外道女ハンターは噛生虫と共に   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回最近ダブルクロスでディノバルドにボコボコにされた気持ちを描いてみました。怖すぎて笑いが出た。

今回はナユタの幼馴染が登場。楽しんでいただけると幸いです。


僕の幼馴染は何かが変

「あ、いたいた。マゴク、食堂に行こうよ」

 

 

 愛用の弓を背負い、集会所で手ごろなクエストを探していると、先にクエストを受けていたはずの親友が泥だらけで戻ってきた。腕には相棒だという奇妙な猟虫が、傍らにはオトモアイルーのマンジュウを乗せたオトモガルクのイッセンがいる。いくらなんでも速すぎないか?

 

 

「なゆたん。きみ、もうオロミドロを討伐したのかい?」

 

「え、そうだけど?」

 

「いや出てってから一時間しか経ってないんだけど。……オロミドロ討伐の平均時間知ってるかい?」

 

「さあ?」

 

 

 嫌味とも取れる言葉だが違うんだろうな。本当に知らないんだろうな。しかし見た所やつれている。相当無茶をしたに違いない。オロミドロは害悪とも言えるモンスターだ、たとえG級でもどうしても時間がかかる。

 

 

「上位の僕でも三時間はかかるのに…いったいどんなトリックを使ったんだい?」

 

「うぇ!?ふ、ふつーにやっただけだよ?」

 

 

 目が泳いでいてなにかあるのはバレバレなんだよなあ。幼馴染で親友の僕にも話してくれないなんて相当な秘密なんだろう。どうしたものかと考えているとやつれたなゆたんのお腹からぐーと可愛い音が鳴る。

 

 

「ふーん。まあいいや、お腹も我慢できないみたいだし、行こうか」

 

 

 疲れてるみたいだし詮索は後にするとしよう。仕事前の腹ごなしだ。

 

 

「今日はユクモ村からチーズフォンデュが出張で来てるみたいだよ」

 

「え、やったー!栄養!」

 

「今のを聞いて栄養となるなゆたんが僕は心配だよ……誘ってくれたということは奢ってくれるのかい?」

 

「私が逆に奢ってほしいくらいなんだけど」

 

「知ってた」

 

 

 なんでも、報酬全部が食費になってしまうらしいなゆたん。どれだけカロリーを使う戦い方をしているんだ…。太らないし同じ女として羨ましい限りだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがユクモ村のみならずベルナ村やココット村、ポッケ村でも名物だと有名な料理だったね。力が付いた気がする」

 

 

 食事を終えて手ごろなクエストを受注して村の出口に向かう私と、ついて来たなゆたん。珍しくもないいつもの光景だ。早起きな私とここ一年何故か低血圧で寝坊するなゆたんと、対照的だから朝はバラバラだけど。

 

 

「うん、私も元気になったよ」

 

「それはよかった。じゃあ僕はディノバルドを討伐に行くから」

 

「え、ディノバルドってあの…!?」

 

「うん、灼熱の刃。斬竜ディノバルドさ」

 

 

 ディノバルド。長く強靭な尻尾を武器とする獣竜種のモンスター。全長の半分近くを占める程に極めて長く重厚な刃物のような形状に巨大に発達した蒼い尻尾が特徴で、撫でるように軽く振るうだけでも周囲の草木を容易く薙ぎ払う切れ味を誇り、地面を叩き割り、岩盤を派手に隆起させる程の攻撃力を発揮する他、盾のように使って攻撃を受け止めることもできる、まるで大剣使いのハンターの様なモンスターだ。数多のハンターを屠ってきた危険なモンスターの代名詞でもある。イビルジョーやブラキディオスと並んで獣竜種最強クラスだろう。

 

 

「下位のなゆたんが知らないのも無理ないよ。上位のクエストでね。万年樹の森の奥に現れたんだって。万が一にも村に被害が出る前に討伐してほしいとのことだったよ」

 

「でも弓使いのマゴクじゃ相性悪くない…?だってディノバルドだよ、マゴクが死んじゃう…」

 

「何とか頑張ってみるさ。安心してくれ、僕はなゆたんを残して死ぬ気はないから」

 

 

