて勢いよく急降下。
「
跳躍するなり斜め上からネルギガンテの全身に鉄蟲糸をまとわりつかせてそれに沿うように、双剣を扱うがごとく二本の狩猟笛による打撃をその頭頂部から足、尻尾まで、マシロと合わせて叩きつけて行くヒビキ。私が天高く飛び上がると同時に二人も左右に分かれて空中に飛び出し、大技の構えを取る。
「
「
勢いよく地面に狩猟笛と大剣を打ち付けて宙に舞い上がりネルギガンテに向けて鉄蟲糸を伸ばし、それに引っ張られるように回転しながら空中から突撃するヒビキとマシロ。それはヒビキが考案し、最近マシロに伝授していた技だ。まるで大砲の砲弾の如く、撃龍槍の如く、狩猟笛二本もしくは大剣と太刀を突き出して回転、突撃するのに合わせて急降下、その首にランスを叩き込む私。
「
「
「グオギャアアアアアウッ!?」
弦をぶつけ合って演奏しバフをかけ続けながら高周衝撃波を放ちつつ怒涛の猛打撃を叩き込むヒビキと、切っ先が炸裂するなり開花する様に広げて、空中で回転しながら刺突を連打するマシロ。さらに私の一撃で首を圧迫されたネルギガンテはろくな防御もできずにその猛攻を真面に受けて、全身に傷を作ったネルギガンテは倒れ伏したのだった。
「やった、やった!ネルギガンテを倒した!」
「確かな手ごたえだ。物にしたようだなマシロ!」
「うん、ヒビキの教えが上手いからだよ!」
三人で手を取り合って喜ぶ。勝てるとは思わなかったけどこっちにはとんでもない攻撃力を誇るハンターが二人もいたんだった。
「じゃあ剥ぎ取ってからバレットに合流……したいんだけど」
「バレットはどこにいったんだ?」
「どっちの方向だっけ?」
ヒビキとマシロの言葉にハッとなる。戦っている間に周囲も滅茶苦茶になってバレットがどっちに向かったのかわからなくなってしまった。どうしよ。
「あばばばばば、おち、おちついて、こんせせきせきせきこんせきを探してだだね?」
「お前が落ち着けナギ」
「あいたっ」
思わず慌ててしまった私をヒビキがどついて止めてくれた。面目ない。
「ナギは身体は頑丈だけど心はそうでもないよねー」
「バレットに絶大な信頼を向けているのは俺達もそうだが見失ったぐらいで慌てるな」
「図太い二人とは違って繊細なの!」
そんなことを言いながら剥ぎ取るべく振り返って、固まる。あれだけ猛攻を受けたはずのネルギガンテがもう起き上がっていた。
「うそっ…!?」
「オイオイ嘘だろ、さっきの全力だぞ?」
「なんてタフさ…!サンドバッグにできるね!」
「「落ち着け戦闘狂のバカマシロ」」
マシロにツッコみつつ構える私達。するとネルギガンテは私達には目もくれず、翼を羽ばたかせて飛び去っていった。
「……なんだったんだ?」
「…私達に恐れをなして逃げたとか?」
「いや、ネルギガンテはそんな簡単に諦めたりしない。ありえるとしたら……別の獲物の気配を察知した?」
武器をしまってネルギガンテが去って行った方向を見やる。なんだろう、嫌な予感がする。
「こっちだ」
英雄の一人らしいバレットさんの案内で、万年樹の森を抜けた私とマゴクとイチカさん、オトモ達がどのエリアにも属さない狭間の岩山を進んでいく。私は動けない体をイッセンの背に乗って進んでいるが、大型モンスターが住みにくそうなロクな足場もない立地だ。こんなところに、バレットのお師匠さんが…?
「回復薬は効いて来たか?」
「え、あ、はい…まだ動けないけど楽になってきました」
「…本当にこっちであってるの?信用できるとは言ったけど、まさか賞金目当てで人気のない所ではめるつもりなんじゃ…」
「そうなんですか!?」
マゴクの怪しむ台詞にイチカさんが慌てて担いでいたスラッシュアックスを構えるが、バレットさんは溜め息を吐いた。
「襲われたばかりだから気持ちは分かるが少しは信用してくれ。こちとら仲間を置いてまでここに連れてきたんだからな」
そう言って顎で先を示すバレットさん。その先には、巨岩がくりぬかれたらしき洞窟を閉じている木製の戸があり、それが開いて中から女性が出てきたところだった。
「なんじゃ?騒がしいから様子を見に来て見れば懐かしい顔だな」
ラージャン装備を身に着け、包帯で目元を隠している盲目らしき若々しい金髪を乱雑の伸ばした女性。あれが、道中バレットさんから名前を聞いたサイカさん、元G級ハンターか。
前作から存在は語られていたバレットの師匠、サイカ登場。どんな人物なのかは次回にて。
ネルギガンテがナギたちより優先する存在も…?
次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。