なので短めです。
こうして始まったベヒモス戦(リベンジ)。
坂上と永山の高身長コンビがベヒモスの突進を食い止め、雫とメルド団長の連携で角を破壊する。
「(メルド団長の援護がなかったら折れなかった・・・あなたって本当に強いのね、彩人・・・。私ももっと強くならなきゃね)」
その直後に四人全員が吹き飛ばされるが香織の援護と回復で持ち直す。その隙をついて天之河の一撃がベヒモスに決まるがカウンターを受けてしまう。香織のサポートで何とか持ち直す。
「(もっともっと援護出来るようになりたい!彼を・・・彩人くんを守れるように!!)」
ベヒモスが大ジャンプし後衛を狙う。
だがその前に出たのは鈴だった。
「(鈴だって・・・やってみせる!彩人の隣に居たいから!!)」
鈴の発動した絶対の防御はしっかりとベヒモスの必殺を受け止めた。だが、本来の四節からなる詠唱ではなく、二節で無理やり展開した詠唱省略の〝聖絶〟では本来の力は発揮できない・・・が、鈴はベヒモスの突進と拮抗し、突進攻撃を抑える。
ベヒモスが体制を整える前に天之河の指示の後、後衛5人がチャージした火球がベヒモスに放たれる。
「(この程度・・・彼と会う為ならなんてことは無い!!)」
火球の威力はすさまじくベヒモスが消し炭になるほどだった。
かつて手も足も出なかった相手に勝利し歓喜するメンバーたち。騎士団も喜んでいる。
そんな中、未だにボーとベヒモスのいた場所を眺めている香織に雫が声を掛けた。
「香織? どうしたの?」
「えっ、ああ、雫ちゃん。……ううん、何でもないの。ただ、ここまで来たんだなってちょっと思っただけ」
苦笑いしながら雫に答える香織。かつての悪夢を倒すことができるくらい強くなったことに対し感慨に浸っていたらしい。
「この先にきっと二人が・・・」
「それを確かめに行くんでしょ?そのために頑張っているんだもの」
「そうだね、雫ちゃん」
香織の思いを汲んだ雫がそっと寄り添う。親友であり同じ人を想う同志でもある二人は互いを支えあう。
そんな二人の所へ光輝達も集まってきた。
「二人共、無事か? 香織、最高の治癒魔法だったよ。香織がいれば何も怖くないな!」
爽やかな笑みを浮かべながら香織と雫を労う光輝。
「ええ、大丈夫よ。光輝は……まぁ、大丈夫よね」
「うん、平気だよ、光輝くん。皆の役に立ててよかったよ」
同じく微笑をもって返す二人。しかし、次ぐ光輝の言葉に少し心に影が差した。
「これで、南雲達も浮かばれるな。自分を突き落とした魔物を自分が守ったクラスメイトが討伐したんだから」
「「……」」
光輝は感慨にふけった表情で雫と香織の表情には気がついていない。天之河にとってあのことはベヒモスがやった事、で片付いている。檜山が故意にやった事だとは微塵も思っておらず基本、人の善意を無条件で信じる光輝にとって、過失というものはいつまでも責めるものではないのだろう。
再び闇のオーラが香織から出始める。心なしか雫もオーラが出そうになったその時。
天之河に割り込むようにクラス一の元気っ子が飛び込んできた。
「カッオリ~ン!」
そんな奇怪な呼び声とともに鈴が香織にヒシッと抱きつく。
「ふわっ!?」
「えへへ、カオリン超愛してるよ~!」
「も、もう、鈴ちゃんったら。ってどこ触ってるの!」
「げへへ、ここがええのんか? ここがええんやっへぶぅ!?」
鈴の言葉に照れていると、鈴が調子に乗り変態オヤジの如く香織の体をまさぐる。それに雫が手刀で対応。些か激しいツッコミが鈴の脳天に炸裂した。
「いい加減にしなさい。誰が鈴のものなのよ……香織は私のよ?」
「雫ちゃん!?」
「ふっ、そうはさせないよ~、カオリンとピーでピーなことするのは鈴なんだよ!」
「鈴ちゃん!? 一体何する気なの!?」
雫と鈴の香織を挟んでのジャレ合いに、香織が忙しそうにツッコミを入れる。いつしか微妙な空気は払拭されていた。
「ホントにアイツなんなの?彩人とハジメちゃんの何を知ってるんだか」
「鈴ちゃんありがとう。あと少し遅かったら杖で殴っていたもの」
「私も礼を言わせてほしい。危うく剣を抜いて襲い掛かるところだった」
「・・・・・・・・」
・・・のは周りだけのようだ。
一方そのころ。
「・・・・(イライラ)」
「ハジメ・・・どうしたの?」
「ユエちゃん、いま彩人が侮辱された気がしたんだ」
「彩人を・・・?…許せない」
「おおかた見当はついてる。同志たるもの彩人君を困らせる奴とか、情報は共有しなきゃね」
「・・・分かった。ハジメ、教えて」
「もちろん」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・
「」
ヤンデレって怖えぇな、と彩人は思った。