 そう言って頭をポンポンと撫でると、なゆたんは私を見上げて複雑そうな表情を浮かべた。心配性だなあ。君のことを心配している僕の気持ちもわかってほしいんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々準備をしつつ万年樹の森の奥までオトモガルクのバゲストと共にやってくると、刃物を研ぐような不自然な音が聞こえてきた。翔蟲を使って木の上に飛び乗り周りを見渡すと、見つけた。ディノバルドだ。巨大な刃物の様な尻尾に濃赤色の鱗と外殻、頭部から背中にかけて逆巻く炎を想わせる独特な形状の蒼い突起が立ち並ぶ背部と攻撃的な見た目、間違いない。万年樹に尻尾を打ち付けて砥いでいる様だ。

 

 

「竜の一矢、喰らえ…!」

 

 

 狙いを決めて渾身の力で引き絞る。弓使いは接近戦する人が多いけど僕は違う。接近戦は必要最低限、基本的に距離を取って有利な立ち位置を崩さず戦うのが僕のスタイルだ。卑怯だと言う人もいるけど生き残ること優先だ。何か間違っているだろうか?

 

 

「グオオアアアアッ!?」

 

 

 放たれた竜の一矢は寸分たがわず奴の右目を貫き、悲鳴が上がったところにバゲストが飛びかかり、小さな右腕に噛み付いてダメージを与える。そこに向けて三本の矢を腰の矢筒から手に取り、隣の木の枝に飛び乗りながら射出。硬質な外殻に突き刺さり火花が散る。あまり効きが悪いな、やはり相性が悪い。ポイントに誘い込むか。僕の意図を察したのか離脱して地上を走ってついて来るバゲストを追うディノバルド。

 

 

「こっちだ、デカブツ!」

 

 

 ジャキン!という音と共に今の今までいた大木が切断され崩れ落ちる。その威力に恐怖を抱きながらも木から木へと乗り移りつつ矢を撃ち、次々と切断されて倒木が増えていく。ただ回るだけで三本の木が切断される。恐ろしい切れ味とリーチだ。だがやりようはある、あれは尻尾だけじゃない。足腰も重要だ。ならそれを妨げれば……。

 

 

「今だ、閃光玉!」

 

 

 ポイントである広場までやってくると、閃光玉を投げて視界を塞ぎ、ポイントの前の地面に立ち竜の一矢を放って肩口を貫くと、それに反応したディノバルドは尻尾を地面に何度も叩きつけて摩擦で発生する摩擦熱を蓄積、熱を帯びて尻尾全体が赤熱化する「灼熱の刃」とも形容される形態に変貌。ディノバルドの実力が完全に反映される危険な状態として多くのハンター達から恐れられているその姿で地面を削り裂きながらまっすぐ突撃してきた。

 

 

「見躱し矢斬り!」

 

 

 接触する直前、矢を一本引き抜いて太刀の居合の如く奴の斬撃を受け流して斬撃を逆に浴びせながら回避。やはり尻尾の肉質は柔らかくなってもいるのか斬り傷が入る、この状態は恐ろしいが尻尾が弱点。予想通りだ。そのままディノバルドはまっすぐポイントに向かっていき、落下した(・・・・)

 

 

「いい仕事だヴァンシー」

 

 

 下手人は別行動していたオトモアイルーのヴァンシー。当然だと言わんばかりに木の裏から出てきて胸を張る。毒々落とし穴だ。僕はもがくディノバルドの露出している尻尾へとひたすら矢を撃ちこみ、バゲストとヴァンシーは斬撃を叩き込む。このまま畳み掛ければ…!

