外道女ハンターは噛生虫と共に   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。竜人族はんたー、ツッコまれるかと思ったけどそんなことなくて一安心してます。

今回は万年樹の上での赫狼竜と大決戦。楽しんでいただけると幸いです。


私、フルアーマー!?

 ヒャッくんは通常キュリアと異なるところがいくつかある。鶏冠の様なヒレが一本ついた頭部、リオレウスの翼の様に先端が結晶の爪になっている翼だ。だから、ヒャッくんが変化した結晶は一部にその特徴が出る。例えばヌシ・アオアシラの腕を再現すると(私は四本指だけどこの場合普通の人間でいう)中指にヒレ状の結晶が出てる。リオレイアの脚だと両端の指の側面に爪の様な結晶が生えてる、みたいな感じだ。それを知っている私だからわかった、背中部分を形成しているキュリアの一部にヒャッくんの特徴が出ていると。

 

 

「どらっしゃああああああ!」

 

 

 なんとなく思ったんだ。ガチガチに防御力を固めてるけど、それじゃ動けないんじゃないかって。だって生半可な攻撃じゃビクともしないんだ。でもだったら石像みたいに動けなくなるか、バサルモスみたいに弱い部位が必ずあるはずだと思ったんだ。操虫棍で跳躍して、確認。隙間を見つけて空中で刃を下に向けてガスを噴射して加速。勢いよく、関節部分に開いている結晶の隙間である肩口に突き刺し、さらにガスを噴出して大きく抉る。

 

 

「私の相棒を返せやゴラあ!!!!!」

 

 

 語気を荒らげてそのまま力を加えると、さすがに効いたのか体から紅いエネルギーを迸らせて全身の結晶から爆発を起こす赫狼竜ジンオウガ。私は突き刺さった操虫棍を支えに両足を柔軟に肩の高さまで振り上げ、勢いよく振り下ろすことで叩きつけた勢いで引き抜き、跳躍。爆発の爆風を受けてさらに上空に舞い上がる。

 

 

「返せって、言ってるんだあ!」

 

 

 そのまま急降下してグルグル縦に横回転。今度は首のうなじにある結晶の隙間目掛けて勢いよく操虫棍を叩き付け、呼吸を無理やり停止させる。すると呼吸が回らず目を回したらしい赫狼竜ジンオウガの巨体が揺れて横に転倒、気絶した。

 

 

「ふう、危なかった。死ぬかと思った。大丈夫!?シギンさん!」

 

「え、あの……」

 

 

 呆然とこちらを見てくるズタボロのシギンさんに駆け寄り無事を確認する。うん、致命傷は負ってないな!よし!

 

 

「……君、上位なりたてとか言ってなかった…?」

 

「うん、そうだけど」

 

「それがこんなに強いだなんて……」

 

「まさか。私は強くないよ、むしろヒャッくんがいないと最弱だよ」

 

「はあ!?」

 

 

 開いた口がふさがらないとでも言うかのようにあんぐりと開いて呆然とするシギンさん。いや見てたでしょ、弱点を的確に突かないとろくにダメージを与えられない私は他のハンターの足元にも及ばない。上位になれたのもあまり納得はしてないのだ。

 

 

「君は、君って奴は……」

 

「ちょっと待ってね」

 

 

 なにか言いたげだったシギンさんだが、無事を確認できたなら正直あまり興味はない。それよりもヒャッくんだ。横に倒れている赫狼竜ジンオウガの背中に駆け寄り、むんずとヒレの様な形状の結晶を掴んで「えいしょっ」と引っこ抜く。すると見る見るうちに拳大の結晶は形を変えてヒャッくんへと戻った。

 

 

「ヒャーッ」

 

「ヒャッくん、大丈夫?あいつのキュリアを呼び寄せる咆哮に呼び寄せられてそのまま巻き込まれちゃったのかな?」

 

 

