外道女ハンターは噛生虫と共に   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。いつまでも隠している意味ないので今回で一気に開示しまっせ。

今回は双子VS赫狼竜。そしてナユタ覚醒…?楽しんでいただけると幸いです。


私の相棒を返せやゴラあ!

「キュリア……じゃない、ヒャッくんがいなくなっただって!?」

 

 

 マンジュウからの報告を受けて呆然としている私の後ろでゴーガシャさんが反応する。どこに行ったんだろ、ヒャッくん……。

 

 

「なゆたん、大丈夫かい?」

 

「…こんなこと一度もなかった。なんで、なんで……」

 

 

 心配するマゴクに呆然としている体をゆすられる中、今の今まで話していた事柄を思い出す。キュリアを使役する(・・・・・・・・・)赫狼竜ジンオウガ。ヒャッくんがいなくなったのは、奴と出会ってエネルギーを吸われて敗北してすぐのこと。関係ないわけがない。

 

 

「……許さん!」

 

「ちょっ、なゆたん?はやっ!?」

 

 

 血が沸騰した感覚と共に、瞬時に部屋を出て駆けだす。マゴクが止めてくるも振り切る。廊下を人間を全部避けて、最短距離で突っ走る。制止の声も聞かないでカゲン村内を駆け抜け、万年樹の森に飛び込む。目指すは頂上、ヒャッくんとよく似たキュリアの大群が集って紅く染まっているあの空にこの森で一番近い場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナユタの目指す万年樹の森、と呼ばれる所以である巨大な大樹、万年樹の頂上はちょっとした広場の様に枝葉が組み敷かれており、飛竜の巣が点在する狩場となっている。しかし今そこにはリオレウスを始めとした飛竜たちの(むくろ)とそれに集る数多のキュリア、そしてその光景を作った張本人、否。張本モンスターである【(みなごろし)の狩人】赫狼竜ジンオウガと、それを討伐せんとする二人のG級ハンターである双子が戦っていた。赫狼竜ジンオウガは既にキュリアが変異した結晶の鎧を身に纏い一回り巨大化した形態…「傀鎧(かいがい)形態」に移行している。

 

 

「「阿吽の鬼人」」

 

「ふっ、せい!」

 

「だあぁああっ!」

 

 

  二人で集中することにより通常の鬼人化よりも強力なバフをかけることができる双子の技が発動。対の双剣を片方ずつ振るい、赫狼竜ジンオウガの放つ結晶爪の一撃や火球を弾き返していく双子、フーカとシギン。色違いの揃いの巫女服の様な装備「ジョウゲンヤノ巫女」を身に着けた双子は、「ジョウゲンヤの都」と呼ばれる大きな街出身のハンターであり、ある事情から花弁を模った装飾の白と黒の双剣「黒桜(くろざくら)白椿(しろつばき)」を片方ずつ使用してG級の座を勝ち取った特殊なハンターだ。

 

 

桜火(おうか)乱舞(らんぶ)!」

 

椿鬼(つばき)雷閃(らいせん)!」

 

 

 炎を纏った黒桜を舞うように振るい赤熱した刃で結晶を斬り裂くフーカと、赫狼竜ジンオウガの頭上に跳躍して、白椿を振るうと同時に雷を纏った斬撃を浴びせて結晶の鎧を粉砕するシギン。

 

 

「「桜椿(さくらつばき)灰刃天翔(かいじんてんしょう)!!」」

 

 

 さらに相手の手を掴んで同時に天に飛び上がるように斬り上げ、着地する両者。ラージャンすら屠る連携だ。しかし赫狼竜ジンオウガは咆哮を上げてキュリアを集め、即座に結晶の鎧を再生させていく。そんな光景が何度も繰り返されていた。

 

 

「うん。駄目だフーカ、きりがない!」

 

「はい、シギン。でも諦めちゃ駄目ですー、無限ではない筈…!」

 

「キュリアもガイアデルムの時にだいぶ減ったはずなのにどれだけいるんだよクソッたれ…!?」

 

「汚い言葉は使わないのーシギン。同感だけど、はい」

 

 

 あまりにきりがない戦いに文句を垂れるシギンと、それをたしなめるフーカだったが疲れは隠しきれていない。限界だった。双剣では傀鎧形態の分厚い結晶の鎧を貫いて本体にダメージを与えられないのだ。削る傍から再生されて打つ手がない。

 

 

「ウォオオオオオンンッ!!」

 

 

 すると打つ手がないことを理解したのか、咆哮を上げてエネルギーを右前足に集めて行く赫狼竜ジンオウガ。それは紅いエネルギーの巨大な爪を形作り、赫狼竜は眩い閃光を放ち一瞬で詰め寄る。閃光の目暗ましと残像、そして爆発する四肢のエネルギーによる加速を利用した瞬間移動だ。

 

 

「っ、フーカ!」

 

「はい、シギン!」

 

「「っ、うあぁあああああっ!!」」

 

 

