ありふれ世界のサイヤ人   作:M88星雲

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早くね?とか言わんでください。


絶望の銀翼

「・・・・・!!」

 

大の字に立ちふさがった彩人が倒れこむ。

 

「彩人君!!」

 

「彩人…!」

 

すぐさまユエとハジメが彩人に駆け寄る。四肢はひしゃげており生きてるかどうかさえも怪しい。欠損がないのはサイヤ人の頑丈さか。

ヒュドラが隙を逃すはずもなく無数の光弾を無数に撃ちだしてきた。まるでガトリングの掃射のような激しさだ。

急いで二人は傷ついた彩人を柱の裏に運び神水を飲ませた。しかし内臓にダメージを受けたか飲めない。仕方なく口移しで強引に飲ませ、外傷に神水を流すが、

 

「・・・治りが遅い」

 

「どうして…?」

 

実は、ヒュドラのあの極光には肉体を溶かしていく一種の毒の効果も含まれている。が、サイヤ人の強靭な肉体と神水の回復速度で治りはするが彩人は魔法耐性が無いので十分に効果が発揮出来ない。

治っては来ているのだが彩人が復活するまで柱が持たないと判断したハジメが飛び出した。

 

「ハジメ!」

 

「彩人君をお願い。私、コイツが許せない。それに時間稼ぎにもなるからね」

 

「…私も戦う!私も彩人を守る!」

 

ユエも出てきてしまった。魔力自体は減ってきているが彩人から貰った気によって動けるのだ。

 

「ユエ・・・。うん、行こう、今度は・・・」

 

「「私達が助ける番」」

 

ヒュドラの猛攻をかき分けて何とか反撃を試みるも光弾の弾幕が分厚く中々通らない。

 

「ハジメ!シュラ―ゲン、打てる!?」

 

「あ・・・うん、弾はあるけど・・・ユエ〝纏雷〟使える?」

 

「大丈夫・・・!」

 

「なら、私がアイツを引き付けるから魔力、頼めるかな」

 

「任せて・・・!接近戦は苦手だから・・・」

 

ユエがシュラ―ゲンに魔力を込める。ヒュドラがそうはさせまいとするがハジメのドンナーを受ける。

 

「・・・ッ、なんて硬さ・・・」

 

しかしドンナーでもヒュドラがダメージを受けているように見えなかった。しかしハジメは諦めずにヒュドラの気をそらすために発砲とリロードを繰り返す。ヒュドラはハジメが鬱陶しいと感じたかヘイトがハジメに向かう。ハジメはチャンスと思い強化されてきたとはいえ疲れを感じている体に鞭打って縮地で移動しヒュドラの猛攻をしのぐ。その隙をついてユエがシュラ―ゲンを構える。

 

『今だよ!』

 

『…ん!!』

 

ハジメの合図ですでに弾が装填されていたシュラ―ゲンからレーザー砲の如く弾丸が放たれヒュドラがユエのほうを振り向いた瞬間、弾丸がヒュドラの眉間にヒットする。

 

「やった…!」

 

「よし!」

 

先ほどを上回る威力で命中したが、ヒュドラはピンピンしていた。眉間から血が一筋流れ、それを舐めとる姿は強者の余裕を思わせる。

希望から絶望に変わる二人。ヒュドラは二人が離れた位置にいて自分に対抗する手段がないと判断したか再び光弾の雨を降らせた。

 

「ユエ!」

 

ハジメが縮地でユエを抱えて光弾を避けるがシュラ―ゲンが光弾の雨によって破壊されてしまった。

 

「…!ハジメ…」

 

しかもハジメも魔力を使い切ってしまいユエを抱えたまま動けなくなってしまう。

これで終わりだ、と言わんばかりにヒュドラはゆっくりと極光の準備を始める。

 

「させな…!?」

 

ユエも魔力が枯渇し魔法が空振りする。

ヒュドラの口にあふれんばかりの光が溜まる。そして無慈悲に光がはなたれようとした――――――

 

――――――――――――――――――――――

 

彩人はヒュドラの極光を受け、再び生死のはざまをさまよっていた。

 

「(体が・・・動かねえ・・・息が・・・苦しい・・・こんなとこで・・・)」

 

ハジメ達のおかげで辛うじて意識を取り戻したがいつ神水の効果が切れるかわからない。

 

「(原作でも・・・あの二人でどうにかなったが・・・)」

 

原作ではハジメは右目を失明し、全身に大ダメージを負いながらもヒュドラを倒した。それを思い出していると傷つきながらもドンナーを砲身が焼けるほど打ちまくるハジメと、シュラ―ゲンに残り少ないはずの魔力を懸命に注ぐユエの姿が。

 

「(・・・・目に迷いがない)」

 

圧倒的な相手であっても二人に諦めや迷いが微塵も感じなかった。そして周りを見渡すと神水の入っていた容器が空になってあちこちに転がっていた。

 

「(あの二人・・・そこまでして)」

 

自分を助けようとしているのだ。だが、シュラ―ゲンの一撃でもヒュドラは倒せなかった。

 

「(クソが・・・)」

 

ハジメがユエを庇うも二人はもう限界だった。

 

「(情けねえ・・・二人があぶねえのに・・・!倒れているだけの自分が・・・!)」

 

すると、彩人の周りに金色のオーラが出現し始めた。

 

「(〝守れ〟なくても・・・〝戦う〟ことは・・・出来る!怒れ・・・!弱い自分に!)」

 

そして彩人は完全には治りきっていない体であるにもかかわらず立ち上がった。気が高まると同時に彩人の黒い髪が逆立ち、一瞬金色になる。

 

「(世界の悪だろうが関係ねえ!ハジメを・・ユエを・・・傷つける奴は・・・!許さねえ!!!!)」

 

彩人の中にあるリミッターが外れる音がした。

 

「はぁあああああああああああああああああ!!!!!!」

 

そして溜まっていたものが弾けるように彩人は気力を放出した。その気力は魔物肉を食べたときよりも凄まじく迷宮全体を轟かせた。

 

――――――――――――――――――――――

 

極光がハジメとユエを今度こそ包もうとし、二人は目を閉じた。

 

『『彩人』君・・・ごめんなさい』

 

と心の中で謝罪する・・・が、痛みは全く無く謎の浮遊感に困惑する二人。恐る恐る二人が目を開くとそこにいたのは

 

「彩人・・・君?」

 

黄金の覇気を纏い金髪、緑目となった彩人だった。




超サイヤ人無双です。

ハジメはユエを助ける際、〝天歩〟の最終派生技能[+瞬光]が覚醒しています。
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