 異様にごてごてしている赫狼竜ジンオウガの結晶鎧を身ながらそう推察する。多分だけどキュリアを呼び寄せる音程の咆哮…ガイアデルムだっけ?とよく似た咆哮でキュリアを呼び寄せて力にしているんだと思う。それで弱ってたヒャッくんも抗うことができずに呼び寄せられちゃったんだと思う。まあ推察だし本当にそうかは知らないけど。戻って来たなら何でもいいや。

 

 

「ウォオオンン…ッ!」

 

「あ、さすがに起きたか」

 

 

 一時的に呼吸をできないようにしただけだし、すぐに起き上がってきた赫狼竜ジンオウガが結晶の隙間から垣間見える狂気を孕んだ瞳で私を睨みつける。怖いけど、ヒャッくんを奪われてた怒りの方が大きくて全然気にならない。

 

 

「ヒャッくん、いける?」

 

「ヒャーッ」

 

「うん、相変わらずわからないけど多分いけるってことだね!シギンさんは離れてて!」

 

「え、あ、うん……」

 

 

 なにか言いたげだったシギンさんが大人しく双剣を手に段差になっている部分に隠れたのを確認、改めて向き直る。

 

 

「ヒャッくん、ディノバルド!」

 

「ヒャーッ」

 

 

 指示するとヒャッくんが一声吠えて操虫棍にくっついてディノバルドの尻尾の様な形状の、柄が異様に長い大剣を形成。大剣の様な長柄槍の様な操虫棍を、両手で剣先が下になるように頭の上に掲げる。

 

 

「ウォオオオンンッ!!」

 

 

 眩い光を発して瞬間移動したかの様に眼前に迫りまた閃光と共に消える赫狼竜ジンオウガ。それはもう見た。あとから思い返せば単に閃光で目くらましと同時に残像を作ってただけだ。それに移動先もワンパターン、眼前、その次は相手の背後。

 

 

「せいや!」

 

「ウォオオオオオンンッ!?」

 

 

 見た目以上に軽い操虫棍をくるりと回して背後を突く様に脇を通して刺し込む。そして振り返ると予想した場所に来た、右目に当たる部分の結晶の隙間に先端を突き刺していた。悲鳴を上げて閃光と共に瞬間移動…することなく単に飛び退き右前脚で右目を押さえる結晶の怪獣の如き赫狼竜ジンオウガ。

 

 

「ウォオオン、ウォオオオンンッ!!」

 

 

 なんか外道だ卑怯だと訴えてきてる気がする鳴き声を上げる赫狼竜ジンオウガ。その方法じゃないと攻撃が通用しないお前が悪い。剣先を地面に擦り上げて摩擦で炎を纏ったそれを掲げて宣言する。

 

 

「外道上等、いくぞこらっ!」

 

「ウォオオオンンッ!!」

 

 

 咆哮と共に瞬間移動、今度はパターンを変えて上空に跳躍して尻尾を振り下ろさんとする赫狼竜ジンオウガだが、結晶に覆われた尻尾もしなるということは曲がる部分の結晶は薄いと言う事。よく見てガス噴射を使い紙一重で後退、目の前に叩きつけられた尻尾の曲線を描く部位に、ディノバルドの力とも言うべき炎を纏った操虫棍の大剣の如き刀身を勢いよく叩き付けた。

 

 

「ウォオオオンンッ!?」

 

 

 部位破壊。尻尾の先端を切断された赫狼竜ジンオウガは絶叫、大きく飛び退きながらいくつも紅いエネルギーの火球を飛ばしてきたがディノバルドの尻尾の様な結晶塊で受け止め防ぎきる。手の内はあの作戦会議で纏めたから覚えてるよ!