 目の前に出現した赫狼竜ジンオウガに、シギンとフーカは焦らずに黒桜と白椿の双剣を一本ずつ両手に握って交差させて、振り下ろされたその一撃を受け止める。立て続けに発生する爆発の連鎖で威力が追加されるその一撃に、二人は歯を食いしばって受け止め、なんとか耐え抜いた直後に左前足の一撃を受けて吹き飛ばされ枝葉の上をバウンドして転がって行き、端までたどり着くと落ちる前にギリギリ止まることができた。

 

 

「くそっ……ただの“お手”なのになんて威力……」

 

「だけど見えたわ、マガイマガドみたいに爆発で加速している……この情報を、届けなきゃ……」

 

 

 なんとか立ち上がるフーカとシギンだが、結晶爪の一撃を受けて腹部を引き裂かれた傷が痛々しいフーカを見てシギンは足元に転がる白椿と、黒桜を拾い上げる。

 

 

「フーカは逃げてこの情報を伝えて。ここは私が引き受ける。うん、それが最善」

 

「なにを言ってるの、私達は二人一緒じゃないと……それに私はまだ、戦えるわ」

 

「勝てなくても時間稼ぎぐらいはできるよ。それに生き残るならフーカの方がいい。私は嫌われてるからね、死ぬなら私の方がいい」

 

「シギン、まだそんなこと言って……」

 

「バイバイ、フーカ。きっと生きてね、うん」

 

 

 トンッと押してやるとバランスを崩して万年樹の頂上から落下していくフーカに笑顔を見せて、シギンは向き直る。フーカならこの高さから落ちても翔虫なりなんなりで生きられる、そう考えての事だった。嫌われ者の自覚がありながら変えられない自分よりも姉が生き残るべきというのもシギンと言う少女の本音だった。

 

 

「私達より強いハンターならいくらでもいる、うん。お前はもう助からないよ赫狼竜ジンオウガ。でも殺される前に……フーカに傷をつけてくれた落とし前はつけてもらおうかなあ!」

 

 

 鬼人化からの乱舞を叩き込み、死にもの狂いでできるかぎりキュリアを削り続けるシギン。しかし通用せずに薙ぎ払われ、なすすべなく枝葉の上を転がるも何度でも立ち向かう。

 

 

「ぐっ、がっ!?」

 

 

 結晶爪と尻尾の攻撃で双剣を弾き飛ばされ、さらに天に向けて放たれ雷撃の如く落下してきた紅い龍属性のエネルギーの直撃を受けて、力なく崩れ落ちるシギン。

 

 

「ああくそっ、ここまでか。…でも、フーカが生きてくれるなら……」

 

 

 再び溜められたエネルギーを巨大な爪に変えて歩み寄ってくる赫狼竜ジンオウガに、諦めきって自分の死を悟った表情で受け入れんとするシギン。しかし彼女が最後に見たのは自分の殺す無慈悲な一撃ではなく。

 

 

「どらあぁあああああっ!」

 

 

 凄まじい勢いで空を舞い頭から赫狼竜ジンオウガに激突する鬼の如き表情の少女、ナユタの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中ですれ違ったフーカさんに懇願された、シギンさんを助けてって。なんとか間に合った。しがみ付いた操虫棍からガスを何度も噴射して空を舞い、渾身の体当たりを叩き込んで怯ませることができた。頭から血が出る、いったいなこの野郎。

 

 

「ウォオオオン!」

 

「ふんっ!」

 

 

 結晶爪の振り下ろしを、操虫棍を掲げて全身に力を振り絞って受け止める。…いつも通り、力任せに……!

 

 

「どらっしゃああああああ!」

 

 

 コンプレックスな鳥類のような関節配置の脚で勢いよく地面…枝葉を踏み砕いて、その衝撃で勢いよく突き飛ばす。あの人の筋肉には及ばないし使い方も下手だけど、竜人族をなめるなよ…!

 

 

 

 

 

 

 

「驚いた、竜人族なのは知ってたけどあんなに速いとは」

 

「…なゆたん、使い方が下手くそなだけで身体スペックは高いんですよ。ああ見えてこっそり鍛えてますし」

 

「なんだって?」

 

 

 

 

 

 

 

 そんな会話がギルドでされているとはつゆ知らず。私は操虫棍で跳躍して、空中で刃を下に向けてガスで加速。勢いよく、結晶の隙間(・・・・・)、すなわち関節部分である肩口に突き刺し、さらにガスを噴出して大きく抉る。見えたぞ、お前の背中にいる結晶化した私の相棒が……!

 

 

「私の相棒を返せやゴラあ!!!!!」




世にも珍しい、頭が足りないお馬鹿な竜人族のハンター、ナユタ。でもヌシ・アオアシラから逃げるだけのスピードはあったり、時々知能の高さで機転したりと伏線はあったのだ。人間とは一度も明言してないですし。単純に力の使い方が下手なだけでスペックは高いのだ。

赫狼竜ジンオウガの強化形態「傀鎧(かいがい)形態」。大剣とかランスとか大きい武器じゃないと貫けない装甲の分厚さと再生力が自慢。

「ジョウゲンヤの都」出身、フーカとシギン。装備はオリジナル装備「ジョウゲンヤノ巫女」一式と双剣「黒桜・白椿」。何時かここら辺も詳しく語りたいところ。

次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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