 

 

「グオオアアアアアアッ!」

 

「くっ……」

 

 

 しかしディノバルドは回転して斬撃を放ち自身を埋めていた土を薙ぎ払うと脱出。僕に潰れていない左目の視線を向ける。怒り心頭と言った顔だな。だがタイミングは分かった、見躱し矢斬りで受け流しつつ距離を取って……。

 

 

「うん?」

 

 

 するとディノバルドが予想していない動きを始めた。切れ味が落ちていない筈なのに急に尻尾を研ぐような仕草を始めたのだ。なんだ、なにをしている?嫌な予感がして距離をとる、が遅すぎた。身躱し矢斬りしようと近づいていたせいもある。

 

 

「グオオオオアアアアアアッ!」

 

「なっ……があああっ!?」

 

 

 その直後、ディノバルドは尻尾をそのまま振り抜いて、その遠心力を利用して体を一回転させ、炎を纏った尻尾で周囲を薙ぎ払う斬撃を放って来たのだ。腹部に一撃もらい、そのまま吹き飛ばされて僕達は地面を転がり岩に背中から打ち付けられて呻く。そうか、これか……数多のハンターを屠ってきたのはこの攻撃か。バゲストとヴァンシーを見る、駄目だ深手を負ってて動けそうにない。

 

 

「くそっ……」

 

 

 油断した。血がどくどくと流れて行く。意識が薄れる、迫りくるディノバルドの姿がかすんでいく。ここまでか……。

 

 

「どっせい!」

 

「グオオアアアッ!?」

 

 

 すると空から丸太が降って来てディノバルドの頭部に激突、怯ませたそこに空から少女が降って来てまるで鎌の様な武器を振るってディノバルドの左目に突き刺した。なゆ、たん……?僕はそこで意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「マゴク!?……気を失ってるだけだ、急がないと…!」

 

 

 嫌な予感がして後から追いかけて来たらマゴクが追い込まれる光景が見えて、カッとなってなりふり構わずヒャッくんの力を借りて、ヌシ・アオアシラのパワーでディノバルドが斬ったのであろう丸太を手にしてぶん投げていた。ごめんて、いくらでも私のはあげるから…!

 

 

「咄嗟にやったけどみんな気を失ってる、よね?ヒャッくん、吸えた?よし、借りるよディノバルドの力…!」

 

 

 オサイズチの鎌形態になって目玉に突き刺したヒャッくんが、結晶を増やして操虫棍を覆い尽くして姿を変えて行く。完成したのはディノバルドの尻尾の様な形状の結晶の大剣。

 

 

「グオオアアアアッ!」

 

「お前にかまってる暇はないんだ、ソッコー終わらせる!」

 

 

 柄を握った私の両腕まで結晶が侵食したそれの柄を大地に打ち付けてガスを噴射、跳躍して周囲が見えず暴れ回るディノバルドに向けて急降下する。

 

 

「でいやぁああああっ!」

 

 

 そして一閃。頭部を打ち砕かれたディノバルドがふらついて、崩れ落ちた。……この切り傷は矢で斬った傷に見えるかな?ま、まあいいや。とりあえずマゴクの懐から取り出した信号弾を空に撃って、その場を立ち去る。私なんかの手を借りたなんて思われたくない。でも本当に、間に合ってよかった。

 

 

「あ、待ってヒャッくん。ちうちう吸わないでせめて家に帰ってからにして!?」




丸太をぶん投げて不意打ちして、さらには目玉を突き刺してから力を奪ってその力でとどめを刺すナチュラル外道。


・マゴク
ナユタの幼馴染にして親友で僕っ娘。ハンター歴五年くらいの弓使い。安全圏から命を大事に考えて狩猟をする堅実なハンター。念入りな計画を立てるのが得意だが、予想外なことに弱い。ナユタをなゆたんと呼び大事にしている。ランクはHR10で上位。オトモはアイルーのヴァンシーとガルクのバゲスト。描写されてないが金髪を三つ編みにした碧眼の美少女。

・ヴァンシー
マゴクのオトモアイルー。血の様に赤い毛並みが特徴。毒々落とし穴などを使い罠にはめるを担当する。武器は弓っぽい斬撃武器。

・バゲスト
マゴクのオトモガルク。黒い毛並みが特徴。罠までの搖動役兼前衛。武器は大剣。

・ディノバルド
クロス四天王最強格の獣竜種。数多のハンターを屠ってきた危険なモンスター。赤熱化まではハンターに把握されているが、奥の手は喰らった相手が必ず死んでいるため知られていなかった。

・ナユタ
ヒャッくんのことは幼馴染にも伝えてない主人公。いつもカロリーに飢えているが、友のためなら躊躇なく使える人種。なおヒャッくんも躊躇してくれない。


次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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