 

 

「ぐっ……!?」

 

 

 だけど視界を刀身で隠してしまったから見えなかった赫狼竜ジンオウガの体当たりを刀身で受けて吹き飛ばされ、宙返りからの後ろ脚によるムーンサルトキックを受けて蹴り飛ばされて枝葉の上をゴロゴロと転がる私に、さらに火球が追撃。

 

 

「ごっ、がっ!?」

 

「ヒャーッ」

 

 

 頭から枝葉に叩きつけられて無様に転がって行った私を、ヒャッくんが元に戻って私の周りをグルグルと旋廻して心配そうな声を上げるもんだから、根性で立ち上がる。

 

 

「…ペッ。口切ったじゃん、許さん」

 

 

 実際は口切ったどころじゃないけど一番感じたことを血の混じった唾と共に吐き捨てる。地味に痛いんだぞこの野郎。全身の打ち身と擦り傷、龍やられのビリビリも痛いぞ今畜生。

 

 

「今更だけど、全身フルアーマーとかずるいぞ!」

 

 

 ぷんすか怒りながらも操虫棍を構えていると、私の傍に滞空していたヒャッくんがなにを思ったのか「ヒャ―――――ッ!」と小さな咆哮を上げたので目を白黒させる私。え、いきなりなに、どうした!?

 

 

「うえっ!?」

 

 

 すると信じられないことが起こった。赫狼竜ジンオウガの結晶鎧を形作っていたキュリアの一部が剥がれて元の姿に戻ると私に殺到してきたのだ。マッシブだった赫狼竜の結晶鎧がスレンダーな体躯になると同時に、次々と私の四肢や顔、胴体にも止まって結晶化していくキュリア達。ヒャッくんも操虫棍の刃に止まりディノバルドの刃となる。

 

 

「私、フルアーマー!?」

 

 

 操虫棍の刃はディノバルドの尻尾(ヒャッくん)、ガスを噴出する方にくっついたキュリアはドスフロギィの毒ガス噴出孔に。右腕はヨツミワドウ、左腕はブラキディオスの拳、の上から両腕にヌシ・アオアシラの爪が付けられている。右脚はオサイズチの鎌が爪先についているものに、左脚はオロミドロの尻尾の様な形状に。胴体はダイミョウザザミのヤド、背中に多数のキュリアが連なってイャンクックとリオレイアの片翼ずつを形成、頭部はテツカブラ装備っぽくなってる、のかな?さっきずるいとか言ってたのに全身紅い結晶のフルアーマーみたいな姿になっちゃった。

 

 

「ま、まあなんでもいいや!…飛べるのこれ?わわっ、飛んだあ!?」

 

 

 どうやら思考も通じるらしく、結晶の翼を羽ばたかせて空を飛び、装甲が薄くなった赫狼竜ジンオウガに蹴りつけるように右足のオサイズチの鎌を叩き付け、続けて着地して左足のオロミドロの尻尾から沁み出した溶解液で地面を溶かし泥にして荒波の如く赫狼竜ジンオウガの四肢に叩きつけて拘束。赫狼竜ジンオウガの放って来た火球を胴体のダイミョウザザミのヤドで受け止め、ブラキディオスの右拳で怯ませると両腕のヌシ・アオアシラの爪で引っ掻いて無理やり隙間を作り出し、操虫棍からドスフロギィの毒ガスを噴出しながら跳躍する。

 

 

「これで、とどめだぁああああっ!」

 

 

 そのままヨツミワドウとヌシ・アオアシラのものも含めた全身全霊のパワーを込めたディノバルドの尻尾の如き操虫棍の刃による振り下ろし斬撃をさっき作った隙間に叩き込み、赫狼竜ジンオウガはゆっくりと倒れ伏したのだった。




パァーリィータァーイム!大·合·体!熱烈歓迎!呉越同舟超絶大合体!完成!フルアーマーナユタ!

 ってことで赫狼竜ジンオウガとの決着でした。足りない火力をヒャッくんが気を利かせてキュリア達を大合体させてフルアーマーにすることで補いました。シギンの心は滅茶苦茶になってそうですがまあいいや。戦隊の凄まじい数の合体好きなんですよ、G12とかね。

 戦闘になると頭がよくなるナユタ。なのに最弱とか言われたらシギンも大混乱である。

 ヒャッくんはナユタの推察通り弱ってたところに呼び寄せられて無理やり組み込まれてました。でも特徴的だからすぐわかる。

次回はナユタの容姿を明かす意味合いで設定回にしようかなと思ってますがどうしよう。次回も楽しみにしていただければ幸いです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。ここすき機能などで気に入った部分を教えていただけたら参考にします。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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